公開日:2022/10/05
更新日:2023/02/02

リソースマネジメントとは?種類や方法を解説

リソースマネジメントとは?種類や方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

リソースマネジメントとはヒト、モノ、カネ、時間などのリソースを適切に分配し、プロジェクトを成功に導くことを目的としたマネジメントです。リソースに注目したマネジメント手法で活用することができれば、組織の成果の最大化を図ることができます。

 

01リソースマネジメントとは

リソースマネジメントとは経営資源と言われるヒト、モノ、カネ、時間、情報などのリソースを適切に分配・管理し、プロジェクトを成功に導くことを目的としたマネジメントです。

業界や企業のそれぞれのプロジェクトによって必要なリソースは全く異なります。成功に必要なリソースを明確にし、過不足なく分配することでプロジェクトの成功確度は上がるでしょう。また、プロジェクト進行中にリソースを管理する必要もあります。ヒト、モノ、カネ、時間、情報を適切に管理することで成功に導くのです。

 

02リソースマネジメントの重要性

リソースマネジメントなしにプロジェクトを成功させるのは難しいでしょう。適切なリソースマネジメントができなければ、無駄な作業が増えたり、人件費などのコストが上がったりする可能性が高まります。反対にマネージャーなどプロジェクトを統括する立場にいる人が適切にリソースを分配することにより、生産性が上がったり、無駄な作業やコストを削減したりすることができます。

 

02リソースマネジメントの種類

リソースマネジメントと一言でいっても、さまざまな種類が存在します。ヒト、モノ、カネ、時間、情報、知的財産の観点から説明します。

ヒトのマネジメント

ヒトのマネジメントとは、人的リソースをマネジメントすることです。リソースマネジメントではこの「ヒト」のマネジメントが最も重要と言われています。それは、モノやカネ、情報、時間を扱うのはヒトだからです。経営資源の中で最もレバレッジが効くのがヒトなのです。

具体的にはプロジェクトに参加しているメンバーのスキルや特性、価値観などを把握し、適切なポジションに配置したり、コミュニケーションをメンバーごとに変えたりする必要があります。

メンバー1人1人をしっかりと理解し、配置、役割、進め方などを個人に合わせて最適化することで、パフォーマンスを向上させます。

モノのマネジメント

モノのマネジメントとは、設備や環境に関するマネジメントです。エンジニアに例えるとPCやソフトウェアなど、仕事を行う上で使用する道具や環境を指します。

基本的に高性能の設備が揃っていればそれに比例し、プロジェクトを効率的に進める事ができます。しかし、コストをかけて設備を揃えたとしてもメンバーが使いこなせない場合などは返って作業効率が落ちてしまう危険性があります。モノを揃える場合はよく吟味し選択しましょう。

カネのマネジメント

人件費や維持費などのお金に関するマネジメントです。ビジネスはサークルやボランティアなどと違い、利益を上げることを目的としています。お金はプロジェクトの体力そのものであり、利益がでなければプロジェクトは破綻してしまいます。

使っていない設備にお金を払い続けていないか、プロジェクトの規模に合わないほどの従業員を雇っていないか、今一度確認してください。コストを減らすことができれば、余裕をもってプロジェクトを進める事ができ、成功に近づけることができるでしょう。

時間のマネジメント

プロジェクトや事業を考えるときに時間という概念は切っても切り離せません。ヒトやモノ、カネと同様に大切で適切に管理することがマネージャーやリーダーには求められます。

どんなプロジェクトにも期日があります。その期日までに成果を上げることを考えたときに、計画を逆算して考えなくてはいけません。期日までに必要な中間目標(マイルストーン)を引き、具体的なタスクに分解し進めていくのです。限られた時間の中で、成果を最大化するためには、時間の管理は必要不可欠でしょう。

情報のマネジメント

情報に関するマネジメントです。ヒトやカネと違い、実態はありませんが、情報は企業が所有している最も重要な資産のひとつでしょう。これまでプロジェクトで蓄積したノウハウや技術を社内で共有し、効率的に進めていく必要があります。

マネージャーには情報を閲覧共有する権限が付与されているはずですから、適切な情報を配分するように心がけてください。また顧客情報などは、外部に漏れてしまうと大きく信頼を失ってしまう可能性があるため、情報を提供する先には十分な注意を払いましょう。

 

03リソースマネジメントの方法について

リソースマネジメントの方法について具体的に解説します。

ヒトのマネジメント

ヒトは機械やシステムと違い24時間働くことができませんし、人間関係や労働環境によりパフォーマンスが大きく変動します。しかし、前述の通りもっともレバレッジの効く資産はヒトです。働き方や人種が多様化する中で効果的なマネジメント方法を理解し、企業のさらなる生産性向上を目指すためにはヒトのマネジメントは不可欠です。ここからは具体的なマネジメント方法について解説します。

