公開日:2020/12/04
更新日:2023/08/28

コミュニケーションとは|種類や組織に及ぼす障害などを解説

コミュニケーションとは|種類や組織に及ぼす障害などを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

コミュニケーションは、ビジネスをする上で必須のスキルの1つです。社外の人や顧客に対してはもちろん、社内、上司と部下という間柄でも重要です。多くの仕事はコミュニケーション無しでは成り立ちません。 また、近年では対面・電話以外にメール・SNSなどコミュニケーションの手段が多様化しており、様々なツールを通じたコミュニケーションに対応する力が必要です。 今回はコミュニケーションとは何か、コミュニケーション研修の実施のポイントをご紹介します。

 

01コミュニケーションとは

コミュニケーションとは、「意思や感情、思考を伝達する行為」のことを指します。

コミュニケーションの語源は、ラテン語の「communis」・「communicatio」という2つの説があります。前者は「共有の・共同の」という意味を持ち、後者は「共有すること」という意味です。

コミュニケーションの類語や言い換え

コミュニケーションを「伝達する行為」と捉えた場合、その類語や言い換えた表現には「会話」・「対話」などが該当するでしょう。

さらに、ビジネスの場においてコミュニケーションという言葉が用いられた際には、「意思疎通」や「擦り合わせ」・「相互理解」などもコミュニケーションを言い換えた言葉といえます。

 

02コミュニケーションについての意識

コミュニケーションを得意・苦手と感じている人の割合は、そこまでの差異がありません。一方で、意思疎通が他者と上手に取れなかったという経験がある人は6割を超えています。また、コミュニケーションをする上で、4割の人が「相手との人間関係を作り上げながら伝え合うこと」が難しいと感じているようです。

この章では、文化庁の調査データをもとに、コミュニケーションに関して、人々がどのように感じているのかを紹介します。

初対面の人と話をすることに対しての調査

「初めて会った人と話をすることについて、どのように感じるか」という問いに対して、「得意である」と「どちらかと言えば得意である」を選んだ人を合わせると42.9%という結果でした。一方で、「どちらかと言えば苦手である」と「苦手である」を合わせた割合は55.5%となり、そこまでの差異がないことがわかります。

年齢別での結果は以下のとおりです。※得意は、「得意である」・「どちらかと言えば得意である」の合計値。苦手は、「苦手である」・「どちらかと言えば苦手である」の合計値です。

年代 得意 苦手 わからない
全体 42.9% 55.5% 1.6%
16~19歳 46.2% 53.8%
20代 46.3% 52.6% 1.1%
30代 39.4% 59.1% 1.5%
40代 45.7% 54.0% 0.3%
50代 45.7% 53.2% 1.1%
60歳以上 40.6% 56.7% 2.7%

▶︎参考:文化庁|「国語に関する世論調査」におけるいわゆる「コミュニケーション」に関する問い

このように年齢別でみても、年代で大きな差がないことがわかります。つまり、コミュニケーションが得意と感じている人、苦手と感じている人は年齢を重ねても変化が起きないということかもしれません。

意思疎通に関しての調査データ

文化庁は、相手の言いたいことが正しく受け止められなかった、自分の言いたいことを伝わらなかったという経験があるかどうかも調査しています。他者とコミュニケーションをとり、意思疎通を図るには「聞く力」と「伝える力」が欠かせないですが、いずれも6割以上の人が意思疎通を図れなった経験があるという結果となっています。

聞く力について

文化庁は、「誰かの話を聞いていて、その人の言いたかったことと、自分の受け取ったこととが食い違っていたという経験があるか」を調査しています。「よくある」と「時々ある」を選んだ人の合計は66.5%。「余りない」と「ない」と回答した人の合計は33.3%でした。年代別の結果は以下のとおりです。

年代 ある(合計) ない(合計) わからない
全体 66.5% 33.3% 0.2%
16~19歳 81.1% 18.9%
20代 77.7% 22.3%
30代 71.1% 28.9%
40代 69.1% 30.6% 0.3%
50代 70.3% 29.7%
60歳以上 59.7% 39.9% 0.4%

▶︎参考:文化庁|「国語に関する世論調査」におけるいわゆる「コミュニケーション」に関する問い

上記の結果を見ると、年齢を重ねることで相手の言いたいことを理解する力は向上していることがわかります。つまり、「聞く力」は社会経験や教養の広さなどが影響しており、年齢を重ねた経験や知識の豊富な人ほど「聞く力」が増しますが、30代ほどで一定の基準に達して「聞く力」が向上しなくなるのかもしれません。

伝える力について

文化庁は、「誰かに話をしていて、自分の言いたかったことが、相手にうまく伝わらなかったという経験があるか」も聞いています。「よくある」と「時々ある」を選んだ人の合計は63.4%。「余りない」と「ない」と回答した人の合計は36.3%でした。年代別の結果は以下のとおりです。

