ロジカルコミュニケーションとは?話す際のポイントや身につける方法を解説

ロジカルコミュニケーションは、ビジネスパーソンに必要なスキルの1つです。しかし、論理的で根拠ある表現は意外と難しく、社員の要領を得ない話し方は、企業イメージにも影響を与えかねないでしょう。本記事では、ロジカルコミュニケーションの概要や社員のロジカルコミュニケーションを身につける方法などについて解説します。
01ロジカルコミュニケーションとは?
ロジカルコミュニケーションとは、論理的思考をベースに行うアプローチのことです。ロジカルは「論理的・合理的」、コミュニケーションは「伝達」という意味があり、筋道が通った分かりやすい話し方といえます。
ここでは、ロジカルコミュニケーションに欠かせない2つの要素について解説します。
- 1.自分の考えを論理的にまとめる力
- 2.相手に分かりやすく話す力
※「ロジカルコミュニケーション」という言葉は、株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループの代表を務めていらっしゃる安田 正氏が登録商標されております。また、安田氏は「ロジカル・コミュニケーション」という著書も執筆されております。
1.自分の考えを論理的にまとめる力
ロジカルコミュニケーションには、自分の考えを論理的にまとめる力が重要です。伝えたい内容が整理され、主張したいことを理解しやすく表現しなければなりません。まず、主張したいことを明確にし、なぜそう考えたのかという根拠(理由)も合わせて示します。 内容を整理する際にベースとなるのが、ロジカルシンキングです。物事を結論と根拠に分けて捉え、矛盾のないように筋道を立てて結論に到達する思考法を指します。ロジカルコミュニケーションには、伝えたい内容を論理的思考を用いて整理することが求められるのです
2.相手に分かりやすく話す力
自分の考えを論理的にまとめた後は、相手に分かりやすく話す力が必要になります。論理的にまとめる力はあっても、分かりやすく伝える力がなければ、難しくて理解できないということが起こりがちです。ビジネスシーンでは、伝わりやすいよう話の構成を工夫することはもちろん、難しい内容をできるだけ平易な表現に変えることも重要になります。
さらに、気をつけたい点は、相手の理解度に応じて、話す順番を変えたり、嚙み砕いて伝えたりする必要があることです。分かりづらい話をする人は、相手の信用を得るのは難しいでしょう。そのため、ロジカルコミュニケーションには、様々な工夫をしていかに分かりやすく話すかが重要になります。
02ロジカルコミュニケーションがもたらすメリット
ロジカルコミュニケーションは、業種や役職を問わず、全てのビジネスパーソンが身につけるべきスキルです。ここでは、ロジカルコミュニケーションがもたらすメリットについて解説します。
主なメリットは、以下の3点です。
- 1.話が分かりやすくなる
- 2.コミュニケーションロスが起こりにくくなる
- 3.プレゼン力や交渉力が向上する
1.話が分かりやすくなる
ロジカルコミュニケーションのメリットとして、話が分かりやすくなる点が挙げられます。相手に分かりやすく話す力を必要な要素とするため、正しく実践できれば、話が分かりやすくなるのです。分かりづらい話には結論がなかったり、伝える順番が違っていたりといった特徴があります。 また、どうしても話が長くなり、余計なことを話してしまい、話の方向性がずれてしまうことも珍しくありません。ロジカルコミュニケーションを身につけると、このような問題が解消されるでしょう。
2.コミュニケーションロスが起こりにくくなる
ロジカルコミュニケーションによって、話が分かりやすくなれば、当然ながら相手も理解しやすくなります。ビジネスにおいて、正しく理解してもらうことは非常に重要です。なぜなら、正しく理解されないために生じる認識のズレが、重大なコミュニケーションロスを引き起こす可能性があるためです。
コミュニケーションロスは、あくまでも情報伝達に問題があるため、相手が正しく理解しているかどうかは重要な要件になります。ロジカルコミュニケーションを身につければ、相手が理解しやすくなり、コミュニケーションロスが起こりにくくなるでしょう。
3.プレゼン力や交渉力が向上する
ロジカルコミュニケーションは、プレゼン力や交渉力を向上させます。プレゼンや交渉は、ロジカルでなければなりません。相手が知りたい情報を整理して伝える必要があるためです。
プレゼンや交渉では、専門性はもちろんのこと、より分かりやすい説明が求められます。しっかりとしたロジックのないまま話しても、聞き入れてすらもらえない可能性が高いです。ロジカルコミュニケーションを身につければ、論理展開ができるようになるため、プレゼン力や交渉力の向上に期待がもてます。
03コンピテンシーアセスメントとは?
