公開日:2022/09/30
更新日:2023/02/02

事業にイノベーションをもたらすゾーンマネジメントとは?

事業にイノベーションをもたらすゾーンマネジメントとは? | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ゾーンマネジメントという言葉を聞いたことがあるでしょうか。ゾーンマネジメントとは、破壊的変化が起きているこの時代に重要なマネジメントの手法です。 自社で新規事業の創出に取り組まれている方はもちろん、既存事業を守りながらビジネスを展開していく方にとっても、重要な手法であるゾーンマネジメントについて、概念から詳しくご紹介します。

 

01ゾーンマネジメントの概念

そもそもゾーンマネジメントとは、「キャズム理論」を唱えたジェフリー・ムーアが提唱した考え方で、事業を既存事業の維持(パフォーマンス・ゾーン)、生産性の向上(プロダクティビティ・ゾーン)、新規事業の創出(インキュベーション・ゾーン)、新規事業の拡大(トランスフォーメーション・ゾーン)といった4つのゾーンに分類し、それぞれ取り組む手法を指します。

一見すると、この4つのゾーンは既にビジネスマンにとっては旧知の事実だと思われるかもしれません。しかし、実際にビジネスをマネジメントしようとすると、4つのうちどこかのゾーンがおざなりになりがちです。また、これらの区分けが行われていないことによって、新規事業も既存事業も同じ尺度で評価をされ、結果としてイノベーションを生むことが難しくなるケースも散見されます。

ジェフリー・ムーアはあくまで4つのゾーン全てを大切にするべきだと考え、それぞれの事業領域におけるあるべき考え方を提言しています。 また企業が生き残るためには、ゾーンに対して以下2点の視点が大切だと提言しています。これら2つの視点はどちらも同様に重視するのではなく、企業の現状を踏まえていずれかの方向性に重点を置くことを検討することが求められます。

ゾーン攻撃

1つ目はゾーン攻撃です。ゾーン攻撃は新規事業の分野において、企業が生き残りをかけて破壊的イノベーションをどのように創造していくかという行動を指します。 先にご紹介した4つのゾーンの中では、新規事業の創出(インキュベーション・ゾーン)、新規事業の拡大(トランスフォーメーション・ゾーン)といった2つのゾーンが該当します。そしてゾーン攻撃として、新規事業の確実な創出と拡大を行うために必要なマネジメント方法が提唱されているのです。

ゾーン防御

2つ目はゾーン防御です。ゾーン防御は既存事業において、強固な守備体制を築いていく行動を指します。 先にご紹介した4つのゾーンの中では、既存事業の維持(パフォーマンス・ゾーン)、生産性の向上(プロダクティビティ・ゾーン)といった2つのゾーンが該当します。ゾーン防御は必ずしも全ての企業が行うべきではなく、新規事業の可能性や既存事業の現状を踏まえて慎重に判断するべき内容です。

 

02ゾーンマネジメントの4つのゾーン

では、さらに具体的にそれぞれのゾーンを見ていきましょう。これらのゾーンは、事業投資の観点と投資回収の観点を非常に大切にしています。事業投資の金額はもちろん、回収できる期間もそれぞれ異なるため、企業の現状を踏まえて慎重に判断することが求められます。

パフォーマンス・ゾーン

まずご紹介するのは、すでに安定的成果が生まれている既存事業の維持を意味するパフォーマンス・ゾーンです。パフォーマンスゾーンは既存事業で成果を出すことを前提にマネジメントを行います。事業に関わる営業担当が商品やサービスの販売量はもちろん、積極的にアップセルやクロスセルを行っていくイメージです。

パフォーマンス・ゾーンはすでに確立されたビジネスであるため、投資資金を回収しやすいという特徴があります。既に商品やサービスが完成していることや、販売するべき顧客が明確になっているからです。会計年度に沿って年次や四半期ごとで事業計画の策定と振り返りが行われ、短期的目線の上でも事業収支が成り立ちます。また、このパフォーマンスゾーンの事業で得た収益が、トランスフォーメーション・ゾーンの事業への投資にも回ることになります。

プロダクティビティ・ゾーン

続いてご紹介するのが、生産性の向上を意味するプロダクティビティ・ゾーンです。パフォーマンス・ゾーン同様、既存事業で成果を出すことを前提にマネジメントを行うものの、基本的に直接売上を生み出す訳ではないバックオフィス部門などがここに該当します。

ここでは生産性を高めることでの貢献が期待されます。成果を増やす働きでなく、投資するリソースを制限することで生産性を高めるのです。 スタッフ部門は自社内で完結するということもあり、積極的に成果を向上させることができるゾーンです。

また、パフォーマンス・ゾーン同様に、投資資金を回収しやすいという特徴があります。スタッフ部門の生産性向上は、自社内の情報のみで読みを立てやすいことから、こちらは、社内の年間計画や3か年計画に沿ってアクションが行われ、パフォーマンスゾーンと比較するとやや長い目線での取り組みが行われます。

