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時短ハラスメントとは?従業員や企業に与える悪影響と防止対策について解説

公開日:2021/07/13
更新日:2021/09/08
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時短ハラスメントとは?従業員や企業に与える悪影響と防止対策について解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

「時短ハラスメント(ジタハラ)」は、2018年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされるなど、多くの人に注目されている社会問題です。本記事では、時短ハラスメントとなり得る具体例や企業に与える悪影響、防止対策について解説します。

 

時短ハラスメントとは?

時短ハラスメントとは、業務時間の短縮を強要することで起こるハラスメントのことです。長時間労働の問題が取り上げられるようになり、多くの企業で残業規制が行われるようになりました。しかし、間違った改善方法の結果、時短ハラスメントが多くの従業員を苦しめています。

ハラスメントになり得る定時帰宅の強要

すべての従業員が必ずしも定時帰宅を望んでいるわけではありません。残業をすることで、何かしらのメリットを得ている従業員もいます。例えば、何か新しいことにチャレンジしている職場では、時間がいくらあっても足りないという意識で業務に取り組んでいる場合があります。目標達成を目指しているため、残業が当たり前、かつ苦になっていないことも考えられます。 また、1日数時間の残業によって業務が回っている場合もあります。そして、家計のやりくりを、残業代頼りにしている従業員もいることでしょう。仕事にやりがいを見出していたり、残業代を家計の足しにしていたりする従業員にとって、定時帰宅の強要をすることは嫌がらせ、つまりハラスメントになる場合があります。

「働き方改革」推進が背景となっているケースが多い

時短ハラスメントの言葉が流行語にノミネートされた2018年は、ちょうど国が「働き方改革関連法」が成立した年でもあります。働き方改革の推進が背景となり、長時間労働問題の改善法として、多くの企業が残業規制を設けるようになりました。 企業の中には、労働基準監督署の目を気にして、または残業の多い企業としてのイメージを刷新したいためだけに、従業員に定時での帰宅を命じることが起こっています。「働き方改革」の推進で、「ワークライフバランス」「生産性向上」などの言葉が一人歩きして、具体的な対策なしで業務時間を短縮するため、従業員を苦しめる結果になっているのです。

問題点は労働時間と業務量のバランス

時短ハラスメントの問題となっているのは、労働時間と業務のバランスであると言えます。「働き方改革」推進への取り組みとして残業規制をしたとしても、従来の業務量のままである場合、従業員に負荷がかかることになります。今まで残業することでこなしていた業務を、定時までに終わらせるために、お昼休みや休憩を返上しなければならないケースや、残業を持ち帰らなければならないケースが発生することも考えられます。 長時間労働が当たり前になっているブラック企業の中では、表向きの「残業規制」により、従業員にサービス残業を強いているところもあるようです。労働時間と労働量のバランスを考慮しない残業規制は、労働者に負担を与えるもので、時短ハラスメントを引き起こす原因となります。

子会社や受託企業で起こりやすい

時短ハラスメントが起こりやすい職場環境として、子会社や受託企業を挙げることができます。子会社は親会社からの指示で動かなければならないケースが多く、時には無理な量の仕事を任せられることもあります。それに加えて自社で取ってきた仕事もあるので、業務量が多くなりがちです。そこに企業イメージのために残業規制が入ると、時短ハラスメントが起こりやすくなります。 受託企業も同様で、取引先から与えられる仕事に依存しているため、仕事量をコントロースるすることが困難です。企業としての業績も上げたいことから、仕事量や納期の面で無理をしてしまうことがあります。そこで、労働時間と業務量のバランスが崩れて、時短ハラスメントに進展することが考えられます。

 

時短ハラスメントの具体例

残業規制そのものが時短ハラスメントというわけではありません。時短ハラスメントのイメージがしやすいように、ここでは3つの具体例を挙げて説明します。

持ち帰り残業を強制される

業務量の調整がされずに残業を禁止するなら、従業員は残業を持ち帰らずを得なくなります。自宅や職場近くのカフェで残業をするケースもあり、従業員にとっては残業規制で残業がなくなるどころか、残業代の発生しないサービス残業をする結果になります。業務量に関して、上司や同僚が分担するなど具体的な対策をする必要があり、それをしないことは時短ハラスメントに該当します。

上司が部下に業務を丸投げする

残業が禁止されている企業では、業務を時間通りに終わらせることのできない上司が、部下に自分の業務まで丸投げするケースがあります。結果として、部下が持ち帰り残業をせざるを得ない場合があります。また、「会社の命令だから残業はするな」と命じるだけで、業務量の調整についても部下に丸投げするケースもあります。定時までに終わらせるには無理な業務量を強要することも、時短ハラスメントに該当します。

残業禁止で納期に間に合わず叱責される

業務によっては、残業が禁止になったために、納期に間に合わないケースも出てきます。納期を守れなかったことを上司が部下の責任とし、「お前の効率が悪いからだ」などと叱責することは、時短ハラスメントに該当します。本来は、上司が業務量や進捗状況の管理をするべきで、納期に関する責任を負う必要があります。叱責に暴言や嫌がらせが含まれる場合、従業員は精神的なダメージを受けることもあるため、パワハラやモラハラとみなすこともできます。

