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介護休暇とは?育児介護休業法に則った適切な付与・ルールを解説

公開日:2021/05/27
更新日:2021/05/27
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介護休暇とは?育児介護休業法に則った適切な付与・ルールを解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

部下に突然「介護休暇がほしい」と言われたら、どうすればいいのでしょうか。実は介護休暇は法律で守られている労働者の権利です。また、法律が改正され2021年1月より子どもの看護・介護休暇を時間単位で取得することが可能になりました。 介護休暇を正しく理解して適切に運用していくために、当記事で概要を確認しておきましょう。

 

介護休暇を理解して正しく運用

介護休暇とは、労働者が仕事と介護を両立できるように定められた休暇制度です。要介護状態の家族を介護するために、短期の休みを取得できるという労働者の権利でもあります。 2021年1月の制度改正によって、さらに多くの労働者が利用できるようになりました。では、介護休暇とは具体的にどのような制度なのでしょうか。

介護休暇と介護休業の違い

介護休暇制度は、「育児・介護休業法」に定められている制度です。労使協定で特別な取り決めがされていない限り、すべての事業者に適用されます。 介護休暇制度は、介護をしながら働き続けられるように、通常の年次有給休暇とは別に休暇を取ることができる制度です。要介護状態の対象となる家族がいる労働者が取得できる休暇で、休暇の日数は介護が必要な家族一人につき1年で5日間、2人以上の場合は10日間です。対象が3人以上でも10日以上に休日は増えません。

介護休暇と似ている言葉に介護休業があります。条件や取得日数に違いがありますが、家族の介護をしている労働者は両方を取得することができます。介護休業は、要介護状態である家族がおり、雇用期間が1年以上である労働者を対象としています。また、介護休業は休業後に復職することが前提となっています。休業後半年以内に労働契約が満了することが決まっている場合は対象外となります。 介護休業では対象の家族一人につき通算93日まで休みを取得できます。休みは3回まで分割可能で、31日間の休みを3回取得しても問題ありません。

また、介護休暇は1年度あたりに5日ですが、介護休業は通算の日数です。年度が変わったとしても、新たに付与はされません。 以上のことから単発で休みが必要な場合は介護休暇、長期間の休みが必要な場合には介護休業のほうが適しているでしょう。

改正された「育児・介護休業法」で何が変わったのか

取得単位と対象となる労働者が変わり、より柔軟に多くの労働者が利用できるようになりました。かつては1日もしくは半日単位での取得でしたが、2021年1月から1時間単位での取得が可能となりました。また1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は対象外でしたが、すべての労働者が対象に変更されました。。 また法令では就業時間の途中から休暇を取得して再び就業に戻る、いわゆる「中抜け」は認められていません。しかし、企業側の規定で中抜けが可能な休暇取得を認めるよう、配慮を求めています。

 

介護休暇の基本ルールについて

すべての労働者が対象となりましたが、利用には条件があります。ここの項目では、詳細な利用条件や使い方を説明していきます。

利用条件

対象となる家族が要介護状態であることが前提です。また雇用期間や対象となる家族の続柄も関係します。 まず対象となる家族が「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」であることが必要です。 常時介護を必要とする状態とは以下の場合です。 ・要介護2以上の要介護認定を受けていること ・厚生労働省の12個の判断基準のうち、2が2つ以上または3が1つ以上に該当し、かつその状態が継続すると認められること。 (参考:厚生労働省「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355361.pdf)

上記どちらかの状態であれば、常時介護を必要とする状態として認められます。また雇用期間が6カ月以上あることも条件の1つです。入社して6カ月以上が経過していなければ、介護休暇を取得する権利がありません。 介護の対象として認められる家族の続柄は以下の取りです。

  • ・父母(養父母含む)
  • ・配偶者 ・子(養子ふくむ)
  • ・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫

上記が対象となり、従兄弟・従姉妹は対象外となるので覚えておきましょう。 また休日取得の理由は、排泄・起床介助などはもちろん、買い物や市役所などの手続きの代行などでも問題ありません。

取得可能日数は?

