公開日:2023/09/21
更新日:2023/10/13

知的生産性とは?効率的な仕事を実現する方法と重要性・労働生産性との違いを解説

知的生産性とは?効率的な仕事を実現する方法と重要性・労働生産性との違いを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

知的生産性とは、現代のビジネス環境で求められるスキルの一つです。単なる作業量を超えた、質の高い成果を生み出す能力を指します。しかし、知的生産性を向上させることは容易ではありません。 当記事では、知的生産性とは何か、労働生産性との違い、知的生産性が求められる理由、知的生産性を高めるメリット、そして知的生産性を向上させるための方法について紹介していきます。

 

01知的生産性とは

知的生産性とは、知的業務による成果物を生み出すための効率を指します。現代のビジネス環境では、知的生産性が求められる重要なスキルとなっています。知的生産性は、単なる作業量を超えた質の高い成果を生み出す能力を指し、創造的な問題解決能力や論理的思考、情報を効果的に取り入れる能力などが必要です。 限られた時間やリソースの中で、より価値のある成果物を生み出すことができるため、知的生産性を向上させることは、ビジネスシーンにおいて不可欠な要素となるでしょう。

労働生産性との違い

労働生産性は従来の生産性の概念であり、作業の量や効率性に焦点を当てています。具体的なタスクの迅速な遂行や大量の仕事の処理は労働生産性の側面ですが、知的生産性はその一歩先を行くものと言えます。 知的生産性は、ルーティン作業を超えて論理的思考や創造性を活かし、質の高い成果物を生み出す能力を意味します。単に作業をこなすだけでなく、問題の本質を理解し、新たなアイディアを生み出すことが求められるのです。

 

02知的生産性が求められる理由

ビジネスパーソンに対して知的生産性が求められる理由として、主に以下の2点が挙げられます。

  • ・知識経済社会の到来
  • ・働き方改革の推進

これらはどちらも重要な外部要因であり、その背景から知的生産性が求められるようになっています。詳しく見ていきましょう。

知識経済社会の到来

現在は知識経済社会の時代です。これまでの物理的な生産性だけではなく、知識や情報を適切に処理し、価値を創造する力が重要視されています。ビジネスモデルは有形資産から無形資産への転換が進み、知的生産性の向上は企業の競争力を強化することにつながるでしょう。 有形資産だけでなく、知識や情報を持つ人材が組織内で重要な役割を果たすため、知的生産性の向上はビジネスの未来において不可欠な要素となっています。

働き方改革の推進

近年、働き方改革が注目されています。これは労働環境の改善だけでなく、効率的な仕事の進め方や知的生産性の向上を目指す取り組みでもあります。長時間労働や無駄な業務を削減することで、従業員の働きやすさを向上させつつ、成果の質と量を向上させることが狙いです。 結果的に、知的生産性の向上が働き方改革のゴールの一つとなっており、効率的で充実感のある働き方を実現するための重要なステップとなっています。

 

03知的生産性を高めるメリット

知的生産性を高めるメリットとして、以下が挙げられます。

  • ・効率的にタスクを遂行することができる
  • ・複雑な問題を解決することが容易になる
  • ・質の高い成果物の創出することができる

効率的にタスクを遂行することができる

知的生産性を向上させると、タスクの遂行がより効率的になります。時間を効果的に活用して労力を節約することで、結果的に仕事の生産性も向上します。具体的には、タスクの分析や計画を行い、適切な優先順位を決定することで、よりスムーズに仕事を進めることなどが挙げられるでしょう。 また、創造的な問題解決能力を向上させることもできます。知的生産性の向上により、同じ時間枠内でより多くの仕事を達成することができ、より高い成果を生み出すことができるでしょう。

複雑な問題を解決することが容易になる

知的生産性の高い人は、複雑な問題を解決する能力に優れています。論理的思考や創造性を活用して、新たなアプローチや解決策を見つけ出すことができるため、困難な課題にも柔軟に対応できる傾向があります。 例えば、複雑なビジネス問題に取り組む場合、問題を細かく分解し、個々の要素を分析して、論理的思考と創造性を活用して、新たなアプローチや解決策を見つけ出すことができます。

質の高い成果物の創出することができる

知的生産性を向上させることで、単なる量だけでなく、より質の高い成果物を生み出すことができます。例えば、情報の適切な取捨選択によって、深い洞察や価値を持つ成果物を提供することができるでしょう。 また、自己啓発書や専門書を読んで知識を増やし、新しいアイデアを得ることや、他の人との協力によって、より多角的な視点で問題を解決することが可能です。更には、時間管理を改善し、余暇時間を有効に活用することで、より多くの時間を創造的な活動に費やすことができます。これらの方法を実践することで、知的生産性をより高め、より良い成果物を生み出すことができるでしょう。

 

04組織の知的生産性を高める方法

組織の知的生産性を高める方法としては以下の3つが挙げられます。

  • ・ワークライフバランスを促進する
  • ・人員の再配置を検討する
  • ・ITツールを導入する

ワークライフバランスを促進する

従業員のワークライフバランスを尊重することは、彼らの生産性や仕事への取り組みに大きな影響を与えます。疲れ切った状態で働いてしまうと、生産性の低下やミスを引き起こし、結果的に企業に悪影響を与える可能性があるでしょう。 一方、適切な休息とリフレッシュを取り入れることで、従業員が仕事に取り組むためのエネルギーを回復し、創造性や問題解決能力を高めることができます。また、ストレスを軽減して、心身の健康を維持することが可能です。従業員のワークライフバランスを改善することは、企業にとっても従業員にとっても、大きなメリットがあるといえます。