相手により分かりやすく伝えるには、いくつかの準備とコツが必要です。ここでは、ロジカルコミュニケーションを実践する際のポイントについて解説します。
そのポイントは、以下の通りです。
- 1.主観を排除し事実を客観的に伝える
- 2.端的に伝える
- 3.相手の反応を見ながら話す
1.主観を排除し事実を客観的に伝える
ロジカルコミュニケーションを実践する際には、主観を排除し、客観的に伝えるようにします。主観と客観を混同すると、論理的に破綻しがちです。具体例やデータなどの客観的事実を使って説明します。
主観的な意見をまるで客観的事実のように話すと、大きな誤解を招くだけでなく、信用を失いかねません。主観を排除し、事実を客観的に伝えることで、説得力のある主張をすることができるのです。
2.端的に伝える
端的に伝えることも、ロジカルコミュニケーションの実践には重視したいポイントです。伝えたい内容に絞り、その内容だけを盛り込むことで、端的になりしっかり伝えられます。とはいえ、結論だけを伝えても説明力に欠けるため、結論を補足する根拠や背景を客観的に説明することが求められます。文章にして、全体の流れをチェックすると良いでしょう。
2.相手の反応を見ながら話す
ロジカルコミュニケーションの実践では、相手の反応を見ながら話すようにします。相手の視線の動きや態度から、話の理解度や集中度を図ることが可能になるためです。当惑しているようであれば、表現を変えたり、別の方向から説明するのも良いでしょう。また、話すスピードに緩急をつける工夫も必要です。早口になると理解が追い付かないケースもあります。相手の反応を観察しながら、相手の理解度を深めるように論理を展開していくことが重要です。
04社員のロジカルコミュニケーションを身につける方法
ロジカルコミュニケーションは、ビジネスを円滑に進めるために必須のスキルです。これから紹介する方法によって、論理的に説明し、分かりやすく伝える技術が身につきます。 ここでは、社員のロジカルコミュニケーションを身につける方法として、以下の4つを紹介します。
- 1.ディベートを実施する
- 2.MECEで思考を論理的に整理する
- 3.PREP法で要点を分かりやすく伝える
- 4.研修会を実施する
1.ディベートを実施する
ロジカルコミュニケーションを身につけるには、ディベートの実施が有効です。ディベートとは、1つのテーマに対して肯定と否定のチームに分かれ、それぞれの立場から討論を行うものです。自分の主張が、どのような視点から見ても、道理にかなっているように説明する必要があり、ロジカルに主張できなければ簡単に論破されてしまうでしょう。ディベートによって、客観的・多角的・批判的な観点から、複雑な問題を論理的に解決することが可能になるのです。
2.MECEで思考を論理的に整理する
ロジカルコミュニケーションを実践する上で、論理的思考は欠かせません。MECE(ミーシー)で思考を論理的に整理することで、ロジカルコミュニケーションの実現が可能です。
MECEとは、Mutually(互いに)、 Exclusive(重複せず)、 Collectively(全体に)、 Exhaustive(漏れなく)の頭文字をとった造語で、論理的思考の基本概念です。話す内容に、大きな抜け・漏れ・重複がないように整理する必要があります。MECEを意識することで、矛盾なく論理を組み立てることができるようになり、ロジカルコミュニケーションが身につきます。
3.PREP法で要点を分かりやすく伝える
論理的に話をするために使われるPREP法(プレップ法)の使い方をマスターすると、ロジカルコミュニケーションのスキルが向上します。PREPは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論)からなる、説明の構成を表したモデルです。
まず結論を伝え、結論に至った理由を説明し、理由の根拠となる具体例やデータを提示して、最後にもう一度結論を述べるという順序で話を組み立てます。結論から話すと、端的で分かりやすい上に、説得力のある話し方ができるようになります。PREP法を用いて話す習慣をつければ、ロジカルコミュニケーションが自ずと身についていくでしょう。
4.研修会を実施する
ロジカルコミュニケーションを身につける方法として、研修会の実施が最も効果的な方法です。理論やスキルを学び、個別のスキルから演習へと、段階的にスキルアップすることが可能です。さらに、業務を想定した内容の演習を繰り返すことで、即対応できるコミュニケーションレベルにまで引き上げることもできます。ただ、知識やスキルの習得度は、社員によりばらつきが見られることも珍しくはありません。理解度が不足しているようであれば、フォローアップ研修の実施も検討すると良いでしょう。
05ロジカルコミュニケーションを学ぶSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
ロジカルコミュニケーションに関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、ロジカルコミュニケーションに関する授業を紹介いたします。
ロジカルコミュニケーション基礎
ロジカルコミュニケーションを身につけるためには、論理的に話すことだけでなく、論理的に聞く力も求められます。本コースでは、「論理的に聞く力」と「論理的に話す力」の2つの授業を通して、ロジカルコミュニケーションを身につけるためのポイントを学んでいきます。
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コミュニケーション・スピーチコンサルタント、CCO代行
福岡のTV局・ラジオ局で年間300日以上の生放送に出演。その経験を元に独立し、現在は企業向けの人材育成研修や人材育成コンサルティング、経営者や元アスリートなどのスピーチコンサルティングを行う。組織活性、営業成績4倍UP、スピーチ力向上による顧客獲得率UPなど成果を上げるためにとことんクライアントに寄り添う。 企業研修:200社以上、個別コンサルティング:300名以上の実績あり。 趣味は読書と音楽鑑賞と筋トレ。無類のチョコレート好き。
ビジネスパーソン必須「論理的な伝え方」
AI時代到来によって、AIとって代わられないためにはビジネスパーソンにとって「伝える力=コミュニケーション力」はなくてはならないものになりました。 その中でも「論理的に伝える力」は特に重要です。 この伝える力を体系立てて「誰でも、簡単に身につけられる」のが本授業になります。
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早稲田大学非常勤講師、コミュニケーション講師、瞑想講師
「経営者・リーダー・ビジネスパーソン」の「マインド力・コミュニケーション力」を高める専門家です。これまで、教師や講師として小学生、大学生、ビジネスパーソンや外国人も含め約3000人に指導を行った。瞑想は本質的な「ベーシック瞑想」、コミュニケーションはわかりやすい話し方「ロジカル・コミュニケーション®検定講座」を教えている。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
06まとめ
本記事では、ロジカルコミュニケーションの概要や社員のロジカルコミュニケーションを身につける方法などについて解説しました。ロジカルコミュニケーションは、ビジネスパーソンに必要なスキルの1つです。話が分かりやすくなるだけでなく、コミュニケーションロスの防止やプレゼン力・交渉力といったスキルの向上にも役立ちます。ロジカルコミュニケーションを短期間で身につけるには、研修会の実施が有効です。研修会で学んだスキルや実践する際のポイントを踏まえて、業務で実践することで、社員のビジネスチャンスの拡大や自社の業績アップに期待できます。