ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いとは?2つの違いと特徴について解説する

ロジカルシンキングの類似用語として比較されるクリティカルシンキングについて解説します。2つの違いや特徴について解説しますので、比較して、違いを理解しましょう。
01ロジカルシンキングとは
ロジカルシンキングの定義について解説します。ロジカルシンキングは、どのような意味をもつかを理解しクリティカルシンキングとの違いを比較していきましょう。ロジカルシンキングの基本的な考え方についてを理解しておくことで、メリット等の理解も深まります。
ロジカルシンキングの定義
ロジカルシンキングとは「論理的思考」とも呼ばれており、「情報を論理的に整理できる能力」と定義できます。論理的にとは、「対象の物事を順序立てて、筋道を立てて考えるさま」の意味を持ち、ロジカルシンキングは「物事の整理を行い順序よく筋道を立てて考える能力」と考えられます。実際には、問題が起きた際に問題の発生原因を含め事情の整理や原因の整理に役立てて行く能力のことです。
02クリティカルシンキングとは
クリティカルシンキングの定義を解説します。クリティカルシンキングとは、どのような定義なのかを理解し、ロジカルシンキングとの違いを理解しましょう。クリティカルシンキングの特徴を理解する上でも定義の理解は重要です。
クリティカルシンキングの定義
クリティカルシンキング(批判的思考)とは、「ある考えについて、前提となる事実を明らかにし多角的・論理的に考える思考法」です。「クリティカル=批判的」という印象を受ける用語ですが、決して否定的な考え方ではありません。「論理を支える事実と矛盾する事実はないか」という考え方を基に、矛盾する事実がないかを考えていくことをベースにした思考方法です。
03ロジカルシンキングを鍛えるメリット
ロジカルシンキングを鍛えるメリットについて解説します。ロジカルシンキングを鍛えることで、ビジネスシーンにおいてどの様な変化が起きるかという視点も踏まえてメリットについて確認していきましょう。
問題解決力の向上
問題が発生した際に、問題の本質となる原因を整理し、適切な解決方法を導く上でもロジカルシンキングは役立ちます。場当たり的な解決策や対処を行うと再発のリスクを生んでしまいます。こうした再発の抑制にも問題解決力の向上は役立ちます。
分析力の向上
論理的な思考を取り入れることで、適切に問題を分類し、因果関係や相関関係を分析して対処方法を導けることもロジカルシンキングを鍛えるメリットです。分析力が向上すると、問題の発生後の対応だけではなく、問題を事前に防ぐことにも繋がるメリットがあります。分析力が向上すると本質を見出す能力が高まり、結果的に分析自体の効率化にも期待できると考えることができます。
コミュニケーション力の向上
ロジカルシンキングの特徴として、相手の意見を理解する力や自分の意見を伝える力、コミュニケーション力の向上が期待できます。特に、相手との意見に相違がある場合には、相互間の理解度を深めるためのディスカッションを実施することもありますが、相手の意見を理解する力が増すことで円滑なコミュニケーション、積極的な意見交換を実施することが可能になります。
生産性の向上
ロジカルシンキングができ、ダブリのない検討をすることで問題の本質を見極めやすくなります。本質を見極め流ことが出来ると、無駄な工程を省くことになり、生産性向上にも役立ちます。
提案力の向上
ロジカルシンキングを用いることで、物事を単純化し、論理的になるため相手に伝えやすくなります。相手に伝えやすくなることで、説得性を増し意見交換などもスムーズに行うことができます。ひいては、相手を説得する提案力をも向上させることが可能ということです。
04クリティカルシンキングを鍛えるメリット
次に、クリティカルシンキングを鍛えるメリットについて解説します。ロジカルシンキングを鍛えるメリットと比較し、2つの違いについて理解していきましょう。似ているとされる2つの用語ですが、そのメリットには違いがあることが分かります。
問題解決の精度向上
問題解決をする方法は、いくつもの手段がありますが全てにおいて完璧というものはありません。しかし、それに近づくためには不足している部分を補う必要があり、そのプロセスが重要です。クリティカルシンキングは、そうした効率化に貢献する考え方ともいえます。クリティカルシンキングで物事や意見の矛盾や漏れを見つけ出すことができるため無駄な情報を切り離すことで、簡潔になるメリットがあります。
本質の見極め力の向上
クリティカルシンキングは、物事の本質を見極める思考プロセスでもあり、「なぜこうなっているのか」「これは本当に正しいのか」といった疑問を持ち、客観的な考えを持てるようになります。必要のない論拠やデータを取り除き、本当に重要な情報だけを取り出すことが可能となり、意見や議論を本質的なものへと近づけることが可能になります。
