公開日:2022/10/20
更新日:2024/03/24

リエゾンとは?リエゾン型人材のメリットや育成方法を解説

リエゾンとは?リエゾン型人材のメリットや育成方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

リエゾンには、仲介や橋渡しといった意味があり、ビジネスではリエゾン型人材という言葉で使われています。本記事では、リエゾン型人材に必要なスキル、メリットを解説しています。また、リエゾン型人材を育成する方法も解説しているため、人事担当者はぜひ参考にしてください。

 

01リエゾンとは?

リエゾン(liaison)とは、仲介や橋渡しといった意味を持つフランス語です。かつては軍隊同士の調整を行う役割を持つリエゾン・オフィサーという下士官が存在しましたが、昨今のビジネスシーンではリエゾンスタッフや特許リエゾンといった言葉で使われています。言葉の定義は企業によってさまざまですが、リエゾンスタッフは他部署や外部機関との調整を行う従業員を指します。特許リエゾンとは、特許の取得のために特許庁や特許事務所に働きかけを行う職種です。

また、ビジネスシーンを取り巻く環境の変化に伴って、異業種や他部署間で連携する必要が出てきたため、最近ではリエゾン型人材の必要性が高まっています。

リエゾン型人材とは

リエゾン型人材とは、異なる業種の企業やほかの部署、あるいはその他の外部組織との仲介役を担う人材です。また、リエゾン型人材は社内でのポジションや職種の名前ではなく、関係各所との調整を行う能力がある人材を指します。

連絡係との違い

リエゾン型人材と混同されやすい言葉に、連絡係が挙げられます。ビジネスにおける連絡係とは、関係各所へ決定事項を連絡する仕事を担う従業員です。一方で、リエゾン型人材は、連絡だけではなく関係者同士の意見を汲み取って調整します。そのため、リエゾン型人材は連絡係の応用的な立ち位置にあると言えます。

調整役との違い

調整役も、リエゾン型人材と類似した言葉です。調整役とは、ひとつの物事に対する複数の人たちの意見を汲み取ったうえで、全員が妥協できる着地点へ導く役割です。さまざまな意見を調整するという点ではリエゾン型人材と似ていますが、リエゾン型人材は調整するだけではなく、異なる組織同士の関係を良好にする役割が期待されています。

 

02リエゾン型人材が注目される背景

リエゾン型人材が注目を集める背景には、市場におけるニーズの変化やCSR活動の活発化、ビジネスのグローバル化といったメリットが潜んでいます。なぜリエゾン型人材が注目されているのか、その理由を解説していきます。

  • 1.市場におけるニーズの多様化
  • 2.CSR活動の活発化
  • 3.ビジネスのグローバル化

1.市場におけるニーズの多様化

昨今の市場においては、顧客ニーズの多様化によって、企業を取り巻く経済環境は複雑になりつつあります。その結果、従来と同じやり方では企業の売上を伸ばせなくなっていて、革新的な事業戦略が必要です。そして、革新的な事業戦略を創出する方法のひとつとして、これまでなかったような異業種や他部署間での連携が考えられたのです。異業種や他部署間における連携の必要性が高まるにつれて、関係各所での意見調整を行い、関係を良好に保つリエゾン型人材が重宝されるようになりました。

2.社会活動の活発化

最近では、社会貢献を行うCSR活動やSDGsへの取り組みに注力する企業が多くなるなど、企業の社会的影響を加味した活動の重要性が高まっています。広くステークホルダーへの影響を踏まえた活動を行うためには、何らかの外部組織と協力する場面が出てくるものです。そして、外部組織と自社との橋渡しを行い、スムーズなコミュニケーションを実現するリエゾン型人材が必要とされています。

3.ビジネスのグローバル化

業種によって程度の違いはあるものの、多くの業界で事業のグローバル化が進んでいます。その結果、海外の企業や外国籍の人とやり取りする機会が多くなり、双方の立場や意見を調整して仲介を行うリエゾン型人材の必要性が高まりました。海外と日本との間には、言語だけではなく文化や価値観でも大きな違いがあるため、双方の考え方を理解していることが、グローバルに活躍するリエゾン型人材に求められます。

 

