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有給休暇取得の義務化に抜け道はあるのか?手法とリスク、注意点を解説

公開日:2021/05/27
更新日:2021/08/13
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有給休暇取得の義務化に抜け道はあるのか?手法とリスク、注意点を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

2019年4月から労働基準法の改正によって、有給休暇を社員に取得させることが義務化されました。有給休暇取得の義務化は企業にとって大きな負担です。しかしこの法改正には抜け道が存在します。有給休暇取得義務化の抜け道とリスクについて解説します。

 

有給休暇取得の義務化とは?

有給休暇は法律で定められている労働者の権利です。しかし、日本では有給休暇の取得率は低い状態が続いていました。そこで、2018年に働き方改革関連法案が成立し、2019年4月から有給休暇取得の義務化が始まりました。10日以上の有給休暇が付与されるすべての労働者に対して、毎年5日間、時季を指定して取得させることが義務付けられました。中小企業対象の猶予制度もなく、全企業を対象として一律に導入されています。有給休暇取得の義務化の対象者は、有給休暇の付与日数が10日以上である労働者に限ります。付与日数が10日以上ある労働者とは、雇い入れ日から6カ月間継続勤務し、その6カ月間の全労働日の8割以上出勤した者です。 また「使用者による時季指定」が新たに追加されました。これは、使用者、すなわち企業側が時季を指定して、従業員に有給休暇を取得させる手法です。法改正前は労働者による、時季指定での有給休暇の申請が行われていました。労働者本人に有給休暇の取得時季を任せると計画的な取得が行えず、規定日数の取得が進まないため、使用者による時季指定が新たに可能になった、という背景があります。

 

そもそもすべすべての企業で有休を義務化できているのか?

厚生労働省の令和2年就労条件総合調査の概況によると、1年間に企業が付与した年次有給休暇日数は平均18日。そのうち労働者が取得した日数は10.1日と取得率は56.3%となっています。もっとも取得日数の少ない宿泊業、飲食サービス業でも6.7日の取得となっており、ほとんどの企業において有給の5日以上の取得は義務化されていると言えるでしょう。 年次有給休暇の計画的付与制度がある企業は43.2%です。平成31年度の調査では22.2%だったことから考えると、多くの企業で有給休暇の義務化に対応するために、計画的付与制度を導入したことがわかります。
参考:厚生労働省 令和2年就労条件総合調査の概況

なお、上記の調査は常用労働者が30人以上である民営企業を対象としたものです。 株式会社インテージが行った調査によると、有休取得義務化が行われてから半年経過した時点で、有休取得が1日もない人は10人に1人いたとされています。5日以上の取得者が58.8%となっており、有休取得義務化がされる時点ですでに計画的な取得を促している企業が多くあることがわかります。
参考:「インテージ 知る Gallery」2019年11月19日公開記事

株式会社インテージの調査では、従業員30人未満の企業も含まれており、調査の結果10人に1人の割合で有給が取得できていないと判明しました。また半年間の有給取得日数は平均約5日です。1年で約10日間とすると、厚生労働省の調査結果の有給休暇平均取得18日と比べて明らかに少ない数字です。年度の違いなど一概に比較できない部分もありますが、従業員が30人に満たない企業において有給の義務化はまだ定着していないと言えるでしょう。

 

違反や抜け道にはリスクが伴う

有給休暇取得の義務化に対して、回避するような抜け道はあります。ただし、違法行為です。そもそも義務化を違反した場合や、抜け道を利用しようとして発覚してしまった場合には、大きなリスクがあります。どのようなリスクがあるのか、ここで理解しておきましょう。

有給休暇取得義務化を守らないことは違法行為

有給休暇を年5日取得できなければ、労働基準法の第39条7に反することになります。大企業であれば、労働基準監督署の調査によって発覚することもあります。中小企業であっても、労働者からの告発があった際には調査されてしまいます。労働者の有休休暇の記録は3年間帳簿での保管が義務付けられているため、調査された際に誤魔化すことは難しいでしょう。

違反した際の罰則は?

労働基準法の第120条により、従業員1人につき30万円以下の罰金が科せられる、と規定されています。従業員1人につきなので10人が有休の取得日数が足りない場合には、300万円の罰金となります。また労働者が請求する時季に有給休暇を与えなかった場合には、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。使用者には時季変更権を与えられていますが、限られた場合にしか行使できないため、有給休暇は原則労働者の請求する時季に取得させなければなりません。法改正により使用者の時季指定権が新たに加わったことによって、使用者が有休取得の時季指定を行うべきであるにもかかわらず、就業規則に時季指定の記載がない場合にも30万円以下の罰金が科せられます。

 

有給休暇義務化の抜け道をご紹介

前述したとおり、違反が発覚すると大きな罰則が課せられます。リスクと見合わせた際、また道義的な観点からも、抜け道を利用することはおすすめできません。ですが自社で行っている対策が、意図せずに違法な手法になってしまっている可能性もあります。 ここで一度、抜け道として知られている手法を確認しておきましょう。

もともとの休日を有給休暇に振り替える

法定休日として必ず取得しなくてはいけない休日は週に1日です。そのため週休2日制の企業であれば2日の休みのうち1日は所定休日となります。法定休日とは労働基準法で定められている、週に1日あるいは4週に4日の最低基準の休日です。所定休日とは法定休日以外の休日で、4週8休みの会社の場合は8日の休日のうち4日が法定休日、4日が所定休日となります。 法定休日さえ取得されていれば労働基準法上では違法ではありません。よって週2日ある休日のうち1日を法定休日、1日を有給休暇とすることで有休の消化が可能になります。

