公開日:2021/05/28
更新日:2023/06/29

新入社員の配属先を決める方法とは?注意点や早期離職の防ぎ方を解説

新入社員の配属先を決める方法とは?注意点や早期離職の防ぎ方を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

新入社員にとって配属先が決まることは大きな期待と不安を持つイベントです。企業においても、どの人材をどこに配属するかは今後の成長や経営課題を解決するために大きな意味を持ちます。本記事では、新入社員に配属先を決める方法や配属後に留意しておきたいポイントについて解説していきます。

 

01新入社員の配属先はどのように決めるのか?

新入社員の配属先はどのように決めていくのがいいのでしょうか。新入社員の配属先を決める方法について解説していきます。新入社員にとって、配属先は最初に業務を覚える大切な場所ですので、しっかりと検討をして決めていくことにしましょう。

適性検査や面談から決める場合

配属先を決める方法には、適性検査の結果を参考に自社のどこの部署が適性を発揮できるかを見ていく方法があります。適性検査を実施していない場合には、面談やインターシップでの様子を参考にして決める方法もあり、配属後の成長を期待できる部署がどこであるかを検討することが必要です。新入社員が配属されても、適性を発揮できないことでは人材を活かしていけません。この様なことを起こさないためには、新入社員一人一人の個性や適性を見極めて配属先を決めることが必要です。適性があっても、その適性を発揮できない可能性を考慮し育成方法を検討するなどの考慮を忘れないようにしましょう。

本人の希望から決める場合

新入社員の配属確定には、本人の希望を元に決める方法もあります。自社を志望した理由が営業職、研究職など意思が明確な場合には、希望の部署へ配属をすることに問題はありません。ただし、希望する部署では適性が発揮できない可能性がある点にも注意が必要です。適性検査の結果などから判断し、適性を発揮できないと判断できる場合には、他の可能性を探る必要があります。モチベーションを下げないことを意識し、適性を元に他の部署での業務を提案してみましょう。

欠員補充などの組織的要素で決める場合

組織の事業計画において、人員計画を立案している場合や欠員が出たことによる補充が必要な場合には、組織的要素で新入社員の配属を決めることがあります。適性や本人の希望と合致する場合には問題ありませんが、希望に沿わない場合などには注意が必要です。ただ、人材が必要ということで配属を決めるのではなく、できるだけ適性を考慮し成長が期待できる人材を配置する工夫を行っていきましょう。

 

02新入社員の配属後におきる課題とは

リクナビジャーナルによると、最も多いのは入社前が4割、入社式の日が2割と約6割が入社前、または入社当日に配属先が決まっています。入社後に決める会社も存在しており、面談やインターシップでの様子などを参考にしながら適性を鑑みて決めることが多いようです。

新入社員の配属先が決まる時期
 

03新入社員の配属後におきる課題とは

新入社員の配属後におきる課題について解説していきます。実際に配属された後に起きる課題を理解しておくことは、配属を決める上でも参考になります。配属後の注意点を参考に配属先を決めていくことにしましょう。

希望が通らなかった社員の早期離職

入社における志望動機、やりたい仕事や配属されたい部署が明確な場合には、希望が通らなかった場合の早期退職につながる可能性が高くなります。強い期待感を持って入社している新入社員にとって希望が通らないことは大きなショックになり、モチベーションを下げる要因になります。業務を行う中で、やりがいや面白さを感じるまでの間で、「自分がしたかったことと違う」という思いが大きくなれば早期退職になるリスクも高くなります。早期退職を避けるためには、やりがいや面白さを早く感じてもらえる様に指導することが必要です。部署内で積極的に声をかけるなどのコミュニケーションを図り、仕事に慣れ、やりがいを感じやすくなる環境作りが必要になることを理解しておきましょう。