03リエゾン型人材に求められるスキルとは

リエゾン型人材には、傾聴力などのコミュニケーションスキルや論理的思考力、説明力や交渉力をはじめとした、さまざまなスキルが求められます。ここでは、リエゾン型人材に求められるスキルについて、詳しく見ていきます。

  • 1.傾聴力などのコミュニケーションスキル
  • 2.異なる意見を整理する論理的思考力
  • 3.1つにまとめた意見を他者に説明する力
  • 4.異なる立場同士で条件を合わせられる交渉力

1.傾聴力などのコミュニケーションスキル

リエゾン型人材には、立場が異なる多くの人たちの、さまざまな意見を汲み取る役割が期待されます。したがって、他人の話にしっかり耳を傾けて、必要に応じて質問を行い意見を引き出す傾聴力が必要です。相手が伝えたいことを理解するだけではなく、相手の話の本質や意図、本音を見抜ける能力が求められます。

2.異なる意見を整理する論理的思考力

リエゾン型人材の役割に、異なる意見たちをまとめ上げて、最終的にひとつの結論に導くことが挙げられます。複数の意見を整理するためには、各意見の要点や本質を抜き出して、論理的に飛躍がないよう筋道を立てられる論理的思考力が必要です。

3.1つにまとめた意見を他者に説明する力

リエゾン型人材には、複数の意見を1つの結論にまとめた後、関係各所が納得できるように説明を行う役割が求められます。そのため、関係各所が妥協できるラインや希望する条件を踏まえたうえで、全員が納得できるような説明を行う力が重要です。

4.異なる立場同士で条件を合わせられる交渉力

異なる立場の組織同士が協力するうえでは、すべての条件を100%満たすことは難しいものです。したがって、リエゾン型人材には異なる立場の組織がお互いに利益を得られるような、条件の落とし処を探る交渉力が必要です。どこかひとつの組織だけに利益が偏るのではなく、すべての組織ができるだけ同程度に利益を得られるように交渉することが重要と言えます。

 

04リエゾン型人材を育成するメリット

リエゾン型人材を育成すると、新規ビジネスの創出やグローバル展開の実現に加えて、企業のイメージアップや、生産性の向上といった多くのメリットがもたらされます。それでは、リエゾン型人材を育成するメリットには具体的にどんなものがあるのか、紹介していきます。

  • 1.他業種との連携により新規ビジネスを創出できる
  • 2.ビジネスのグローバル展開が実現する
  • 3.円滑なCSR活動によって企業のイメージアップ
  • 4.部署間の連携がスムーズになって生産性が高まる

1.他業種との連携により新規ビジネスを創出できる

リエゾン型人材が他業種や他企業との橋渡しを担うようになれば、双方のアドバンテージを共有できるようになるうえに、お互いの弱みを補填し合える体制構築を期待できます。その過程では、双方の利点を活かした新たなビジネスを創出する可能性も高く、革新的な商品開発が実現します。

その結果、これまでターゲットにしてこなかった顧客層にも自社製品を購入してもらえるようになって、売上アップにつながるはずです。昨今では特にニーズの多様化が進んでいるため、他業種や他企業との連携で革新的な事業戦略を打ち出すことはとても重要であると言えます。

2.ビジネスのグローバル展開が実現する

グローバルに活躍できるリエゾン型人材を育成すると、これまでに関わってこなかったように海外企業と連携するチャンスが訪れる可能性があります。海外企業との連携がスムーズに進めば、ビジネス拠点をグローバルに展開できて、新たなマーケットの開拓やリソースの有効活用といったメリットも期待できます。

3.円滑なCSR活動によって企業のイメージアップ

CSR活動においては、報道関係者や地域の人々、その他外部組織と連携を行う必要があります。そうした場面で、リエゾン型人材が関係各所と良好な関係を築ければ、対外的な企業のイメージアップにつながる可能性があります。さらに、企業イメージが上がったことをきっかけに、商品を購入してくれる顧客が増えるメリットも期待できます。

4.部署間の連携がスムーズになって生産性が高まる

リエゾン型人材を育成するメリットは、企業の外部組織との連携が円滑になるだけにとどまりません。企業の内部においても、他部署同士の連携がスムーズになる効果を期待できます。そして、他部署同士の関係が良好になれば、業務上協力し合えるようになるはずです。その結果、業務の効率化が実現して、企業全体の生産性が高まる可能性があります。