タレントマネジメント

タレントマネジメントとは従業員(タレント)のスキルを見極めて、適切なポジションに配置し最大限のパフォーマンスを引き出すマネジメント手法です。海外でタレントマネジメントは広く採用されており、日本でも今後広がる可能性が高いでしょう。

タレントマネジメントの特徴は個々のスキルを見極めデータ化し、戦略的な人材育成や管理に役立てることにあります。スキルを可視化することにより、適切なポジションに配置しやすくなり、従業員にとっても得意な分野で仕事ができるため、モチベーションのアップにもつながります。

ストレスマネジメント

日々残業が続きなかなか家に帰ることができなかったり、人間関係がうまくいかず周りとうまくコミュニケーションが取れなかったりと社員がストレスを抱え込んでしまう状況は様々です。

社員にストレスが溜まると当然、パフォーマンスは落ちてしまうでしょう。しかし、マネージャーは従業員のストレスになかなか気付けない場合もあります。そのような事態に対処するために月に一度メンバーと面談をしたり、事前に相談窓口を開設するなど従業員のストレスをキャッチアップできる環境を整えることが大切です。

パフォーマンスマネジメント

ヒトのマネジメントをする上でパフォーマンスマネジメントも欠かせません。パフォーマンスマネジメントとは、上司と部下、人事部が密にコミュニケーションを取り、目標の設定から達成までを管理するマネジメント手法です。これを実施することで、ヒトのパフォーマンスの最大化を図ることができるのです。

設定する目標は定量的である必要があります。例えば「顧客満足度を上げる」ではなく「月に契約を10本取る」など数字に落とし込みます。どれくらい達成できたのか、目的に対して差異がどれだけあるのかを明確に確認する事ができます。

モノのマネジメント

基本的にはモノが豊富に揃っていれば業務を効率的に進める事ができます。しかしモノが多ければ多いほど管理するコストが高くなってしまいメンテナンスの費用も上がってしまいます。

また、モノを撤去する際にも当然費用がかかるので注意しましょう。現在進めているプロジェクトに何がどれくらい必要なのか、最初は少量をテスト的に導入し、効果が期待できれば大きく導入するなど、リーンスタートアップの考え方が大切です。

カネのマネジメント

カネ(費用、予算)を適切に管理することにより、事業の拡大や生産性の向上を図ることができます。利益は売上から費用を引くことで決定します。極端な話、費用が0であれば、売り上げが1円であっても事業を継続させることができます。

まずはプロジェクトで発生している費用を洗い出し、どこにどれくらいかかっているのかを明確にしましょう。費用と利益を適切にコントロールすることができれば、プロジェクトが失敗に終わることはないのです。

時間のマネジメント

多くの仕事には期限があります。定められた時間の中でパフォーマンスを最大化するために、時間を適切にマネジメントする必要があります。プロジェクトの時間を管理するためにWBSとプライオリティー選定が有効です。

WBS

WBS(Work Breakdown Structure)とはプロジェクトの工程、スケジュールをまとめた計画表のようなものです。時間を適切に管理し、プロジェクト完了までの見通しを立てるためには必要なアウトプットです。

誰がもしくは、どのチームがいつまでに何をしなければならないのか表に一覧化し共有して作業を進めます。スケジュールに遅延が発生するとWBSも作り直す必要があるため、随時スケジュールをメンバーで共有し、確認しましょう。この時余裕を持ったスケジュールを設定することが重要です。

プライオリティー選定

どのタスクの優先順位が高いのか見極めることは、仕事を進める基本でしょう。部下に仕事を任せる場合、マネージャーと部下の優先順位の認識が違っており、優先すべきタスクが全然進んでおらずプロジェクトが滞ってしまうという事態は避けなければなりません。タスクを割り当てるときは、優先順位を合わせて伝えるようにしてください。

情報のマネジメント

企業にとって、顧客情報や技術の情報は資産そのものであり、外部に流出させることは許されません。マネージャーは、情報の管理を徹底させる必要があります。自分だけ情報のマネジメントができていれば問題ないわけではなく、プロジェクト全体の情報を管理しなければなりません。

所有している情報を洗い出し、共有や情報の深堀りなど多角的に考え、情報を活用していくことでプロジェクトを成功に導きます。

 

04リソースマネジメントを強化するには研修やセミナーを活用する

リソースマネジメントをいざ実践するとなると、不明点やうまくいかないことも多くあるでしょう。そういった場合に備えてリソースマネジメントの定義や模範行動などが分かるような研修を実施することで、自社の目指すべきリソースマネジメントの理想への理解が深まるでしょう。


 

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05まとめ

ヒト、モノ、カネ、時間、情報のリソースマネジメントについて解説しました。リソース管理は企業が利益を上げるために必要不可欠な要素です。マネジメント方法の概要は理解できたが、なかなか実践できない、実践したがうまくいかないという方もいらっしゃると思います。まずは研修などで考え方の基礎を学び、通常業務などで積極的に挑戦してみましょう。

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