更新日:2025/09/09

海外研修とは|目的や実施形態・メリットやデメリットを紹介

海外研修とは|目的や実施形態・メリットやデメリットを紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

海外研修とは、企業や自治体が従業員を海外に派遣し、語学力や専門知識、異文化理解を深める取り組みです。本記事では、海外研修のメリットや注意点、実際の企業事例を解説します。

 

01海外研修とは

海外研修とは、企業や組織が従業員を海外に派遣し、現地での学習や体験を通してスキルや知識を高める取り組みです。異なる文化や社会に触れることで、語学力や異文化コミュニケーション力を養い、国際的な視野を広げることができます。また、現地企業との交流や業務体験を通じて、グローバルな環境に適応できる人材を育成する点が大きな特徴です。海外研修は従業員の成長を促すだけでなく、企業にとっても新しい価値を創出する重要な機会となります。

 

02海外研修の目的

海外研修の目的は、語学力の向上だけでなく、柔軟性や問題解決力などのグローバルスキルの獲得、主体性を養う社員の自立、そして異文化に触れることで新しい発想を得ることにあります。多面的な成長を促すことで、個人のスキル強化と組織の競争力向上に繋がる点が大きな特徴です。

語学力の向上

文字通り語学力の向上を目的とした海外研修です。日本語が少ない環境で生活をすることで語学力を格段に伸ばすことができます。日本国内では使用されていない独特の表現も習得することができ、今まではできなかった深いコミュニケーションを取ることが可能になります。

グローバルスキルの獲得

グローバルスキルとは、単に語学力があるということではありません。「柔軟性」「問題解決力」「チャレンジ精神」「異文化コミュニケーション力」など複数の能力の総称です。これらのスキルを包括的に習得することは国内では難しいため海外研修の場を通して習得していきます。グローバルスキルの習得は、一般的に大学などで学び習得していくとされています。

社員の自立

日本国内での特徴である受け身のスタイルは海外では通用しません。自分から積極的に動くことを学び体感することができる海外研修は社員の自立に貢献します。特に新興国家では、その傾向が強いとされています。

異文化の刺激によるアイデア創出

異文化に触れることは、大きな刺激となります。海外研修で見聞きした内容は新たなビジネスアイデアの創出に影響します。海外では、当たり前のことが国内では珍しいなどの発見により新しいビジネスチャンスを生むこともあります。

 

03海外研修の実施形態

海外研修にはいくつかの実施形態があり、目的や対象によって内容が異なります。短期間で海外の企業や施設を訪問する視察型、語学力向上を目的とする語学研修、専門知識を学ぶ専門研修、現地で働く経験を積むインターンシップ、そして研究や調査を重視するフィールドワークなどがあります。いずれも実践的な学びを得られる点が特徴です。

海外視察

海外視察は、比較的短期間で実施される研修形態です。現地の企業や工場、研究施設などを訪問し、業務の進め方や最新技術、組織文化を直接見聞きすることができます。短い期間で効率的に情報を収集できるため、経営層や管理職が導入事例や最新のビジネストレンドを知る目的で利用することが多いです。帰国後には、得た知見を社内で共有し、自社の課題解決や業務改善のヒントに活かすことが期待されます。

語学研修

語学研修は、現地の語学学校や教育機関に通いながら語学力を集中的に高める研修です。日常生活の多くを外国語で過ごす環境に身を置くことで、教室だけでは得られない表現力や実践的な会話スキルを磨くことができます。日本では気づけない言語習慣や文化的背景を理解することにもつながり、帰国後には海外拠点や国際的なプロジェクトで即戦力となる語学力を発揮できる点が大きなメリットです。

専門研修

専門研修は、ビジネススクールや大学などの教育機関で特定分野の知識を深めるプログラムです。経営学やマーケティング、技術や科学分野など、自社の事業や個人の専門性に直結するテーマを学ぶことで、専門スキルを体系的に高めることが可能です。現地での学習を通じて最新の理論や事例を吸収し、国内での業務に応用することが期待されます。キャリア形成や人材育成の観点からも高い効果を発揮します。

