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人事評価においての相対評価とは?メリットと絶対評価との違いを解説

公開日:2021/05/27
更新日:2021/05/31
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人事評価においての相対評価とは?メリットと絶対評価との違いを解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人事評価制度を定める際に、評価基準を明確にすることは非常に重要です。優れた評価制度は従業員の成長やパフォーマンスの向上、離職率の低下にまでつながります。ですが、適切な基準で公平に評価することが難しいのもまた事実です。どのような評価制度が優れているかは、企業によって異なります。当記事では、評価基準の一つである相対評価について詳しく解説します。

 

相対評価と絶対評価の違いは?

人事評価における相対評価と絶対評価は、両者を比べてどちらか一方が優れているということはありません。どちらにもメリットとデメリットがあり、企業の目指す方向により適切な選択は異なります。 これまで、日本企業の多くは相対評価を採用してきました。対する外資系企業では絶対評価が主流です。近年、グローバル化の影響により日本企業においても絶対評価を取り入れる企業が増えています。 まずは、相対主義と絶対主義の違いについて理解しておきましょう。

相対評価と絶対評価とは?

相対評価とは、個人の能力を組織内の順位で評価する評価手法です。あらかじめ上位10%はS評価、10~30%はA評価、30~60%はB評価などと定め、能力に応じて順位を割り振ります。 例えば、F1の決勝レースでの順位決めも相対評価です。個人がどれだけ早いタイムを叩き出そうとも、ほかの選手がそれ以上の早さでゴールすれば、順位は下がります。1位2位3位の表彰台の数はあらかじめ決まっており、着順によって順位が割り振られます。このように、全体のなかでの個人の成績によって順位が割り振られるのが相対評価の特徴です。 対して絶対評価とは、周囲の能力は関係なく、個人の能力のみで評価する評価手法です。月に100万円以上の売上でS評価、70~100万円であればA評価、50~70万円であればB評価というように個人の成績や能力でのみ判断します。仮に社員全員が月100万円以上の売上を上げたのであれば、全員がS評価です。例えばF1での予選第1ラウンドでは絶対評価が使われています。予選通過の基準タイムが設けられて、基準より早ければ予選通過、遅ければ予選敗退となります。ほかの選手の成績に関係なく評価されます。

相対評価のメリット・デメリット

メリット1:人件費を予算内に収められる

人件費の高騰を抑えることができ、年間の人件費の管理が容易になります。 例えば成績によるインセンティブを与える場合を考えてみましょう。営業社員が10名の会社で、営業成績1位の社員には+5万円の支給、2位と3位の社員には+3万円の支給と定めるとします。誰がどれだけの成果を出したかは関係なく、1人に5万円、2人に3万円で計11万円の支出が必要だということが事前にわかります。

メリット2:公正な評価を行いやすい

グループ全員の成績によって自動的に評価が決まるため、評価者の判断に左右されずに、評価が容易に行えます。評価者による評価のブレは少なくなり、評価が偏らないことで従業員の公平感を保つことができます。

メリット3:組織内の競争の活発化

相対評価の場合、ほかの従業員よりもいい成績をとらないと評価につながりません。社内での競争が活性化することで切磋琢磨しあい、活発な組織ができることも一つのメリットです。

デメリット1:評価基準があいまいで納得感が低い

他人と比べての評価であるということは、年度ごとに評価基準が異なることにもなります。 例えば前年度は1000万円の売上を上げて、営業成績1位の成績優秀者に選ばれたとします。今年度は1500万円の売上を上げたにも関わらず、周りの成績がそれ以上に向上して、相対的な順位が下がり減給となることも考えられます。評価基準が自分の能力・成果ではないことによって、目標設定ができずモチベーションが低下してしまうことも考えられます。

