公開日:2022/10/24
更新日:2023/02/02

MOT(技術経営)が注目されている理由は?導入するメリットや方法について解説

MOT(技術経営)が注目されている理由は?導入するメリットや方法について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年、MOT(技術経営)を導入して、世界でも渡り合えるようになることが企業では注目されています。グローバル化が進んでいることによって、企業はこれまで以上の競争力を身に付けるために、様々な経営戦略を立てています。本記事では、多くの企業で注目されているMOT(技術経営)を導入するメリットや導入するための方法について紹介します。

 

01MOT(技術経営)とは?

MOT(技術経営)とは、企業が持つ技術力を管理・活用して持続的な発展のために事業に技術を結びつける経営戦略です。「Management of Technology」の頭文字を取った略称で、日本語では「技術経営」という言い方もします。

日本は高い技術力を持っている企業が多く存在していますが、一方で技術マネジメント能力が低いとも言われています。そのため、日本企業がMOTを導入することによって、世界的な競争力を得やすくなる可能性が高いので、注目されています。また、MOTによって企業の成長だけでなく、研究・開発されたアイディアを上手く事業化させることも可能です。

▶︎参考:経済産業省「技術経営(MOT)とは①」

 

02MOTの必要性

MOTが日本の多くの企業で必要とされ、注目されている理由は、主にグローバル化やIT化によってビジネスモデルが多様化したからです。

日本企業は、低価格で高品質の商品やサービスを提供することが得意ですが、現在は世界的に低コスト高品質の商品やサービスの提供が行われており、ほとんど差がなくなってきました。さらに、日本企業は数十年単位で同じ社内統制を維持している場合が多く、特に生産性の低さやイノベーションへの取り組み不足が課題になっています。また、中小企業をはじめグローバル化に対する取り組みがあまりできておらず、日本の技術力が十分に世界で発揮されていないので、世界と比較して競争率が低下しています。

そのため、MOTを導入して日本の技術力を効果的に経営に結びつけて、国際的に大きな経済価値を生み出す必要があります。MOTの導入によって新たな経済価値をもたらす事業や技術を世界的に生み出すことができれば、国際社会で十分な結果を得られる可能性も高くなります。

 

03MOTを導入するメリット

アメリカでは、1980年代から多くの企業でMOTが注目されるようになり、数多くの企業がMOT導入によって大きく成長しました。技術力を経営に結びつけて、国際的な競争力を高めることができるMOTを企業に導入することで、どのようなメリットがあるのか解説します。

  • ・1.競争力の向上
  • ・2.収益の向上が期待できる
  • ・3.新規事業が生み出しやすくなる

1.競争力の向上

MOTの導入によって、より高品質な商品やサービスの提供を行えたり、戦略性の高い経営を行えるようになると、企業の競争力は向上します。さらに、ノウハウや知識も蓄積するようになるため、業務効率の改善やコストの削減などに繋がり、企業の余力が大幅に増えます。MOTを意識した事業立ち上げや新製品の開発などは、市場のニーズにマッチしやすく、これまで以上に高い利益を見込めます。そのため、国内での競合他社に止まらず、国際的な企業に対しても差をつけることが可能です。

2.収益の向上が期待できる

MOTでは、事業立ち上げや研究開発を効率的に行うために改善するので、時間的・経済的コストを削減できます。さらに、高い技術力を使い新しく創造された商品やサービスは、市場のニーズとマッチしやすく利益の向上も期待できます。そのため、必要経費の削減と利益の向上によって、これまで以上に収益を向上させることが可能です。また、MOTによって得た知識やノウハウは、社内全体の大切な資産になるため、業務効率の向上や優秀な人材の確保などもできます。

3.新規事業が生み出しやすくなる

MOTによって競争力や収益が向上することによって、企業は新規事業に力を入れやすくなります。研究・開発が効率的に行われるようになることで、競合他社にはない価値を生み出し差別化できたり、資金を新規事業に利用して高品質な商品・サービスを生み出せます。また、MOTによって業務効率の向上や優秀な人材の確保も期待できます。そのため、MOTの導入はこれから新規事業立ち上げを目指している企業や現在主軸の事業が低迷している企業でも大きなメリットになります。

 

04MOTの導入に必要なこと

MOTを企業に導入して上記のようなメリットを得るためには、MOTを導入できるような準備が必要です。MOTの導入にあたってどのような手順で、何が必要なのかを主に3つ解説します。

  • ・1.経営やビジネスで実践力になる人材の確保
  • ・2.社内の人材にリーダーシップやマネジメント教育を行う
  • ・3.MOTに対する価値観や文化などを社内体制に浸透する

