社会人に必要な学ぶ姿勢とは?その重要性や取り組み方を解説
先行きが見えない現代社会においては、社会人の学びの重要性が非常に高まってきています。この記事では全ビジネスパーソンに向けて、学ぶ姿勢の概要や学ぶ姿勢が社会で重要視される背景、学ぶ姿勢を持つことで得られるメリットについて解説しています。
01学ぶ姿勢とは
学ぶ姿勢とは、新しい知識やスキルを積極的に身につけようとする前向きな姿勢を指します。自身の担当業務の範囲のみならず、業務にプラスになると思われる周辺知識も貪欲に吸収しようとする姿勢も含まれます。いずれにしても、常に高みを目指してチャレンジを続け、成長し続ける人と理解すると良いでしょう。
02学ぶ姿勢がなぜ仕事で重視されるのか
学ぶ姿勢は、今や社会で必須と見なされていると言っても過言ではありません。しかし、なぜ学ぶ姿勢がこれほどまで注目を集めているのか、その理由については深く知らないという方も少なくないのではないでしょうか。以下では、学ぶ姿勢が社会で重要視されている理由について詳しく説明します。
- 1.デジタル技術や社会状況が常に進化しているため
- 2.人生100年時代やリカレント教育が求められるため
- 3.仕事への成果につながるため
- 4.内発的な動機付けとなる
1.デジタル技術や社会状況が常に進化しているため
社会人の学ぶ姿勢が注目される背景には、DXがあります。DXとは、「Digital Transformation」の略語で、ITテクノロジーにより、産業構造を変化させることを意味します。 DXが進展すれば、AIによる業務の自動化などを通じて世界で約8,500万人分の仕事が消失するとの試算もあります。目まぐるしく変化する社会状況に対応するためにも、新たなスキルの取得が全ての社会人に必要だと考えられているのです。
2.人生100年時代やリカレント教育が求められるため
昨今は、「人生100年時代」と呼ばれるようになり、定年後の再雇用などを含めて労働者の働く期間も長くなっています。また、部下をもった時や管理職に就いた時、家庭を持った時など、ライフステージによって必要なスキルのアップデートを行うことが、全てのビジネスパーソンに求められるようになりました。学びを継続して深める習慣が身に付いていれば、キャリアアップの指標として、年代問わず活躍できるようになると考えられているのです。
3.仕事への成果につながるため
学ぶ姿勢があれば、仕事のパフォーマンスも向上し、早期に出世できるだけでなく、周りからの信頼が増えて、仕事を円滑に進められます。また、企業側にとっても学ぶ姿勢のある社員がいることで、社内全体の士気が高まり、結果的に生産性の向上にも期待ができます。
4.内発的な動機付けとなる
内発的な動機付けとは、内的で本質的な欲求によって引き起こされる一連の行動を指します。内発的な動機付けがなされれば、好奇心や関心を満足させるために主体的に行動できます。また、自発的なものであるため、強制されるよりもモチベーションを維持して取り組むことができるのです。
03社会人が学ぶ姿勢を持つことで得られるメリットとは
学ぶ姿勢をもっていることで、スキルや向上心などに大きな違いが出てくることが予想されます。また、学ぶ姿勢を有している人は、周囲から評価されやすくなり、自分の市場価値を高められます。下記では、社会人が学ぶ姿勢を持つことで得られるメリットについてピックアップしました。
- 1.仕事に役立つスキルが身につく
- 2.新たな人脈を構築できる
- 3.働き方の選択肢が広げられる
- 4.自分の市場価値を上げることができる
- 5.自信をつけられる
1.仕事に役立つスキルが身につく
やりたい仕事、魅力的だと感じている職種があるものの、スキルや知識、資格などがないために諦めてしまっている人は少なくありません。しかし、学びを継続することによってそれらを着実に身につけられ、本当に就きたかった仕事に就けるチャンスが広がるのです。
2.新たな人脈を構築できる
学びの一種として、セミナーなどに参加すれば、通常の業務では築けない人脈を構築することが可能です。また、勉強をしていると、同じ分野を学ぶ人や、同じ目標に向かって勉強している人と交流を持てることもあります。すると業界や年代にとらわれずに、人脈の幅を広げられるのです。
3.働き方の選択肢が広げられる
新たな学びによって人生の選択肢を広げることもできます。例えば英語を話せるようになると、海外企業への就職や、在宅で英語の通訳の副業をするなど、働き方の選択肢を広げられます。 日本でも副業、兼業が当たり前になってきているため、スキルを活かすチャンスは無限です。勉強が生きる場所や働き方を変えるキッカケになることもあるでしょう。
4.自分の市場価値を上げることができる
勉強して得られる知識や技術は、仕事における武器になります。例えば、現在の職種における専門性を追求し続けるだけでなく、ビジネス職などであれば新たにプログラミングを学び、市場価値を高めることも考えられるでしょう。 セカンドキャリアとしてのスキルを身に付けられなくとも、現在の職種でその技術を活用したり、これまで関わりのある職種やチームとのコミュニケーションを円滑にしたりすることが可能です。社会人が新しい知識やスキルを学び続けることは、将来、複利として効いてくると言えるでしょう。
