公開日:2023/09/15
更新日:2023/10/13

オープンスペーステクノロジー(OST)とは?有効な活用方法や進め方を解説

オープンスペーステクノロジー(OST)とは?有効な活用方法や進め方を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

オープンスペーステクノロジー(OST)は、ワークショップの進め方の一つです。テーマに賛同する参加者が自発的に集まって対話を行いますが、リーダーがコントロールするのではなく、参加者で作り上げていくことを重視します。オープンスペーステクノロジーの導入によって、自由な話し合いを通じた新しい発想や解決策が生まれることや、真のリーダーシップが育つことが期待されています。この記事では、オープンスペーステクノロジー(OST)とはどのようなものか、その特徴や進め方などを解説します。

 

01オープンスペーステクノロジーとは

オープンスペーステクノロジー(OST)とは、参加者の主体性を尊重しながらオープンな話し合いによってアクションプランを創造する取り組みのことです。 ワークショップの参加者自身が議論したいと思う問題や、追求したいことを自らの意思で提案し、そのテーマに興味がある人たちが集まって意見を出し合います。 参加者の自主性を重視し、自分から積極的に参加しようという意思を引き出す点が特徴です。

参加者の人数に関係なく、生産性が高く有効な話し合いができるとして、世界各国で導入されており、企業組織の問題や新商品の開発、地域行政の問題、民族同士の対立まで、幅広く様々な問題に対して成果をあげています。

ワールドカフェとの違いとは

オープンスペーステクノロジーと似たワークショップの運営手法として、「ワールドカフェ」が知られています。 ワールドカフェは、参加者全員でテーマを共有し合うという点ではオープンスペーステクノロジーと共通しています。しかし、大きく異なるのは、ワールドカフェは結論を出さない、ということです。

結論を出さないで話し合うことに意味があるのかと疑問に感じるかもしれませんが、結論にこだわらないことで、発想が自由になるとされています。また、ワールドカフェでは、様々な視点からの意見が出されるため、課題に対する理解が深まるという大きなメリットがあります。 ただし、結論を出さない話し合いであるため、次のステップとなるアクションに結び付きにくいと考えられ、ワールドカフェで問題に対する理解を深め、オープンスペーステクノロジーで具体的なアクションを検討する、といった使われ方をするケースも多く見られます。

 

02オープンスペーステクノロジーが適しているケース

オープンスペーステクノロジーと似たワークショップの運営手法として、「ワールドカフェ」が知られています。 ワールドカフェは、参加者全員でテーマを共有し合うという点ではオープンスペーステクノロジーと共通しています。しかし、大きく異なるのは、ワールドカフェは結論を出さない、ということです。 結論を出さないで話し合うことに意味があるのかと疑問に感じるかもしれませんが、結論にこだわらないことで、発想が自由になるとされています。また、ワールドカフェでは、様々な視点からの意見が出されるため、課題に対する理解が深まるという大きなメリットがあります。 ただし、結論を出さない話し合いであるため、次のステップとなるアクションに結び付きにくいと考えられ、ワールドカフェで問題に対する理解を深め、オープンスペーステクノロジーで具体的なアクションを検討する、といった使われ方をするケースも多く見られます。

 

03オープンスペーステクノロジーが適しているケース

オープンスペーステクノロジーを活用した話し合いが適しているケースとしては、主に以下の2つが挙げられます。それぞれ具体的に解説します。

  • ・全社や多くの人数で考える議題があるとき
  • ・組織変革が必要なとき

全社や多くの人数で考える議題があるとき

オープンスペーステクノロジーは、大規模で複雑な課題の解決策を考えるのに有効な手段だと考えられています。 企業全体や各部門のビジョンといった広範なテーマや、職場の構造的な課題といった長期的に取り組まなければならない問題の話し合いに効果的です。様々な関係者がそれぞれ異なる立場から意見を出し合えるため、一方的な話し合いにならず建設的な議論となります。

組織変革が必要なとき

会社全体や各部署内で抱えている大きな議題について、社員全員が一丸となって考えるようなケースで有効です。 オープンスペーステクノロジーでは、テーマに対して参加者が積極的に発言することが重視されます。話し合いのメンバー全員が、自分に関係するテーマと捉えて、社内の序列に関係なく意見を出し合うことが期待できます。

 

04オープンスペーステクノロジーのメリット

オープンスペーステクノロジーを取り入れることで、会社組織が得られるメリットには下記のようなことがあります。それぞれ具体的に解説します。

  • ・ボトムアップ文化の育成
  • ・自走する組織作り
  • ・真のリーダーシップの醸成

ボトムアップ文化の育成

オープンスペーステクノロジーの話し合いの進め方は、自分から手を上げて賛同者を得た人がリーダーとなります。社内での上司・部下といった序列は関係ありません。 自らリーダーとなり、話し合いを進める経験を重ねることで、トップダウン型からボトムアップ型の組織に変わっていくきっかけとなるでしょう。

自走する組織作り

オープンスペーステクノロジーの話し合いの場では、参加者が積極的に他のメンバーと協力し合い、チームを一緒に運営することが求められます。 参加者全員が当事者意識を持ってテーマについて考えるようになり、自分たちでチームを動かしていこうとするようになります。