 

05リエゾン型人材を育成する方法

リエゾン型人材を育成することには多くのメリットがありますが、ここではどのように育成すれば良いのかを解説していきます。リエゾン型人材を育成するうえでは、人事担当者が育成の機会を設けるのはもちろんのこと、従業員本人のマインドセットも重要です。

  • 1.従業員に異業種交流会へ参加してもらう
  • 2.部署を超えて意見交換を行う機会を設ける
  • 3.研修でリエゾン型人材に必要なスキルを高める

1.従業員に異業種交流会へ参加してもらう

異なる立場の人たちの意見を汲み取れるようになるためには、まずはさまざまな考え方や価値観を学ぶことが効果的です。異業種交流会とは、異なる業種の人たちが一堂に会して、自分の業界における話を話したり異業種の話を聴いたりして、情報交換を行う場です。

自分が従事する業界とは異なる業界の話を聴くことで、視野が広がって多角的な視点を持てるようになります。リエゾン型人材の役割のひとつに、異業種間での調整があるため、異なる業種の情報を学ぶことはとても重要です。

2.部署を超えて意見交換を行う機会を設ける

リエゾン型人材には、他部署間での連携をスムーズに行う役割が求められます。そのため、自分の部署の価値観に捉われることなく、他部署の考え方や仕事の進め方を学んでおく必要があります。例えば、ランチタイムなどの時間を使って、部署を超えた意見交換を行う機会を設けるのがおすすめです。普段の業務ではわからない、他部署の情報を収集できて、業務に対する異なる捉え方を学ぶ機会を得られるはずです。

3.研修でリエゾン型人材に必要なスキルを高める

人事担当者が異業種交流会や他部署間での意見交換会を開催しても、参加する従業員本人のマインドセットができていなければ、リエゾン型人材の育成はうまくいきません。そのため、まずは研修でリエゾン型人材の必要性やスキルを体系的に学び、マインドセットを行うのがおすすめです。

特に、インターネット環境とPCさえあれば、どこでも受講できるオンライン研修が便利です。オンライン研修では研修会場に移動する手間が省けるため、交通費や移動時間の節約につながります。

 

06リエゾン型人材育成に役立つSchooのオンライン研修

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  • ビジネス本著者

    1976年大阪府生まれ。灘高校、東京大学経済学部を卒業後、日系メーカーで17年間勤務。経理、営業、マーケティング、経営企画と多様な部門を経験し、半年間のイギリス留学後に外資系企業に転職。在職中より書籍の執筆を開始。2021年に退職し、44歳でFIRE達成。著作に『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』、『4時間のエクセル仕事は20秒で終わる』、『強みを引き出す4分割ノート術』がある。

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  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。講師として、大前研一ビジネス・ブレークスルー、日本能率協会、日経BPセミナー、大手銀行系研修会社などに多数のプログラムを提供し、高い集客と満足度を得ている。 著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。

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  • TORiX株式会社 代表取締役

    外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、アルー株式会社に創業参画(取締役副社長)。 事業と組織を統括する立場として、創業から6年で70名までの組織成長を牽引。 2011年にTORiX株式会社を設立。これまで4万人以上の営業強化支援に携わる。 コンペ8年間無敗の経験を基に、2019年『無敗営業「3つの質問」と「4つの力」』、2020年に続編となる『無敗営業 チーム戦略』(ともに日経BP)を出版 、シリーズ累計7万部突破。2021年『なぜか声がかかる人の習慣』(日本経済新聞出版)、『気持ちよく人を動かす』(クロスメディア・パブリッシング)を出版。年間200回以上の講演や研修に登壇し、「無敗営業オンラインサロン」を運営。

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07まとめ

異なる業種の企業やほかの部署、外部組織との調整を行い、関係性を良好に保つリエゾン型人材。急速な変化を続ける昨今のビジネスシーンでは、もはやこれまで通りの事業戦略では通用せず、業種や部署の垣根を超えた連携によって革新的なビジネスモデルを創出する必要があります。そのために必要なのが、関係各所同士の橋渡しを行うリエゾン型人材です。

リエゾン型人材の育成を検討している人事担当者は、まずは研修で従業員のマインドセットを行い、効率的にリエゾン型人材を育成してみてはいかがでしょうか。

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