社内研修を効果的に行うには?企画から効果測定まで詳しく解説

社内研修の実施を任されたはいいものの、何から手を着けていいのかわからない、研修をどのように進めればいいのかもわからず困っているという人事担当者の方は多いのではないでしょうか?そこで今回は、社内研修の企画方法から実施・効果測定までの一連の流れを解説し、効果的な研修を行うためのポイントについても解説します。
- <目次>
- 社内研修を企画するにはまず課題を明確にする
- 経営計画と現状のギャップから把握する
- 現場の社員に直接ヒアリングをして把握する
- 社内研修の内容が決まったら社内で実施すべきか検討する
- 研修内容が社内独自のものであるか
- 研修内容を教えられる社員が在籍しているか
- 社内研修の方法を決定する
- OJT
- OFF-JT
- オンライン学習サービス
- 効果的な社内研修を行うためのコツ
- 研修後の受講者の行動目標を設定する
- 研修の講師とは事前に内容をすり合わせる
- 社内研修の効果を測定する方法
- アンケートが最もオーソドックスな方法
- 研修の前後でテストを行う
- まとめ
社内研修を企画するにはまず課題を明確にする
研修を企画する時には、「研修を実施する理由」を考える必要があります。 なぜなら、研修とはそもそも社内で発生する課題を解決する目的があるからです。課題が解決できないような研修であれば、せっかくかけた時間や金銭的なコストも無駄になってしまいます。 また、企画する方には経営者や上司に対して研修に対する説明責任も発生するので、「〇〇のような課題が社内にあるため」という様に研修の理由を説明することができます。 ここでは社内の課題を把握する主な方法を2つ紹介します。
経営計画と現状のギャップから把握する
経営計画には売上・利益目標や今後の事業方針が示されているので、その計画をもとに社内の現状と照らし合わせて目標達成に欠けているもの、つまりギャップを見つけることができます。 洗い出したギャップの中から、人材育成によって埋められるものについては研修を行う意義があると考えることができます。 もし、経営計画が特に書式化されていないという場合には、経営者に直接ヒアリングを行うのも方法の一つです。
現場の社員に直接ヒアリングをして把握する
現場に所属している社員は社内の課題を直に感じています。そのため、そういった社員に対してヒアリングを行ってみるのも良いでしょう。 現場の社員が大勢在籍している企業は、個々人に対してヒアリングを行うことは難しいため、メールでアンケートを送付して集計すると効率的です。 ただし、前述した経営計画と現状のギャップから課題を把握する方法は、いわばマクロ的な視点での課題発見方法ですが、現場の社員へのヒアリングはミクロ的な視点になります。 そのため、部署や役職によって抱えている課題が異なることが考えられ、ヒアリング対象の分類はできるだけ細分化して行った方が多様な課題を把握することができます。
社内研修の内容が決まったら社内で実施すべきか検討する
研修によって解決できそうな社内の課題を発見できたら、次は研修を社内で実施したほうが良いのか、外部研修を利用した方が良いのかを検討します。外部研修は、社外の講師に依頼して研修を行う形式です。 ここでは、社内で研修を実施すべきかどうか判断するための主な基準を2つ紹介するので、外部研修を利用した方が良いのか迷った場合は参考にしてみてください。
研修内容が社内独自のものであるか
社内で独自に扱っている事務処理システムや、社外秘の情報を取り扱う必要がある研修であれば、当然社内で研修を行う必要があります。 一方で、マナー研修などの普遍的なビジネススキルを研修として実施する場合には、別途で費用がかかりますが、外部研修を利用すると人事担当者としても負担が軽く効率的です。
研修内容を教えられる社員が在籍しているか
そもそも社内に教えられる社員がいるのかどうかを一番に考える必要があります。特にITなどの高度な技術を社内で研修する場合は、その内容に精通した社員数は限られてしまいます。研修ができるリソースがあれば、社内研修を実施しても良いでしょう。 ただし、講師となる社員が自分の業務で忙しく、参加することが難しい場合も考えられるので、スケジュールの確認をしっかりと取っておくことが必要です。
社内研修の方法を決定する
社内で研修を実施することが決まったら、次はどのように研修を行うのかを考える必要があります。 研修の方法には主に3つありますが、ここではそれぞれの特徴を解説するので参考にしてみてください。
OJT
OJTとは「On The Job Training」の略称で、上司や先輩などの教育担当が着き、実際の業務を通じて学習する形式です。 多くの企業で取り入れられている研修方法で、学んだ内容をすぐに実践できるので、即戦力を求めている企業にも向いています。 一方で、社員一人に対して教育担当を一人割り当てることになり、人材のリソース面で負担が重くなってしまうため、社員数が少ない企業や部署には不向きであると考えられます
