新入社員教育計画の立案方法とは?教育時の注意点について解説する

本記事では、新入社員研修計画の立案方法と教育時の注意点について解説しています。新入社員研修において教育計画がどういった位置づけになるかや、盛り込みたいテーマについても解説していますので、今後の新入社員研修の参考として頂き目標を達成できる研修にしていきましょう。
- 01.新入社員の教育計画を立てる理由
- 02.新入社員の教育計画の立て方
- 03.新入社員の教育計画を立てる際の注意点
- 04.新入社員研修|Schoo for Business
- 05.まとめ
01新入社員の教育計画を立てる理由
新入社員の教育計画を立てる理由は、主に以下の3つがあります。
- 1:組織全体で新入社員を育成できる
- 2:新入社員のモチベーション向上・維持につながる
- 3:PDCAを回せるようになる
新入社員の教育計画を立てることで得られる最大のメリットは、「組織全体で新入社員を育成できる」ようになるということです。以下で詳しく紹介します。
1:組織全体で新入社員を育成できる
新入社員の育成計画を作成することで、組織全体で新入社員を育成するという意識を醸成することができます。
まず、人事預かりの期間に、新入社員が何を学んでいるのかが現場を知ることができることは現場としては非常に助かります。一方で、人事も現場配属後にどのようなことを学んでいるのかを知ることができるので、現場配属後に人事もサポートしやすくなるという利点があるのです。
2:新入社員のモチベーション向上・維持につながる
新入社員の育成計画を作成することで、「いつまでに、どのような人材になって欲しいのか」が明確になります。この目標を新入社員にも伝えることで、目指すべき指針が見つかり、モチベーションが高まることも期待できるでしょう。
さらに、無駄な不安を生むことを抑制することにも役立ちます。「自分は周りと比較して劣っている」という悩みを持つ新入社員も多く、無駄に焦ってしまうということも珍しくありません。そのため、育成計画を立てて必要な情報を新入社員に伝達することは、新入社員自身にとっても安心材料になり得るのです。
3:PDCAを回せるようになる
新入社員の育成計画を立てることで、PDCAを回せるようになります。また、計画に遅れが生じていることに気づくことができるようになり、計画の修正や見直しをして、改善施策を打つことができるようになります。
例えば、「新入社員に議事録作成をお願いすることが多く、人事預かりの期間に教えるようにして欲しい」という現場から改善要望が出やすくなったり、「〇〇部の新卒が計画に対して進捗が遅れているので、OJT担当者にヒアリングしてほしい」というようなチェック機能の基準として活用できたりします。
02新入社員の教育計画の立て方
次に新入社員教育計画書の立案方法について解説します。新入社員教育計画書に記載する項目を理解し順序だてて計画を立案する必要があります。前年度に作成した資料などがある場合には、それを参考に作成を進めていきましょう。
目標の明確化
新入社員研修における目標を定義します。研修が終了する時には、どのような人材になっているべきか、どの様な知識やスキルを持っておくべきかなどについて具体的にし明文化します。この目標は研修開始時に新入社員にも伝え目指すべき方向を同じにする必要があります。目標が明確であればあるだけ、新入社員も研修を受けやすくなる点を理解しておきましょう。
タイミング別の習得スキルの整理
いわゆるタイムテーブルを作成し、いつ何を習得するのか、何を教わるかにいて明文化していきます。研修期間中のタイムテーブルは、新入社員研修開始時に配布し予定を明確にしておくと良いでしょう。新入社員もいつ何を教わるかが分かると心構えをしやすくなり受講に関する姿勢を作りやすくなります。
スキル習得の指導方法を整理
次に、実際にどうやって研修を行うかを整理し計画していきます。別会場で行う、パソコンを使うなどを含めて計画することで事前に準備するものなどを整理することも可能です。その他に指導方法に関する注意点なども洗い出しておき必要に応じた対応策を講じておきます。
理解度基準の作成
研修中には定期的な理解度や習得スキルのチェックを行います。このタイミングや合格に基準もあらかじめ決めておきます。各テーマ別に評価基準、評価方法を決め教育計画書に盛り込みます。確認テストで何点以上などの基準は作りやすいのですがビジネスマナーなどの様に点数をつけにくいものもあります。こうした場合には、日々の行動を確認し評価するなどテーマ単位で評価方法が変ることを意識して計画を立案します。
指導者の選定
各テーマ毎の指導者を選定します。新入社員の模範となることや所作、雰囲気、スキルなど複数の観点で候補者を絞り込みます。指導するだけのスキルがあることは前提となりますが、分かり易い説明ができるかどうかや、模範となる行動様式を持っているかについても十分な検討が必要です。研修を受ける側の視点で見た際に分かり易い研修ができなければ理解度は下がってしまうことを意識して指導者選定を行っていきましょう。
必要資材の精査
研修期間中を通して必要な資材の整理と精査を行います。教育計画には、必要な資材一覧として記載し、その予算についても明記します。資材については、できるだけ業務環境に近いものを選ぶことや、できるだけ経費を下げた準備が行える様に計画することも大事です。
