公開日:2021/05/31
更新日:2023/04/23

議事録の理想的な書き方は?業種に合わせた例文を紹介

議事録の理想的な書き方は?業種に合わせた例文を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

本記事では、議事録の定義や役割について紹介しています。また、議事録を作成するときのポイントや議事録の主な作成手順、場面に応じた議事録の例も紹介しています。本記事を日々の議事録を見直すきっかけとし、理想的な議事録作成にお役立てください。

 

01議事録の目的とは

議事録とは、社内会議や取引先との打合せにおける、会話のやり取りを記録したものです。後々の業務において、会話の内容を参考にしたいときにも役立つ備忘録の役割も持っています。会議における議事録は、会議の参加者や社内関係者と会議の内容を共有するために、欠かせない存在なのです。

議事録のなかでも、特に法律で定めがあるなど重要な意味合いを持つ議事録が存在します。ひとつ目は、取締役会議事録です。取締役会議事録とは、会社法第101条第3項及び第4項に定められている事項を記録した書面又は電磁的記録のことで、取締役会開催における議事の経過と結果・決議事項について、特別利害関係を有する取締役の氏名や意見・発言内容の概要などの記載が必要とされています。 ふたつ目は、創立総会議事録です。創立総会議事録は、法人設立時(会社登記の申請)に必須の添付書類を指します。創立総会議事録には、発起人会や創立総会、特に会社設立時の役員の選任方法などに関する事項が記載されることになります。

ここでは議事録の目的について詳しく見ていきます。

目的1:備忘録

議事録は、単に会議の内容を会話通りそのまま記録すればよいというものではありません。ここでは、議事録が持つ役割について改めて確認し、より理想的な議事録とは何かについて考えます。 議事録は、会議に参加していない人に会議の内容を周知し、参加した人の備忘録という役割を担っています。したがって、会議に参加していた人が内容を正しく理解できるように、また参加していた人も誤認識が生じないように、正確な情報を適切な表現で記載する必要があるのです。

目的2:ネクストアクションの確認

会議では、重要な決定事項がなされることが多いため、後々のトラブルを避けるには、議事録によって決定事項の承認者を明確にすることが有効です。決定事項の内容や期限、担当者などの詳細の情報について、議事録で明確にしておくことでその後の業務をスムーズにする効果を期待できます。

目的3:認識の齟齬をなくす

会議で決まった事項をまとめて、会議の参加者に共有することで認識の齟齬をなくすことも議事録を取る重要な目的の1つです。会議では多くの人が同時並行で話すことも珍しくありません。また、様々な議題を話していると最初の議題で決まったことや前提条件の認識がズレてくる可能性があります。そのため、議事録に残しておき認識齟齬をなくすことが重要なのです。

 

02議事録を書くときに必要な6つの要素

議事録をせっかく取っても見にくかったり、分かりにくかったりすると、本来の目的を果たす前に読んでもらうことさえ出来ないかもしれません。この章では、「議事録の書き方」超入門というSchooの授業から、議事録に必要な6つの要素について解説します。

「議事録の書き方」超入門

「議事録の書き方」超入門

  • マーケティングコーチ「短期間で成果につなげる1枚超訳家」

    約6000商品のプロモーション開発、大手企業100社超のコンサルティング経験を体系化し、「“紙1枚”にまとめる」メソッドをプログラム化、これまでの受講者は、のべ4万人を超える。著書として、『迷えるリーダーがいますぐ持つべき1枚の未来地図』(日経BP社)他多数。横浜国立大学成長戦略センター研究員、横浜国立大学客員講師、早稲田大学エクステンションセンター講師。CRMダイレクト株式会社代表取締役。

1.会議の情報

第一に会議の情報を記載します。情報の範囲は、「日時」、「場所」、「参加者」が対象です。会議の情報を記載する目的は、時間が経過しても遡って思い出すことができるようにすることです。「〇月〇日の〇会議室で行った会議」ということがわかるだけでも、会議の内容を思い出す手助けになります。