また夏季休暇や年末年始休暇など会社の規定上特別休暇だった日を平日扱いに変更し、そこに有給休暇を当てはめる方法もあります。 この抜け道を行うと労働者は所定休日数が減ります。労働契約上で変更をして労使合意のもとに行われた変更であれば違法ではありません。しかし、労働者保護の法律として「不利益変更の禁止の原則」があります。労働条件や就業規則を変更する際に、労働者に対して不利益となる変更は原則禁止となっています。労働者からの合意がない状態で変更することは違法となります。 この手法は、今回ご紹介する抜け道のなかでも、波風が立たない可能性が高い手法といえるでしょう。なぜなら、従業員からの同意があれば違法にならないためです。従業員の目線で考えると、元々の休日が有給休暇に変わることで、その分給料は上がります。義務化が始まる前までは、そもそも有休を消化できずに時効で消滅してしまうケースが多くありました。それに比べると給料が増えるだけ、従業員側にも一応のメリットはあります。

有給休暇が10日発生しない契約に変える

有給休暇義務化の対象は、1年で10日間以上の有給休暇が付与される労働者です。そのため、有給休暇が10日間発生しないようにすることで義務化を免れることができます。 正社員やフルタイムの契約社員の場合は6カ月以上の継続勤務が10日間以上の有給休暇の付与の条件となります。 そのため一度契約を解除して勤務期間をリセットすることで、有給休暇を付与しなくてもいい状態にする方法があります。しかしこの方法はあまりにも乱暴で、6カ月ごとに退社と入社の手続きをしなければいけないため非効率でもあります。 また、一つ目の手法と同様、労働契約上で労使合意であれば違法とはなりませんが、そのような契約体系に納得する労働者は少ないでしょう。

企業が従業員の有給休暇を買い上げる

有給休暇の買取りは原則として禁止されています。例外的に企業が買取りを認められる有給休暇は以下の通りです。

  • ・法律で定められた日数を上回る有給休暇
  • ・退職時に残っている有給休暇
  • ・時効になった有給休暇

そのため、付与が義務付けられている有給休暇の買取りは違法となる可能性があります。 しかし、前述のとおり中小企業において有給休暇の義務化がなされていないと発覚するケースは従業員からの告発です。買取りもせずに、ただ有給休暇を取得させていない場合よりも、労使合意の上での有休の買取りであれば告発の可能性を下げられる可能性もあります。ただしその場合も、発覚してしまった場合は違法行為として罰則を受けるかもしれない、という点は覚えておきましょう。

 

有給休暇を取得させないことのデメリット

有給休暇義務化の抜け道を紹介してきましたが、有給休暇を取得させないことには、違法になる可能性があるほかにも多くのデメリットがあります。

モチベーションや生産性の低下

そもそも有給休暇には、従業員に十分な休息とまとまった休日を与えることで、モチベーションや生産性の向上が期待できる効果があります。有給休暇を取得させないことで十分な休息がとれないばかりか、会社に対しての不信感が高まりエンゲージメントが低下するでしょう。従業員は必ず、自社と他社を比較します。他社も有給休暇が取得できていないならまだしも、多くの企業で有給休暇が義務化されている現状では、より不信感が募りモチベーションが下がることになりかねません。

就職希望者の減少

求人票に有給休暇の取得実績を掲載している企業も多くあります。さらには多くの会社で従業員に有休を取得してもらおうとさまざまな対策を講じています。 そもそも有給休暇は、基本的に10日以上発生します。義務とされている5日すら取得できない企業と既定の日数を取得できる企業とで比べられると、取得できない企業は圧倒的に劣っていると見られてしまうでしょう。有給休暇の現状について求人票に記載せず、説明もしないことで隠すことも可能ですが、隠して採用することは早期退職につながり、より多くのコストがかかります。 有給休暇を取得できない環境には、それを覆すような大きなメリットがない限り人材は寄ってこないでしょう。

社内での不公平につながる

有給休暇を取得が義務化されていない企業において、有休の申請は非常に言い出しづらい内容です。有休の申請をされたら使用者は正当な理由がない限り拒否はできません。すなわち声を上げられる人だけ取得でき、声を上げられない人は取得できないような状況が起こります。また病欠の際に有給休暇を当てる企業もあります。欠勤で有給休暇を取得できる人と毎日会社に来ているのに有給休暇を使えない人が出てくると真面目な人ほど損を被ります。そのような不公平な状況は、真面目で損を被る人ほど早期に退職してしまう、というデメリットも生み出すかもしれません。有給休暇義務化の抜け道を使おうとしている使用者は、目の前の利益だけではなく、長期的な目線でデメリットや危険性も踏まえたうえで判断することが必要です。

 

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1984年生まれ。龍谷大学法学部卒業後、データサイエンスの重要性を痛感し、多摩大学大学院で"学び直し"。 その後、株式会社デコムなどでデジタルマーケティング、消費者インサイト等の業務に携わり、現在は「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーJX通信社にてマーケティング全般を担当している。 政治、経済、文化など、さまざまなデータをデジタル化し、分析・予測することを得意とし、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌にも登場している。 ◇主な著書 「なぜ「つい買ってしまう」のか?~「人を動かす隠れた心理」の見つけ方~」(光文社)2019 「誤解だらけの人工知能」(光文社)2018 「データサイエンス「超」入門 嘘をウソと見抜けなければ、データを扱うのは難しい」(毎日新聞出版)2018

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管理画面の使い方2

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管理画面の使い方1

さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。

さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。

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まとめ

ここまでは、有給休暇義務化の抜け道を紹介してきました。たしかに多くの中小企業にとって、年間で5日間も休日が増えることは非常に痛手です。しかし違法行為が発覚した際にはより大きな痛手が待ち受けています。抜け道を使わないに越したことはありません。あくまで最終手段としてなるべく使わないことをおすすめします。

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