考える力がビジネスシーンで重要な理由とは?身につける方法も解説
考える力を養うことで業務をこなすうえで困難なことがあっても、解決策を考えて柔軟に乗り越えていくことができます。そのため、人事部や教育担当者の方は社員の考える力を養うことが大切です。本記事では考える力とは何か、考える力が重要な理由、身につける具体的方法について解説していきます。
- 01.考える力とは?
- 02.昨今のビジネスにおいて考える力が重要な理由
- 03.考える力がある人の特徴とは
- 04.考える力が弱い理由と対策方法について
- 05.社員の考える力を養う具体的な方法
- 06.考える力を向上させるSchooのオンライン研修
- 07.まとめ
01考える力とは?
考える力とは、ビジネスにおいて現状課題を分析し、その解決方法を考え出すことです。世の中の状況を調査し、今持っている知識と関連付けつつ、最適な方法を導き出す能力は、昨今強く求められています。そのため、企業全体の生産性を高めるためにも、人事部の方も社員の考える力を養うことが大切です。
経済産業省が提唱する社会人基礎力について
考える力が社会人にとって大切であることは経済産業省も示しています。経済産業省は、2006年に「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、社会人基礎力を提唱しました。社会人基礎力には、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力があると経済産業省が提示しているように、考える力は社会で活躍できる人材になるために必要不可欠なスキルです。
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02昨今のビジネスにおいて考える力が重要な理由
考える力の重要性は以前に比べて増していると言えます。考える力の有無がビジネス成功の鍵を握る場面も多々あるでしょう。なぜ昨今のビジネスにおいて考える力が重要なのか、理由は次の3つに分けられます。
- 1.ユーザーの求めるニーズが多様化したため
- 2.スピーディーな意思決定が求められるため
- 3.単純な仕事は自動化が進んでいるため
1.ユーザーの求めるニーズが多様化したため
考える力が重要になってきた理由の1つに、ユーザーのニーズの多様化が挙げられるでしょう。昨今は商品やサービスに対してユーザーの求めるものが多くあり、企業側はそれらにできるだけ応えられるようにしなくてはいけません。例えばWebアプリを運営する場合、単にアプリが使えるだけでなく、UI/UX面にも目を向けユーザーにとって使いやすいサービスを提供しないと、ユーザーが離れていってしまいます。 特にIT系では昨今多くの企業が新規サービスを立ち上げているため、他社と差別化を図るためにもユーザーの細かいニーズに対応する必要があるのです。そしてそのためには、解決方法を思いつくための考える力が必要になるというわけです。
2.スピーディーな意思決定が求められるため
昨今はスピーディーな意思決定が求められる時代であるのも、考える力が求められる理由です。現代は、先行きが不透明で、将来の予測が困難なVUCA時代と呼ばれ、変化が激しい時代と言われており、トレンドの移り変わりやテクノロジーの進化が速く、一昔前に流行っていたサービスが今ではもう使われていないことも多くあります。そのため、昔のような試行錯誤を繰り返して正解を探るやり方では、もう流行に追いつくことは難しいのです。そこで、考える力を身につけ、何が正しいのかスピーディーに導き出す能力が求められるというわけです。
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3.単純な仕事は自動化が進んでいるため
考える力が求められる理由の1つに、昨今単純作業の自動化が進んでいることが挙げられます。例えば、RPAツールによって毎日繰り返されるパソコンでの資料作成は自動化することが可能です。今後さらにテクノロジーが進化していき複雑な仕事もシステムで代替できるようになれば、人間の仕事は「考えるもの」がメインになると予想されます。例えば、新規事業の新しいアイデアを捻り出したり、ユーザーの心に響く商品のキャッチコピーを考えたり、といった仕事が増えると思われます。このようないわゆるクリエイティブな仕事には、考える力が必要不可欠です。そのため、今後は更にビジネスマンにとって考える力は重要になっていくでしょう。
03考える力がある人の特徴とは
考える力がある人は次の3つの特徴を持っていると言われています。これらの特徴を理解し、近づけるように努力することで、考える力を自然と高めることができるでしょう。考える力がある人の特徴は次の3つです。
- 1.相手の立場に立って考えられる
- 2.質問力が高く情報を集められる
- 3.自分の考えを上手く表現できる
1.相手の立場に立って考えられる
考える力がある人は相手の立場に立つことができる傾向があります。彼らは広い視野を持っているため、「他の人ならどう思うのだろう」という視点を持つことができます。例えば、上司として部下に作業指示を出す際も、「この説明方法では分かりにくくないだろうか」と自分の行動を俯瞰して考えることができます。そのため、考える力がある人は周囲からの信頼も高まっていく傾向があり、リーダーとしての素質もあると言えるでしょう。
2.質問力が高く情報を集められる
考える力がある人は質問力が高いことが多いです。質問力とは相手から情報を引き出すために、答えやすい質問事項を考える能力などを指します。物事を考える前には、まずは情報を集めないといけません。そのため、質問力が高い人は考える力もあると言えるのです。 質問力を高めるための基礎として「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」を使い分けるというものがあります。クローズドクエスチョンは「はい」か「いいえ」で答えられる質問であり、オープンクエスチョンは自由に答えられる質問のことです。この2種類の質問を状況に応じて使い分けることで、相手から情報を引き出しやすくなります。
