予実管理とは?進め方や行う時のポイントを詳しく解説

予実管理とは、予算と実績のギャップを継続的に把握し、経営改善につなげるマネジメント手法です。正しく運用することで、目標達成率の向上や問題の早期発見・早期対策、PDCAサイクルの定着が期待できます。本記事では、予実管理の基本的な考え方から進め方、実行時の注意点までを詳しく解説します。
- 01.予実管理とは?
- 02.予実管理が必要な理由
- 03.予実管理の手順
- 04.予実管理の手段
- 05.予実管理を運用する際の注意点
- 06.予実管理・目標管理ならSchoo for Business
- 07.まとめ
01予実管理とは?
Schoo for Businessの授業『現場を動かす予実管理&アクションプラン』に登壇する江間勇人先生は、予実管理を「予算と実績を徹底して管理し、ギャップを早期に発見・修正できる手法」として紹介しています。
予実管理には、予算と実績を照らし合わせて乖離を把握するという側面に加え、乖離原因を素早く特定し、具体的な軌道修正案を検討して実行に移すという側面があります。つまり予実管理の本質は、目標達成に向けた「意思決定のサイクル」を回すことにあると捉えられるでしょう。
営業部門や管理部門に限らず、チームや組織として数値目標を持つあらゆる場面で活用できます。
予実管理でできること
予実管理を行えば目標を必ず達成できる、と思われることがありますが、それは誤解です。予実管理はあくまで、予算と実績のギャップを可視化し、経営改善につなげるための手法です。
例えば、期初に編成した予算(目標)に対して実績がどれだけ達成できたかを分析することで、具体的な改善アクションを導き出せます。また、毎年予算と実績が大きく乖離しているようであれば、そもそもの予算編成に問題がある可能性も見えてきます。
このように、予算と実績をタイムリーかつ適切に管理することで、経営課題を早期に発見・可視化し、改善策の実行と検証を重ねながら目標達成の確度を高めていくことが、予実管理の本来の役割です。
02予実管理が必要な理由
予実管理はそれ自体が目的となるものではなく、あくまで経営改善に向けた手段に位置づけられます。正しく運用することで、組織の目標達成を後押しする効果が期待できます。ここでは、予実管理が必要な理由について、Schoo for Businessの授業『予実管理表の読み解き方』(担当講師:江間勇人 先生)の内容をもとに解説します。
目標達成の可能性を高める
予実管理が機能していない組織では、各メンバーがそれぞれの判断で動くことになり、チーム全体の力が目標に向かって結集されにくくなります。一方、予実管理を適切に運用することで、予算に対して今どこまで達成できているかをチーム全員が共通認識として持てるようになります。
また、目標達成に必要な案件の量や確度を数字で把握できるため、リーダーは根拠を持って優先順位を判断し、メンバーへの的確な指示につなげられます。予実管理は、目標達成のための「指針」として機能するものです。
早期発見・早期対策
予実管理を行っていないと、問題への対処が後手に回りやすくなります。月末になってはじめて未達に気づき、リカバリーが間に合わないという状況は、予実管理が機能していない場合に起こり得る典型的な失敗です。
予実管理では数字と現場の動きを継続的に追うことで、問題の兆候を早い段階でつかめます。
Schoo授業内では、目安として「向こう2ヶ月程度まで数字が見えている状態」を維持する重要性も紹介されています。一発逆転に頼るような運営から脱却するためにも、早期発見・早期対策の仕組みとして予実管理を活用することが重要です。
PDCAサイクルの実現
予実管理は、PDCAサイクルにおける「C(Check=評価・確認)」の役割を主に担います。計画通りに動けているかを数字で正確に把握し、ギャップが生じた原因を分析することで、次の改善アクションを判断する根拠が生まれます。
重要なのは、表を作って確認することで終わらせず、そこから読み取った情報をもとに次の行動へつなげることです。予実管理を起点にPDCAを継続的に回すことが、組織全体の数字感覚を高め、安定した目標達成につながります。
03予実管理の手順
ここでは、予実管理を行うための手順を4つの段階に分けて解説します。
1.必要な情報を収集し予算設定を行う
まずは、予算設定に必要な情報を収集します。予算は、企業や組織が目指す利益や売上などをもとに設定しますが、現実的に達成可能な水準であることが重要です。
過去の実績や成長率、業界動向、競合他社の状況などを踏まえ、自社の事業環境に合った予算を設定しましょう。
低すぎる予算では課題が見えにくくなり、高すぎる予算では現実との乖離が大きく、適切な評価や改善につながりにくくなります。従業員のモチベーションにも配慮しながら、努力によって達成を目指せる予算を設定することが大切です。
2.定期的に実績を把握する
予実管理の精度を高めるには、月次で実績を集計・確認することが重要です。定期的に実績を把握することで、予算と実績の乖離を早期に発見し、必要な対応を取りやすくなります。
月次で把握した実績や進捗は、関係部門や責任者に共有し、必要に応じて現場の行動目標に落とし込むことが重要です。
3.予算と実績を比較する
設定した予算と実績を比較し、差異が生じている項目を確認します。売上、費用、利益などの主要項目だけでなく、部門別・商品別・月別など、複数の切り口で確認できるようにデータを整理しておくと、課題を把握しやすくなります。