海外インターンシップ

海外インターンシップは、現地の企業や団体に参加し、社員と同じように働く経験を積む研修です。実際の業務を通じて異文化環境での働き方や価値観の違いを体感できる点が特徴です。責任を持って仕事を任されることで、積極性や主体性が養われるとともに、国際的なビジネススキルの習得につながります。また、現地での人脈形成や将来的なキャリアの幅を広げる機会としても活用される研修形態です。

フィールドワーク

フィールドワークは、現地での調査活動や研究を中心とする研修形態です。特定のテーマに沿って現場に足を運び、実際に観察やデータ収集を行うことで、机上の学びだけでは得られない知見を深めます。現地住民や専門家との交流を通じ、文化や社会の理解を広げることも可能です。学術研究や専門的な業務に携わる社員に適しており、帰国後には調査結果を業務や研究活動に応用することで、組織全体の知見強化につながります。

 

04海外研修のメリット

海外研修を行うことで、語学力の向上や従業員の視野の拡大、国際的なネットワークの向上など様々な観点からメリットがあります。ここでは具体的なメリットを紹介します。

グローバルな視野の拡大

海外研修は、従業員にとってグローバルな視野を広げる絶好の機会です。異文化や異なるビジネス環境に触れることで、自身の考え方や行動パターンを見直し、新たな視点を獲得することができます。異なる国や地域でのビジネス実践を通じて、国際的なビジネスのトレンドや市場のニーズに敏感になり、グローバルな展望を持つことができます。このような視野の拡大は、企業や組織において新たなビジネス機会を見つけるための重要な要素となります。

国際的なネットワーク構築

海外研修は、国際的なネットワークを構築する絶好の機会です。異なる国や地域で働く人々や現地の専門家と交流することで、貴重な人脈を築くことができます。異文化コミュニケーションや国際的なビジネス取引を通じて、他の国や地域のビジネスパートナーや顧客との関係を構築し、相互の信頼を深めることができます。このような国際的なネットワークは、将来の国際展開やグローバルプロジェクトにおいて重要な支援となります。

語学力の向上

海外研修は、語学力の向上に大いに役立ちます。現地での生活や業務において、現地の言語を使用する機会が増えます。日常会話やビジネスコミュニケーションを通じて、語学力が向上し、異文化コミュニケーションのスキルも磨かれます。また、語学力の向上は、国際的なビジネス展開やグローバルなチームコラボレーションにおいて、スムーズなコミュニケーションを可能にし、より良いビジネス結果を生み出すことにつながります。

 

05海外研修のデメリット

一方で海外研修を行うことは企業にとって様々なデメリットも生じます。費用や時間などコスト面の課題や、従業員の適応能力などを検討しながら実施を考えなければなりません。

費用がかかる

海外研修には、旅費、宿泊費、研修プログラムの費用など、様々な経費がかかります。また、派遣される従業員の給与や手当も考慮する必要があります。これらの費用は企業にとって負担となる可能性があります。海外研修のための予算や経費管理を適切に行うことが重要です。

時間の制約がある

海外研修は一定期間を要するため、従業員の業務やプロジェクトにおいて時間の制約が生じる可能性があります。従業員の不在やタスクの再配分などが必要となるため、計画やスケジュールの調整が求められます。特に忙しい時期や重要なプロジェクトが進行中の場合は、適切なタイミングを慎重に検討する必要があります。

従業員の適応に時間がかかる

海外研修に参加する従業員は、異なる文化や環境に適応する必要があります。新しい言語、ビジネス慣行、社会的なルールなどに慣れるには時間がかかることがあります。また、ホームシックや異文化ストレスといった心理的な負担も考慮しなければなりません。企業は従業員の適応をサポートし、必要なサポート体制を整えることが重要です。