2.目的

2つめの要素は、会議の目的です。「何が決まれば会議が終わるのか」、「いくつアイデアが出れば会議を終了できるか」といったゴールを議事録に記載します。目的を記載することで、会議後の行動計画を立てるのに役立つだけでなく、会議の成果や意思決定の根拠を後から振り返りやすくなります。また、会議に参加していなかった人が、後から議事録を見たときに、会議の目的や内容を理解しやすくなり、情報共有が円滑になります。加えて、目的を設定することで会議自体が意味もなく始まり、意味もなく終わることを防ぎます。

3.議題

3つめの要素は議題です。会議で具体的に何について話したのかを記載しておくことで、議論の内容を正確に把握できます。また、議題の書き方として、疑問文になっていることが望ましいです。疑問となっている議題について、後述する「議事」で回答を記載する、という流れでの方が、内容を理解しやすくなります。議題は「〇〇のアイデアについて最低でも5案まとめる」といったように具体的に記載するようにしましょう。5W1Hで考えていくことがおすすめです。

4.議事

4つめの要素は議事です。議題について、話した内容を記載していきます。前述した通り、記載した内容が議題に対する回答になっているように意識してみてください。また、注意点として、参加者全員の発言を事細かに記載する、ということよりも、議題に対する回答やポイントについて記載することが大切です。要点を抑えて議事を作成することで、後で見返したときに、内容を素早く把握することにつながります。そのため、議事は20文字前後で記載していくことが望ましいでしょう。

5.成果

5つめの要素は成果です。会議を通して、決まったことや、決まらなかったこと、共有できた情報などを記載していきます。成果を記載しないと、話し合った結果がどうだったのか、決めたいことが決められたのかがわかりづらく、今後の行動に支障が出る可能性があります。議事との違いとしては、議事は議題と対にして考えるのに対して、成果は「目的に対しての結果」という考え方をすると良いです。会議全体のゴールに対して、達成できたか否かなどを記載するようにしましょう。

6.タスク・担当・期日

6つめはタスク・担当・期日です。会議の結果、決まった内容に対して今後何をしていくのかを記載します。いずれの項目も欠けてしまうと、何をすればいいのか、誰がやらなければならないのか、いつまでにやる必要があるのかがわからなくなってしまうので、注意が必要です。

 

03正しい議事録の書き方

前述した議事録に必要な6つの要素を踏まえて、どのように議事録を作成していけばいいのでしょうか。ここでは、正しい議事録の書き方を3つ解説します。

要点をまとめて記載する

先ほど触れたように、わかりやすい文章を書くためには、5W1Hの法則を意識することが大切です。5W1Hとは、以下の頭文字を取った言葉です。

  • When:いつ
  • Where:どこで
  • Who:誰が
  • What:何を
  • Why:なぜ
  • How:どのように

議事録においても、5W1Hを意識して記録すると、議事録を読む人全員に内容が正しく伝わります。具体的に、以下を意識して作成するように心がけてください。

  • When:いつ=会議の日程や時間
  • Where:どこで=会議が行われた場所
  • Who:誰が=会議の参加者
  • What:何を=議題
  • Why:なぜ=会議の目的
  • How:どのように=会議の開催方法

また、5W1Hを意識した議事録の作成ができる人を、あらかじめ議事録作成の担当者にしておくのもおすすめです。

読みやすくわかりやすい議事録の書き方がベスト

誰が読んでもわかりやすく、正確に情報が伝わる議事録を作成するためには、読み手を意識した簡潔な書き方を心がけることです。内容を長文で記載するよりは、要点のみを端的に箇条書きで記載する方が、読み手に情報が伝わりやすいと考えられます。 また、インターネット上で紹介されている議事録フォーマットを用意しておき、議事録作成に活用するのもおすすめです。議事録作成のツールを見直し、自分が作成しやすいものを見つけておくと議事録作成の効率が向上しますよ。

加えて、後々見返した際にわかりやすいものという観点では、重要なことを色付けしたり、太字で目立たせることもおすすめです。後々見返した時に、どこが特に大事かが視覚的に認識しやすくなるので、活用していきましょう。

 

04議事録を作成するときのポイント

議事録は会話をありのまま記録するのではなく、誰が見てもわかりやすいように端的かつ正確に情報を記録することが重要です。ここでは、理想的な議事録を作成するために、気をつけたいポイントを紹介します。