トランスフォーメーション・ゾーン

続いてご紹介するのは、破壊的イノベーションを担うトランスフォーメーション・ゾーンです。トランスフォーメーション・ゾーンは、新規事業の創出・拡大を担うゾーンで、ある程度芽が出ると考えられる事業に対してリスクを背負って投資を行うゾーンです。

ここでは、インキュベーション・ゾーンと比べても大きな投資を伴うため、全社として利益率の低下や、投資家からの批判を生じる可能性もあります。そのため、確実な新規事業の創出・拡大を前提に、CEO直下の新部門にて対応するのが良いとされています。 こちらはパフォーマンス・ゾーン、プロダクティビティ・ゾーンとは異なり、投資回収に一定の時間を要する算段となっています。ただし、攻めの実行を伴うことから回収期間は2年から3年に設定されています。

インキュベーション・ゾーン

最後のゾーンは、新規事業を育むことを目的としたインキュベーション・ゾーンです。いわゆる0→1、もしくは1→10のフェーズを担うゾーンとして設定されています。企業内の部門に置き換えると、R&Dもしくは事業開発部門が該当します。 トランスフォーメーション・ゾーンは、ある程度新規事業の見込みが立っているのに対し、インキュベーション・ゾーンは種に満たないような下地を創り出すイメージです。いわば新規事業に立ち向かうことができる、攻めの武器をつくるゾーンと言えるでしょう。

こちらはトランスフォーメーション・ゾーンよりもさらに前段階のため、投資回収には3年から5年の時間が掛かるとされています。基本的に収益を生むゾーンではないのでコストがかかりますが、投資額もトランスフォーメーション・ゾーンと比較して小さいことが特徴です。

 

03ゾーンマネジメントがもたらす効果

ここまでゾーンマネジメントにおけるそれぞれのゾーンをご紹介してきましたが、実際に組織の中で取り組むと、どのような効果を期待することができるのでしょうか。 いずれも新たなイノベーション創出を期待できますが、今回は代表的なイノベーションを2点ご紹介します。

持続的イノベーション

持続的イノベーションは、ゾーン内のパフォーマンス・ゾーンとプロダクティビティ・ゾーンに該当します。つまり既存事業に対するイノベーションを指します。 企業が市場、もしくは顧客の満足度を高めるために、自社の商品やサービスの性能を向上させるイノベーションを指しており、既存商品やサービスに革新的な付加価値を加える際に必要となるイノベーションです。

様々な技術革新によって市場や顧客のニーズは日々進化しています。そのため企業は、常に新たな技術を理解し、顧客の細かなニーズまでも満たしていく必要があるのです。 持続的イノベーションは企業が顧客に見放されず、市場で生存していくためのイノベーションと言い換えることも可能です。

破壊的イノベーション

一方、持続的イノベーションの対となる破壊的イノベーションは、ゾーン内のインキュベーション・ゾーンとトランスフォーメーション・ゾーンが該当します。 既存の市場で認められている価値に固執せず、市場競争のルールの見直しから開始し、業界構造すらも劇的に変えてしまうようなイノベーションを指しています。そのため、従来の常識を覆すような商品やサービスが投入された際に、破壊的イノベーションという言葉が用いられることがあります。

現在市場の中では、様々な企業が多種多様な持続的イノベーションを起しています。その結果、市場への商品やサービスが供給過多になっており、企業が業績を維持していくのは至難の業です。そこで、破壊的イノベーションを起こすことで、企業が新たなニーズを獲得する必要性が生じているのです。

 

04ゾーンマネジメントを導入するために必要なポイント

ゾーンマネジメントは、一見するとハードルが高いように感じるかもしれません。しかし、既存事業を4つのゾーンに分けることで、それぞれのゾーンが担う役割や目標を明確にすることができます。 その結果、組織としてはいつ、どのタイミングで誰にどのような評価をするべきかを明確にすることができるのです。従業員それぞれが自身が該当するゾーンを明確に理解していれば、納得感ある評価と共に事業を推進していくことが可能です。


 

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05ゾーンマネジメントで企業にイノベーションを

各ゾーンの特性を正しく理解し、最適な人員配置を行うことができれば、事業はもちろん、企業内のイノベーションを期待することが可能です。 既存事業の運営も、新規事業の創出も、どちらも企業にとっては重要で、優劣付け難いものです。しかし、同じ枠組みの中で評価をすると、どうしても納得感を得られない従業員が多くなってしまいます。 ゾーンマネジメントは、既存事業の革新や新規事業創出だけではなく、企業全体へのイノベーションを期待することが可能です。組織運営や事業運営に課題を持つ場合には、ぜひゾーンマネジメントに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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