問題解決とは?構成する要素や導入するメリット・手法などを解説

ビジネスパーソンに必須の問題解決力。身に着けるには基本が大事になります。定義や基本的な過程(プロセス)、を分かりやすく解説します。
- 01.問題解決の定義
- 02.問題解決の過程(プロセス大全)
- 03.問題解決力を高めるメリット
- 04.問題解決力を高めるには
- 05.Schooビジネスプランの特徴
- 06.まとめ
01問題解決の定義
最初に「問題解決」の定義について解説します。ここで必ず理解しなければならないのは、「問題」とは何かです。
問題とは

「問題」とは、「あるべき姿(状態)」と「現状」の差がある状態です。(図1) 何を問題として設定すべきかは、問題解決の根幹です。なぜなら、ここがずれてしまうと、解決しなくてもよいことを問題として設定してしまうことがあるからです。
「問題解決」とは
あるべき姿と現状の差である「問題」を解決するとは、問題の背後の、真の問題を特定し、原因に対する解決策を講ずることで、解決することです。 例えば、売上が足らないというのは確かに問題ですが、それを引き起こしている真の問題があるはずです。そこを突き止めない限り、売上を目標どおり到達させるための対策を講ずるのは困難です。 このように、表層の問題ではなく、真の問題を特定し、原因に対する解決策を講ずることが、問題解決のプロセスです。
「問題」と「課題」の違い
問題と混同される表現で、「課題」があります。問題の定義は上述のとおりですが、「課題」は問題の原因に対して、解決する方向性です。 下記の1~3を例に説明します。 売上が目標に対して届いていない ⇒問題 売上が目標に対して届いていない→営業の訪問数が少ないから ⇒問題 営業の訪問数が少ない→行動計画ができていない→行動計画の立案 ⇒課題 売上が目標に対して届いていないのは問題です。 売上が足らない原因を検討していくと、営業の訪問数が少ないことが分かりました。これはまだ問題です。 営業の訪問数が少ないのは、きちんと計画ができていないからであり、計画をきちんと立てさせることを対策として行うことにしました。これが課題です。 このように、課題とは、問題の原因に対して、解決する方向性のことなのです。
02問題解決の過程(プロセス大全)
問題解決のプロセスを解説します。プロセスの全体像は下記です。 問題を定義する 真の問題を定義する 問題の原因を特定する 原因に対する解決策を立案する 解決策を実行する・解決策を評価する ひとつずつ、解説します。
1.問題を定義する
まず最初のプロセスは「問題を定義する」ことです。前述のとおり、あるべき姿と現状の差をきちんと定義することです。 この際、あるべき姿を具体的に設定しておかないと、漠然とした問題を扱うことになります。 例えば、先ほどから例示している「売上が足らない」という例も、どの商品で、どの顧客群で、どのような販売戦略が「あるべき姿」なのか、最初に具体的に設定しておく必要があります。 なぜなら、次のプロセスで真の問題を特定するときに、あまりにも漠然としてしまうと特定しにくいからです。 具体的に設定した「あるべき姿」から現状との差を、文章にしておきましょう。
2.真の問題を定義する
次のプロセスは、真の問題を定義します。 商品別で、目標に達していないのはどこか 顧客群で、目標に達していないのはどこか 販売戦略が予定どおり進まなかったのか など、売上が足らないという問題に起因している真の問題を特定します。 この時、想定や目標に一番大きなギャップを抱えているのが、真の問題候補です。各問題の前後関係も加味しながら、絞り込んでいきます。 このプロセスは、改善すればインパクトの大きい問題を定義すると、言い換えることもできます。
3.問題の原因を特定する
次のプロセスは、問題の原因を特定します。 なぜこの問題が起きているのか、「なぜ」を繰り返して原因を追及していきます。 ここで原因をきちんと特定できないと、問題は解決されないため、とても重要なプロセスです。 後ほど、方法を解説します。
4.原因に対する解決策を立案する
次のプロセスは、原因を根本的に解決するための方策を立案します。 プロセス1~3を経て、売上が足らない問題に対して、顧客群別で確認すると、大手顧客からの受注が目標に対して大きくギャップを生じているとします。 解決すべきテーマが、「大手顧客の大型受注の促進」であれば、 現担当営業のスキルアップ スキルのある営業を担当にする(担当営業の配置変更) などが考えられます。リスクやメリット・デメリットを勘案して、具体的に計画していきます。
4.原因に対する解決策を立案する
次のプロセスは、原因を根本的に解決するための方策を立案します。 プロセス1~3を経て、売上が足らない問題に対して、顧客群別で確認すると、大手顧客からの受注が目標に対して大きくギャップを生じているとします。 解決すべきテーマが、「大手顧客の大型受注の促進」であれば、 現担当営業のスキルアップ スキルのある営業を担当にする(担当営業の配置変更) などが考えられます。リスクやメリット・デメリットを勘案して、具体的に計画していきます。
5.解決策を実行する・解決策を評価する
次のプロセスは、解決策を実行し、解決策を評価します。 この時、解決策の評価は、解決しようとしていた問題が解決されているかどうかで評価していきます。 計画では、できるだけ早く評価できるように、あらかじめ評価のジャッジポイントを決めておくと良いでしょう。 「大手顧客の大型受注の促進」という解決テーマが、全体売上にどれだけ寄与しているのかが、1年後に分かっても時すでに遅しです。 どの時期に、どれくらいの売上を上げていればいいのか設定しておき早めに評価できるようにしておきましょう。
03問題解決力を高めるメリット
社員の問題解決力を高めることができれば、下記のメリットが期待できます。 メリット1:PDCAがまわるようになる メリット2:重要な課題に対応できるようになる メリット3:仕事の成果が上がる
メリット1:PDCAがまわるようになる
問題解決力を高めれば、社員のPDCAがまわるようになってきます。 なぜなら、問題解決のプロセスは、PDCAの流れとも言えるからです。 目標や到達するべき計画(あるべき姿)を定める 実行しながら途中のギャップを確認 問題を定義、原因に対して解決するアクションを行う 評価する このように、プロジェクト単位でも、日々の業務でも、目標に対してPDCAがまわるようになるのです。
メリット2:重要な課題に対応できるようになる
問題解決力を高めれば、重要な課題設定をして対応できるようになります。 なぜなら、問題の原因が特定できず、改善できないことも、ビジネスシーンでは多々あるからです。 その時にインパクトのある課題設定をし、解決するには、問題解決力が必要です。 問題解決力を高めれば、重要な課題に対応できるようになります。
メリット3:仕事の成果が上がる
問題解決力を高めれば、社員の仕事の成果が上がります。 なぜなら、上記のとおり、ビジネスシーンは問題解決の連続であり、あるべき姿に到達するための問題を解決することで、少しずつでもあるべき姿に到達する可能性が高まるからです。 経済産業省でも、今後必要とされる人材の考察を行っていますが、問題解決(課題設定力)を重要視しています。 このように、仕事の成果を高めるには、問題解決力が重要なのです。
04問題解決力を高めるには
では、社員の問題解決力を高めるにはどうすればいいのでしょうか。 前述の、問題解決のプロセスを理解していただくとともに、下記の取り組みや活用をおすすめします。 「なぜ」を5回繰り返す ロジックツリーで問題を深堀りする MECEでもれなく、重なりなくを意識する

