公開日:2022/11/02
更新日:2023/01/19

概念化能力とは何か?高い人の特徴や求められる背景からトレーニング方法も解説

概念化能力とは何か?高い人の特徴や求められる背景からトレーニング方法も解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

 

01概念化能力とは個別の事象から概念を読み取る能力のこと

概念化能力とは、文字通りに「物事を概念化して理解する能力」のことです。より詳しく説明するなら、一つひとつの個別事象を観察し、それらの物事が共通してもっている性質を見抜き、本質を抜き出して体系化し、論理的に「その事象がもつ概念(意味)」を見つけ出す能力と言い換えることができるでしょう。ビジネスシーンでは、「コンセプチュアルスキル」としても注目されている能力の一つです。この記事では、そんな概念化能力について、今なぜ求められているのか、概念化能力が高い人はどのような特徴があるのか、そしてどうすれば鍛えられるのかを解説していきます。

抽象化能力との違い

概念化能力と似た考え方の能力として、抽象化能力が挙げられます。抽象化能力とは、個別の物事から性質を抜き出して理解・利用する能力のことを指します。抽象化能力もビジネス上では必要ですし、概念化する際にも活用できる能力ではありますが、概念化とは少し考え方が異なるということは覚えておきましょう。

 

02概念化能力が注目される背景

経営学者であるロバート・カッツ氏が、組織の運営に関して求められるスキルとして以下の3つのスキルを挙げています。

  • ・テクニカルスキル:職務を遂行するために必要な能力や専門的・技術的な知識
  • ・ヒューマンスキル:周囲と円滑な関係を築くためのコミュニケーション能力
  • ・コンセプチュアルスキル:物事の本質をとらえ、概念化して理解する能力

ロバート・カッツ氏は管理者(管理職)を、経営者層であるトップ・マネジメント、管理者層であるミドル・マネジメント、現場の監督者層であるローワー・マネジメントという3つの階層に分けました。そしてトップ・マネジメントになるにつれてコンセプチュアルスキルの重要性が増すと提言しています。

コンセプチュアルスキルが特に注目された理由

コンセプチュアルスキルとは、そのまま「概念化能力」とも和訳されます。テクニカルスキルやヒューマンスキルの考え方自体は知られていましたが、概念化能力の考え方が明確にマネジメントと結び付けられ、大きく注目されるようになったのはこのときです。他のテクニカルスキルやヒューマンスキルは比較的イメージしやすいのですが、コンセプチュアルスキル(概念化能力)はマネジメント層に必要とされながらも、どうやって伸ばすか、そもそもどういった能力なのかを理解しにくかったため、特別に注目されたのです。

 

03概念化能力が高い人の特徴

次に概念化能力が高い人の特徴について、解説します。なぜトップ・マネジメントに近づくに連れて、概念化能力が必要となるのかを理解しやすくなるでしょう。

  • 1.物事や事象の本質を見抜くことができる
  • 2.他者に分かりやすく説明できる

1.物事や事象の本質を見抜くことができる

概念化能力とは、個別の事象の本質や仕組み、根本を概念化してとらえることができる能力のことでした。概念化能力が高い人は、個別の問題から大元の問題に辿り着くことができるようになります。例えば何か問題が起こったとき、どうしても「今起こった問題をなんとか解決しなくては」という思考になってしまい、場当たり的対処に終始してしまいがちです。 それはそれで重要なことですが、場当たり的な対処で終わってしまったのでは、また同様の問題が再発してしまいかねません。概念化能力が高い人は、個別の事象から本質を見抜けるため、過去の事象からさまざまな知見を得ています。初めて対応することでも、どうすれば成功しやすいか、どうすると失敗するか、といった知見をあらかじめ有しているのと同じ状態にあるのです。

2.他者に分かりやすく説明できる

概念化能力が高い人は、物事の本質を概念化して理解できるだけでなく、物事そのものについても正しく理解することができます。そして、個別の事象と抽象的な概念との間を行き来する思考にも慣れています。自分自身が「固有事象と本質」「末端と全体」を行き来しながら考えることができるため、該当の事象に対して何も知らない他者に対しても、全体像や仕組みの本質を説明しやすいのです。新メンバーなどへ解説するのはもちろん、既存メンバーにもより高い解像度で業務を理解してもらうために分かりやすい説明をすることができます。

 