年代 ある(合計) ない(合計) わからない
全体 63.4% 36.3% 0.2%
16~19歳 68.9% 31.1%
20代 70.3% 29.7%
30代 71.1% 28.9%
40代 66.7% 33.3%
50代 68.7% 31.3%
60歳以上 56.6% 42.9% 0.5%

▶︎参考:文化庁|「国語に関する世論調査」におけるいわゆる「コミュニケーション」に関する問い

自分の言いたいことが伝わらなかったという経験は、年齢別でみても大きな差がないことがわかります。この要因には、「伝える力」は年齢を重ねても向上しないという可能性と、伝わるかどうかは相手の「聞く力」にも影響を受けるので年齢によって変わらないという可能性が考えられます。60歳以上である(合計)が56.6%まで下がっていることを考えると、定年退職後で会話をする人が限定されることが想定され、伝わるかどうかは相手による「聞く力」に起因するものと思われます。

コミュニケーションにおいて何を重視しているかの調査

人とのコミュニケーションにおいて、「相手との人間関係を作り上げながら伝え合うこと」と「根拠や理由を明確にして論理的に伝え合うこと」のどちらを重視するかを調査した結果は以下のとおりです。

回答項目 割合
「相手との人間関係を作り上げながら伝え合うこと」の方を重視する 65.1%
「根拠や理由を明確にして論理的に伝え合うこと」の方を重視する 15.0%
相手や状況によって異なるので、どちらか一つには絞れない 14.9%
どちらも重視していない 3.7%
わからない 1.4%

▶︎参考:文化庁|「国語に関する世論調査」におけるいわゆる「コミュニケーション」に関する問い

このように、多くの人が論理的なコミュニケーションよりも人間関係の構築に寄ったコミュニケーションを重視しているようです。男性で人間関係の構築を重視している人が58.8%であるのに対して、女性は70.3%と高く、女性の方が人間関係を重視したコミュニケーションを重視しています。

 

03コミュニケーションの種類

コミュニケーションを取る方法は、主に以下の4つがあります。

  • ・対話型コミュニケーション
  • ・非言語コミュニケーション
  • ・テキストコミュニケーション
  • ・ビジュアルコミュニケーション

以下で、それぞれのコミュニケーション方法について詳しく紹介します。

対話型コミュニケーション

対話型コミュニケーションとは、主に言葉(音声)によって情報を伝達する方法です。対話型コミュニケーションのみで完結するケースには、電話での会話やラジオなどの音声メディアが挙げられます。

一方で、対話型コミュニケーションだけで情報を伝達することは少なく、身振りや手振りなどの非言語コミュニケーションが加わったり、プレゼンテーション資料を用いたビジュアルコミュニケーションと併用したりして、用いられることが多いです。

非言語コミュニケーション

非言語型コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)とは、表情や身振り、手振りなどのボディランゲージを用いて、情報を伝達する方法です。

非言語型コミュニケーションは、対話型コミュニケーションで伝えきれない情報を補うために用いられます。例えば、「なぜ?」という言葉を強い口調で言うと怒っていることが伝わり、優しい口調で言うと疑問を抱いている状態という情報が相手に伝達されます。

【関連記事】ノンバーバルコミュニケーションとは

テキストコミュニケーション

テキストコミュニケーションとは、文字で情報を伝達する方法です。手紙やメモ、メールやチャットツールなどを用いたコミュニケーション手法といえます。

テキストコミュニケーションはインターネットの普及によって、注目を集めたコミュニケーション手法です。ポケベル、SMS、メール、LINEといったように、時代ごとに主要なツールは変わりますが、いずれもテキストコミュニケーションです。

ビジュアルコミュニケーション

ビジュアルコミュニケーションとは、絵や写真、表やグラフなど視覚的に情報を伝達する方法です。ビジネスの場においては、プレゼンテーションや商談時の資料などがビジュアルコミュニケーションの代表例といえます。

ビジュアルコミュニケーションは非言語コミュニケーションの1種ともいえ、対話型コミュニケーションで伝達しきれない情報を補う役割で用いられます。

 

04コミュ二ケーションの重要性

コミュニケーションは、人だけでなく動物においても生きていく上で欠かせません。集合体の中で生きていくには、相互にコミュニケーションをとり、情報を伝達する必要があるからです。

この章では、ビジネスの場においてコミュニケーションがなぜ重要かを紹介します。

情報共有と効率性

ビジネス環境では、情報を適切に共有することが極めて重要です。従業員間や部門間での情報共有を通じて、プロジェクトの進行状況や重要な決定に関する情報が円滑に行き渡ります。効果的なコミュニケーションは、業務の効率性を向上させる要因となります。

