公開日:2022/11/18
更新日:2022/11/18

人事考課とは?人事評価との違いや問題点を解決する方法も解説

人事考課とは?人事評価との違いや問題点を解決する方法も解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

社員の進退にも関わることがある人事考課。よく並列して語られる人事評価との違いはなんなのでしょうか。また、結果に対する社員の不満を抑えるにはどうしたら良いのでしょうか。この記事で解説していきます。

 

01人事考課とは給与や昇進に関わる社員評価のこと

人事考課とは、従業員の業務における態度や成果などの貢献を査定して、給与額の決定や昇進の判断を行うこと、またはその仕組みのことを指します。期間中に立てた行動目標や成果目標の達成度合いだけでなく、目標や成果への向き合い方た態度なども含めた、最終的な「その社員がどうであったか、どうであったかの判断」が人事考課です。社員を評価するための数ある手法や手段のうちの一つであり、これによって昇給や昇進が決まり、場合によってはネガティブな結果にも関わることがあります。そのため、従業員の多くがその結果に注目していると考えて間違いないでしょう。

しかしその影響度が大きいためか、正しく理解していないと従業員の不満を招くことにもなりかねません。まずは人事考課を行う側が内容について理解し、続いて従業員の側にも理解してもらえるように啓蒙していくことをおすすめします。当記事では人事考課への理解を深めるため、その基本的な知識から挙げられる問題点、問題点の解決方法について解説していきます。

人事評価との違い

人事考課とよく並列して語られることが多いのが「人事評価」です。

人事評価とは、文字通り社員に対して行われる人事的な評価全般のことを指します。対して人事考課は主に、「上期における〇〇さんの結果はA判定であり、昇給に値する」といった内容であり、期間や結果とそれによる社員の待遇などへの影響が主題となっています。人事考課と人事評価については、以下のように理解しておきましょう。

  • ・両者は同じ意味で使われることが多い
  • ・給与や昇進に関わる判断が人事考課
  • ・人事考課も含めた「社員の評価や社員を評価することすべて」が人事評価
  • ・人事考課のほうが、人事評価よりも狭義の意味合いである

なお、「人事評価は社員に開示されるが、人事考課は開示されないものである」とされる場合もありますが、開示される人事考課もあります。両者の間にそれほど厳密な定義の違いはないと覚えておけばよさそうです。

 

02人事考課がもつ3つの要素

人事考課においては、様々な要素を多面的に鑑みて、従業員へ考課結果を下します。その際に見られるべき要素が、主に3つ存在しているといわれています。ここでは、その3つの要素についてそれぞれ確認していきましょう。

  • 1.業績(成績)考課
  • 2.能力考課
  • 3.態度考課

1.業績(成績)考課

もっとも直感的なのが、業績や成績に対する評価である業績考課ではないでしょうか。これは文字通り、決められた期間における業務上の成果をもとに行う考課です。期間中に立てた目標数値を達成できたのか、達成の度合いはどの程度なのか、といった結果によって考課を行います。

まずは、単純に「達成できたか否か」「達成率はどの程度だったか」を確認します。 足りなければマイナス評価になりますし、目標を超えて大きく達成しているならプラス評価になるでしょう。そのうえで、達成しなかった原因は何か、どうやって穴を埋めようとしたか、相談は適切だったか、そもそも目標設定の数値は適切だったか(大幅達成したが、目標値が低すぎたのではないか)といった追加事項によって補足を行うこともあります。

2.能力考課

二つ目は、当人が備えている能力や新たに開発された能力をもとに行う能力考課です。近年では「コンピテンシー評価」と呼ばれる手法も用いられることがあります。コンピテンシー評価とは、社員の中で模範になり、ロールモデルになり得るような人物がもっている行動の特性を抽出し、評価の基準とするものです。成績が優秀で成果を上げている人物に行動内容や能力が近づくほど、高い評価になります。

能力考課においては、コミュニケーションスキルやリーダーシップなど、直接的な業務スキルではない部分も評価します。能力考課では、業務に役立つ能力を身につけているか、それを開発しようと努力しているか、そして実際に開発できているかに加えて、ポテンシャルはどの程度あるか、といった能力全般を加味して考課が行われます。各能力をどの程度評価に落とし込むかは、業界や会社、業務内容、あるいは職位によっても異なってくるのが一般的です。

3.態度考課

最後が態度考課です。ここでは、モチベーションや業務への意欲など、態度的な面について考課を行います。上司や部下、同僚なども含めた多くのメンバーから話を聞く、「360°評価」が行われることも多いでしょう。いくら当人の成績が良く、なおかつ能力も優れていたとしても、周囲に迷惑をかけるような人物である場合、「優秀な社員である」とは言い難いでしょう。反対に、運悪く目標を達成できなかった社員も、なんとか目標を達成しようと様々な手段を講じていたのなら、その意欲は評価されるべきではないでしょうか。こういった、成績や能力だけでは見えてこない、その社員がもつ態度を評価に反映するのが態度考課です。

営利企業である以上は成果や結果を見て評価するのは当然のことですが、結果にはつながらなかったものの模範とすべき態度や評価に値する過程があり、それらはいずれ大きな成果を生み出すはずである、というのが近年では一般的な考え方となっています。

 

03人事考課を行う際の注意点

人事考課は社員の昇進や昇給に大きく関わる人事評価の一つです。そのため、注意を怠ると社員の不満につながり、最終的には「考課に納得できないから転職する」という判断にもつながってしまいかねません。次に、人事考課を行う際に気をつけたい注意点について解説していきます。

