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クライシスマネジメントとは?プロセスや事例から学べるポイントを解説

公開日:2021/07/20
更新日:2021/08/13
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クライシスマネジメントとは?プロセスや事例から学べるポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

予想外の事故や災害に対する適切な対応や、二次災害を防いで早期復旧を目指すためにも、クライシスマネジメントは企業が取り組むべき重要な課題であると言えます。本記事では、クライシスマネジメントのプロセスや、事例から学べるポイントについて解説します。

 

クライシスマネジメントとは?リスクマネジメントとの違い

クライシスマネジメントよりも、リスクマネジメントのほうが馴染みがあるかもしれません。ここでは、クライシスマネジメントの意味や、リスクマネジメントとの違いについて解説します。

クライシスマネジメントは危機が発生した場合の管理のこと

クライシスマネジメントとは、日本語に直訳すると「危機管理」で、危機が発生した場合にどのような対応をするのかを管理することを指す言葉です。ここで言う危機とは、企業の存続を危うくしかねない予想外の事態のことで、初期対応から復旧までの対応を事前に検討しておくことで、できるだけ早く平常時状態へ戻せるようにします。 危機が発生した後にどう対応するかは、企業の存続にかかわる重大なターニングポイントになり得ます。初期対応に失敗してしまうと、二次災害などにより復旧が遅くなることも考えられます。対応について考えていなかった場合は、そのまま事業の継続ができなくなる可能性も出てくるでしょう。

リスクマネジメントは危機が発生しないように管理すること

クライシスマネジメントと同じように使われる言葉に、リスクマネジメントがあります。リスクマネジメントも「危機管理」という意味で使われることがありますが、どちらかというと危機が発生しないように管理することを指します。具体的には、企業にとってリスクとなることを事前にピックアップして、事前に対策を講じるようにします。 リスクマネジメントでは対応しきれない場合や、予想外の危機が生じた場合に、クライシスマネジメントが必要となります。リスクマネジメントを広義の意味で捉え、クライシスマネジメントを含めて「危機管理」の意味で表現することもあります。

クライシスマネジメントが注目される背景

クライシスマネジメントが注目されるようになった背景として、アメリカで起きた「同時多発テロ」を挙げることができます。貿易センタービルに飛行機2機が衝突するなどと予想できた企業はほとんどなく、テロ発生後は多くの企業が大きな損害を被るか、経営破綻に至ることとなりました。 2011年3月11日に日本で起きた「東日本大震災」も、クライシスマネジメントの重要性を教訓として残しています。事故防止策だけでなく、事故が起こってからの対応も注目されるようになりました。

 

クライシスマネジメントが重要な理由

ここでは、クライシスマネジメントが重要な理由を2つのポイントに分けて解説します。

想定外の危機に対応するため

クライシスマネジメントが重要な理由のひとつは、想定外の危機に対応するためです。アメリカで起きた「同時多発テロ」や、日本で起きた「東日本大震災」は、まさに想定外の危機であったと言えるでしょう。また、新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミックも、多くの企業にとって想定外の出来事だったはずです。 企業にとって危機となり得るすべてのことを予想するのは不可能です。そこで、クライシスマネジメントは、想定外の危機に対処するための体制を整えて、初期対応や二次災害の防止、平常状態に復旧させるために重要だと言えます。

従業員の命と安全を確保するため

大規模な災害や事故が起こると、企業全体に混乱をもたらし、統制が取れなくなると考えられます。混乱状態では従業員の命と安全が危険にさらされるため、平常時に、事後策を講じておくことが大切です。クライシスマネジメントは、従業員の命と安全を確保するために重要であると言えます。

 

クライシスマネジメントのプロセス

クライシスマネジメントのプロセスを、準備段階、対処段階、回復段階に分けて解説します。

準備段階

クライシスマネジメントは危機が起きてからどう対応するかを意味しますが、事前に対策を講じておくことが必要です。準備段階でできることを3つ解説します。

CMP(クライシスマネジメントプラン)の作成

CMP(クライシスマネジメントプラン)は、危機的状況での行動計画のことです。実際に危機的状況が訪れると、パニックになる可能性が高いため、事前に行動計画を検討し、マニュアル化しておく必要があります。インフラがダメージを受ける可能性も考慮し、実文書でも用意しておくといいでしょう。 特定の状況ではなく、さまざまな危機に対応できるよう柔軟性を持たせたCMPを作成します。対策本部を立ち上げる際の担当者の緊急連絡先、従業員の安否確認、材料などの仕入れの停止など、対応するべきさまざまな内容を洗い出します。災害や事故だけでなく、ネット上の炎上やオンライン上での危機についても検討する必要があります。

