公開日:2022/09/30
更新日:2023/02/02

なぜ組織にはイノベーションマネジメントが必要なのか?

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組織が常に進化し続けるためには、常に新しい刺激が必要です。中でもイノベーションは、組織が後退せずに進化し続けていくために非常に重要です。しかし、簡単にはイノベーションは起きません。 そこで求められるのがイノベーションマネジメントです。本記事ではイノベーションマネジメントについての概念や、組織としてイノベーションマネジメントを活性化させるポイントなどをご紹介します。

 

01イノベーションマネジメントの概念

イノベーションマネジメントの概念を紹介する前に、イノベーションという言葉の定義を明確にしましょう。 そもそも「イノベーション」とは、モノや組織、サービス、ビジネスモデルなどに新たな考え方や技術を取り入れることで、新たな価値を創出することを指します。創出された価値は社会的にインパクトがあることを前提としています。 その上でイノベーションマネジメントとは、イノベーションを継続的に創出、そして成功させるために、最適な状況をつくろうとする全ての活動を指します。一般的にイノベーションは実験と学習のサイクルで成り立っているとされており、これらのサイクルを軸にマネジメントを行うことで、イノベーションに適した状況が生まれやすくなるとされています。

 

02イノベーションマネジメントが注目されている背景

イノベーションマネジメントが注目されている大きな背景に、日本社会を取り巻く労働環境上の課題が挙げられます。

現在日本社会は、深刻な労働力不足に陥っています。そのため、従業員の生産性向上に向けた取り組みや、労働課題の解決に積極的に取り組む企業は少なくありません。 また、不足している労働力を確保しながら、新たな成長源となるイノベーションの創出が常に求められています。限られたリソースの中で、効果的にイノベーションを創出し続けるためには、イノベーションマネジメントが必要不可欠なのです。 また、VUCAと呼ばれる今は変化が激しく、将来の見通しを立てることが困難になります。そんな状況下では、イノベーションを起こし続ける企業のみが生き残っていけるのです。

 

03イノベーションマネジメントが必要な理由

前述の通り、社会環境の変化の中で継続的な成長を遂げるため、多くの企業がイノベーションを重要視しています。イノベーションにより新たな価値を創造すれば、新たな市場の開拓や優位なポジションの構築に繋がります。 しかし、実際にイノベーションを創出しようとすると、多くの企業が上手くいきません。その理由の一つに、イノベーションのプロセスをしっかり構造化できていないという問題があります。 イノベーションを継続的に創出し、企業に繫栄をもたらすためには、企業内でイノベーションのプロセスを体系化する必要があります。この時必要となるのが、イノベーションマネジメントなのです。

 

04イノベーションマネジメントの基本アプローチ

イノベーションマネジメントでは主に2つの軸が重要視されます。

1つ目は、イノベーションを創出するために必要な仕組みを整えることです。 ただやみくもにイノベーションを起こそうと旗振りをしても、社員はどのように行動を起こせばよいのかが分からなくなります。イノベーション創出に向けてまず方向性や目的を明確にし、そのうえで進捗管理の方法や、プロセスに沿わない問題が生じた際の改善案の導入などが必要となります。これらはトップダウンで積極的に現場へ浸透させていくことが必要です。

2つ目は、イノベーションを実行しているチームに対する積極的な支援です。これは自社で完結できる場合と、そうではなく外部へ委託を依頼する場合などが想定されます。 自社内にノウハウがない場合には、外部の協力を仰ぐことも重要です。まずは自社のリソースで完結できるようにすることが望ましいですが、難しい場合には既に体系化されたノウハウを活用してみるのも良いでしょう。

 

05イノベーションマネジメント創出のための5つのステップ

では、実際にイノベーションマネジメントを創出するためにはどのようなステップが必要になるのでしょうか。大きく5つに分けてご紹介します。

全体設計

イノベーションを創出するために、まずは方向性や規模感をすり合わせます。 目の前にある、今創出したいイノベーションのみに目を向けるのではなく、イノベーションが創出された結果、どのような成果を企業内にもたらしたいのかを明確にしましょう。どのようなイノベーションであれば成功と呼ぶに値するのか、関係者全員でしっかりと認識を揃えておきましょう。

