公開日:2021/09/10
更新日:2023/06/22

管理職の育成はなぜ重要?育成計画のポイントや効果的な研修例を紹介

管理職の育成はなぜ重要?育成計画のポイントや効果的な研修例を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

管理職の育成が重要だと分かっていても、育成計画の立案に苦労している企業は少なくありません。しかし、管理職の育成を行わないことには大きなリスクが伴います。本記事では、管理職の育成の重要性や育成計画のポイントを効果的な研修事例とともに解説します。

 

01管理職の育成とは

管理職の育成とは、組織全体の運営や目標達成に向けた能力を育成することを指します。 管理職の育成は組織の持続的な成功にとって重要であり、組織のビジョンや戦略を実現するためのリーダーシップを育むことを目的としています。

管理職の育成は企業にとって重要課題

管理職の育成を行っている企業の割合

管理職の育成は部下の人材育成へと繋がり、強い組織、高い成果を上げる組織を作ることにもなります。しかし、半数近くの企業が管理職研修の実施に苦労しており、多くの企業にとって管理職育成は重要課題になっているようです。

HR総研が2020年に行った「人材育成に関するアンケート調査」によると、管理職研修を行っている企業は53%、行っていない企業は47%でした。また、管理職研修を行っている企業を規模ごとに分けると、大企業は74%、中堅企業は62%、中小企業は36%で、特に中小企業における実施率の低さが目立つ結果になっています。

これには、企業規模が大きくなるにつれ、管理職の裁量権が大きく、役割が明確になる傾向にあることが関係していると考えられます。 研修方法に関しては、「集団研修」が92%と圧倒的に多く、オンライン形式を取り入れるなど、改善の余地があることが分かります。
参考:人材育成に関するアンケート調査

 

02管理職の多岐にわたる役割

管理職には多岐にわたる役割があり、管理職が立ち止まると業務が滞ってしまいます。そこで、管理職を育成することで、企業の期待に応えてもらう必要があります。ここでは、管理職の役割について解説します。

管理職の役割

経営陣と部署との橋渡し

管理職の役割として、経営陣と部署との橋渡しが挙げられます。管理職には、経営陣の意思や会社の理念を部署内の一般社員に浸透させる重要な役割があります。部下が理解して行動できるよう分かりやすい言葉で伝えたり、自身の行動で伝えたりするため、高いコミュニケーションスキルを必要とします。 また、現場の業務進捗状況、問題となっていることや要望などを経営陣に伝え、意思決定に貢献することもできます。

部署内の業務管理

管理職の役割には、部署内の業務管理も含まれます。部署の目標を設定し、達成できるように部下の能力に応じて業務の割り振りを行います。自身の業務を遂行しつつ、部下の業務の進捗状況も確認しなければなりません。進捗の遅れが生じている際には、プロセスの見直しや改善に努めます。 また、環境や市場の変化に応じて、新たな試みを導入することも求められます。例えば、IT技術を導入して業務効率化を図ることも、管理職に求められる役割のひとつです。

部署内の労務管理

管理職には、部署内の労務管理という役割もあります。残業時間の規制や生産性向上が求められる昨今、部下の労働時間や健康面の管理、メンタルヘルス対策にも力を入れる必要があります。 また、業務に関する法令を理解して遵守すること、ハラスメント防止や人間関係の配慮などにより、部下にとって働きやすい環境を作るのも重要な役割です。

部下の人材育成

部下の能力や適性を把握して、育成することも重要な役割のひとつとして挙げられます。部下の育成には、単に業務を教えることだけでなく、キャリアプランについて共に考え、サポートすることも含まれます。 部下が企業の方針に従って能力を十分に発揮できるよう、モチベーションを維持できる取り組みを行ったり、心身の状態を気にかけたりするのも管理職の役割です。

 

03管理職を育成するメリット

管理職が役割を十分に果たすためには、企業として管理職を育成する必要があります。ここでは、管理職を育成することで発生する具体的なメリットを紹介します。

組織の持続的な成長と発展

管理職を育成することで、組織内に優れたリーダーシップを持つ人材を育成することができます。これにより、組織のビジョンや戦略の実現に向けた方向性や計画をリードし、組織の持続的な成長と発展を促進することができます。