  • 1.評価の過程が知らされないため納得感が薄い
  • 2.成果が反映されていないと感じる社員がいる
  • 3.成果だけに注目されていると誤解されることがある

1.評価の過程が知らされないため納得感が薄い

人事考課は、「なぜその考課結果になったのか」という決定までの経緯が開示されないことがあります。経緯が不明のままに決められた結果で自分の昇進や給与が左右されることに対して、納得できないと感じる人が生じるのは無理もないことです。考課の過程もそうですが、人事考課の結果が開示されないままに、考課を加味した昇進・異動・給与決定のみが提示されるという場合では、その不満はより大きいものになってしまうでしょう。

2.成果が反映されていないと感じる社員がいる

大きな成果を残しても、それに伴う昇給がない場合、正しく評価されていないのではないか、と感じる社員が表れます。その場合、主に2つの可能性が考えられます。

一つは、実は「目標達成」の基準が「必達ライン」であった場合です。従業員側は達成したことで加点評価を期待する一方、上司側はあくまで必達ラインなので、その水準では加点まではしないということが起こりえます。目標を達成すると高い評価になるのか、目標を達成することが最低限求められるラインだったのか、認識のすり合わせができていないと、こういった不満につながりやすくなります。

もう一つが、恒常的ではないタイプの成果だったパターンです。何かの偶然で、偶発的に大きな成果を達成した場合、当人は「高い評価につながるはずだ」と感じます。しかしそれが単なる偶然だった場合、来期も同じだけの成果を上げられるとは限りません。むしろ高い成果に慢心し、能力考課や態度考課が不十分で最終評価の足を引っ張ってしまっている可能性すらもあります。そうなると、「高い成果を上げたはずなのに、なぜか思ったほど評価が高くない」という不満につながってしまうのです。

3.成果だけに注目されていると誤解されることがある

人事考課は成果目標だけに注目したものである、という誤解も不満を生む原因となります。数値目標が未達成であれば、未達成なりの業績(成績)考課が行われます。しかし、人事考課では企業ごとに項目があり、それ以外の面でも考課が行われていることが多いです。例えば「未達成が予測できたとき、それに対してどう対処したか」「モチベーションを落とさずにやり切れたか」といったプロセスや態度面なども評価するケースです。一方、評価項目や水準を従業員側が正しく把握していないと、実は挽回するチャンスがあったにも関わらず「今期は未達成だった、だから私の評価は悪いに決まっている」と思い込み、不満を募らせてしまうこともあります。

 

04人事考課が抱える課題を効果的に見直す方法

人事考課を導入することによって、いくつかの課題も懸念されます。そんな課題を解消するにはどのような方法が有効なのか、以下で解説します。

  • 1.手順を明確化する
  • 2.定期的な評価面談や対話の機会を設ける
  • 3.評価者への研修を実施する

1.手順を明確化する

人事考課がどのように行われているのか、中身を開示するのが手段の一つです。

  • 1.期間中の目標設定
  • 2.期間中の業務の実施
  • 3.設定目標への自分自身での振り返り
  • 4.人事や上司による人事考課の実施
  • 5.人事考課結果のフィードバック

上記のような手順で行い、各所で考課される社員に説明と協力をしてもらいます。そうすることで目標設定にも納得してもらえますし、考課内容への誤解も減らせます。また、フィードバックを行うことで不透明性を少しでも晴らすことにつながり、社員の今後の成長へのモチベーションを上げることも可能です。誰かの一存で不公平に決まっているわけではないことや、一方的なものではないことを示すことで、ある程度の不満を取り除くことができるでしょう。

2.定期的な評価面談や対話の機会を設ける

人事考課が決まる前に、定期的に振り返ったり、評価面談を行うなどするのも効果的です。決められた人事考課の内容をあとから変えることはできません。しかし、開示される情報や日々の言動をもとに、「こういった結果になりそうである」といった話をすることはできます。あらかじめ認識をすり合わせておくことで、最終的な考課結果との大きな認識の乖離を防ぐことができるでしょう。また、「未達成になりそうなので、考課結果が不安である」といった社員に早めに気づくことができますし、それに対する必要な手段を講じることもできます。できるならその場で、「業績考課は厳しいかもしれないが、ここで対策を講じておけば、ほかの考課結果は上がるかもしれない。モチベーションを落とさずにやっていこう!」といった励ましや誤解の解消もできると、より効果的になるでしょう。

3.評価者への研修を実施する

人の手によって評価がされるため、どうしても不平不満は出てしまいます。そして評価者への不信感があると、その不満は高まっていくでしょう。普段の言動から先入観や決めつけが多い、偏見やひいきばかりだ、と感じる人が評価者だとしたら、自ずと評価結果に対する不信感も大きくなるのではないでしょうか。そういった不満を解消しつつ、正しく評価できる人材を増やすため、評価者向けの研修を導入するのもおすすめです。私たちが普段どれだけ先入観をもって判断しているかは、指摘されなければ自分では気づけないものです。また、評価するためのポイントなども専門的な知見がなければ曖昧な基準になってしまうでしょう。人を評価することのプロから学んでみるというのも、公正かつ不満が少ない評価のためには重要となるのです。

 

05まとめ

人事考課は、社員の進退にも関わる非常に重要なものです。そのため公正で平等であることがもっとも重要であり、不信感を抱かれたら最後、不満を募らせた社員の離職につながってしまいかねません。そういった事態を防ぐためにも、まずは評価・考課を行う側が正しい知識を身につけ、公正な評価・考課ができるようになっておきましょう。この記事をきっかけに、自社における人事考課や人事評価について、公平に行われる仕組みはあるか、制度上の問題はないか、ぜひ見直してみてください。

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