戦略策定

イノベーションマネジメントの方向性や規模感が定まったら、企業ビジョンや経営戦略も踏まえ必要となる課題や目標を定め、戦略を策定していきます。 イノベーションマネジメントを実施するにあたって、課題が全くないということはほとんど考えられません。これを前提に、どのように課題を解決・もしくは乗り越えることができればスムーズなイノベーションマネジメントを実行できるか、きちんと検討することが大切です。 また、イノベーションマネジメントによる目標もこの段階で明確にしておきましょう。

要素を設計する

次に要素設計を行います。ここでいう要素とは、イノベーション戦略を実現するために必要となるスキルやノウハウ、事業化のプロセス、そして予算などです。

スキルやノウハウについては、必ずしも自社で完結させる必要はありません。場合によっては、社外からのアサインを検討することも大切です。また、事業化のプロセスは仮説でも良いので明確にしておくことが大切です。関係者とのプロセス共有をスムーズに行うということに加え、イノベーションを創出する従業員もイノベーション創出までの流れを把握しやすくなります。 そして予算についてもどのように配分するのか、事前にある程度決定しておきます。イノベーションは結果が現れるまでに時間を要します。その上でどの程度の費用であれば許容できるのか、しっかり把握しておくことが大切です。

また、イノベーションに関わる従業員は成果が出るまでに時間が掛かるため、成果ではない指標で評価などができるように調整しておくことも大切です。成果が見えないと従業員のモチベーション低下に繋がりかねません。要素設計の段階で想定できることは洗い出しを完了し、実行に備えることが重要です。

実行する

要素の設計が完了したら、いよいよ実行に移ります。 最初から上手くいくことは多くないと理解し、事前に組んだプロセスに沿って粛々と実行していくことが大切です。万が一あまりにも上手くいかない場合は、要素設計を再度行ったり、外部の有識者に頼るなどして早めに軌道修正を行うことが大切です。

継続する

一度実行したら、腰を据えて長期目線で取り組みましょう。イノベーションは短期的に起こせることは少なく、長期的な視点で経過を観察することが大切です。 また、イノベーションは一度起きて終わりではなく、継続的に起こるような文化や風土をつくることもイノベーションマネジメントの重要な役割です。挑戦を推奨する、失敗に寛容になる、組織間のコミュニケーションを活性化するなど、風通しがよくチャレンジングな文化を形成しましょう。そして、社内での認知や協力者を増やしていくためにも、忍耐強く継続しましょう。

 

06イノベーションマネジメントのポイント

では、イノベーションマネジメントを行う際にはどのようなポイントがあるのでしょうか。マネジメント観点で重要な点を2つご紹介します。

知識を身に着ける

最も大切なのは、マネジメントを行うマネージャーやリーダーが知識を身に着けることです。イノベーションマネジメントに関する知識はもちろん、新規事業や経営といった幅広い知識を身に着けることが重要です。 なぜなら、イノベーションはコントロールしにくいものだからです。日頃の業務マネジメントと比較すると、イノベーションマネジメントは不確実性や不透明性が非常に高くなっています。 その結果、持ち合わせている知識だけでは解決策を見つけることができない可能性があります。そのため、マネージャーやリーダークラスであっても、積極的に知識を身に着ける工夫が必要です。

必要に応じてチームを組織する

イノベーションマネジメントを円滑に遂行するためには、一人ではなく、チームの方が適しているかもしれません。必要だと感じる場合には、チームを組織するのも良いでしょう。 チームでイノベーションマネジメントに取り組むことができれば、良いナレッジを共有しやすいだけではなく、イノベーションマネジメントを推進できる人材を増やしていくことにも繋がります。 長期的にイノベーションマネジメントに取り組むためには、様々な部署や年次の従業員と協力し、社内への認知を拡大させておくことも大切です。その点において、チームに様々なメンバーを迎え入れることが最も近道と言えるのではないでしょうか。


 

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07イノベーションマネジメントの鍵は継続

イノベーションマネジメントは、結果が出るまでに非常に時間が掛かります。そのため可能な限り継続し、長い目で結果を見守ることが大切です。短期で辞めてしまっては、出るはずの結果が出なくなってしまう可能性があります。 また、時間だけではなく労力を掛けることも大切です。必要な知識やメンバーなど、イノベーションには多くの力が必要です。 今後の企業や組織の成長のために、ぜひイノベーションマネジメントに興味を持ったこのタイミングから取り入れてみてはいかがでしょうか。

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