チームワークと協力

チームでの作業が一般的なビジネス環境では、チームメンバー同士のコミュニケーションが成功の鍵となります。適切なコミュニケーションを通じて、タスクの分担や進捗の共有、アイデアの交換が行われ、効果的な協力が可能になります。

顧客との関係構築

顧客とのコミュニケーションは、ビジネスの成功に直結します。顧客のニーズや要望を正しく理解し、それに対応する商品やサービスを提供するために、適切なコミュニケーションを行う必要があります。顧客との良好な関係は、信頼を築き、リピートビジネスや口コミでの広がりを促進します。

リーダーシップ

ビジネス環境では、リーダーがチームを導き、目標を達成するために指示やビジョンを明確に伝える必要があります。リーダーシップの一環として、適切なコミュニケーションを通じて方向性を示し、チームメンバーを動機付けます。

問題解決と課題の解明

問題や課題が発生した際には、適切なコミュニケーションを通じて原因や解決策を共有することが重要です。誤解や誤った情報に基づく意見の食い違いを避け、円滑な問題解決を実現します。

 

05コミュニケーション不足が組織に及ぼす障害

コミュニケーション不足が組織に与える影響は甚大です。情報の不正確さや不明瞭さが生じ、協力とチームワークが損なわれ、従業員のモチベーション低下や不信感、コンフリクトにも繋がります。

“コミュニケーション不足による業務障害”

HR総研が2023年3月に発表した調査をみても、「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になる」と考えている企業の人事責任者・担当者は9割以上という結果となっています。

この章では、コミュニケーション不足が組織に及ぼす障害について紹介します。

コミュニケーション不足による業務障害の内容

“コミュニケーション不足による業務障害の内容”

コミュニケーション不足による業務障害の内容について、企業規模別に関わらず「迅速な情報共有」が最も多いという結果となっています。次いで、1,001名以上・300名以下の企業は「部署内のチームビルディング」を「迅速な情報共有」に次ぐ障害と捉えているのに対して、301~1,000名の企業では「部門間・事業所間の連携」という回答が多いという結果となっています。

▶︎引用:HR総研|社内コミュニケーションに関するアンケート

コミュニケーションに最も課題があると思われる関係間

“コミュニケーションに最も課題があると思われる関係間”

コミュニケーションに最も課題があると思われる関係間は、1.001名以上の大企業では「部署内の課長とメンバー」が最も多いという結果となりました。一方で、1,000名以下の企業においては「経営層と社員」の関係間でコミュニケーションに課題があると感じているようです。大企業では経営層と社員のコミュニケーションはそもそも無いものという前提であるのに対して、1,000名以下の企業では経営層と社員の間でコミュニケーションをとることが可能である中で、意思疎通が図れなくなっていることを危惧しているのかもしれません。

▶︎引用:HR総研|社内コミュニケーションに関するアンケート

最も課題がある関係間でのコミュニケーション不全による業務の障害

“最も課題がある関係間でのコミュニケーション不全による業務の障害”

最も課題がある関係間でのコミュニケーション不全による業務の障害は、企業規模に関わらず「目指す方向への認識の統一」が最も多いという結果となっています。「上司と部下」や「経営層と社員」に代表されるような縦の関係において、コミュニケーションがうまくいっておらず、経営方針や事業戦略などが社員全体に浸透していないのでしょう。

次いで「迅速な情報共有」や「部門間・事業所間の連携」などが上位の回答率となっています。「目指す方向への認識の統一」が不十分な理由として、これらの項目が影響しているのかもしれません。

▶︎引用:HR総研|社内コミュニケーションに関するアンケート

最も優先して解決したい業務の障害

“最も優先して解決したい業務の障害”

コミュニケーション不全による業務の障害において、最も優先して解決したい課題も企業規模に関わらず「目指す方向への認識の統一」でした。一方で、コミュニケーション不全による業務の障害で上位だった「迅速な情報共有」を、解決すべきと考えている企業の割合は下がっています。

その代わり、「業務へのモチベーション向上」や「エンゲージメント向上」を最も優先して解決したいと回答した企業が増えているという結果となっています。モチベーションやエンゲージメントは業績に大きな影響を及ぼす指標であることが、このような結果に繋がっていると推察されます。


 

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07まとめ

今回はコミュニケーションとは何か、コミュニケーション研修の実施のポイントをご紹介しました。コミュニケーション研修によって社員のコミュニケーションスキルが向上すると生産性の向上など様々なメリットが期待できます。コロナ禍で対面コミュニケーションが減少する今、意思伝達が行き違いや勘違いを起こさず、最適な対応ができるようにコミュニケーション研修を検討されてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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