例えば、売上が予算を下回っている商品やサービスがあれば、販売数、単価、顧客層、販売チャネルなどの観点から状況を確認します。一方で、予算を上回っている商品やサービスについても、好調の要因を分析することで、他の施策に活かせる可能性があります。
4.分析して対策を実行する
予算と実績の差異を把握したら、その原因を分析し、具体的な対策を検討・実行します。
差異の原因には、売上数量の変化、販売単価の変動、原価や人件費の増減、市場環境の変化など、さまざまな要素が考えられます。原因を特定したうえで、企業の強みはさらに伸ばし、課題については改善策を講じましょう。
また、分析結果は当期中の改善だけでなく、来期以降の予算編成や事業計画にも反映することが重要です。
04予実管理の手段
予実管理は、どのような方法で行えばよいのでしょうか。 ここでは主な方法について解説します。
Excel・スプレッドシートで管理する
ExcelやGoogleスプレッドシートは、予実管理の手段として手軽に始めやすい選択肢です。
売上・費用・利益などの項目を表形式で整理し、予算・実績・差異・達成率を一覧で管理できます。社内でExcelやGoogleスプレッドシートをすでに利用している場合は、新たな専用システムを導入せずに始められるため、比較的低コストで運用できます。
予算管理システムを導入する
予算管理に特化したクラウドツールやSaaSを導入することで、Excelやスプレッドシートでは対応しきれない課題を解消しやすくなります。
複数部門のデータを一元管理できるほか、リアルタイムでの数値更新や権限管理、レポート出力など、組織的な予実管理に必要な機能を備えた製品も多くあります。各部門の担当者が入力したデータを、管理者や責任者がすぐに確認できる環境を整えやすく、組織の規模が大きくなるほど効果を発揮しやすい点は大きなメリットです。
一方で、初期設定や運用ルールの整備には一定の工数がかかります。導入前には、管理したい項目や承認フロー、利用部門、既存システムとの連携可否などを整理しておくことが重要です。
ERP・会計システムと連携して管理する
ERPや会計システムと連携することで、売上・原価・経費などの実績データを取り込み、手入力によるミスや集計の手間を削減しやすくなります。
財務データと予実管理が一体化されるため、経営層が必要とする情報をタイムリーに提供しやすくなります。特に、管理部門と現場部門が連携して予実管理を運用している組織では、データの一貫性が保たれることで分析の信頼性向上も期待できます。
一方で、導入・運用コストは比較的高くなる傾向があります。そのため、組織の規模や管理の複雑さ、既存システムとの連携範囲を踏まえて検討することが重要です。
05予実管理を運用する際の注意点
予実管理を効果的に運用するには、表を作成・更新するだけでなく、現場の行動や意思決定につなげることが重要です。ここでは、Schoo for Businessの授業『現場を動かす予実管理&アクションプラン 』をもとに、予実管理を運用する際の注意点を解説します。
部下にマイクロマネジメントをし過ぎてしまう
予実管理を導入すると、管理職が数字や案件の進捗を把握しやすくなる一方で、「これはどうなっているか」「あれは進んでいるか」と頻繁に確認しすぎてしまうケースがあります。こうした過度な関与は、メンバーにとって負担やストレスになる可能性があります。
日々の状況を把握すること自体は重要ですが、予実管理表は、進捗や課題をまとめて確認するための仕組みでもあります。個別に都度確認するのではなく、表を介して状況を把握し、必要なタイミングでまとめてコミュニケーションを取ることで、管理職・メンバー双方の負担を減らしながら効果的に運用しやすくなります。
表の更新だけをする人が現れる
予実管理を運用していると、実際の行動や進捗が伴わないまま、見込みや予定だけが入力され、管理表の更新自体が目的化してしまうケースがあります。本来、予実管理は目標達成に向けたアクションを促すためのものであり、表を更新すること自体が目的ではありません。
これを防ぐには、週に1回程度、チームミーティングやマネージャーとの1on1の場を設け、「この案件は今どういう状況か」「次にどのようなアクションを取るのか」を確認するのが有効です。表の数字だけでなく、案件の実態や次の行動をすり合わせる場を定期的に持つことで、予実管理が形骸化するのを防ぎやすくなります。
必ず、更新日程を決めておく
予実管理を継続的に機能させるためには、表をいつ、誰が、どの項目まで更新するのかをあらかじめ決めておくことが重要です。更新タイミングが曖昧なままだと、データが古くなったまま放置され、管理職が正確な状況を把握しにくくなります。
更新日程や担当者、入力項目を明確に定め、管理職が定期的に確認できる運用にしておくことで、予実管理表を常に「使える状態」に保ちやすくなります。ルールをシンプルにし、メンバーが無理なく継続できる仕組みを作ることが、予実管理を現場に根付かせるうえでのポイントです。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

06予実管理・目標管理ならSchoo for Business
オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々なテーマの研修に対応しています。