5.自信をつけられる
社会人になってから、様々なことにチャレンジすることは、決して楽なことではありません。しかし、大変なことを続けていくことは、自分とって大きな自信につながります。 自分に自信がつくと自己肯定力が高まり、前向きで寛容な心を手に入れることができます. さらに、自己肯定力が高まると、何事にも積極的に行動できるようになり、仕事に対しても大きくプラスに働きます。 メンタル的にも前向きになれるため、自己肯定力の低さに悩んでいる人には特に、学ぶ姿勢を身につけ新たな挑戦を続けることをおすすめします。
04学ぶ姿勢を示すために心得たい意識や行動とは
学ぶ姿勢を身につけるためには、日頃の小さな行動を積み重ねることが何よりも重要です。以下では、学ぶ姿勢を示すために心得たい意識や行動を紹介します。学ぶ姿勢を早期に取得し習慣づけるためにも、早速実行していきましょう。
- 1.メモやドキュメント化を習慣づける
- 2.質問力を磨く
- 3.チャレンジングな目標を立てる
- 4.行動や進捗の計画を立てる
- 5.常にインプットする習慣をつける
- 6.1on1を活用する
1.メモやドキュメント化を習慣づける
まずは、メモやドキュメント化を習慣づけることがポイントです。仕事の内容や手順、注意点などを、できるだけ細かく書き記すようにしましょう。 メモを取っておけば、後で仕事を整理しやすくなるだけでなく、記憶の漏れをなくすことができます。また、仕事をレクチャーしてくれる相手にも、「真剣に仕事を学ぼうとしている」と、評価してもらえます。
2.質問力を磨く
学ぶ姿勢のあるビジネスパーソンは、不明点をそのまま放置することはしません。わからないことは自ら調査したり、上司や先輩社員に質問したりします。そして、思考力を働かせて理解したことを、次の行動につなげているのです。
3.チャレンジングな目標を立てる
目標がなければ、与えられたタスクをただこなすだけの指示待ち人間になってしまいかねません。特に、これまで学ぶ姿勢を意識していなかった人は、どうしても受け身の姿勢になりがちです。そのため、チャレンジングな目標設定を行い、主体性を養う必要があります。目標を達成するためにはそれなりの努力が必要となるため、その中で自分で考え行動する意識を芽生えさせることができるのです。
4.行動や進捗の計画を立てる
学ぶ姿勢がない人の特徴の1つに、目標に向けた具体的な行動計画がないことが挙げられます。 例えば、目標を達成するための行動計画として、「企画立案数を増やす」「プロジェクトを順調に進める」など、漠然とした内容になっていることがあります。 これでは、具体的な行動につながらず、目標を達成できなくなります。自身のスキルを確実に向上させるためにも、目標は具体的に設定し、それに基づいて、具体的な行動計画を落とし込みましょう。
5.常にインプットする習慣をつける
学ぶ姿勢を得るためには、インプットを習慣化することも1つの方法です。 分からない事はすぐに調べる、読書やその他の学習機会を作るなど、まずは知識をインプットする習慣づけをしてみましょう。 そしてインプットした情報は、手帳にメモするなど、アウトプットする習慣をつけるとさらに効果的です。 アウトプットすることで学んだことを行動にすぐに活かせ、成長もしやすくなります。
6.1on1を活用する
学ぶ姿勢を身につける方法として、1on1を実施して、メンターや上長から適切なフィードバックを得ることも有効です。1on1をすることで、自身の問題点に早期に気づき、自発的に課題をクリアするチャンスを得られます。また、上司側にとっても、部下に対する理解度が深まり、これまで以上に適切なマネジメントが行えるようになります。
05学ぶ姿勢を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級8,500本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は4,000社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級8,500本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
学ぶ姿勢に関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,500本以上の講座を取り揃えております。この章では、学ぶ姿勢に関する授業を紹介いたします。
「自分の頭で考える力」を養う本の読み方
この授業では、今年『自分の頭で考える読書』を刊行した荒木博行さんと、本屋B&Bの共同経営者である、ブックコーディネーターの内沼晋太郎さんとともに、「自分の頭で考える力」を養う本の読み方について考えていきます。
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numabooks代表
1980年生まれ。一橋大学商学部卒。NUMABOOKS代表、ブック・コーディネーター。株式会社バリューブックス取締役。2012年にビールが飲めて毎日イベントを開催する新刊書店「本屋B&B」を、2017年に出版社「NUMABOOKS出版部」を、2020年に日記専門店「日記屋 月日」をそれぞれ開業。また、東京・下北沢「BONUS TRACK」の運営を行う株式会社散歩社の取締役もつとめる。著書に『これからの本屋読本』(NHK出版)『本の未来を探す旅 台北』『本の未来を探す旅 ソウル』『本の逆襲』(朝日出版社)などがある。現在、東京・下北沢と長野・御代田の二拠点生活。二児の父。