生産性の向上

管理職の育成により、リーダーシップとマネジメントスキルを身につけることでチームの効率と生産性を向上させることができます。管理職ではプレーヤーとしての業務だけでなく、部下の業務管理も担います。部下の能力を把握し、適切な業務配置を行うことによって、チームの生産性向上へとつながるのです。

従業員の成長とエンゲージメントの向上

管理職の育成は、従業員の成長とキャリアパスの機会を提供する重要な要素です。組織内での昇進やリーダーシップの役割への挑戦は、従業員のモチベーションを高め、スキルや能力の向上につながります。また、優れた管理職が従業員とのコミュニケーションや関係構築に注力することで、従業員のエンゲージメントが向上し、組織の離職率を低下させる効果も期待できます。

 

04管理職研修の進め方

ここまで管理職に求められる役割や、管理職を育成するメリットについて説明しました。ここでは管理職の育成をどのように進めればいいのか紹介します。 管理職の育成の進め方は4つのステップに分けることができます。それぞれステップでやるべきことを以下で説明します。

管理職研修の進め方

1.目標設定と評価

管理職育成の初めに、組織の目標と管理職が達成すべき能力やスキルを明確に設定します。それぞれの管理職候補者の現在の能力や成果を評価し、育成プランの方向性を決定します。

2.研修プログラムの設計

育成プランに基づいて、管理職が必要とするスキルや知識をカバーする研修プログラムを設計します。研修内容はリーダーシップ開発、コミュニケーションスキル、人材管理、戦略思考などに焦点を当てることが一般的です。

3.実践とフィードバック

研修プログラムの一環として、実践の機会を提供します。管理職候補者には、学んだスキルや知識を実際の業務で適用し、経験を積む機会を与えます。同時に、フィードバックを提供し、成長のためのアドバイスや指導を行います。

4.成果の評価とフォローアップ

管理職育成の成果を評価し、定期的なフォローアップを行います。成果の評価は、目標の達成やパフォーマンスの向上、組織への貢献などを基準に行われます。また、成果に応じてさらなる成長のための支援や追加の育成プランを検討します。

 

05管理職の育成計画を立てる際のポイント

ただ研修制度を導入するだけでは、効果的に管理職の育成をすることはできません。ここでは、管理職の育成計画を立てる際のポイントを解説します。

管理職の育成計画を立てる際の手順

企業が求める理想の管理職像を明確にする

まず、企業が求める理想の管理職像を明確にします。企業や組織によって管理職に期待する役割やスキルは異なるので、社内で共有し、研修制度を導入する際に活用できるようにすることが大切です。 また、社内で企業が求める管理職像が共有されていると、ただ辞令を出すのではなく、事前に社員と役割の確認を丁寧に行うことができ、心の準備を促すことができるでしょう。

理想と現状を把握して課題を洗い出す

次に、現時点での管理職の働きと理想像とのギャップを洗い出します。これには、管理職や候補者が今まで経験してきた業務、能力レベルや成果、得意分野と不得意分野などを細かく分析することが関係します。 管理職の中でも、部長、次長、課長、主任など、それぞれに求められる役割やスキルが異なるため、現状の把握と課題の洗い出しを丁寧に行うことが大切です。また、今後の事業戦略を考慮して、管理職のポジションの増減についても考えると良いでしょう。

研修により達成したい目標を設定する

課題の洗い出しができたら、それに合わせて研修を通じて達成したい目標を設定します。目標設定の際には、理解させたい学習目標と、研修後に実務で活用できるような行動目標を設定します。管理職が学んだことを理解し、実行することで、研修ははじめて意味を成すと言えるでしょう。

