公開日:2021/07/07
更新日:2022/06/17

ロジカルシンキングの基本「帰納法」とは?帰納法の仕組みを解説する

ロジカルシンキングの基本「帰納法」とは?帰納法の仕組みを解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ロジカルシンキングにおいて、基本的な考え方として「帰納法」があります。これはどのような思考法なのでしょうか。ロジカルシンキングは必須のビジネススキルともいわれています。本記事では、基本となる帰納法の概要について解説します。

 

01ロジカルシンキングの基礎「帰納法」とは

ロジカルシンキングを行う上で推論のための論理に「帰納法」があります。この帰納法の基本的概念を解説します。帰納法とはどのような概念を持つのでしょうか。帰納法の概念を知ることで活用方法をイメージしながら確認していきましょう。

ロジカルシンキングの定義

ロジカルシンキングとは「論理的思考」とも呼ばれており、「情報を論理的に整理できる能力」と定義できます。論理的にとは、「 対象の物事を順序立てて、筋道を立てて考えるさま 」の意味を持ち、ロジカルシンキングは「物事の整理を行い順序よく筋道を立てて考える能力」と考えれます。実際には、問題が起きたさいに問題の発生原因を含め事情の整理や原因の整理に役立てて行く能力のことです。

帰納法とは

帰納法は「複数の実例を挙げてその共通点を導き出し、共通点から結論を出す論理展開手法」です。できるだけ多くの(正確な)実例を集めるのことが重要です。実例の数が多いほど問題の本質を探りやすくなります。ただし、1つでも間違った実例が混同してしまうと理論はそこで崩壊する点に注意が必要です。帰納法と一緒に比較される手法に演繹法があります。

 

02帰納法以外の推論方法とは

帰納法以外の推論方法について解説していきます。推論方法以外にも帰納法は複数あります。その代表的な4つの推論方法です。他の推論法を知ることで帰納法の理解を深めていき、ロジカルシンキングでの活用を促進していきましょう。

演繹法

演繹法は「決められたルールや基準に事象を当てはめた結果をもとにて結論を導き出す論理展開手法」です。演繹法で重要なのは、決めらえたルールや基準などの前提です。この前提の確認が誤っていると、間違った推進を導く点に注意が必要ですが、既に決められている前提を元にするため、比較的簡単に取り組むことができます。

枚挙的帰納法

枚挙的帰納法は、「ある特殊な命題から一般的な命題を導くという推論方法」のことです。帰納法に近い性質を持つため混同することも多い手法ですが、事実に重いきをおき、「ある事実から一般的事実を導く」という意味合いが強い点に違いがあります。

アナロジー(類推)

アナロジーは日本語で「類推」といい、AとBで「似ている要素」を洗い出した上で、BをAに当てはめて考えることを指し、知っている情報を「知らない分野」に当てはめて応用するという要素があります。

アブダクション(仮説形成)

アブダクションとは、仮説形成とも訳される推論法です。結果から原因を推測し、観測事実に対して説明を見つける手法を指します。アメリカの哲学者であるチャールズ・パースが、アリストテレスの論理学を基にして提唱した論理展開法で、起きた現象に対して仮説を構築して論理的に説明していく論法として唱えています。アブダクションを使いこなすためには、「想像力」が必要となるため、帰納法・演繹法とは異なり非線型の思考法です。そのため習得が難しいと言われています。

 

03帰納法を活用するメリット

帰納法を活用するメリットには、どの様なメリットがあるのでしょうか。次に帰納法を活用することで得られるメリットについて解説していきます。帰納法は、どの様なメリットをもちビジネスに活かしていけるかにいて確認していきましょう。

分析力の向上

帰納法は「複数の実例を挙げてその共通点を導き出し、共通点から結論を出す論理展開手法」と定義付けています。帰納法においては、「実例から共通を導く」の過程において分析力を必要とします。共通点の整理や実例の本質をシンプルに分解して分析することには、分析力を必要とするだけではなく継続して行うことによる分析力向上にも期待できると理解しておきましょう。

問題解決能力の向上

問題が発生した際に、問題の本質となる原因を整理し解決する手法について問題解決力をの向上にロジカルシンキングは役立ちます。場当たり的な解決策や対処を行うと再発のリスクを生んでしまいます。こうした再発の抑制にも問題解決力の向上は役立ちます。この時、帰納法を用いることで事実を元に共通点を導き出す分析と共通点から解決に向けた推論を導き出すことに役立ちます。このプロセスを通して、問題解決力が向上をはかることができます。