取得可能日数は前述のとおり1年で5日、2人以上の場合は10日となります。この場合の1年間とは4月1日~翌3月31日までの期間です。2021年の改定で1時間単位の取得が可能となり、通院の付き添い時間のみ、ヘルパーが来るまでの時間のみ、といった柔軟な取得が可能となりました。時間単位で取得する場合1日の所定労働時間×5日分(対象者が2人以上の場合は10日分)の休暇を取得可能です。 原則として中抜けは認められていませんが、就業規則で中抜けも可能にしている企業もあります。

条件を満たせばアルバイトでも取得可能

取得条件は雇用期間が6カ月以上のすべての労働者であり、正社員・契約社員・アルバイトでも取得は可能です。 ただし下記の場合においては取得ができません。 ・日雇い労働者 ・一週間の所定労働日数が2日以下の労働者について労使で介護休暇を取得できないと決まっている場合

 

企業側に必要な対応まとめ

介護休暇の申し出は書面による方法とは限定されていません。どのような手続きをしてもらう必要があるのか、書類が必要であるならばどこまで記入してもらうのか、要介護状態にある確認はどうするのかを明確にしておく必要があります。

介護休暇申請の方法を明確に

企業によって対応は異なります。急遽休まざるを得ない状況も考えられるため、当日の電話による申し出を許可している企業もあります。 介護休業と比べ、介護休暇には必要な手続きはありませんが一定のルールを作ることが大切でしょう。

就業規則を改定する

介護休暇を取得する際に曖昧になりやすい事項に関しては、あらかじめ就業規則に定めておきましょう。 ・賃金の支払いの有無 ・1年間の期間(定めのない場合は4月1日~翌年3月31日) ・事前に日程が決まっている介護の予定については「1週間前までに」などの申請期限を設ける ・中抜けの可否 上記の項目などを記載し、労働者が安心して取得できるような配慮が必要です。 介護休暇中の賃金の支払いに義務はありませんが、支払わないことを制度上で明言しておくか、労使とすり合わせることが必要です。

残業・深夜労働への制限

介護休暇とは異なりますが、3歳未満の子どもがいる労働者について、本人が希望した場合は1日の所定労働時間を原則6時間に短縮すること、所定時間外労働をさせないことが義務付けられています。家族を介護する労働者が希望した際にも、所定時間の短縮、フレックスタイム制の導入、始業・終業時刻の繰り下げなどの措置を講じる必要があります。 なお、これらはあくまで労働者が希望した場合に必要な措置です。

条件を満たしている申請は拒否できない

条件を満たしている申請に拒否はできません。加えて、職場において行われるケアハラスメントにも注意を払いましょう。ケアハラスメントとは、働きながら介護を行う人に対して行われる嫌がらせなどの行為のことです。家族の介護が理由で残業ができない、休まなければいけない従業員に対して、人事評価を下げたり、介護休暇の取得を阻害するような行為がケアハラスメントに当たります。 介護休暇は育児・介護休業法で認められた労働者の権利であり、これを阻害する行為は法令違反となります。 人事担当者は、介護休暇が必要な従業員に対してはもちろん、それ以外のメンバーのケアも心がけましょう。ケアをしないことで、ほかの従業員から「残業しなくてうらやましい」「休んだ人の分の仕事を回されて大変」などの不平不満が生まれる職場になってしまう危険があります。従業員が介護休暇を取りやすくするためには、就業規則の整備はもちろんですが、明確な取得のルール作りと周りの従業員のケア、啓蒙は欠かせません。

 

介護休暇中の給与や保障について

介護休暇中に給与を支払う必要はないと前述しましたが、賞与や退職金には影響するのでしょうか。また、介護休暇で国から支援してもらえるケースはどのようなときでしょうか。 介護休暇中の給与や保障について確認してみましょう。