04概念化能力を鍛えるためのトレーニング方法

それでは、どうすれば概念化能力を高めることができるのでしょうか。そのトレーニング方法について解説していきます。

  • 1.抽象化、概念化、具体化の練習をする
  • 2.定義を明確化する
  • 3.情報を多面的に集めて統合して考える

1.抽象化、概念化、具体化の練習をする

まず最初にやるべきは、何か事象に出会ったとき、それを抽象化し、概念化し、具体化するような癖をつけることです。まずは該当の事象について性質を抽出して抽象化します。 そして抽象化された事象から本質を見つけ出して、概念として理解します。さらに、「では、この問題に対して実際にどう対処するのか」という行動の具体化を行います。抽象化と概念化だけで終わってしまうと、それらの抽象化と概念化が正しかったのかどうか、確かめる手段がありません。具体的な行動に落とし込んで実行することで、正しく抽象化と概念化ができていたかを確かめることが可能になります。

2.定義を明確化する

何か事象があったとき、それの「定義」を明確にする癖をつけるのも概念化能力のトレーニングとして有効です。これを繰り返すことで本質に迫る能力を鍛えることができ、結果的に概念化能力も鍛えられます。例えば、部下が「作業が大変で日報を書けないんです」と訴えたとします。その訴えに対して「では、今日は少し残業して日報を書きましょう」といった場当たり的な対応をすることは可能です。しかし、それだけで終わってしまっては、概念化能力は伸ばせません。

  • ・作業とは具体的に何か? 
  • ・すべてやるべき作業なのか?
  • ・その作業は今日中に必要なのか?
  • ・大変とは、具体的に何に困っているのか?
  • ・やらなくていいことをやっているのではないか?
  • ・そもそも日報はなぜ提出しているのか?
  • ・日報を提出する義務はなぜあるのか?
  • ・日報に時間がかかるほうが問題ではないか? 別の書きやすい形式にできないか?
  • ・日報提出も業務であるなら、それを入れた作業時間割にすべきではないか?

上記のように、一つの事象からいくつも疑問が湧き上がります。それらを一つずつ定義づけして解消していくことで、問題の本質が見えるようになってくるでしょう。 そしてこういった本質に迫るような定義づけを繰り返すことで、概念化能力を鍛えていくことが可能になります。

3.情報を多面的に集めて統合して考える

物事の本質は、一側面から見ただけではつかめないものです。多角的に物事の現状や状態を捉えなければ、リスクとなるような事情を知らないまま概念化したとしても、的外れなものになってしまうでしょう。概念化能力を高めるために、情報を多面的に集める癖をつけることは効果的です。例えば、一部署だけの意見だけではなく、いろいろな部署の意見を聞いてみるなどが有効です。多面的に情報を入手することがまずは第一歩で、それができたら得られた情報を統合して考えるようにしましょう。その際には、前述した「抽象化→概念化→具体化」という行程も役に立ちます。

このように、多面的な情報を使うことで抽象化・概念化・具体化を何度も行ったり来たりしながら考えることができるようになります。そしてこれは概念化能力に不可欠であると同時に、概念化能力そのものを鍛えるためにも有効なのです。

  • 問題例)
  • ・不良品が多いので、減らすにはどうしたらいいか?
  • 情報収集例)
  • ・作業内容的に、なぜ不良品が出るのか?(製造部に確認)
  • ・行程や金型から変えないと不良品は発生しつづけるのか?(開発部に確認)
  • ・現状の不良品率は? それは割合的にOKなのか?(営業部に確認)
  • 抽象化→概念化の例)
  • ・不良品の定義とは?
  • ・不良品があると何が問題なのか?
  • 具体的な解決方法の例)
  • ・作業内容を変えるだけで不良品の発生を減らせる
  • ・ほかの製品と比較すると、別段不良品が多いというわけではないので現状維持でいい可能性がある
  • ・不良品は多いが、改修すると費用対効果が合わないため、あらかじめ不良品率を計算に入れて製造しつづけるしかない
 

05人材の概念化能力を高めるための施策とは

それでは、概念化能力を鍛えてもらうために、会社として従業員にどういった施策を提供すればいいのでしょうか。主な施策2つについて解説します。

  • 1.ビジネス研修で思考力を鍛える
  • 2.OJTやロールプレイングなど実践の場を設ける

1.ビジネス研修で思考力を鍛える

コンセプチュアルスキル(=概念化能力)を構成する要素として、いくつかの思考能力が知られています。それらの能力を鍛えるビジネス研修を行うことで、総合的に概念化能力を鍛えることができます。代表的な思考力に関する能力は以下の3つです。