新たな視点や発想力の向上
クリティカルシンキングでは、意見や考え方について疑問を投げかけを行います。このままでは1つの対応策しかないと思える問題や課題に対して、新しい解決法を示すことが出来る可能性もあります。
05ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いとは
次にロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いについて比較していきます。2つの関係性や違いについて比較することで、それぞれに対しての理解を深め正しい使い分けに繋げていきましょう。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの関係
- ・ロジカルシンキング:筋の通った思考
- ・クリティカルシンキング:批判的な思考
このように関係性を整理することができます。この2つには違いがありますが、クリティカルシンキングは、ロジカルシンキングの精度を上げるためにの考え方と表現することができます。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い
クリティカルシンキングが「その考えが正しいのかを検証して本質を見極める」と表現できるのに対して、ロジカルシンキングは論理的思考と呼ばれ「物事を要素ごとに分解し、筋道立てて考える」と考えられます。物事を考える際に論理的な考え方だけでは、前提となるデータが正しいかどうかは不明であり。、クリティカルシンキングだけでは、具体的な行動にはつながりません。2つの観点は異なりますが関係性の深いことを理解しておきましょう。
クリティカルシンキングがロジカルシンキングの精度を向上させる
前述している2つの関係性や違いから、クリティカルシンキングがロジカルシンキングの制度を向上させる要素を含んでいることが分かります。実際に、片方の概念だけでは充足しない側面を、もう1つが補っているという理解を持っておきましょう。
06ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの使い分けとは
関係性の深い2つの考え方ですが、どのように使い分けるべきかを解説していきます。
最初はクリティカルシンキングで検証
問題を解決するためには、まずクリティカルシンキングを用います。「そもそもの目的やゴールは正しいのか」などについて検証を行うためです。万が一、考えるテーマが誤っていれば、いくら検証を繰り返しても最善の答えを導き出すことはできません。まず最初にクリティカルシンキングで、問題の全体像を確認することが必要です。
ロジカルシンキングをクリティカルシンキングで検証する
問題が明確になれば、ロジカルシンキングのフレームワークを活用し、問題を整理・分析し、課題の洗い出しを行います。ただし、ロジカルシンキングでは「前提条件を疑う」ことがないため、洗い出された要素に、無意識の制限や本来は変えられる前提条件、思い込み等が混在する可能性があり、再度クリティカルシンキングを使うことで無駄な要素を排除することができます。検証は、1度だけではなく、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングを交互に用いて検証することが必要です。
ロジカルシンキングで結論と実行方法を導き出す
ロジカルシンキングである程度の整理・思考ができれば、再びクリティカルシンキングで、ロジカルシンキングで立てた道筋や要素を「これでいいのか」と検証します。クリティカルシンキングでロジカルシンキングを補う際には、前提にとらわれすぎず、可能な限り自由に思考することが必要です。固定概念があれば、検証を繰り返した結果の有効性が下がってしまうことに注意しましょう。
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07まとめ
本記事では、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの定義や違いについて解説しました。類似用語として比較されることの多い2つの概念は、内容は異なりますが関係性の深い概念です。どちらの概念もビジネスシーンにおいては、おおいに利用できる概念であり、習得しておくことで役立つスキルでもあります。本記事で紹介している内容をふまえ、2つの違いを理解しビジネスシーンで利用し本質を見出す力を身に付けていくことは、ビジネスでの大きな武器になります。繰り返し練習することで習得できる概念ですので、今後のビジネスシーンで意識し役立てましょう。