周囲のフォロー体制の構築

海外研修に参加する従業員は、現地でのサポートや指導を受ける必要があります。現地の担当者や現地法人との連携やコミュニケーションが重要です。また、従業員が研修から帰国した後も、研修の成果を活かすためのフォローアップやアフターケアが必要です。周囲のフォロー体制の構築には、適切な情報共有やコミュニケーションを行うことが重要です。

 

06海外研修を成功させるポイント

海外研修を成功させるためには、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。国内を出て海外で過ごすことになるため、細心の注意を払いながら準備をしておく必要があります。

研修の目的を理解させる

海外研修での目的をしっかりと理解させ、その目的を達成するために、しなければいけないことを理解させることが必要です。海外ということもあり、人事部門によるサポートができない環境です。そのため、参加者がいかに目的を理解しているか、目的のために行動できるかが絶対条件となります。研修期間中の予定を明確にし、途中途中での達成目標も明文化し共通認識を持つなどの工夫も必要です。また、帰国後に何を期待しているかも明確に伝え、帰国後をイメージした海外研修での学びをするよう働きかけることも必要になります。遊びに行くのとは違いはっきりとした目標を持って海外研修に参加することが絶対条件になります。

研修先との綿密な情報交換

人事部門は、研修先との綿密な情報交換を行い準備をしていくことが必要です。飛行機の予定から宿泊先のことなどの基本的なことから、治安の状態や物価を含め生活に関することについての情報を集めておくことも必要です。長期間にわたり海外で過ごすことため、持病などがある場合には情報を連携するだけではなく医療機関の調査も行う必要があります。語学研修などを含み、数年に渡り海外で生活をするために必要なことを知り参加者が日常生活に困らにように情報交換を行い準備をしていきます。

事前準備の徹底

事前準備の徹底を行います。長期間海外で過ごすことを前提に体調面での管理や投薬などを含めた情報の整理、出発までに治せる病気は治しておくなどの指示を参加者に行います。また、現在住んでいる住居や自動車の管理なども参加者と連携して対応を行う必要があります。一人暮らしの場合には、住居の管理を人事が引き受けることもあるため、本人の意向を確認し準備を進めていきます。準備を徹底していない場合に出発日を迎えてしまった場合には、連絡を取ることや本人が対応することが難しい場合も出てくるため、事前準備の徹底や確認は欠かせないものです。

周囲のフォロー体制の構築

長期間の研修となるため、参加者の業務を引き継ぐ必要性があります。誰に何を引きつつぐか決めると同時に、引継ぎを開始することになります。不在の間に引継ぎ先の担当者が困らに様に取引先を紹介する、業務資料を整理するなどの対応も必要です。時には担当していた業務をフローやマニュアル化しておく必要もあります。それだけではなく顧客や取引先へ連絡し海外研修へ参加すること、不在時の担当者の紹介なども実施しておく必要があるため、周囲のフォロー体制を確実にし対応することになります。

研修後のフォローアップ

海外研修期間中もWEBシステムなどを活用し状況の確認や連絡事項の通達を行う必要がありますが、研修後のフォローアップは非常に大事になります。海外研修を通して学んだことや習得したことを報告して貰うのと同時に、実務でその経験を活かしてもらう必要があります。必要に応じて部署異動を行い、学んだことを最大限に発揮する環境作りも必要です。同時に能力を発揮できる指導を行える環境も意識的に構築する必要性もあり、学んできたことが無駄にならない仕組み作りを行うことを理解しておきましょう。

 

06海外研修を成功させた事例

次に、グローバル人材の育成や海外での学びを効果的に取り入れている企業や自治体の事例を紹介します。実際の取り組みを知ることで、自社での制度設計や導入の参考にすることができます。

東京都

東京都は、ICT職を対象とした「海外派遣研修」制度を2022年度から導入しています。職員自身が研修計画を立案し、訪問先とのアポイントメントも行う仕組みで、米国やシンガポール、デンマークなどで先進事例を学びました。研修後は報告会を実施し、成果を都政全体に還元することを特徴としています。現場で培った企画力や発信力、グローバルな視点を施策に反映する仕組みが評価されています。