研修のカリキュラムを作成する

課題に基づいて研修の目標を設定したら、研修のカリキュラムを作成します。研修内容や参加者の数、日数などを決めていきます。研修の実施方法も、ひとつの会場に集めて集団研修を行うか、eラーニングなどオンライン研修を導入するかを考えます。参加者の予定を確認し、業務に支障がないよう調整することも重要です。

研修を実施して効果を測定する

研修カリキュラムに従って研修を実施します。研修を実施して終わりにするのではなく、研修の効果を測定することも大切です。測定方法としては、受講者の反応、学習、行動、結果の4段階で評価する「カークパトリックの4段階評価法」が有名です。 さらに、アンケートなどを通して研修内容に対する受講生の満足度を調査することで、次回の研修の際に、内容の見直しや改善を行えるようになるでしょう。

【関連記事】カークパトリックとは?4段階評価法のメリットや問題点を解説
 

06管理職を育成するために効果的な研修例

最後に、管理職を育成するために効果的な研修例を6つ挙げて紹介します。

コミュニケーション研修

組織に一体感もたらし目標達成を目指すためには、円滑なコミュニケーションが欠かせません。コミュニケーション研修を通して、目標の共有や方向性を部下に理解できるように伝える能力や、部下のモチベーションを維持するための対話スキルなどを向上させることができます。また、1on1ミーティングやコーチングを効果的に行うためのスキルアップにも繋がります。 コミュニケーション研修の一例として、基本的なビジネスマナーを身に付けることが挙げられます。最初に挨拶をするなど、きちんとマナーが守られていないなら、コミュニケーション以前の問題として、良い印象を与えることが難しくなります。それに加えて、相手の心を掴む話し方や、相手の意図や心理を汲み取る話の聞き方も学ぶことができるでしょう。

【関連記事】Schoo|コミュニケーション研修

マネジメント研修

管理職にとって重要なスキルのひとつである、マネジメントスキルを向上させる研修です。管理職に求められる役割と業務について理解し、自信に繋げることができます。業種や業界ごとに異なるマネジメントスキルを身に付けることが重要です。 マネジメント研修では、自分のチームだけでなく会社全体の数字を意識するよう「経済数字力」を身に付けます。また、部下を育成するスキルも学びますが、特に今どきの若者の価値観に合わせたマネジメント法は、人材流出を防ぐために役に立つでしょう。

【関連記事】Schoo|マネジメント研修

コーチング研修

コーチング研修では、部下の人材育成に欠かすことのできない、コーチングの基礎や部下の話を引き出す方法、チームとして成果を出す方法について学びます。頭ごなしに指示を出すのではなく、部下の「気づき」により自ら課題に取り組めるようサポートすることで、強い組織つくりに繋げることができます。 また、コーチングを意識しても期待した成果が得られないことがあります。コーチングでありがちな「落とし穴」や、成果を上げるための対策についても学びます。

【関連記事】Schoo|コーチング研修

生産性向上研修

時間や人的リソースが限られている中、生産性を向上させるのは難しい課題となっています。生産性向上研修では、管理職としてチームの生産性をどのように向上させることができるかを学びます。自身の業務だけでなく、チーム全体の業務管理も任される管理職にとって、効果的な研修であると言えるでしょう。 生産性向上研修の一例として、モチベーションに依存しない組織マネジメントについて学びます。また、会議の質についての悩みを解決する「最高品質の会議術」も、管理職にとって有益な情報となるでしょう。

【関連記事】Schoo|生産性向上研修パッケージ

メンタルヘルス研修

メンタルヘルスに関する基礎知識やさまざまなケーススタディにより、自身と部下のメンタルヘルス対策に役立てることのできる研修です。職場でのストレスに対処する方法を知るとともに、チームからメンタルヘルス不調者を出さないための対策を学びます。 研修内容の一例には、メンタルヘルス不調者の前兆や、絶対に言ってはいけないNGワードなどがあります。時代の流れとともに職場環境も変化しているため、今までの常識を見直し、アップデートすることに繋がります。