1.経営やビジネスで実践力になる人材の確保

MOTの導入は、企業の技術力や研究・開発結果を事業に結びつけて、競争力を向上させることが主な目的です。そのため、MOTを突然導入することはできず、経営やビジネスにおいて実践力があり、ノウハウも優れた人材を確保する必要があります。

MOTの導入で効果的な人材として、既に経営観点のトレーニングを受けたMBA(経営学修士)の資格取得者やコンサルタント経験のある人材がいるとスムーズでしょう。MBAは、マーケティングや経営戦略などを学びながら、テクノロジーの進化によって変化し続ける経営体制についても学ぶので、MOTに必要な知識やスキルを持っている方が多いです。

2.社内の人材にリーダーシップやマネジメント教育を行う

外部からMOTの導入に効果的な人材を確保する以外にも、社内の人材にリーダーシップやマネジメント教育を行う方法もあります。社内でMOTを導入しても、実践させるためには、リーダー的存在の人物が先導して戦略を立案したり、組織で議論することも大切です。そして、社内の人材を先導したり議論し合うためには、十分なノウハウや技術を身につけておく必要があります。そのため、社内の人材を民間企業が主催している研修プログラムなどに参加させるなどの教育に投資してみるのもおすすめです。

3.MOTに対する価値観や文化などを社内体制に浸透する

MOTを導入することによって、企業にどのようなメリットがあるのか?社員1人1人の業務にどのような影響があるのか?などを理解させることも大切です。 突然、社内に新しい体制を浸透させようとしても、多くの社員が理解や慣れるまでに時間がかかってしまったり、意識が高まらない可能性があります。そのため、誰か発案者や責任者、MOT導入のために採用した人材などが、社内にどのような手順で進めていくのか?企業の売上や業務内容への影響などを浸透させましょう。少しずつ社内でMOTの導入によって、業務効率や売上、社内統制の改善・向上が期待できることが伝われば、組織全体の意識も高まります。

 

05MOTに必要な能力とは?

MOTを導入して企業が競争力や収益、業務効率を向上させるためには、具体的にどのような能力が必要になるのでしょうか?MOTに必要な人材確保や人材教育は大切ですが、具体的にどのような能力を確保するべきなのか、主に3つについて解説します。

  • ・1.企画の実践力
  • ・2.マネジメント力
  • ・3.先を見通す力

1.企画の実践力

企業の技術力や研究・開発の結果を事業に結びつけるためには、企画を立案し、それを実践させる必要があります。画期的な企画を立案することができても、それを事業化できなければ、改革を起こすことはできず、MOTが失敗に終わってしまいます。そのため、企画を立案しそれを実践するためには、どのような計画や準備が必要なのか解決できる能力が必要です。また、事業化した後も、その事業を軌道に乗せて企業の成長を促せる能力も大切です。

2.マネジメント力

MOTでは、技術を生み出すための研究・開発からそれを事業化させて企業の成長を促すまでの流れを、一貫してマネジメントします。

技術と経営を結びつけるためには、どのように利益を出すべきか?コストを削減して長期的に価値を生み出す方法、生み出した特許の管理など、さまざまな課題を考える必要があります。そのため、これらのマネジメントを十分に行える能力を持った人材やチームが、MOTを導入する企業には求められます。MOTの導入に成功した企業の多くでは、適切なタイミングで事業の立ち上げや撤退などの経営判断を行い、利益の最大化とコストやリスクの最小化をしています。利益を増やしコストとリスクを削減することで、資金に余裕が生まれ事業も成長しやすくなります。

3.先を見通す力

MOTでは、企業の技術を事業化させ発展させることが求められます。そしてそれを実現するには、自社技術に対する高い知見だけでなく、外部環境や変わりゆく社会に対してその技術を使ってどのような価値を提供できるのかを見定める力が必要になります。

仮に競合の技術の発展により、今後自社の技術の競争力が落ちることが想定されるのであれば、競争力を維持するための戦略が必要になります。また、今後市場に新しいニーズが生まれることが想定されるのであれば、自社技術を用いてその需要に応える方法を検討する必要があります。しかしこれらの洞察は、社会の変化や未来に対して鈍感であれば行えません。イノベーティブな思考で技術の活用を考えるには、先を見通す力が必要と言えるのです。


 

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06まとめ

日本の企業がこれからグローバル化やIT化によるビジネスの多様化に対応していくためには、MOTを導入して競争力を向上させることが大切です。また、大企業だけではなく、日本企業の約9割以上を占めている中小企業のMOT導入がとても大切になります。MOTを企業にうまく導入させることは決して簡単ではありませんが、活用することができれば、企業にとって大きな価値を生み出せます。MOTは、これからの企業にとって、とても重要になってくるので、ぜひ本記事の内容を自社の経営活動の参考にしてみてはいかがでしょうか?

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