「なぜ」を5回繰り返す
トヨタ生産方式のカイゼンという取り組みを有名にした、「なぜ」を5回繰り返す問題の原因追及は、問題解決力を高めるには有効です。 なぜなら、問題の原因が特定できないと、問題を解決できないからです。 商品が売れない⇒商品をもっと売る 納期に間に合わなかった⇒間に合うように急ぐ 商品も売れないでしょうし、納期はまた遅れることになるでしょう。問題解決ができていないのは、原因がつかめていないためとも言えるのです。 このように、問題の原因をあぶりだすために「なぜ」を5回繰り返すのは有効です。
ロジックツリーで問題を深堀りする
5回繰り返しても、なかなか原因を特定するのが難しい場合があります。そんな時は道具に頼るのが有効です。 ロジックツリーは、問題を深堀して、原因を特定するのに利用できます。 ダイエットの効果が出ないのは、食事なのか、運動なのか、ダイエットのやり方に問題があるのか、それぞれ検討していくのです。 ロジックツリーを作成する際は、もれがなく、かつダブリがない状態で第2階層、第3階層と展開していくことが重要です。
MECEでもれなく、重なりなくを意識する
ロジックツリーの他にも、いくつか問題解決に応用できる、ロジカルシンキングのフレームワークがあります。 「MECE (Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)」という手法です。 MECEとは、重なりなく、しかもモレのない部分の集まりで全体を捉えることです。 ロジックツリーの第2階層、第3階層への展開に利用できます。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

05Schooビジネスプランの特徴
Schooビジネスプランでは約6000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
1.研修と自己啓発を両方行うことができる
schooビジネスプランは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約6000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
2.〇〇研修におすすめのSchooの研修パッケージ
様々な研修に対応できるSchooビジネスプランの研修パッケージですが、もちろん〇〇研修にも対応しています。Schooの〇〇研修パッケージには、基礎レベルのロジカルシンキングから、実践レベルのロジカルシンキング、さらにはマインドマップを活用したロジカルシンキングまでがラインナップされており、ロジカルシンキングに必要なスキルや知識をこの研修パッケージで網羅できます。
さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。
3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる
Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

まず、Schooビジネスプランの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
06まとめ
問題とは、あるべき姿と現状の差です。まずは適切な問題を定義することが重要です。 次に真の問題と原因を特定し、解決策を立案し、実行・評価するのが問題解決の全体像です。 社員の問題解決力を高めるには、問題解決のプロセスを理解してもらうと同時に、ロジックツリーやMECEなど、基本的なフレームワークを学ばせることが重要です。