【関連記事】Schoo|メンタルヘルス研修

リスクマネジメント研修

業務上のリスクを想定し、対応から収集までのプロセスについて学びます。社内セキュリティや情報管理、労務に関わる問題は企業に大きなダメージを与える恐れがあります。適切な予防と、不足が起きた際の対応は管理職の重要な役割でもあります。 具体的には、日常管理でよくある問題への対応や、ハインリッヒの法則と事故、ヒヤリ・ハット分析の必要性などを学ぶことができます。

【関連記事】Schoo|リスクマネジメント研修パッケージ

 

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


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07Schooで実施できる効率的な管理職の育成

Schoo for Businessでは約7,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

1.研修と自己啓発を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約7,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.管理職研修におすすめの研修パッケージ

管理職研修には、Schooの管理職研修パッケージがおすすめです。管理職研修パッケージでは、マネジメントスキルや、部下の育成スキルなど、管理職に必要なスキルに関する知識を、体系的に学ぶことができます。

さらに、約7,000本近くにもなる数々の講座から、自社の育成方針に則った研修プログラムを作ることも可能です。ぜひ一度ご覧ください。

管理職研修パッケージを見る

3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方1

まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

管理画面の使い方2

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

Schoo for Businessの資料をもらう

 

08管理職の育成に関する事例

この章では管理職の育成に取り組んでいる企業の事例をご紹介いたします。

コニカミノルタジャパン

コニカミノルタジャパンでは、新任管理職に対して事前課題としてSchooで知識の習得を行い、3日間の集合研修で自分の想いを整理したり視座を高めたりして変革プランを練李、その後半年間は職場で実践するという形をとっています。Schooで学んだことを職場で実践し、その中で感じた課題を解消するためにまたSchooを使うというサイクルを意図的に作っています。会社から指示されたから学ぶというだけでなく、自分で課題を見つけて自律的に学ぶツールとして、Schooで学んだことが現場に活きるようにしているのが特徴です。

▼コニカミノルタジャパンの取り組みに関して詳しく知りたい方はこちら▼
【関連記事】コニカミノルタジャパンのSchoo活用事例

オリエントコーポレーション

オリエントコーポレーションでは、管理職の評価項目に、部下育成の項目を入れています。具体的には「学びを支援するような働きかけをしているか」「部下への動機付けをしているか」のような項目です。管理職には部下の業務に必要な研修情報等を収集し、研修の受講や自己啓発をすすめることを求めているのです。これによって、部下を育てながら管理職の育成にも繋がっています。

 

09管理職研修のよくある質問

ここからは、Schooの管理職研修についてのよくある質問を、Q&A形式でご紹介します。

質問:管理職研修の内容について教えてください。

回答:Schoo for Businessを使った管理職研修では、部下とのコミュニケーションや組織マネジメントなどを学ぶことができる「マネジメント」や、「ビジョンマネジメント」、「コーチング」などの講座がよくご利用いただいております。 研修を通じてマネジメントの基礎を身につけ、組織課題解決力の向上を目指します。

質問:授業はどのように選んだらよいですか?

回答:スクーでは職種別・階層別に様々な研修パッケージをご用意しています。研修パッケージはいくつかの授業によって構成されており、目的や対象に合わせて研修パッケージのテンプレートを選択するだけで簡単に研修を開始することができます。管理職研修パッケージの一例をご紹介すると、「新任マネージャー研修パッケージ」や「指導力研修パッケージ」「メンタルヘルス研修パッケージ」などがあります。

質問:当社の状況を踏まえた管理職研修パッケージは作れますか?

回答:授業を組み合わせてオリジナルの研修パッケージを作成することが可能です。 またスクーでは階層や職種に応じて様々な研修テンプレートをご用意しているので、1から研修を作る手間をかけずに社員に合った研修を始めることもできます。まずはお気軽にご相談ください。<お問い合わせフォーム

 

10まとめ

管理職育成の重要性、育成計画のポイントや効果的な研修例をまとめました。人手不足や企業を取り巻く環境の変化のスピードを考えると、企業の今後を担う管理職は重要なポジションにあると言えます。強くて高い効果を上げる組織作りには、管理職の育成が欠かせません。

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