▶︎参考:東京都 海外派遣研修

キヤノン株式会社

キヤノン株式会社は、行動指針「三自の精神」に基づき、自ら学び成長する意欲を持つ社員を支援しています。代表的な制度として、国内外の販売拠点で経験を積む「グローバルマーケティングセールストレーニー制度」や、欧米の大学院に留学する「技術者海外留学制度」があります。いずれも長期的に人材を育成する仕組みで、国際的に活躍できるマーケティング人材や研究開発人材の育成に直結しています。

▶︎参考:キヤノン株式会社 海外研修制度

TDK株式会社

TDKは、グループ構成員の育成を目的とした人材育成の仕組みとして海外研修を積極的に取り入れています。その成果がありイノベーションを起こす人材と環境作りに成功し急速な成長を遂げています。グループ内のノウハウを蓄積する「グローバルでの地域別キャリア開発プログラム」などの独自プログラムを構築しさらなる成長に向けた活動を行っています。 2017年度にはドイツのミュンヘンで「グローバル人事・総務ミーティング」を開催し、世界各地の人事・総務メンバーがチームミッションなどについて議論を重ねることで、チームのビジョンとミッションが明確になり、メンバーが同じ方向を向くことにつながりました。2018年度からはヨーロッパ、アジア、アメリカに展開し、リーダーシップ・マネジメントの強化や企業文化づくりなどを通して、メンバー間の結束強化を目指しています。
参考:TDK株式会社

株式会社ヤクルト本社

世界38カ国の国と地域で販売を続けるヤクルトは更なる成長を遂げるためのグローバル人材育成を行っています。研修に参加する対象者は海外赴任を見据えたメンバーとし、海外赴任を前提とした意識改革を図り成功しています。 2004年からはグローバルインターンシップ研修を開講しています。 主に2週間、海外現地法人にて営業・生産部門の業務を体験し、社員との交流や地域の生活を見学し、海外赴任を見据えた研修となっています。 また、若手社員でも海外業務に挑戦ができ、長期的な視点で業務に取り組める機会を用意することで、社員が海外赴任にやりがいを持てる環境を整えています。
参考:株式会社ヤクルト本社

 

07海外研修|Schoo for Business

Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、幅広い種類の研修に対応しています。海外研修の事前学習や語学力向上、異文化理解を深めるために役立つ講座も多数揃っているのが特徴です。社員が自分のペースで学習できるため、海外研修の効果を最大化させる補助ツールとしても活用可能です。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 9,000本
※2023年5月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,650円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております
 

Schooの海外研修向けコンテンツは、英語力を高める講座からグローバルな働き方を学ぶ授業まで幅広く揃っています。語学研修前の基礎固めや、海外赴任に備えた思考力・実務スキルの習得をサポートします。これにより、社員が研修現場で成果を発揮しやすい環境を整えることができます。

海外研修に役立つコンテンツ一覧

研修内容 時間
はじめての実践ビジネス英会話 12時間
声に出して英語力をアップする 1時間
300人以上を指導した講師から学ぶ語学学習のコツ 45分
今度こそ頑張りたい人のためのやり直し英語 1時間
内向き志向脱出へ、グローバル市場最前線 1時間
Mayu E Room式 英語学習の楽しみ方 1時間
パッと出てくる英語のお守りフレーズ 1時間
 

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大企業から中小企業まで4,000社以上が導入

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Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで4,000社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

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08まとめ

海外研修は、語学力の向上や異文化理解、グローバルな視野の拡大など、多くのメリットをもたらす取り組みです。一方で費用や時間、参加者の適応といった課題もあるため、目的の明確化や事前準備、フォローアップが欠かせません。実際の企業や自治体の事例を参考に、自社に合った制度を設計することで、海外研修の効果を最大化できます。組織と社員双方の成長に直結する学びの機会として、積極的に活用を検討することが重要です。

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