 

時短ハラスメントが従業員に与える悪影響

時短ハラスメントが従業員に与える悪影響について解説します。

心身への悪影響

業務量の調整をすることなく一方的にに定時帰宅を命じられると、従業員は精神的、身体的なプレッシャーを受けることになります。暗黙の了解でサービス残業をせざるを得なくなると、精神疾患や不眠症など、心身への悪影響にまで及ぶこともあります。時短ハラスメントがきっかけとなり、休職や離職にまで繋がることも考えられます。

残業代カットによる収入の減少

定時帰宅が強要されることで、残業カットにより従業員の収入が減少します。残業代を家計の足しにしている従業員も少なくありません。また、多くの企業では副業やアルバイトを禁止していることもあり、当面の給料だけでは生活が厳しくなる場合もあります。副業やアルバイトを許可する場合も、本業とのバランスをとるのが難しくなるケースがあるので、慎重に検討する必要があります。

生産性や品質の低下

時短ハラスメントが発生すると、従業員のモチベーションが低下して、生産性が下がる場合があります。また、業務時間内で終わらないと判断すると、必要な工程を省略したり、手抜きをしたりして、品質が低下することも考えられます。生産性や品質を一定に保つには、ある程度の余裕が必要になるでしょう。

 

時短ハラスメントが企業に与える悪影響

時短ハラスメントは、従業員だけでなく企業にも悪影響を与える場合があります。

離職率の増加

時短ハラスメントは、従業員のモチベーションを下げたり、心身に悪影響を及ぼしますが、これらが原因で、離職率が増加するリスクがあります。人手不足の中、新しい人材を確保できないと、退職者の穴を誰かが埋めなければなりません。業務のしわ寄せがさらにモチベーション低下の原因となり、複数人が同時に退職するケースも考えられます。

品質低下により顧客からの信用を失う

時短ハラスメントが原因で品質が低下すると、顧客からの信用を失うことにも繋がりかねません。過去には、郵便物を放棄した郵便局員が懲戒解雇になったケースもありました。サービスや製品の品質が低下すると、企業イメージの低下にもなり、顧客を失う可能性も出てくるでしょう。

時短ハラスメントをきっかけに訴訟にまで発展する場合もあり得る

時短ハラスメントをきっかけに、上司が従業員に対して威圧的な態度を取るようになると、パワハラやモラハラとみなされる場合があります。被害者が第三者機関に訴えることも考えられ、訴訟にまで発展すると、賠償請求による金銭的ダメージに加え、企業イメージが低下して、企業活動に大きな支障をきたす恐れがあります。

 

時短ハラスメント防止のために企業ができること

各企業は、「働き方改革」推進の取り組みと同時に、時短ハラスメントの防止対策も講じる必要があります。最後に、時短ハラスメント防止のために企業ができることを解説します。

業務量の見直しと適正化

残業をなくして定時帰宅を促す場合、全体の業務量と業務時間のバランスを見直す必要があります。例えば、3時間の残業によって業務が回っている場合、同じ業務量で定時帰宅を命じるのは無理があります。3時間分の業務を減らすなど、適正化を図ることが大切なポイントになります。従業員によって能力や適性が異なるため、最適な振り分けをすることも時短ハラスメント防止に繋がるでしょう。

人員体制の見直し

業務量を減らすことが難しい場合、人員体制を見直すことができるかもしれません。業務量に合わせて人員を増やすことや、適材適所の配置で効率化を図ることも有効です。各業務をマニュアル化することで、欠勤者の穴埋めや滞っている業務のサポートもスムーズになるでしょう。特定の従業員や部署に負担がないよう、人員を公平に振り分けることも大切なポイントです。

クライアントとの調整

クライアントとの調整が、時短ハラスメントの原因のひとつになっている場合もあります。納期調整もそうですが、確認作業がスムーズにできないため連絡待ちになることもあります。回答の期日や業務時間を明確に伝えるなど、クライアントにも一定の理解を得てもらう必要があります。

ITツール導入による業務効率化

ITツール導入により業務を効率化できれば、その分の時間を他の作業に充てることができます。勤怠管理やスケジュール管理なども、ITツールを活用することで、ミスをなくして短時間で処理できるようになるでしょう。クラウド上で共有すれば、コミュニケーションを迅速に行い、待機時間を大幅に減らすことになります。

ハラスメントに対する意識改革

ハラスメントに関しては、当事者が気づいていないというケースも多いため、管理職を含め全従業員への意識改革を行うことも大切なポイントです。ハラスメント研修で、時短ハラスメントの原因や対策を考える機会を与えることができます。また、相談窓口の設置や匿名のアンケート調査などを実施して、ハラスメントの芽が小さいうちに取り除く努力を継続的に行うことも良いでしょう。

 

まとめ

時短ハラスメントの具体例や対策についてまとめました。時短ハラスメントは、従業員だけでなく、企業にも悪影響を与えます。「働き方改革」の推進により、長時間労働問題の改善への取り組みが行われているかもしれませんが、適正に行わないことで時短ハラスメントが発生するケースが少なくありません。時短ハラスメントの防止対策を講じることも、働き方改革の取り組みの一環であると言えるでしょう。

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