デメリット2:評価される側が不公平感を感じることも

チーム内での成績で評価をする場合、各チームのレベルによって評価にばらつきが出てしまいます。同じ成績でもチームによって評価が異なることになり得るのです。また、仮にすべての社員のパフォーマンスが期待はずれであっても、高評価を受ける従業員が出てしまいます。逆も同様で、すべての社員が素晴らしいパフォーマンスであっても、低評価の従業員が出てきてしまいます。

デメリット3:突出した人材が育たない

一部のトップにいる優秀な社員にとって、今以上に成績を上げることへのインセンティブがなくなることがあります。1000万円の売り上げを上げても800万円の売上を上げても、営業成績が1位であるなら評価に変わりはないためです。

絶対評価のメリット・デメリット

メリット1:フェアで納得感が高い

自分の能力・成果次第で評価されるため、周りの従業員の成績は関係ありません。いい成績を出せば高評価、悪い成績であれば低評価、と非常にシンプルでわかりやすい評価です。個人ごとに評価され、評価の理由も基準も明らかなため、従業員の納得感が高くモチベーションアップにもつながるでしょう。

メリット2:課題や問題点の把握が明確になる

個人ごとに評価が行われることで、従業員一人ひとりの課題や問題点が明らかになります。相対評価であれば、たとえ前年度から成長していなくても、周りも同様に成長がなければ評価は変わりません。絶対評価であれば周りの成長とは関係なく、自分が成長するしかありません。絶対評価において、比べられるのは去年の自分の成績です。評価される段階で自分の成績を詳しく分析するでしょう。どこの数字を改善すればより高い成果を上げられるのか、去年と比べてどう変わったのかを考えます。評価者にとっても評価するのは個人の成績のみです。周りと関係なく、どうしたらその個人がより良い成果を上げられるのかを考えます。そして成長した結果はそのまま成果と評価に結びつきます。そのため自分自身で成長しようというモチベーションが生れるでしょう。

メリット3:あらゆる成果に報いることができる

前述の相対評価のデメリットでは、突出した人材が育たないと解説しました。絶対評価では成果を上げれば、その分の報酬を与えることができます。高い成果には高い評価で報いることができるため、従業員側にさらなる成果アップへのインセンティブが働くのです。

デメリット1:人件費の予測が困難

相対評価と違い、あらかじめ人件費を予想することが困難です。全体の成績が上がれば人件費も高くなり、全体が下がれば人件費も下がります。人件費の予測が困難になることで、事業計画に支障をきたす場合もあります。

デメリット2:評価制度の運営が複雑

絶対評価では一人ひとりの成績を評価します。一人ひとりを評価することでの手間もかかりますが、評価によって人件費が変動するとさらに手間は増えます。そのうえ数字で判断がしやすい営業職であればまだしも、事務職や人事職など明確な数字で成果を判断できないケースにおいて、判断基準は曖昧になりがちです。評価者によって評価が異なるという事態も考えられ、評価制度自体の複雑さが増してしまう可能性があります。

デメリット3:景気などの社会情勢に左右される

社会情勢によって企業全体の売上が下がってしまうこともあるでしょう。相対評価であれば全員が下がっても、そのなかで成果を上げた人を評価することが可能です。しかし絶対評価では全体が下がっていようが関係はなく、あらかじめ決められた数字から個人の成績が下がったらマイナス評価です。景気悪化時の人件費削減としてはメリットとも捉えられますが、景気に左右される評価は従業員には不安材料になります。

 

競争力を高めるためには「相対評価」がおすすめ

上記のように相対評価にはメリットもデメリットもあります。日本企業が相対評価を採用してきた背景には、年功序列制度による影響があります。これまでの日本企業は、個人の成績よりも社内での序列を大切にしてきました。個人の職務能力ではなく、年齢や勤続年数によって決められる、その会社のなかでの相対的な評価が、評価基準に採用されてきたのです。 旧来のシステムに適した評価制度であるからといって、必ずしも現代において相対評価が劣っているというわけではありません。近年、成果主義や絶対評価を取り入れている企業が増えてきていますが、相対評価には社内の競争力を高められるという大きなメリットがあります。 従業員同士で切磋琢磨してほしい、社員一丸となって市場での競争力を高めたい、という場合に相対評価は有効です。

