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競業避止義務とは?その意味と理解しておくべき点を解説

公開日:2021/05/27
更新日:2021/05/31
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競業避止義務とは?その意味と理解しておくべき点を解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

競業避止義務とは、会社の取締役や社員などは、自分が所属する企業と競合する会社などに転職したり、自ら競合する会社を設立したりするなどの競業行為を行ってはならないという義務のことです。社員と取締役とでは、義務とされる範囲や内容が異なります。また、退職後は競業避止義務を負わないとされます。 当記事では競業避止義務について、その内容と意味、理解しておくべき点を解説していきます。

 

競業避止義務とは何か

競業避止義務をより詳しく見てみましょう。社員は、在職中は労働契約における信義誠実の原則に基づく義務として、競業避止義務を負うとされています。また、取締役については、会社法の定めにより在任中は取締役会の承認なしに会社の営業の部類に属する業務を行うことが禁止されています。退職後は、憲法で定める職業選択の自由の観点から、競業避止義務は生じないとされています。

秘密保持契約における競業避止義務

現在、企業の営業秘密漏洩の過半数は、社員・取締役による故意または過失によるものとされています。それを未然に防ぐために、企業は社員と秘密保持契約を締結する場合が多くあります。その際にポイントとなるのが「競業避止義務の有効性」です。在職中の社員・取締役については競業避止義務の法的根拠が明確であるため、その有効性が問題になることはまずありません。しかし、退職後も秘密保持契約を根拠に競業避止義務を課すことは、しばしば裁判でその有効性が争われます。

職業選択の自由との関連性

憲法第22条1項には、職業選択の自由が明記されています。そのため、特に退職後も競業避止義務を課すことは、職業選択の自由に反するものであるといえます。そのため、会社が退職後の社員にも競業避止義務を課す場合には、労働契約や就業規則などに必要かつ合理的な範囲で明示する必要があります。

 

社員の競業避止義務について

労働契約法は第3条第4項で、「労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない」と定めています。この規定により、社員は競業行為を避ける義務があると解釈されています。このため、在職中の社員が競業行為を行った場合には、懲戒処分や損害賠償請求の対象になり、場合によっては解雇事由にもなり得ます。

競業避止義務は法律に定められている

社員は、労働契約法の定めにより競業避止義務を負うとされています。つまり、競業避止義務は企業が就業規則や労働契約などで独自に定めるものではなく、法を根拠としているものです。そのため、これに反すれば就業規則のみではなく、労働契約法にも反することとなるため、懲戒処分や損害賠償請求の対象となることに加えて、解雇事由になる場合もあります。

 

取締役の競業避止義務について

取締役については、会社法第356条で「競合及び利益相反取引の制限」について定められています。取締役が、自身や第三者の利益を図るために会社との間で取引を行う場合等には株主総会の事前承認が必要となります。また、取締役会設置会社においては、事前に重要な事実を取締役会に開示し承認を得ること、事後報告することが定められています。

一般の社員よりも高度な義務を負う

上で見たように、取締役にはより詳細な規定がなされています。これは、会社の業務を執行する取締役が、会社の利益を犠牲にして自身や第三者の利益を図ることを防止する目的があります。一般の社員には取締役ほどの権限や会社を代表する立場がないため、取締役に求められるほどの規定がなされていません。

 

退職後の競業避止義務

社員は、不正競争防止法により会社の営業秘密の不正使用や不正開示、不正手段で取得した情報の利用や開示は禁じられおり、企業はこれらから保護されるべきであるとされています。社員の転職によって、重要な営業秘密などを競合する企業に利用されることを防ぐために、社員の在職中はもちろん、退職後も「競業避止義務」を求める企業も多くあります。 一方で、先に見たように憲法で定める職業選択の自由の観点から、これを不当に制限する契約は民法の定める「公序良俗違反」として無効とされます。両者の関係性などについて、見ていきましょう。

退職後も一定の制約を受ける

社員と会社の関係は、退職により終了するものと考えられます。しかしながら、退職後に同業他社などへ転職したり、競合する事業を興したりする場合は、会社の営業秘密が外部へ漏洩するおそれがあります。営業秘密の持ち出しは、プライバシー保護の観点からも、看過されるべきものではありません。そのため、会社は誓約書や就業規則などによって競業避止義務を定め、これに違反した場合はなんらかの制裁を課す規程を盛り込むことが多くなっています。 一方で、在職中はともかく、退職後まで競業避止義務を負わされるのは不合理と考えることもできます。企業の利益と社員の職業選択の自由の線引きは難しく、裁判で争われることも多いため、過去の判例により事案ごとに判断されています。

 

競業避止義務の有効性

会社は、一般的には就業規則や労働契約で社員の競業避止義務について定めています。その有効性が認められるためには、退職後を含めて社員の職業選択の自由を過度に損なわないよう配慮することを前提として、必要かつ合理的な範囲で定められているということの法的根拠を示す必要があります。競業避止義務の有効性が認められる場合について、具体的な基準を見ていきましょう。

有効性が認められる基準

会社が定める競業避止義務の有効性が認められるためには、次の基準を満たしているかどうかで判断されます。

1.会社に守るべき利益があるかどうか

競業避止義務契約を定めてまで守るべき会社側の利益があるかどうかです。不正競争防止法によって法的保護の対象とされる「営業秘密」はもちろんのこと、個別の判断において、「営業秘密」に準じて取り扱うことが妥当な情報などについても、守るべき会社側の利益と判断されます。

2.競業避止義務を課す必要がある社員かどうか

社員の地位について判断を行なった判例では、会社が守るべき利益を保護するために、 競業避止義務を課す必要がある社員かどうかが判断されます。

3.競業避止義務の地域の限定や期間、行為の定めが適切かどうか

地域については、業務の性質等に照らして合理的な設定がなされているかどうかが基準となります。期間については、形式的に何年以内であれば認められるものではなく、社員の不利益の程度を考慮した上で、業種の特徴や会社の守るべき利益を保護する手段としての合理性等が問われます。行為の範囲についても、会社側の守るべき利益との整合性が問われます。一般的に競業企業への転職を禁止するというような規定は合理性が認められないことが多くなります。一方で、禁止される職種や従事する職種等が限定されている場合には、合理性があると判断されます。

4.競業避止義務の代償措置が講じられているかどうか

競業避止義務を課すことの対価として、代償措置とみなせるものが存在するかどうかで判断されます。例えば、何らかの手当が支給される場合や、給与が高額に設定されているような場合がこれに当たります。

 

まとめ

ここまで見てきたように、競業避止義務は会社の営業秘密などを守る目的がある一方で、社員の職業選択の自由を侵害するおそれがあるものです。そのため、どういった内容であればその有効性が認められるかの基準を踏まえた規定をすることが重要となります。

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