ロジカルシンキング

論理的思考と呼ばれるものです。物事に対して因果関係を整理して正しく把握し、論理に基づいて理解する思考能力のことです。

ラテラルシンキング

水平思考と呼ばれるものです。既成概念や過去の事例にとらわれることなく、さまざまな側面からあらゆる切り口でアプローチする思考能力のことです。

クリティカルシンキング

批判的思考と呼ばれるものです。思考の過程や結論に対して、無意識化で行っている思考も含めて、決まっているとされることやあたりまえとされることにも疑問を抱き、批判的に「本当にそうか?」と思考を行うことです。前提条件についても疑って分析しながら確定させていくため、分析思考と呼ばれることもあります。

2.OJTやロールプレイングなど実践の場を設ける

概念化能力がどの程度であるか、OJTやロールプレイングなど、実務上で確認するのも手段の一つです。社員の概念化能力がどの程度であるかを調べるために行うのでもよいでしょうし、ある程度トレーニングしてきたメンバーについては成長を確認する意味で行ってもいいでしょう。例えば、少し上位職の管理職業務を実際に任せてみる、疑似的にクライアントをもったものとしてロールプレイングを行う、などです。より実践的にトップ・マネジメントに近い業務に触れることは、概念化能力を鍛えるためにも、現状のレベルを把握することにもつながります。それだけでなく、概念化能力の有用性に気づいてもらうことで、鍛えようというモチベーションが生まれるというメリットもあります。

 

06概念化能力を向上させるSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級7,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

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Schoo for Businessの特長

Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

【1】国内最大級7,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
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概念化能力を向上させるSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、7,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、概念化能力を向上させる授業を紹介いたします。

逆境の知的生産の技術

本コースは、成功するための知識やスキル、あるいは深い教養を学ぶのではなく、「構造と文脈」で世界をシンプルに捉えられる「思考回路」を手に入れ、知的生産性を高めることを目的としています。

 
  • グレートジャーニー合同会社代表

    マッキンゼーJapan/US、ソフトバンク社長室長/執行役員、東京都顧問、大阪府市特別参与、内閣官房CIO補佐官などを歴任し、現在は投資家や著述業、コンテクスター、Great Journey LLC代表、Well-Being for PlanetEarth財団理事。

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推論[入門]

ルールやロジックだけでは仕事が前に進まない瞬間に出くわした経験はありませんか。業務で成果を上げるために、手順を守ったりや論理的思考は大切で、誰もが望むことです。言い換えると、他者から抜きに出るためには、それ以上の能力が求められます。推論の技術は、限られた情報の中で新しいことに挑戦するための必須スキルです。本授業は、この「推論」とは何か、どのように行うべきか学ぶ入門レベルの講義です。

 
  • 株式会社朝日広告社 プランニングディレクター

    株式会社朝日広告社ストラテジックプランニング部プランニングディレクター。産業能率大学院経営情報学研究科修了(MBA)。日本マーケティング協会マーケティングマスターコース修了。外資系コンサルティングファームなどを経て現職。「外資系コンサルティングファームで培ったロジック」と「広告代理店で培った発想力」のハイブリッド思考を武器に、メーカー・金融・小売り等、幅広い業種のクライアントを支援。マーケティングやブランディング・ビジネス思考をテーマにしたブログ「Mission Driven Brand」を運営。ハンドルネームはk_bird。著書に『問題解決力を高める「推論」の技術』(フォレスト出版)がある。■Mission Driven Brand:https://www.missiondrivenbrand.jp/

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地頭力を鍛える「抽象化思考法」特訓

「"地頭力"の要素の1つである抽象化思考力を鍛える授業です。」 抽象化思考法を身につけることで、いくつかの具体的な事象から共通点を見出し、物事の本質を見抜く(=コツを掴む)ことができるようになります。それは個別の事象に応用をさせる能力であり、これまでの経験を全くの新しい事にも活かすための能力です。

 
  • ビジネスコンサルタント

    1964年神奈川県生まれ。東京大学工学部を卒業後、株式会社東芝を経てビジネスコンサルティングの世界へ。 アーンスト&ヤング、キャップジェミニ等の米仏日系コンサルティング会社での経験を経て2009年より株式会社クニエのマネージングディレクター。2012年より同社コンサルティングフェロー。 戦略策定や業務/IT改革を製品開発領域等のコンサルティングを実施。近年は問題解決や思考力に関する講演やセミナーの企業や各種団体、大学等に対して国内外で実施中。著書に『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』等。

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07まとめ

概念化能力は、一般社員にとって重要なだけでなく、管理職に近づくにつれてその重要性が増していきます。 早い段階から概念化能力を磨けるような環境であれば、よりスムーズに管理職の仕事へ移行できる社員も増えていくことでしょう。 ぜひこの機会に、自社で概念化能力を高める施策を取り入れられないか、検討してみてください。

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