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株式会社学びデザイン代表取締役
住友商事、グロービス(経営大学院副研究科長)を経て、株式会社学びデザインを設立。フライヤーやNOKIOOなどスタートアップのアドバイザーとして関わる他、絵本ナビの社外監査役、武蔵野大学、金沢工業大学大学院、グロービス経営大学院などで教員活動も行う。 著書に『自分の頭で考える読書』、『藁を手に旅に出よう』、『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』、『世界「倒産」図鑑』『世界「失敗」製品図鑑』など多数。 Voicy「荒木博行のbook cafe」、Podcast「超相対性理論」のパーソナリティ。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
学び方入門
本授業は、何かを学び始めたい人が、知っておくべき概念やテクニックを学ぶシリーズ企画です。みなさんは学び方を学んだことがありますか? 義務教育で経験した学び方が、必ずしも社会人にも使えたり、あたなに最適とは限りません。学び始めるその前に、まずはこの授業から始めましょう。
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株式会社ヒューマン・リスペクト 代表取締役
千葉県船橋市出身。 「マインドマップの学校」(https://www.mindmap-school.jp/)代表、人材・組織開発コンサルタント、中小企業診断士。 上智大学卒業後、メーカー勤務等を経て2004年に株式会社ヒューマン・リスペクトを創業。大手・中小企業等に、コンサルティング業務を展開。総登壇日数2,000回超、総計1万人超に対し講演・講義経験を持つ。 また、東京ビッグサイトにおける展示会メインステージ、全国の商工会議所、 経営者協会、ロータリークラブ等で、講演者としても多数指名を受けている。 著書に「マインドマップ戦略入門〜視覚で身につける35のフレー ムワーク」(ダイヤモンド社)がある。
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一般社団法人21世紀学び研究所 代表理事
ハーバード大学経営大学院でMBA取得後、金融機関金庫設備の熊平製作所・取締役経営企画室長などを務めた後、日本マクドナルド創業者に師事し、新規事業開発を行う。昭和女子大学キャリアカレッジでは、ダイバシティおよび働き方改革の推進、一般社団法人21世紀学び研究所ではリフレクションの普及、一般財団法人クマヒラセキュリティ財団ではシチズンシップ教育に取り組む。Learning For All等教育NPO活動にも参画。2018年には、経済産業省の社会人基礎力に「リフレクション」を提案し、採択される。文部科学省中央教育審議委員、内閣官房教育再生実行会議高等教育ワーキンググループ委員、経済産業省『未来の教室』とEdTech研究会委員などを務める。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
06まとめ
現代のニューノーマル時代においては、ますます個人としての能力が試される時代となりました。 日々、目の前の仕事をこなすだけでは、長いビジネス期間を乗り切ることはできません。 「定年まで同じ企業に勤め続けたい」と思っても、それが叶うか定かでなはい時代です。そのため、誰もが常に自分の能力を高め、働き方の選択肢を広げておく必要があるのです。 社会人が学ぶ姿勢を継続することは決して簡単なことではありませんが、費やした時間や労力の分、自分に返ってくるメリットも大きいものです。ぜひ、本記事を参考に学ぶ姿勢に対する理解を深め、自身のスキル向上やキャリアアップに役立ててください。
▼【無料】働き方改革から学び方改革へ~学ぶ時間の創出で離職率が低下した事例~|ウェビナー見逃し配信中
働き方に関する制度改善を多数行ってこられた株式会社クロスリバー 代表取締役 越川慎司氏をお招きし、「残業削減ではない方法で働き方改革を行い、社員の自発性と意欲を著しく向上させ、離職率を低下させるための自律学習の制度設計」について語っていただいたウェビナーのアーカイブです。同社の調査・分析内容と自律学習の制度設計を深堀ります。
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登壇者:越川 慎司様株式会社クロスリバー 代表取締役
ITベンチャーの起業などを経て2005年に米マイクロソフト本社に入社。業務執行役員としてパワポなどの責任者を経て独立。全メンバーが週休3日・リモートワーク・複業の株式会社クロスリバーを2017年に創業し、815社17万人の働き方と成果を調査・分析。各社の人事評価上位5%の行動をまとめた書籍『トップ5%社員の習慣』は国内外で出版されベストセラーに。