公開日:2021/05/28
更新日:2024/03/31

モラルハラスメントとは?その事例や職場における重要な取り組みについて紹介

モラルハラスメントとは?その事例や職場における重要な取り組みについて紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

モラルハラスメントは、現代の企業が抱える課題のひとつです。本記事はどのような行為をハラスメントと呼ぶのか、モラハラの概要について紹介します。また、モラハラの特徴や実際の事例、企業として講じておくべき対策について詳しく解説していきます。

 

01モラルハラスメント(モラハラ)とは

モラルハラスメント、通称モラハラという言葉が一般に浸透してしばらく経ちました。そもそもモラハラとはどのような行為を指し、他のハラスメントとどのように違うものなのでしょうか。ここではモラハラの定義について紹介していきます。

倫理や道徳に反して言葉や態度で精神的にダメージを与えるこ

モラルハラスメント(モラル=心に働きかける、ハラスメント=嫌がらせ)とは、論理や道徳に反し、言葉や態度で相手に精神的なダメージを与えることを目的とした“加害行為”のことを指します。簡潔に「大人のいじめ」と言うと、わかりやすいかもしれません。

周囲が気づきにくいこともある

モラハラは目に見えない暴力であることから、モラハラを受け困っている人がいても、周囲が気付きにくい場合があります。また、モラハラは精神的な攻撃であることから、被害者がモラハラを受けていると気づかずに一人で抱え込んでしまい、周囲が気づいた際にはすでに大きなストレスを感じているケースもよく見られます。

職場ではコミュニケーション上で発覚することが多い

職場内で起こるモラハラは、仕事をするうえで欠かせない、対人関係上のコミュニケーションで発覚することが多いです。「なんとなくこの人とは合わない」という気持ちから、きつくあたってしまったり、無視したりする人が多く見られます。

放置してしまうと企業にとって大きなリスクとなる

モラハラを放置してしまうと、人材確保や社員のモチベーション、企業イメージなど、多方面渡ってに良くない影響が及ぶ可能性が高まります。また、悪質なハラスメント問題は、控訴問題に発展することも少なくなく、企業にとって大きなリスクとなりうるものです。「個人間の問題だから」といって放置をしないようにしましょう。


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02パワハラとモラハラの違いは?

モラハラと似た言葉にパワーハラスメント、通称「パワハラ」があります。どちらもハラスメント規制法で禁じられている、行為にあたります。ここでは、パワハラとモラハラ、両者でどのように違うのかを詳しく解説していきます。

パワハラは主に上司が立場や権力を利用して行う嫌がらせ

パワハラはパワーハラスメントの略称です。職務上の地位が上位の者による、業務上必要かつ相当な範囲を超えた精神的・身体的苦痛を与える、または労働者の就業環境が害される行為を差します。具体的には立場が上の人間から下の人間に対して、過剰、過小な要求を行うほか、個の侵害といった精神的、身体的な嫌がらせを行うことを意味しています。
参照元:「ハラスメントの定義|あかるい職場応援団」

モラハラは、地位・立場に関係なく、同僚間でも見られることがある

モラハラは、道徳や倫理に反した嫌がらせの全般を意味していますので、職場内の地位や立場は関係ありません。上司と部下の間で起こることもありますし、同僚との間で起こることもあります。部下から上司というパターンも起こりえます。

モラハラには身体的な攻撃が起こることはない

モラハラは、言葉や態度、身振りなどによって人を不安に陥らせたり、巧妙に支配したり、人格や尊厳を傷つけるなどの精神的な暴力や虐待の総称を意味し、パワハラのように大声で叱責したり、殴る・蹴るなどの肉体的にダメージを与える直接的な暴力行為はありません。

 

03モラハラの主な事例とは?

では、職場で実際に起こっているモラハラに該当する態度や言葉には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。近年、よく聞くモラハラの事例について紹介していきます。モラハラの具体的な事例を知ることで、モラハラへの理解を深めることができます。

精神的に追い詰める

職場で行われているモラハラのなかでも比較的多いのが、「挨拶をしても返事をしない」「話しかけても返事をしない」といったような無視による嫌がらせです。相手を精神的に追い詰める行為を繰り返し行い、ダメージを与えます。 この精神的に追い詰めるといった項目のなかには、バカにする、わざと嫌味や陰口を言う、馬鹿にしたような視線・見下したような視線を送る、本人が嫌がるあだ名をつけるなども含まれ、個人の尊厳を深く傷つける言動です。

集団の中に入れないよう仕向ける

特定の相手だけを集団から切り離し、孤立させる行為もモラハラに該当します。こういった行為を行う原因のほとんどは、「気に入らない」「嫌い」といった個人的な理由が圧倒的です。また、過去のトラブルがきっかけになったケースも少なくありません。一人で相手を孤立させるように仕向けることもありますが、集団で孤立させるように仕向けることもあります。 具体的には、行事・会議・ミーティングなどに誘わないといった、いわゆる「仲間外れ状態」を意図的につくった事例があります。

業務妨害をする

職場で行われるモラハラは、指導の中で嫌がらせを受けることも多く、業務に対する嫌がらせも存在しています。明らかにこなしきれない業務を与える、一人だけ不用意な残業を与えるといった過重な労働、反対に仕事を与えない、もしくは雑務しか与えない、業務に必要な情報を与えない、必要な報告や連絡を共有しないといった業務の妨げになる行為が該当します。