3.自分の考えを上手く表現できる
考える力が高い人は思考だけでなくコミュニケーション能力にも優れており、自分の考えを上手く表現できることが多いです。なぜなら、物事を深く考えることはロジカルシンキング力を高めることにつながり、論理的に話せるようになるからです。例えばプレゼンなどでもPREP法に従って自然と話せ、聞き手を納得させるだけの説得力を持たせることができます。また、幅広いことを調べているため語彙力も高く、自分の感情や意見を表現する術を持っていることが多いです。
04考える力が弱い理由と対策方法について
考える力が強い人の特徴について解説してきました。次は逆に考える力が弱い人の特徴について解説していきます。考える力が弱い人は次の3つに該当しているパターンが多いです。なぜそうなのかという理由と対策方法についても併せて解説していきます。
- 1.自分の考えに固執してしまう
- 2.責任感に欠けている
- 3.向上心に欠けている
1.自分の考えに固執してしまう
考える力が弱い人は自分の考えに固執してしまう傾向があります。自分の考えにこだわりすぎると他の可能性を模索しなくなり、考える力が衰えてしまいます。考える力を身につけたい場合は幅広い視野を持つことが重要になります。 対処方法は、ビジネス書を読んだり業務とは別のコミュニティに所属したりして、幅広い考えに触れてみることです。自分と別の考えに触れたら、「なぜその人はその考えに至ったのか」という所まで分析して考えてみると、考える力がより身につきます。
<クリティカルシンキングについてのSchooおすすめ授業>
自分の考えに固執してしまう傾向にある方におすすめしたい思考法が、クリティカルシンキングです。クリティカルシンキングとは、物事の本質を見極める思考法です。
本授業では、クリティカルシンキングの思考プロセスやフレームワークについて解説していきます。
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外資系コンサルタント
外資系コンサルティングファーム勤務。専門領域における日本支社の実務責任者を務め、IT部門に対するコンサルティングを手がける。「クラウド」×「インフラ」×「サービス管理」を専門分野とし、ファシリテーションやコーチングにも造詣が深い。著書に『図解作成の基本』(すばる舎)『資料作成の基本』『フレームワーク使いこなしブック』(以上、日本能率協会マネジメントセンター)、『外資系コンサルのビジネス文書作成術』(東洋経済新報社)、『外資系コンサルの仕事を片づける技術』(ダイヤモンド社)など多数がある。
2.責任感に欠けている
考える力が弱い人は責任感に欠けている傾向もあります。考えるのが苦手で自分で物事を決めずに他人任せになってしまうと、主体的になれず責任感も薄れがちです。仕事でも趣味でも自分のことは自分で決めることが大切です。 対処方法としては、主体的に取り組める新規プロジェクトなどが社内で立ち上がった場合、率先して参加するなどが挙げられます。自分で立候補して関わった仕事には、嫌でも責任を持たなくてはいけませんので、自然と責任感が身につきます。
3.向上心に欠けている
考える力が弱い人は向上心にも欠けていることが多いです。向上心が欠けていると、上司に言われたことを淡々とこなすだけになってしまい、自分で考えて仕事をやらなくなります。特にその仕事を好きでもないのにやり続けていると、モチベーションが沸かなくなってしまい、向上心を持つことはできなくなります。 対処方法は、キャリアプランを一度見直してみることです。5年後・10年後自分はどのような仕事に就いているのか希望を書き出してみましょう。そして、今自分がやっている仕事は将来の目標に繋がっているのか確認します。今の仕事が将来やりたいことと結びついていることが分かれば、その仕事に精を出そうと思えるようになります。
<向上心・モチベーションについてのSchooおすすめ授業>
向上心やモチベーションが下がると考える力がを低下させてしまいます。
ですが、「やる気が出ない」「仕事に身が入らない」「仕事に忙殺されて、やりたいことが後回しになってしまう」など、日々のモチベーション維持に苦労される方は多くいらっしゃるかと思います。そんな悩みを抱える方向けに、この授業では、コーチングやモチベーション向上の研修などを提供されている藤由 達藏先生をお招きし、「やる気」の出し方について学んでいきます。
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夢実現応援家®
株式会社Gonmatus 代表取締役。夢実現応援家®。 モットーは「人には無限の可能性がある」。夢実現応援の対話(コーチング)をベースに個人や企業、団体に、コーチングや研修、講演を提供。本を出したい人の出版支援にも力を入れている。 1991年、早稲田大学卒業後、プラス株式会社に入社し22年間、営業や企画、新規事業設立、労働組合委員長などを経験し、2013年に独立。2016年、株式会社Gonmatusを設立。著書は『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』(青春出版社)、『「鬼滅の刃」に学ぶ「夢を叶える8つの力」』(ぱる出版)等多数ある。
05社員の考える力を養う具体的な方法
昨今のビジネスにおいて考える力が重要であることはここまで解説してきた通りです。社員の考える力を養うことは、企業の成長にも繋がると言えるでしょう。そこで社員の考える力を養うポイントについて解説します。考える力を養うには、次の4つの施策を導入すると良いでしょう。
- 1.研修でロジカルシンキング力を高める
- 2.1to1を導入して一緒に考える時間を作る
- 3.ビジネスフレームワークを活用する
- 4.本や新聞を読む
1.研修でロジカルシンキング力を高める