新入社員の3年以内の離職率

令和2年度における新規学卒就職者の離職率は新規高卒就職者36.9%、新規大卒就職者31.2%と厚生労働省が発表しました。つまり、高卒も大卒も3人に1人は3年以内に離職している計算になります。特に新規就職者で離職率が高いのが宿泊業や飲食サービスです。大卒、高卒ともに50%を超えており2人に1人は離職していることになります。

▶︎参考:令和2年度における新規学卒就職者の離職率|厚生労働省

受入れ体制が未整備による育成の遅れ

受入れ体制が未整備、不十分な場合には、配属後の育成に大きな遅れを生じさせる可能性があります。育成の遅れだけではなく、新入社員にとって指導に対する不満やモチベーションダウンを生じさせる可能性もあり注意が必要です。受入れ体制を整えておくためには、事業計画立案時などに作成する採用計画などに、各部門の配属予定人数や指導者、担当させる業務などを整理し受入れ体制の準備を計画的に行っていく必要があります。

育成担当者との人間関係によるメンタルの低下

希望する部署へ配属になった場合でも、育成担当者との人間関係で悩むことがあります。コミュニケーションが上手く取れないことで悩み、希望の部署で頑張る意欲を下げてしまう人間関係のトラブルには、周囲が気を配り早期に対応することが必要です。人間関係の悩みは大きく、メンタル面からくる体調不良に発展する可能性も秘めていることを理解して対応していきましょう。

 

04配属先のミスマッチを起こさないための注意点とは

配属のミスマッチを起こさないようにしていく上で注意すべきこととはどんなことでしょうか。ここでは主な注意点を2つ解説しますので、配属先を決める前に確認しておきましょう。

本人の適性を重視した配属を優先する

本人の適性を重視した配属先を優先することで、入社時の希望とは異なっている場合でも能力を発揮し成長する期待が持てます。適正検査については、紙面やWEBの方式が展開されており、SPI、GABを始め様々な種類があります。自社において適正検査で何を判断したいのか、コストや受験方法を勘案して決めることが必要です。新入社員の場合には、入社試験の一環として適正検査を受検させることが多く、内定を出す際の参考にすることも可能です。ストレス耐性に関する適性検査もあり配属後のストレス耐性を判断することにもつなげていくこともできます。新型コロナ感染予防の観点から、現在の就活生向けにはWEB版の適性検査を受検させることが主流となっており、WEB版の場合には期間を設けて受講を促し受験後の翌日には結果が届くなどのメリットもあります。

配属先決定の背景を丁寧に説明する

配属先決定については、社内への周知の前に各個々人へ通達を行う必要があります。適正検査の結果やインターシップ参加時の様子で、何を期待して配属先を決めたという内容を丁寧に伝えていきます。時には希望通りの配属先とは異なる場合があります。このような場合には、モチベーションが一時的に下がる可能性が高くなります。希望部署ではない理由として、どこを評価し配属先で何を期待しているかについて、丁寧に繰り返し説明を行う必要があります。時には納得できない可能性もありますが、向き合うことができていない場合には早期退職を促進してしまう可能性がある点を理解し対応していきましょう。

 

05希望しない配属先が決まった際の早期退職を防ぐフォロー方法

希望しない配属先が決まった際に早期退職を防ぐフォロー方法としては、できていること、努力していることを評価することや周囲が積極的にコミュニケーションを取ること以外にありません。また、配属を歓迎していることを周囲から伝えるために、歓迎会などを開催し配属先メンバーとの人間関係を構築するきっかけを作っていきます。良好な人間関係が構築されている職場は、離職率が低い傾向があり仕事へのやる気やモチベーションが高くなります。新入社員は特に、先輩社員とどのように人間関係を築いていけばいいか分からないことも多く、声を掛けづらいと感じてしまいがちです。このようなことを防ぎ、離職に繋がらないためには、以下のようなフォローを行っていきます。