コミュニケーション能力の向上

ロジカルシンキングの特徴として相手の意見を理解する力や自分の意見を伝える力、コミュニケーション力の向上が期待できます。帰納法はこのプロセスにおいて相手の話している事実を基に共通点を見出し論理的に展開するため、相手の話している事柄の本質を深く知る事ができます。本質を知ることで、相手が求めていることや抱いている感情を理解することができるため、適切なやり取りを通してコミュニケーション力の向上をはかることができます。

生産性の向上

ロジカルシンキングの基本的な概念のもえなく、ダブリのない検討ができることは、問題の本質を見極めやすくなります。見極めやすくなると、無駄な工程を省くことになり、生産性向上に役立つちます。このプロセスにおいて帰納法は、今ある手順という事実を基に、その事実で問題になっている事の事実、変更や削除を行ってもいいという事実を整理し、どうなうべきが最適であるかを推論します。この推論によい新しいプロセスを生み生産性の向上に寄与することも可能になります。

 

04帰納法の鍛え方

帰納法を鍛える方法は、考える習慣ですが日常業務においても帰納法を鍛えることが可能です。次に、帰納法の鍛え方について解説していきます。ご紹介する内容を元に日々の業務から帰納法を鍛える訓練を行っていきましょう。

企画業務での鍛え方

PESTや3Cなどのフレームワークは、「複数の実例を挙げて」「実例をもとに共通点を見出し」「共通点を根拠に結論付ける」という帰納法の使い方に沿っています。企画業務に従事している場合には、これらのフレームワークを活用し積極的に帰納法を取り入れてることで論理的に考える習慣が身についていきます。

 

05ロジカルシンキングの問題点

ビジネスの必要スキルと言われているロジカルシンキングについては帰納法などを活用することでビジネスシーンでの活用範囲は広く利便性が高いと評価されています。しかし、ロジカルシンキングにも問題点があります。本記事の最後にロジカルシンキングの問題点を解説していきます。

新しい事柄を生む出す事には向いていない

ロジカルシンキングは、新しい事柄を作り出すという分野には不向きであるという意見があります。ロジカルシンキングは、前提や実例があり、そこから論理的に筋道を立てて結論を見に引き出す手法を総称しています。帰納法も同様に、前提となる事実から推論を行います。全く新しい分野については、この前提や実例が少なく手法を用いることが困難な場合があります。前提ができるほどの期間がないといういい方にもなります。そのことから既にある分野で正しいと判明している前提や、多くの実例から導き出すことは可能でも、新しい事柄を0から作り出すことは難しいという考え方です。こうしたことから、ロジカルシンキングや帰納法を活用するときには、どのような状況下で使用するのか、前提となる事実などが存在しているかを見極める必要があります。

機動性が遅くなることがある

ロジカルシンキングを用いる場合、機動性が落ちる可能性があります。事柄に対して論理的に考えるためには、思考材料や、それを分析するある程度の時間が必要になります。ある事柄を前提として、筋が通っているか、合理的かを確認を繰り返しながら考えを発展させていく作業には時間がかかります。この思考に対して時間を要するため機動性が低くなる要因を持っているといえます。判断や機動性を求める場合には、ロジカルシンキングは不向きである側面を持っています。

理論と感情の対立

ロジカルシンキングは、感情と対立する側面があります。コミュニケーションの場面では、人は論理だけで動かされるものではないということです。蓄積された過去の経験や時にはプライドからくる不信感や不安感を持つ要因になってしまうこともあります。ロジカルシンキングを用い論理的に正しいからと正論を振りかざしては、相手が感情的になる可能性を秘めている点に注意が必要であり「論破する」が目的ではないという点に注意が必要になると理解しておきましょう。論理だけで話を進めようとするのではなく、相手の感情を理解し、受け止めて寄り添うことも大切です。何を最終目的としているかということが大切な観点です。


 

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まとめ

本記事では、「ロジカルシンキング」「帰納法」をテーマに解説しています。帰納法とは何か、帰納法以外の推論法の紹介などを通し、帰納法に関する理解を深めて頂きビジネスでの活用を促進して頂ください。また、帰納法にもデメリットとなる問題点があることも理解しておく必要があります。最後にご紹介していますが、論理だけで整理が付かないこともビジネス上には存在しており、何を目的としているかを十分理解することも必要です。特に、論破してしまうことによるコミュニケーションの課題は、後々に大きな影響を与えます。ロジカルシンキングを活用しビジネスに役立つ成果を上げるためにも、論理を固めることに加え、その伝え方に関するスキルも身に付けて最大源の効果を出していきましょう。

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