| 受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
| アーカイブ本数 | 9,000本 (新規講座も随時公開中) |
| 研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
| 費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
| 契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
組織の目標設定・目標達成に役立つ講座を紹介
ここでは、オンライン研修サービスSchooの講座から、組織の目標設定・目標達成に役立つ講座を紹介します。
PDCFAサイクルが目標達成の確率を上げる
PDCAサイクルに「F(人と学び合う技術)」と「A(自分の軸を見出す技術)」を加えた独自のPDCFAサイクルを、行動科学の観点から解説する授業です。目標を立てる・行動を続ける・経験を振り返るという流れを、習慣化のノウハウや組織内フィードバックの手法を交えながら実践的に学びます。
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株式会社ネットマン代表/発明家
1966年静岡県生まれ。人材育成系ITシステムで日米で特許取得し、米国O-1ビザ(卓越能力保持者ビザ)取得。心理学や行動科学の知見をベースに日立グループ、三菱東京UFJ銀行、楽天といった企業での人材育成で「目標達成」のための行動習慣化プログラムを実践する。明治大学、東海大学や県立高校、公立中学校などの学校でキャリア研修の講師も務める。佐賀県武雄市のICT教育アドバイザーとして小学校でのタブレット活用授業も手がける。著書に「絶対に達成する技術」(KADOKAWA)がある。
目標設定と管理への基礎理解
目標設定に苦手意識を持つ方に向けて、その基本的な考え方をゼロから学ぶ授業です。ハーバード大学卒業生を対象にした調査では、目標を明確に紙に書いた3%の卒業生が10年後に他の卒業生の約10倍の収入を得たというデータも紹介。なぜ目標が必要か、どう設定しどう管理するかを体系的に解説しています。
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株式会社LEBEN CAREER CEO
秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。
ラグビーから学んだ「目標を達成するための逆算思考と段取り力」
元U17・18ラグビー日本代表コーチであり人材育成プロデューサーの二ノ丸友幸氏が、ラグビー指導の実体験をもとに目標達成の思考法を伝える授業です。ゴールから逆算してプロセスを組み立てる「逆算思考」と、状況変化に対応しながら段取りを組む力を、スポーツとビジネス両方の現場事例を通じて学びます。
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プロラグビーコーチ/人材育成プロデューサー
ラグビーを始めるため名門・啓光学園中学・高校、同志社大学に進学。 卒業後は、ラグビーの本場ニュージーランド留学を経て、ジャパンラグビートップリーグ(現:ジャパンラグビー リーグワン)のクボタスピアーズでトップリーガーとして選手生活を送り、2006年に引退。 引退後は、株式会社クボタにて、法務部、広告宣伝部で従事するなど社業に専念する。 2012年に日本ラグビーフットボール協会リソースコーチ(協会から任命を受けたトップコーチ)となり、 U17/U18ラグビー日本代表コーチを歴任するなど、特にユース世代選手の発掘・育成・強化に携わる。 2016年には約15年勤務した株式会社クボタを退社し、人材育成プロデュース事業、スポーツコーチング事業、デュアルキャリアサポート事業を主に展開する「Work Life Brand」を設立し、代表に就任。 全国屈指の強豪チームである奈良県立御所実業高校ラグビー部やカーリングチーム、更にはサッカーやハンドボール、バレーボールなどのコーチなど、10を超える契約を結びサポートしている。 また、主体的に行動する”自考動型人材”を提唱し、新入社員から管理職までの階層別の研修・講演を行うなど、 スポーツとビジネスの両分野でデュアルに活動している。 (コロナ禍におけるオンラインの講義は国内外で200回を超える) 2021年、指導者と保護者が学び続け、選手を含めた全ての人びとが幸せになることを理念とした、「#他競技から学ぼう」の代表プロモーターとして活動をスタート。 2022年、監督ではなくいわゆるNO.2の存在である“コーチ“に限定し、少人数制ディスカッション型セミナー”二ノ丸友幸の参謀サミット”を主宰している。 テレビ解説、ラジオなどのメディアにも出演中。
07まとめ
予実管理は、予算と実績のギャップを早期に発見・分析し、目標達成に向けた意思決定サイクルを回すための手法です。Excelや専用ツールなど、自社の規模や運用体制に合った手段を選ぶことで、無理なく継続できる仕組みを作ることができます。
一方で、マイクロマネジメントに陥ったり、表の更新が形骸化するといった落とし穴もあります。そのため、定期的な更新ルールを設定し、メンバーとの状況確認の場を設けることが大切です。
まずは、売上・費用・施策ごとの進捗など、自社で管理すべき項目を整理し、予算と実績を比較できる形にすることから始めてみてください。