社員の考える力を養うためにも、ロジカルシンキングのスキルを高められる外部研修を積極的に活用しましょう。ロジカルシンキングは考える力を身につけるうえで土台となるスキルです。ロジカルシンキング研修では、仮説思考やフレームワーク思考を身につけるためのワークなどが行われています。考える力は経済産業省が提唱する社会人基礎力の1つであるため、それを身につけるための研修は多くあります。
2.1to1を導入して一緒に考える時間を作る
社員の考える力を養うためにも1to1ミーティングを導入することは有効です。上司と部下が1対1で話し合う機会を設け、どうすれば仕事の精度を高められるのか、などを考える時間を作ります。大人数での会議だとどうしても、一部の人しか案を出せないことがありますので、1対1で話せる1to1ミーティングは考える力を高めるうえで有効です。
3.ビジネスフレームワークを活用する
考える力を養う即効性のある方法として、ビジネスフレームワークを活用するというものがあります。KPTなどのフレームワークに沿って、会議で課題解決方法などを検討します。考える力が不足している社員は、そもそもどういった手順で考えていけばいいか分からない場合も多いです。フレームワークを用いて考える手順を固定してあげることは有効でしょう。
4.本や新聞を読む
社員の考える力を養うために、「本や新聞を読む」ことは非常に有益です。本や新聞は様々なトピックに関する情報を提供します。これにより、社員は異なる分野において幅広い知識を得ることができ、業務においても柔軟かつ総合的な視点を持つことができます。また、本や新聞の記事を読むことで、情報を整理し、自らの意見や立場を構築する力を養うことも可能です。このように本や新聞は、社員の考える力を向上させ、組織全体の創造性や問題解決能力を高めることが期待できます。
06考える力を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
考える力に関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、考える力に関する授業を紹介いたします。
「自分の頭で考える力」を養う本の読み方
この授業では、今年『自分の頭で考える読書』を刊行した荒木博行さんと、本屋B&Bの共同経営者である、ブックコーディネーターの内沼晋太郎さんとともに、「自分の頭で考える力」を養う本の読み方について考えていきます。
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numabooks代表
1980年生まれ。一橋大学商学部卒。NUMABOOKS代表、ブック・コーディネーター。株式会社バリューブックス取締役。2012年にビールが飲めて毎日イベントを開催する新刊書店「本屋B&B」を、2017年に出版社「NUMABOOKS出版部」を、2020年に日記専門店「日記屋 月日」をそれぞれ開業。また、東京・下北沢「BONUS TRACK」の運営を行う株式会社散歩社の取締役もつとめる。著書に『これからの本屋読本』(NHK出版)『本の未来を探す旅 台北』『本の未来を探す旅 ソウル』『本の逆襲』(朝日出版社)などがある。現在、東京・下北沢と長野・御代田の二拠点生活。二児の父。
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株式会社学びデザイン代表取締役
住友商事、グロービス(経営大学院副研究科長)を経て、株式会社学びデザインを設立。フライヤーやNOKIOOなどスタートアップのアドバイザーとして関わる他、絵本ナビの社外監査役、武蔵野大学、金沢工業大学大学院、グロービス経営大学院などで教員活動も行う。 著書に『自分の頭で考える読書』、『藁を手に旅に出よう』、『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』、『世界「倒産」図鑑』『世界「失敗」製品図鑑』など多数。 Voicy「荒木博行のbook cafe」、Podcast「超相対性理論」のパーソナリティ。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』著者:西岡壱誠さん
「東大生の頭の良さ」にあこがれ、誰よりも深く研究することで、 偏差値35からの「奇跡の東大合格」を果たして人生を変えた筆者が、 どんな人でも「東大生の頭の良さ」を再現できる「5つの技術」を紹介します!
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現役東大生作家
東大輩出者ゼロの無名校のビリ(元偏差値35)だったが、2浪し、崖っぷちの状況で「点の取り方」を誰よりも 研究した結果、東大模試第4位になり、東大に合格した「点の取り方の伝道者」。現在は家庭教師として教え子に「点の取り方」をレクチャーする傍ら、東大“試験対策委員会委員長”として東大の学内試験の対策を日夜考えている。 また、2018年1月連載スタートの『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生プロジェクト」のプロジェクトリーダーを務め、受験や学習全般に関して様々な調査・情報提供を行っている。著書に『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』(ダイヤモンド社)がある。
『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』著者:西岡壱誠さんを無料視聴する
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07まとめ
考える力はスピーディーな意思決定が求められる昨今において重要な能力の1つと言えます。社員の考える力を高めるためにも、研修でロジカルシンキングを鍛えたり、1to1ミーティングを導入して思考力を高めるトレーニングを行ったりすることが大切でしょう。