新人教育での注意点
次に新人教育での注意点について解説します。新人教育では、どのようなことに注意をしておく必要がるのでしょうか。ご紹介する内容は、できるだけ教育計画書に明文化して記載し、関連者で確認ができるようにしておきましょう。
具体的な業務を踏まえた説明をする
研修期間中、研修の内容はできるだけ具体的な事例を交えて行っていきます。その具体化については、実際の業務内容を交えながら行います。業務内容を交えた説明が繰り返し行われていることで、配属後の業務をイメージしながら研修を受けることができることと、配属後に習ったことを活かしやすくなるメリットがあります。指導者においても仮説での説明をするよりも説明がしやすいメリットもあり、実例を交えた説明の方が良いと理解しておきましょう。
目標達成時・未達成時の評価方法
評価方法についても注意が必要です。目標達成をしている際には、褒めることや評価をすることになるため問題は起きにくいのですが、未達成時における指導方法については慎重に対応する必要があります。特に繰り返し未達成の場合には、モチベーションが下がる要因となってしまいます。そうした場合には、できている部分は評価しそうでない部分についての原因を一緒に考える必要があります。研修内容に分からなかったことがあった場合には、理解できる様に説明をすると同時に不明箇所がある際の質問についての指導も行う必要があります。
確認とフィードバックを繰り返す
理解できていることの確認と結果のフィードバックは何度も繰り返し実施していきます。また、研修を通して気が付いたこともフィードバックし必要に応じて指導を行います。研修内容に不明所を残さないことを繰り返し伝えることも必要です。また、行き詰っている受講者を早期に発見しフォローを行うなども必要になってきます。これは何度行っても問題はなく、研修内容をいかに正しく理解させるかに焦点を充てて考えていきましょう。
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03新入社員の教育計画を立てる際の注意点
新入社員の教育計画を立てる際には、以下の点に注意しましょう。
- 1:現場を巻き込む
- 2:先輩社員の教育も計画に入れる
- 3:目標は達成可能なラインで作成する
以下でそれぞれの内容について詳しく紹介します。
1:現場を巻き込む
新入社員の教育計画を立てる際は、現場を巻き込んで組織全体で作成するようにしましょう。人事だけで作成すると、絵に描いた餅となってしまうことが多いためです。
現場の管理職やOJT担当者を計画立案時から巻き込むことで、新入社員の成長速度は飛躍的に速まるでしょう。
2:先輩社員の教育も計画に入れる
計画を作成しても、実際に教育をする現場の社員が不十分では意味がありません。ティーチング・コーチング・フィードバックなどの基本スキルを知らないまま、新入社員の教育担当をすることは、新入社員にとっても教育担当者にとっても不幸な事態を招きかねません。
最低でも、OJTやメンターを担当することになる社員には、新卒教育の基礎スキルを学ぶ機会を与えるようにしましょう。
3:目標は達成可能なラインで作成する
即戦力人材になってほしいがあまり、非常に高い目標を新入社員に課してしまうことが多いのが、スタートアップ企業です。
そして現場のOJT担当者も管理職も絶賛プレイヤーで活躍中なので、新入社員に丁寧に教えることができず、背中を見て学べとなってしまっています。これを回避するためにも、新入社員に1年後なってほしい人材像は高望みせず、現実ラインで設定する方が良いでしょう。
04新入社員研修|Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、様々な種類の研修に対応しています。新人研修はもちろんのこと、若手社員研修・管理職研修からDX研修まで幅広いコンテンツで全てを支援できるのが強みです。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 9,000本 ※2023年5月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
Schooの新人研修の特長は、ビジネスマナーからマインドセット、ロジカルシンキングやExcelまで、新入社員に求められるスキルに関する幅広いコンテンツが充実しているという点にあります。また、営業基礎やマーケティング基礎のような授業も揃っており、現場に配属されてからの研修や自律学習という側面でも活用できるという点も特長です。
また、Schooはeラーニングによる研修受講となるので、社員1人ひとりが好きな時間や場所、タイミングで研修を受講することができるので、リモートワークを導入している企業や多拠点展開している企業におすすめです。
Schooの新人研修カリキュラム
様々な研修に対応できるSchoo for Businessでは、新人研修にも対応しています。Schooの新入社員研修パッケージには、ビジネスマナーやロジカルシンキング、さらにはOAスキルなどがラインナップされており、この記事内で紹介したスキルを全てこの研修パッケージで網羅できます。
さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。
社会人基礎スキル
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新社会人のためのビジネスマナーの基本を学ぶカリキュラムです。第一印象の磨き方(身だしなみ・挨拶・敬語)や、社内マナー(ホウレンソウ・名刺交換・電話応対など)について解説しています。
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社会人としてのマインドセットを習得するためのカリキュラムです。「思考」「実行」の2つの視点で、すぐに現場で実践できるビジネスに必要な力を学びます。
OAスキル
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基本的なPowerPointの使い方を学ぶことができます。スライドや図表の作成やスライドショーの使い方など、新入社員や若手社員が身につけるべきスキルについて学ぶことができます。
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見やすいグラフやスライド資料の作成方法を学ぶカリキュラムです。独学で悩みがちなテーマを、具体例や実践例を交えながらお伝えします。
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Excelを活用したデータ分析について学べる研修パッケージです。データ分析をする際の考え方から、「並べ替え」「オートフィルタ」「ピボットテーブル」などのExcel分析に必要な機能について学ぶことができます。
ロジカルシンキング
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「ロジカルシンキング」という言葉を初めて聞いた人、言葉は知っていても具体的にイメージできない人を対象とした入門編の授業です。 具体的には、「ロジカルシンキングとは何か」「ロジカルシンキングの基礎となる技術」などについて、3回の授業を通じて学びます。 この授業を通じて、ロジカルシンキングに興味を持っていただくことがゴールです。
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若手社員向けのロジカルシンキングに必要な思考法について学ぶカリキュラムです。論理性を高めて業務を遂行していく際に必要な思考法について解説していきます。
プレゼンテーションスキル
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人前で話すときのポイントや論理的に話す力、シンプルに伝えて相手を動かす技術について学び、プレゼンテーションの基礎を身につけることができます。
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相手の心を動かすストーリーのあるプレゼンテーションを学ぶことができます。プレゼンテーションのプロが一般の方のプレゼンを添削し、より良いプレゼンに修正する過程を見て、伝わるプレゼンの法則を学ぶ授業をすることもできるため、より実戦的なスキルを身につけることができるはずです。
Schooの新人研修カリキュラム例
研修時間目安: 10時間(60分×10コマ)
全10時間で、ビジネスマナーや報連相を学ぶことができます。ビジネスメールや名刺交換などのビジネスマナーだけでなく、報連相の重要性や適切なタイミングも同時に学ぶことで、社会人としての基礎スキルを習得できる研修パッケージとなっています。
授業名 | 仕事がデキると思われるビジネスマナーの基本 |
時間 | 5時間(60分×5コマ) |
学べること | ・好印象を与える身だしなみ、あいさつ ・敬語の仕組み ・電話対応の方法 ・報連相のポイント ・来客応対の方法 ・円滑に進める会議術 ・訪問時の対応方法、名刺交換 ・プレゼンの基本 ・クレーム時の対応方法 ・接待のポイント |
授業名 | もっと伝わるコミュニケーション術 |
時間 | 3時間(60分×3コマ) |
学べること | ・伝わるメールの書き方 ・コミュニケーションのポイント ・質問力の重要性、磨き方 ・伝わるプレゼンの方法 |
授業名 | デキる若手の報連相 |
時間 | 2時間(60分×2コマ) |
学べること | ・報連相の目的、重要性 ・報連相のポイント ・報連相に必要なベーススキルとは ・ロジカルシンキングの基本 ・MECEの重要性、実践ワーク |
05まとめ
本記事は、新入社員教育計画をテーマに教育に含むコンテンツ例を始め教育計画書の立案時の考慮点や教育時の注意点について解説しています。新入社員研修は、企業にとっても大きなイベントです。採用した人材をいかに早く社会人として、自社の人材として育てるかは多くの企業で検討しているテーマでもあります。そうした中で作成する新入社員教育計画書については慎重に内容を吟味していく必要があります。本記事を参考に役立つ新入社員教育計画書の作成を行ってください。