相対評価を利用した評価方法の事例をご紹介

まずは、大阪市の例を確認してみましょう。大阪市に勤める公務員は相対評価によって評価されています。相対評価の分布は5段階です。上位5%、5%~25%、25%~85%、85%~95%、95%~100%と分けられています。昇給や手当など区分によって明確な規定が設けられており、公正な評価が行われています。 ラーメンチェーン店を運営する株式会社ギフトにおいても相対評価が採用されています。職位はスーパーバイザー、店長、副店長などと分かれており、各職位のなかでも細かくランクが定められています。店長は売上や利益、離職率、廃棄率などさまざまな項目を、ほかの店舗と相対的に評価され、上位の店長には順位に応じた割合のインセンティブが支給されます。店舗の立地によって売上金額を調整するなど、公平性を保った評価制度が運営されています。

どのような会社を作りたいかで評価方法を選ぶ

IT企業では絶対評価を採用している企業が多くなってきています。成果主義、ジョブ型雇用と絶対評価は相性が良いため、技術職や営業職で絶対評価を取り入れている企業が増えているのです。 一方で、相対評価は全体主義、メンバーシップ型雇用と相性が良いと言えるでしょう。人事評価を定めることは会社の目指す方向を定めることと同義です。自社に適した評価制度はどちらなのか、検討してみるのも良いでしょう。

 

相対評価運用のポイント

どれだけ優れた評価制度を構築したところで、運用が上手く行かない限り効果を発揮しません。目標や意図を従業員にしっかりと理解してもらい、労使一体となって運用していくことが大切です。

相対評価を社内に浸透させるためには?

従業員に、評価基準や評価方法の目的、なぜその評価方法を採用しているかを理解してもらうことは大切です。相対評価を長期間続けていると、優秀な人材にはもっと刺激的な環境でキャリアアップしたいという気持ちが芽生えてくるかもしれません。また成績下位の社員は、がんばらなくてもこれ以上評価が下がることはないと安心し、成長意欲がなくなってしまう可能性もあります。 評価面談を実施する、次なるステージを用意する、社内での競争を促すなど、定期的なメンテナンスは必要になります。

相対評価と絶対評価を組み合わせる

必ずしも相対評価と絶対評価の一つだけを選ばなければいけないわけではありません。社内でも職種によって、相対評価と絶対評価を使い分けることが可能です。営業職など数値目標が明らかな職種には絶対評価を、そうでない職種には相対評価を導入することで、職種による不平等感を抑えることもできます。 企業によっては、段階的な評価を導入している例もあります。一人の従業員に対して一次評価は絶対評価で行い、二次評価は相対評価で行うというように、2段階に分けて評価を行うという手法です。これにより、個人の成績向上へのモチベーションも、社内での競争意欲も、どちらも向上させることが可能です。 細かい等級を導入することも、よく使われる手法です。例えば10段階の等級を設けて、各社員を能力に合わせて適した等級に割り振ります。ここまでであれば相対評価のようですが、各段階の等級には人数制限を設けません。周りとは関係なく個々人の能力と成果によって等級が割り振られるという、絶対評価の要素も持ち合わせています。そして各等級のなかで成果に応じた相対評価を行い、同じ等級の中での評価を確定します。同じ等級内で切磋琢磨が生れることにより、相対評価のメリットも発揮します。

 

まとめ

今後、働き方がより多様化し、人事評価も柔軟に変化していくでしょう。評価制度は定期的な点検が必要です。また、売上が低迷している、離職率が高い、採用広告に人が集まらない等も評価制度が原因になっている可能性があります。 人事だけの問題ではなく、会社全体の問題として、一度評価制度を見直してみてはいかがでしょうか。

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