人員の再配置を検討する

適材適所の人員配置は、各人の得意分野を最大限に活かし、組織全体のパフォーマンスを向上させます。例えば、営業チームにおいて、担当者がそれぞれの得意分野に応じた業務を担当することで、顧客との関係性を強化し、売上を増加させることができます。同様に、技術部門においても、各メンバーが専門的な知識とスキルを最大限に発揮することができるため、製品の品質向上や研究開発の効率化につながるでしょう。 したがって、適材適所の人員配置は、組織にとって非常に重要な戦略であり、競争力を維持するために必要不可欠な要素です。

ITツールを導入する

効果的なITツールの導入には、様々なメリットがあります。情報の整理やタスク管理がより効率的に行えるだけでなく、チーム間のコミュニケーションも改善され、知識の共有と活用を促進することができます。 例えば、プロジェクト管理ツールを導入することで、タスクの進捗状況をリアルタイムで共有しながら、スムーズなプロジェクト遂行が可能です。 また、チャットツールを活用することで、複数人での業務が円滑に行われ、時間と労力を節約できます。さらに、これらのツールを導入することで、業務の見通しが明確になり、ノウハウの蓄積や活用がしやすくなるでしょう。

 

05知的生産性向上の企業事例

知的生産性を向上させるための具体的な取り組みとしては、以下の3点の事例が挙げられます。

  • ・アステラス製薬株式会社
  • ・株式会社Mixi
  • ・株式会社三菱UFJ銀行

チャットツール導入による生産性向上(アステラス製薬株式会社)

 

アステラス製薬は、社内コミュニケーションを効率化するため、チャットツールを導入しました。この取り組みにより、チーム全体での知識の共有と活用が進み、生産性が向上したとのことです。 医療関係者との対面が制約されるコロナ禍において、アステラス製薬はLINE WORKSを活用し、医師とのスピーディなコミュニケーションを実現しています。医師をはじめとした病院関係者とのLINEとの友だち登録を促進し、外部トーク機能でセキュリティに連携しています。このように、ITツールを活用することで、情報の共有やタスク管理が効率的に行えるだけでなく、チーム間のコミュニケーションも改善され、知識の共有と活用が促進されることが分かります。

▶︎参考:【導入事例】アステラス製薬株式会社|LINE WORKS

タスク管理ツール導入による生産性向上(株式会社Mixi)

株式会社Mixiは、タスク管理ツール「Jooto」の導入により、プロジェクトの進捗管理を効果的に行いました。タスクの優先順位が明確になり、各メンバーの役割と進捗が可視化されたため、成果物の提供がスムーズになりました。 同社は、IT企業で、SNSの「mixi」、スマートフォンゲームの「モンスターストライク」、子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」など、幅広い領域でサービスを展開しています。「ユーザーサプライズファースト」という精神のもと、豊かなコミュニケーションを生み出す場と機会を創造し続けています。 このようなIT企業において、タスク管理ツールの導入は業務の効率化につながるため、知的生産性の向上につながります。効率的なタスクの処理に加え、各メンバーの役割や進捗の可視化は、プロジェクト全体の進行状況の把握や問題解決にも役立ちます。知的生産性の向上には、効果的なITツールの活用が欠かせないことが分かります。

▶︎参考:株式会社MIXI - Jooto導入事例|Jooto

金融業界でのRPA導入による生産性向上(株式会社三菱UFJ銀行)

三菱UFJ銀行は、金融機関での業務効率化を目的にRPAを導入しました。RPAは、人間が行っている業務をロボットによって自動化することができる技術であり、業務の効率化を実現します。ルールを定義するだけでロボットが実行するため、オペレーションミスのリスクがなく、注目を集める技術となっています。

三菱UFJ銀行は、2013年頃から手作業の多い業務の自動化を検討しており、RPAの導入に踏み切りました。銀行業務には多くの手作業が残っているため、RPAは非常に親和性が高く、多くの効果を発揮することが可能です。RPAの活用により、三菱東京UFJ銀行は約20業務で累計2万時間の作業を削減し、業務の効率化を実現しました。 RPAは金融機関だけでなく、多くの企業で注目されており、AI技術などとも相まって、導入の機運が高まっています。従業員のワークライフバランスを改善することや、適材適所の人員配置を検討することで、知的生産性を向上させることも企業にとって重要な戦略であり、競争力を維持するために必要不可欠です。

▶︎考:金融機関でのRPA導入による業務効率化|三菱UFJ銀行


 

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06まとめ

知的生産性は、現代社会において、重要なスキルとなっています。働き方改革の推進により、単なる作業の効率化だけでなく、質の高い成果物を生み出す能力が求められています。知的生産性を向上させるためには、ITツールの活用や、実際の企業事例を学ぶことが重要です。また、知的生産性を向上させることで、仕事の効率化やストレス軽減など、多くのメリットがあります。知的生産性の向上方法を学び、自己改善につなげましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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