原則として給与支払いの義務はない

介護休暇・介護休業ともに休みの分の給与支払いの義務はありません。法的には「介護休暇中、事業主は6日間給与を支給しなくてもよい」と定められています。6日目以降についても会社の規定によってさまざまですが、介護休暇中に給与を支給している企業はそれほど多くありません。 しかし、介護休暇関連の制度は頻繁に改正が行われているため、今後は変更になる可能性もあります。 賞与に関しても介護休暇や介護休業で休んだ分減らすことには何も問題はありません。多くの会社が日割り控除した上で支給しています。 さらに、勤続年数に算入させる企業も少ないようです。介護休業分を退職金計算の際に必要となる勤続年数へ算入している企業は、全体の約28%となっています。
(参考:日本の人事部:有給?無給?賞与は?「育児」「介護」休業中の最新事情 https://jinjibu.jp/article/detl/rosei/503/#heading_2_2)
このように休業中の給与は企業に委ねられており、労働者にとっては厳しい現状となっているようです。

介護休暇で国から補助金がもらえるケースも

通常、介護休暇を取得した労働者は介護休業給付金を受け取れません。介護休業給付金は介護休業として長期間で休日を取ったときに限り受け取ることができます。条件は2週間以上の休業が必要な場合に限られるため、介護休暇には当てはまりません。 労働者が休暇中に給付金を受け取れるケースは長期の介護休業のときのみです。 しかし、企業が助成金を受け取れるケースがあります。企業の施策で両立支援助成金を導入することで、助成金を受け取ることが可能です。 両立支援助成金とは、労働者が働きながら育児や介護両立できる制度を導入する、もしくは女性の活躍推進のための取り組みを行う事業主を支援する制度です。 両立支援助成金には現在5つの利用可能なコースがあります。

  • ・出生時両立支援コース
  • ・介護離職防止コース
  • ・育児休業等支援コース
  • ・再雇用者評価処遇コース
  • ・女性活躍加速化コース

ここでは介護離職防止コース、育児休業等支援コースについてご紹介します。

介護離職防止コース

介護離職防止コースは、仕事と介護の両立を目的としています。 介護支援プランを策定し、プランに基づいた労働者の円滑な介護休業の取得、職場復帰に取り組んだ中小企業事業主、および介護のための就労形態制度を導入し、利用する労働者がいた中小企業主を対象としています。彼らに対して助成金が支給されます。 支給金額は 介護休業取得時28.5万円、介護休業職場復帰時28.5万円、介護両立支援制度28.5万円となっており、1事業主1年度に5人まで支給可能です。

育児休業等支援コース

育児休業等支援コースでは、育児を行う労働者が安心して育児休業を取得しやすく、職場に復帰しやすい環境の整備を測ることを目的としています。 育休復帰プランを作成してプランに基づいて労働者の円滑な育休取得、職場復帰に取り組んだ場合、育休取得者の代替要員を用意して育休取得者を現職復帰させた場合、復帰後に仕事と育児の両立が困難な労働者の支援に取り組んだ場合、それらの取り組みを行った中小企業事業主に対して助成金が支給されます。 育休取得時には28.5万円、職場復帰時に28.5万円、代替要員確保時47.5万円、職場復帰後支援28.5万円の助成金が支給されます。ただし、取得する育児休業の期間が3カ月以上必要であるため、介護休暇と併用して受け取ることは難しそうです。

 

まとめ

介護休暇に焦点を当てて説明をしてきましたが、育児・介護休業法が施行されたのは1992年であり、比較的新しい法律です。今後、少子高齢化により介護人口の増大や生産年齢人口の減少、働き方の多様化を受けてより介護と両立して働くことが一般的になってくるでしょう。今のうちに企業内の規定を見直してみてはいかがでしょうか。

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