プライベートへの過度な干渉

業務を遂行する上でプライベートへの干渉は必要ありません。また、近年はそういったプライベートへの過度な干渉が強く、問題視されるようになってきています。恋人やパートナーのことをしつこく聞き出す、終業後や休日などのプライベートの時間の行動を把握しようとするといった内容が挙げられます。業務上必要がないにも関わらず、執拗にプライベートに干渉する行為は、悪意のある・なしに関わらず、モラハラに該当します。

会話や連絡を無視する

会話や連絡の無視は、モラハラの一形態であり、被害者を無視することで彼らの存在を無視し、排除する試みです。これは、会話や電子メール、電話などのコミュニケーション手段を使って行われる場合があります。被害者は自分の声や存在が無視されることによる孤独感や無力感を感じ、心理的苦痛を受けることがあります。

 

04モラハラをする人の特徴

モラハラをする人の特徴として、次のようなものが挙げられます。

  • 自己中心的な考え方をする
  • プライドが高い
  • 感情の起伏が激しい
  • 他責思考

これらの特徴は、モラハラをする人の行動や態度に共通して見られるものです。ただし、すべてのモラハラ加害者がこれらの特徴を持っているわけではなく、個々の事例によって異なる場合があります。ここでは、それぞれについて具体的に解説していきます。

自己中心的な考え方をする

モラハラをする人は、他人の感情やニーズを無視し、自己中心的な行動を取りがちです。彼らは自分の欲求や利益を最優先し、他人の感情や権利を軽視する傾向があります。その結果、他者を傷つけることを避けず、モラルや倫理観を無視して自己中心的な行動をとります。

プライドが高い

モラハラをする人はしばしばプライドが高く、自己評価が非常に重要です。自己評価を保つために、他者を支配したり、威圧したりすることがあります。彼らは自分の間違いや弱点を認めることを拒絶し、自己防衛のために攻撃的な態度をとることがあります。

感情の起伏が激しい

モラハラをする人はしばしば他責思考に陥ります。つまり、自分の行動や問題の責任を他人や環境のせいにする傾向があります。彼らは自己の責任を逃れるために他者を非難し、自己正当化を図ります。このような思考パターンは、他者に対する攻撃や嫌がらせの正当性を見出そうとする動機につながることがあります。

他責思考

モラハラをする人は感情の起伏が激しく、短絡的な行動や反応を示すことがあります。彼らは怒りや嫉妬、不安などの感情をコントロールできず、その感情が他者に向けられる場合があります。このような感情の乱れは、モラハラ行動の原因となることがあります。

 

05職場でのモラハラを防ぐにはどうしたらいい?

職場内で起こる「モラハラ」は社員を追い込むだけでなく、職場の環境悪化や人材流失リスクにつながりかねません。ではモラハラを未然に防ぐには、どのような施策を施したらいいのでしょうか。ここからは、職場でのモラハラを防ぐための対策をご紹介します。

上司からモラハラ社員本人に指導する

モラハラが発覚した際は、モラハラ社員本人に上の立場の人間から直接注意することが求められます。この注意を、適当なかたちで終わらせてしまうと、モラハラを行った本人は問題の重さに気づかず、同じようにモラハラを繰り返してしまうおそれがあります。

複数人で協力しモラハラ社員本人と距離を置く

被害者となった人と周りの人の信頼関係を強固にすることで、モラハラの勢いを抑制することができます。 そのため、モラハラの事実を把握している複数人で協力し合い、モラハラ社員本人と距離を置くことも時にモラハラ終息へ有効な手法となり得ます。ただし、距離を置くことと仲間外れや無視することは異なるため、やりすぎて逆に自分たちが加害者となってしまわないように注意しましょう。

社員がいつでも相談できる窓口を設置しておく

社員が一人で抱え込むことなく、いつでも相談できるように窓口を設置しておきましょう。この際、モラルハラスメントに関する相談のみに特化せず、仕事上の悩み、制度に関する相談など、対応できる事柄を広く設定しておくことで、社員がより気兼ねなく、悩みや相談を打ち明けやすい環境をつくれます。

モラハラが犯罪になりかねないことを社内に周知する

ハラスメント行為は働く人の尊厳を傷つける、許されざる行為だということを、企業は従業員に周知徹底しなければなりません。また、度を超えたモラハラは刑法の名誉毀損罪や、侮辱罪に当たる可能性があります。つまり、加害者は法的責任を問われることがあるのです。「知らなかった」では済まされない、大きな問題へと発展することもあるため、日頃から、従業員への啓発・教育を怠らないようにしましょう。

ハラスメント防止方針の策定と明確化

モラハラを含むあらゆる形態のハラスメントを防止するために、組織内でハラスメント防止方針を策定し、明確化することも重要です。この方針には、ハラスメントの定義、適切な行動規範、報告手順、および処罰措置に関する情報が含まれるべきです。方針の周知と従業員の教育を通じて、ハラスメント防止の文化を醸成することが不可欠です。


 

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06まとめ

モラハラは、役職や立場、雇用形態に関係なく、職場における全員が加害者・被害者となる可能性のあるハラスメントです。 また、モラハラはその特質上、周囲が気づきづらく、問題が発覚しにくいハラスメントです。そのため、どのような行為や態度がモラハラとなるのかを全社員がきちんと理解することが発生防止の第一歩となります。会社側は従業員が安心して働ける環境を整える必要があるため、モラハラを起こさない、起こさせない体制作りを整えましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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