1枚化

1枚化とは、議事録の内容を1枚にまとめることです。複数枚にまたがった議事録は読みづらく、要点がうまくまとまっていないということでもあります。初めは慣れないかもしれませんが、発言の内容をうまく要約しながら、1枚にまとめるということを意識してみてください。また、どうしても1枚に収まらない内容があれば、サブエビデンスという形で別紙を用意したり、ホワイトボードに記載したものを撮影していくことも手です。見える化しておくことで、後々見返した時に思い出す事ができます。

録画

議事録として紙で残すだけではなく、ホワイトボードに書かれた内容を画像として保存しておいたり、オンライン会議を動画として保存するといった方法もあります。画像や動画内を見るだけで、どのようなことを話していたのかを思い出せるのであれば、それも議事録の一つです。他にも、チャットツールに保存しておくことも有効です。これらの保存方法を活用することで、議事録にまとめる内容は要点に留めておき、枝葉の情報は画像や動画を確認する、といったことができるようになります。

また、長時間の会議や議事録を取ることが追いつかないような場合は、音声入力などを活用することもおすすめです。Googleが提供する音声入力機能はかなりの早口言葉も反映する事ができます。自分自身で議事録を記載していくのと並行して、こうしたツールを活用することで会議内容の抜け漏れをなくす事ができます。

 

05議事録の事例を紹介

ここでは、具体的な議事録について、良い事例と悪い事例をご紹介しながら、ポイントを解説していきます。

議事録の良い事例

まずは、前述した議事録の6つの要素を踏まえながら要点がまとまっている議事録の事例です。

会議名:商品企画会議

開催日:2023年4月20日 16:00~17:00
場所:本社5F会議室
出席者:Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさん、Gさん

目的:新商品の開発に向けたアイデア出し会議

議題:現在の市場動向について、何が求められているのか?
新商品に求められる要件は何か?

議事:
・現在の市場動向について、何が求められているのか?
・健康志向が高まっており、スーパーフードが注目されている
・ノンアルコール飲料の需要が高まっている

・新商品に求められる要件は何か?
・健康に良い成分が多く含まれていることが求められる
・手軽に飲めることが求められる

成果
・市場動向に関する情報を共有することができた。
・新商品に求められる要件を明確にすることができた。

タスク・担当・期日
・スーパーフードに関する情報収集を行う。 担当:Aさん 期日:4月27日(水)
・新商品の設計案をまとめる。 担当:Bさん 期日:5月11日(水)
・栄養補助飲料としての商品アイデアをまとめる。 担当:Cさん 期日:5月11日(水)

 

上記の事例では、会議で何について話、何を決めることができ、誰がいつまでに何をすればいいのかについて参加者がわかるようになっています。

議事録の悪い事例

次に、うまく内容がまとめられていない議事録の悪い事例をご紹介します。

会議名:新サービス開発会議

開催日:2023年4月22日(金)10:00〜11:30
場所:会議室A
出席者:Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん

議題:新規サービスの開発について

議事:
Aさん: そもそも、今の競合サービスにはどのようなものがあるか?
Eさん: 最近はAIを活用したサービスが増えている気がする。
Aさん: AIを使って何かできないかを検討。
Bさん: AIを使うにしても、どういう形で活用するかは具体的に決める必要がある。
Cさん: 具体的にどういう機能を実装するか考える必要もある。
Dさん: 活用方法だけでなくどういうユーザー層を狙うかも大事。

成果
・AIを活用した新規サービスのアイデアを出し合うこと
・ユーザー層を考慮した機能のリストを作成すること
 

 

上記の事例では、参加者の発言を細かく記載してしまっており、何が重要なのか分かりづらくなっています。また、何を目的としているのかもわかりづらい上に、会議の後に誰が何をするのかといったアクションも具体的に決まっていません。これでは、会議の成果を上げることができません。議事録は、簡潔かつ明確に記録することが大事であることが分かります。

 

06議事録の上達方法

わかりやすい議事録を書くためには、どのような訓練が必要なのでしょうか。ここでは、議事録の書き方を上達させる方法について、4つご紹介します。

集合学習

集合学習は、他の人と一緒に学ぶことで相互に学習を促し、より深い理解を得る方法です。議事録を上達させるためには、集合学習によって他の人がどのように議事録を書いているかを学ぶことができます。また、他の人との議論やフィードバックを通じて、より効果的な議事録を書くためのスキルを身につけることができます。