OFF-JT
Off The Job Trainingの略称で、職場から離れて研修を行うことで、集合研修とも呼ばれます。 座学がメインになるため、知識やノウハウを体系的にインプットさせることができるため、業務に対する理解を深めてから実際の業務に取り組むことができるため、OJTとの組み合わせ大きな効果がでる可能性があります。 ただし、現場の社員には一つの場所に集まってもらう必要があり、個々の社員の業務がストップしてしまうため、研修のスケジュール管理が煩雑になる可能性があります。
オンライン学習サービス
オンライン学習サービスとは、おもにインターネットを通じて時間や場所を選ばずに各々が学ぶことのできる学習システムのことを指します。 PCやスマートフォンを利用して動画で学習する形式で、月額数百円から利用できるサービスもあります。 外部研修の費用を捻出するための予算が十分でない場合や、社員が学びたいと考えている内容が複数ある場合には、オンライン学習サービスが有効であると言えます。 ただし、個々人が自由に学ぶことができる一方で、学習意欲の維持が難しいことが考えられるため、モチベーション維持を目的とした施策が必要になります。
【関連記事】成功するOJT研修とは?Schooのオンライン学習サービスの紹介
schooビジネスプランでは企業向けのオンライン学習サービスをパッケージで提供しています。 ビジネスマナーや組織のマネジメントといった一般的なビジネススキルだけでなく、プログラミングやWebデザインなどの職種別の研修動画も用意しています。 ここではSchooが提供している研修動画の一部をご紹介します。
若手メンバーのキャリアマネジメント

この授業は教育担当を任された方から管理職の方までを対象として若手メンバーのキャリアマネジメントの方法を学びます。
2002年株式会社インテリジェンスに入社し、一貫して人材紹介事業に従事。法人営業として企業の採用支援、人事コンサルティング等を経験した後、キャリアアドバイザーに。これまでに支援した転職希望者は10,000人を超える。その後、DODAキャリアアドバイザーの総責任者、法人営業部隊も含めた地域拠点(札幌、仙台、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡等)の総責任者等を歴任し、現職。JHR(一般社団法人人材産業サービス協議会)キャリアチェンジプロジェクト、ワーキングメンバーにも名を連ねる。
タイプ別のコミュニケーション攻略法

あなたの周りに「コミュニケーションを取るのが難しいな」と感じる相手はいませんか? 会社で指示がコロコロ変わる上司に振り回されたり、「あなたの言ってることがわからない」などと、話し方を指摘されたりするとうんざりしますよね。建設的な話をしようにも、おたがいの価値観やコミュニケーションスタイルが違えば、難しい。 こうした状況を解決するのが本授業の目的です。
筑波大学大学院ビジネス科学研究科修了(経営学修士)。IT企業で情報通信システムの開発や提案業務に携わったのち、コンサルタントに転身。NTTデータ経営研究所や日本アイ・ビー・エムで民間企業に対する情報戦略や組織戦略領域のコンサルティング、中央省庁や地方公共団体、業界団体からの委託による調査・研究を行う。その後、総合人材サービスグループ傘下のシンクタンクの上席主任研究員として、働き方改革、第4次産業革命による雇用への影響、個人の生産性やクリエイティビティ向上を目的としたマネジメントのあり方などの研究に携わる。現在は、組織人事コンサルタントとして、人材教育や制度改革のコンサルティングなど、組織人事領域から企業の支援に取り組む。2019年3月にCCCメディアハウスより『「A4一枚」から始める最速の資料作成術』を出版。高所は苦手だがバンジージャンプは好き。
提案成功率を上げるデータ分析と活用

GoogleAnalyticsの人気書籍を執筆されているウェブアナリストの小川卓先生が、「社内/社外に向けたデータを用いた提案方法」について、データ抽出から、分析の方法、提案時の指摘を打ち返し方法を教えます。「データを見ているのに改善策がありきたり」、「提案に説得力が無い」といった課題の解消が本授業のゴールです。
ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。ウェブサイトのKPI設計、分析、改善を得意とする。ブログ「Real Analytics」を2008年より運営。全国各地での講演は350回を突破。 株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役、デジタルハリウッド大学院客員教授、UNCOVER TRUTH CAO、Faber Company CAO、株式会社SoZo最高分析責任者、アナリティクスアソシエーション プログラム委員、ウェブ解析士協会顧問。ウェブ解析士マスター。 主な著書に『ウェブ分析論』『ウェブ分析レポーティング講座』『マンガでわかるウェブ分析』『Webサイト分析・改善の教科書』『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』『「やりたいこと」からパッと引ける Google アナリティクス 分析・改善のすべてがわかる本』など。