慣れるまでは先輩から挨拶を行う

配属後すぐの間は、朝の挨拶は先輩社員から行うようにしましょう。希望していない配属先に出勤することは、気分的にも重くなんだか嫌だと考えてしまいがちです。そういう時には、元気な挨拶を期待しても難しい場合もありますので、先輩から積極的に挨拶をするように心がけましょう。人間関係が構築されていけば、新入社員から元気の良い挨拶をしてくれるようになります。

声掛けを積極的に行う

指導担当の先輩や上司以外からも、積極的に声掛けを行いましょう。「どう?」「わからないことある?」「慣れた?」と、今の状況を確認し不明なことがある際には、指導担当者でなくても説明をしていくなど臨機応変な対応を心掛けていきます。不明なことを聞けないこともある新入社員にとって、声を掛けてくれることで聞きやすくなり疑問を解消するきっかけとなります。

昼食時間を有効に使う

意外なことかもしれませんが、昼食時に先輩社員や上司と一緒に過ごすことも早期退職を防ぐフォローに有効です。現在では、歓迎会などの会社行事以外で誘われることを嫌う新入社員も多くいますが、昼食時には食堂に一緒に行く、ラインで外に出るなどの時間をフォローの一環として行うことで、事務所内では話せない相談を行うことや先輩社員との人間関係を築くきっかけとすることができます。

 

06配属後のフォローアップのポイント

新入社員の配属後は、各部署に任せるということではなく人事部門でのフォローも継続して実施する必要があります。実際に働き始め、業務を行う上で配属先では相談できないことや人間関係の悩みについては、配属後のフォローアップでケアをしていきましょう。実際に行うのは、以下の項目です。

面接時にフィードバックする項目は以下の観点で事前に整理しておきましょう。

  • ・勤怠状況
  • ・配属先での評価
  • ・前回の面談での質問など
  • ・改善点など

定期的な面談の実施

定期的な面談を実施し、フォローアップの場面に利用していきます。1つの目安は、配属後「1週間」「1ヵ月」「3か月」「6ヵ月」「12ヵ月」です。それぞれのタイミングで、体調面、メンタル面や先輩との人間関係、困っていることがないか、やりがいと感じることは何かを確認していきます。入社時に人事部門でのフォローアップ面談を伝えておくことで、配属先で困ったことがあっても相談できる機会があることを認識でき、安心感を生むことにもつながります。

面談時のフィードバック項目

面接時にフィードバックする項目は以下の観点で事前に整理しておきましょう。

遅刻や欠勤が多い場合には、体調管理のアドバイスや病気の状況を確認します。

何を頑張っているのか、どこが成長したと認識されているのかを、あらかじめ配属先に確認をしておきフィードバックします。他の人に評価されているという点は、聞く側にとって嬉しいものです。モチベーションアップにも効果を発揮します。

前回の面談で質問を受けていたことなどは、できるだけ早期に回答を行うのが基本です。しかし、確認などに時間を有してしまった場合には面談時に回答するようにし、聞くだけではなく対応してくれているという認識を持って貰えるように心がけましょう。

伝えにくい内容ではありますが、こうすればもっといいなどの改善点がある場合にも面談時に伝えます。あくまで、より成果を出して欲しい、成長して欲しいという前提の中で伝えることで、非難されているという印象を与えないことが必要です。


 

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08まとめ

本記事では、新入社員の配属をテーマに配属先を決める際の注意点や希望する配属先に行けない場合の早期退職を防止する内容について解説しています。新入社員は、会社にとっての宝であり原石です。配属先を決め経験値を増やすことで、本当のパフォーマンスを発揮していく人材であることを念頭に今後の配属先決定を行っていきましょう。

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    サイボウズ人事本部 兼 チームワーク総研所属

    東京大学教育学部卒業後、2016年トヨタ自動車株式会社に新卒入社。人事部にて労務(国内給与)、全社コミュニケーション促進施策の企画・運用を経験後、2019年サイボウズ株式会社に入社。主に人事制度、研修の企画・運用を担当し、そこで得た知見をチームワーク総研で発信している。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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