OJT

OJT(On-the-Job Training)は、実際に業務を行いながら、上司や先輩から指導を受けることで学習する方法です。議事録を上達させるためには、OJTを通じて、上司や先輩からのアドバイスや指導を受けることができます。また、実際に会議に参加し、議事録を作成する経験を積むことができます。

オンライン学習

オンライン学習は、インターネットを通じて学ぶことができる方法です。時間や場所を選ばず学習できるため、自分のペースで学習することができるというメリットがあります。オンライン学習で学べる内容として、例えば、議事録の書き方やフォーマット、表現方法などの基本的なスキルを学ぶことができます。

実践学習

実践学習は、実際に業務を行いながら学習する方法です。議事録を上達させるためには、実践学習によって、実際に会議に参加し、議事録を作成することが重要です。また、実践学習によって、自分で作成した議事録に対して、上司や先輩からフィードバックを受けることができます。このフィードバックを元に、より良い議事録を作成するスキルを身につけることができます。


 

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06議事録に関するSchooの授業

オンライン研修サービスSchoo for Businessでは、8,000本以上の授業を自由に選択して、独自の研修カリキュラムを作成することができます。この章では、Schooにある8,000本以上の授業の中から、議事録に関する授業を一部紹介します。

「議事録の書き方」超入門

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この授業では議事録の書き方の基本を、リモートならではのお悩みも織り交ぜながら解説します。議事録の本筋を掴むために「そもそもなぜ議事録を書く必要があるのか」を深堀ったあとに、実際の書き方を学ぶことができます。

  • マーケティングコーチ「短期間で成果につなげる1枚超訳家」

    約6000商品のプロモーション開発、大手企業100社超のコンサルティング経験を体系化し、「“紙1枚”にまとめる」メソッドをプログラム化、これまでの受講者は、のべ4万人を超える。著書として、『迷えるリーダーがいますぐ持つべき1枚の未来地図』(日経BP社)他多数。横浜国立大学成長戦略センター研究員、横浜国立大学客員講師、早稲田大学エクステンションセンター講師。CRMダイレクト株式会社代表取締役。

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ファクトとロジックで相手に伝わる「箇条書き思考」

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この授業では、アウトプットの精度を高くするための「“実態を表す”情報」(ファクト)と「“共感を呼ぶ”論拠」(ロジック)を意識した「箇条書き」について学びます。

  • リサーチャー

    マーケティングリサーチのリーディングカンパニー「マクロミル」で、外資系コンサル・大手広告代理店・シンクタンクチームに所属し、月次500点以上のファクトデータを収集するリサーチ業務に携わる。現在は国内通信最大手のグループ企業にて、中期経営計画・ブランド策定など会社の意思決定に関わるロジックデータを手がけ、企画立案のために作成する資料は年間1,000ページ超に及ぶ。

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自動化で「日報・議事録・本日の業務」の共有を業務改善しよう

自動化で「日報・議事録・本日の業務」の共有を業務改善しよう
 

この授業では、社内共有ドキュメントの作成業務と共有業務を自動で行う仕組みをプログラミングなしで実現する方法を学びます。「日報作成」・「定例会議のアジェンダ」・「議事録」などのドキュメントを、「Notion」というクラウド活用ノーコードを軸に自動で共有出来るようにしていきます。

  • オンラインサロン【NoCodeCamp】運営

    日本初&日本最大のNoCode専門オンラインサロン【NoCodeCamp】を宮崎翼氏と運営。 (サロン規模はNoCode専門として最大手Makerpad(ロンドン)に次ぐ世界2位) SNSなどでNoCode(ノーコード)情報を発信しており、note記事【プログラミング不要のNoCode(ノーコード)とは?どうやって学習するの?】は100,000PVを突破。

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07まとめ

議事録は単なる記録だけではなく、社内に議事内容を周知して業務効率の向上につながります。また、取引先との商談における会話を残しておき、後々のトラブルを防ぐ効果もあります。議事録はビジネスにおける基本として、入社後すぐに先輩から教わった方も多いと思います。この機会に改めて議事録の大切さを認識し、注意すべきポイントを意識して議事録作成をしてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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