効果的な社内研修を行うためのコツ
研修では、ただ決まった内容を教えるだけでは期待した効果が得られないこともあります。 そこで、事前に研修内容についてブラッシュアップしておくことが必要です。 ここでは、効果的な社内研修を行うためのコツについて解説します。
研修後の受講者の行動目標を設定する
目標設定がないと、受講者は今後の業務にどのように活かしていけばいいのか不明瞭です。 そこで研修で得られたスキルやノウハウを「いつまでに」、「どれくらい使えるようになるか」などの行動目標を設定してあげましょう。 ただし、行動目標があまりに高すぎると受講者のモチベーションは上がりづらいため、習得度合いを複数の段階に分けることが必要です。 例えば、新入社員に対して営業部に配属することを前提としたに営業スキルの研修を行った場合、行動目標に「1ヵ月で〇件の契約を獲得する」としても未経験では難しいかもしれません。 そのため、最終的な行動目標を細分化して「クライアントにロジックの通った提案ができるようになる」などに設定してあげると受講者としても取り組みやすくなります。
研修の講師とは事前に内容をすり合わせる
社内・社外に関わらず、講師に研修を丸投げすることは効果的であるとは言えません。なぜなら、企画側が意図していない内容を教える可能性があるからです。 また、講師としては受講者がどれくらい前提知識があるのか把握していないことも考えられます。 そのため、すり合わせる際に、受講者のレベルがどれくらいなのか、研修の内容に対する要望を伝えておき、構成を練っておく必要があります。
社内研修の効果を測定する方法
研修は一度実施したら終わりではありません。研修で学んだ内容を社員が実際の業務で活かせているのかどうかを測定するひ必要があります。 ここでは、社内研修の効果を測定する方法を紹介します。
アンケートが最もオーソドックスな方法
研修の受講者とその上司に記入してもらう形式のアンケートを取ることが有効な方法の一つです。 アンケートの内容には、「できるようになったこと」についてのチェックリストを作成しておき、受講者に記入してもらいます。上司には受講者に対する評価を記入してもらうことで、受講者の自己評価とのギャップを明確にできるため、それをもとに面談などを行うことで今後の行動目標を立てることができます。
研修の前後でテストを行う
テストは知識・スキルの定着度を測る方法の一つとして有効です。 研修前に事前にテストを実施して、研修後に一定の期間を置いてから再度テストを行います。 期間としては、受講後すぐに行ってしまうと定着しているとは言いづらいため、3ヵ月程度空けてから行うと効果がわかりやすいでしょう。
まとめ
- ・研修を企画する際には、まず社内で抱えている課題を明確にして研修で解決できるかどうか検討する必要がある。課題の把握方法は主に「経営計画と現状のギャップから発見する」、「現場の社員に直接ヒアリングする」の二つがある。
- ・研修の内容が決まったら、社内で実施すべきかを検討する必要がある。判断の基準は、「研修内容が社内独自のものであるか」、「研修内容を教えられる社員が在籍しているか」の2つ。
- ・社内で研修することが決まったら、研修方法を決定する必要がある。主な研修方法はOJT、OFF-JT、eラーニングが挙げられる。それぞれ良し悪しがあるので、社内の状況に合った研修方法を採用する必要がある。
- ・社内研修をより効果的に行うためには、受講者に対して適切な行動目標を設定することや、研修内容を講師と事前にすり合わせることが重要。
- ・研修の効果を測定する方法として、アンケートで受講者本人の評価と上司の評価から測定することがオーソドックスである。また、知識やノウハウの習得度合いを測定する場合は、研修前と研修後にテストを行うことも有効である。
社内研修にeラーニングを活用する。
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動画学習を活用することで事前に業務に関する知識をインプットをした上で、集合研修やOJTに臨むことができます。
それにより集合研修やOJTの場は知識の定着を図ったり疑問点を解決したりといった時間に充てることができ、 研修をより効果的に行うことが可能です。
ビジネスマナーやコミュニケーション力などの基本スキルから、営業・プログラミング・デザインなどの実務スキルまで学べるので、自発的に学び成長していける人材の育成促進につながります。