真のリーダーシップの醸成

オープンスペーステクノロジーでは、役職や肩書といった権限でリーダーとなるわけではありません。自ら手を上げて賛同者を集め、他の参加者の自主性を引き出すといった真のリーダーシップが必要になります。オープンスペーステクノロジーの運営は、実践的にリーダーシップを身につける場としても活用できます。


 

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05オープンスペーステクノロジーの4つの原則

オープンスペーステクノロジーを運営するうえで大切な4つの原則について解説します。参加者は、この4つの原則を踏まえて話し合いをしていきます。

  • ・ここにやってきた人は、誰もが適任者である
  • ・何が起ころうと、それが起こるべき唯一のことである
  • ・いつ始まろうと、始まった時が適切な時である
  • ・いつ終わろうと、終わった時が終わりの時なのである

ここにやってきた人は、誰もが適任者である

肩書や役職に関係なく、参加する人は誰もが適任者であり、自ら積極的に関わっていくことが求められます。テーマの当事者として自由に意見を出し、チームに貢献しようとします。 話し合いに参加する場合には、プロジェクトを成功させようという想いが必要ということを、改めて自覚する必要があります。

何が起ころうと、それが起こるべき唯一のことである

話し合いの中では、想定していないようなことが起きる可能性があります。しかしそれは、起きるべくして起きたと受け入れ、その状況も学びに変えるという姿勢が大切になります。

いつ始まろうと、始まった時が適切な時である

話し合いが始まって、うまく進められなかったり、いい考えが出てこなかったとしても問題ないと考えます。 創造的なアイデアはいつ生まれてくるかわかりません。その場にいる間は、話したくなるアイデアが生まれるタイミングを待って集中していればいいとされています。

いつ終わろうと、終わった時が終わりの時なのである

アイデアを生み出すのは、区切られた時間内でできるとは限りません。スケジュール内にまとまらなければ延長するか、別の機会に続きをすればいいと考えます。 また、予定よりも早く終わったとしてもそこで終了すればOKです。スケジュールは単なる目安であり、ゴールにたどり着くことのほうが重要ということです。

 

06オープンスペーステクノロジーの進め方について、順を追って説明していきます。

オープンスペーステクノロジーを運営するうえで大切な4つの原則について解説します。参加者は、この4つの原則を踏まえて話し合いをしていきます。

  • ・オープニング
  • ・テーマを募る
  • ・セッションの時間と場所を決める
  • ・セッションを行う
  • ・まとめと共有

オープニング

オープニングでは、参加者全員を集めて、この場が設けられた目的やオープンスペーステクノロジーの4つの原則など、運営のルールを詳しく説明して共通の理解とします。

テーマを募る

参加者はオープニングで聞いた開催目的から、自分が熱意をもって解決したいと考えるテーマをその場で提案し、賛同者を集めます。 賛同者が得られれば、その人が中心となって進めていくことになります。

セッションの時間と場所を決める

セッションといわれる、テーマの話し合いの時間と場所を決めます。 話し合われるテーマ、セッションのスケジュール、場所等の設定、内容確認、参加者の登録をしていきます。

セッションを行う

テーマを出した人が中心となってセッションを進めていきます。 セッションに関心がない、貢献が出来ないと思えば、参加者は他のセッションに自由に移動してもかまいません。 セッションの内容を大きな紙に書き出し、掲示します。

まとめと共有

セッションを通じて得られた知見や感想を話し合い、これから取り組むべきことやアクションプランを考えていきます。 簡単な議事録をまとめて大きな紙に書き出し、参加者全員がセッションの内容を理解するようにします。

 

07オープンスペーステクノロジー実施のポイント

オープンスペーステクノロジーを実施していく上で、大切なポイント2つについて解説します。

  • ・参加者の積極性を引き出す
  • ・適切な問いを投げかける

参加者の積極性を引き出す

テーマを提案した人が中心となって話し合いを進めていきますが、その際に大切なことは、参加者が積極的に話し合いに参加できる雰囲気づくりです。テーマに対して自由に本音が言い合える場になれば成功です。 なるべく制限をなくして、リラックスした状態で参加者が自ら発信したくなるように運営することを心がけるといいでしょう。

適切な問いを投げかける

オープンスペーステクノロジーでは、適切な問いを投げかけていくことが重要です。自分では当たり前に思えたとしても、他の人からは違った見え方になっているケースがあるからです。 「当たり前」に対して問いを投げかけて、常識と考えていたことも疑ってみると、これまでと違ったアイデアに出会えるきっかけになることがあります。 また、問いには参加者の頭の中を整理する役割もあります。問いについて考えてみることで使っていなかった知識を引き出し、問題解決のヒントを得られるかもしれません。 問いは、刺激剤としての大切な役割があります。


 

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08まとめ

オープンスペーステクノロジーは、従来の話し合いにはない参加者の自発的な取り組みを引き出すことを重視し、自由な発想や違った視点から新しい解決策やアイデアが得られる可能性があります。 多くの企業や自治体などが、オープンスペーステクノロジーを用いたワークショップを実施し興味深い成果をあげています。 社員が積極的に参加して新しいアイデアを作り上げたい、全員が意見を出し合って組織変革を進めたいということであれば、オープンスペーステクノロジーを試してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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