日頃からのモニタリング

SNSの普及により、風評被害に至るまでのスピードが非常に早くなりました。そこで、日頃からのモニタリングにより、危機管理を行うことも重要視されています。最新ニュースやハッシュタグで話題となっていることなどに敏感になることで、危機的状況をいち早く知ることにも繋がります。 SNS分析が可能なツールなどもあるため、クライシスマネジメントの一環として導入することも検討できるでしょう。

危機を想定したリハーサルの実施

数ある中からいくつかの危機を想定して、リハーサルを実施することできます。マニュアル化したCMPを基準として、対策の流れを確認します。リハーサルで問題となった点の改善策や、マニュアル通りに進まない場合の対策についても検討することで、チームの連携を強化することができます。

対処段階

実際に危機が生じた場合にどのように対処するのかを解説します。

情報収集による事実関係の確認

対処段階で優先順位の上位に来るのが、情報収集による事実関係の確認です。自然災害の場合は、従業員の安否確認、自社や関連会社の被害状況などを知る必要があります。SNSによる危機的状況が発生した場合は、ソーシャルリスニングツールなどを活用して、情報を分析します。 危機的状況について判断し、次の行動へ繋げるためにも、初期対応の重要な部分であるとの認識をもって、速やかに情報収集に努めることが大切です。

迅速な対応

危機的状況に置かれた場合、企業として迅速な対応を取ることが重要になります。CMPやリハーサルで培った連携を活かし、情報の共有を速やかに行います。危機が発生してから、24時間以内に何らかのコメントを発信する必要があると言われています。 対応に遅れると、SNSで間違った情報が拡散されたり、メディアにより不適格な情報が発信されたりすることもあるため、企業が自ら正式なコメントを発信することで、二次災害を防止することができます。コメントを作成する際は、誤解が生じることのないよう、確認と承認作業を確実に行うことも大切です。

真摯に向き合い必要であれば謝罪

情報収集により正確な情報が分かってからは、事実に対して真摯に向き合う必要があります。事実をごまかそうとしたり、根拠のない発言をしたり、「ノーコメント」で乗り切ろうとすると、企業の信用を落とすだけです。企業側のミスが事実であるとわかったなら、それを認めて必要であれば謝罪することも大切です。

回復段階

クライシスマネジメントの最後のプロセスは、回復段階です。

再発防止策の作成

危機的状況が生じた原因を追究し、根本的な改善を行うことが大切です。そこで、再発防止策の作成を行い、失敗から学ぶようにします。また、クライシスマネジメントの流れ通りに物事が進んだかを振り返り、CMPの見直しや改善をすることもできます。必要であれば、専門家の力を借りることも検討できるでしょう。

 

クライシスマネジメントが必要になった事例と学べるポイント

最後に、クライシスマネジメントが必要になった事例を2つ挙げ、学べるポイントをまとめます。

2005年にアメリカを襲ったハリケーン「カトリーナ」

巨大ハリケーンによる被害は、アメリカでは珍しいことではありません。しかし、2005年にアメリカを襲ったハリケーン「カトリーナ」はルイジアナ州東部に上陸すると、3週間後に上陸した「リタ」とともに浸水面積500㎞²以上、死者1,400名以上の大打撃を与えました。 国土技術政策総合研究所による「ハリケーン・カトリーナ災害を契機とした米国の危機管理体制の改編に関する調査」を参考に、クライシスマネジメントが不十分であったと言えるポイントを大きく2つ挙げて解説します。
参考:ハリケーン・カトリーナ災害を契機とした米国の危機管理体制の改編に関する調査

CMPの作成が不十分であった

ルイジアナ州では、巨大ハリケーンの上陸を想定した具体的なCMPは策定されていました。しかし、州政府機能が生きていることを前提にしており、州政府がハリケーンの被害により機能しなくなったため、対応が困難になりました。CMPの作成が不十分であったことを教訓とし、現在では国家レベルで対ハリケーン用のCMPが策定されています。

災害規模を見誤った

ハリケーンへの対策を講じていたものの、カトリーナは想定外の規模で上陸したため、ニューオリンズ市では堤防の決壊により、市域の約8割が浸水する大きな被害に至りました。州政府が被害規模を見誤ったために、被害が拡大したと指摘されています。

2013年に日本で起きた「チロルチョコ事件」

2013年に、Twitter上でチロルチョコの中に芋虫がいたというツイートが写真付きで投稿される騒動が起きました。このツイートは瞬く間に12,000回以上リツイートされ、ブランドイメージの低下や製品回収、生産体制の見直しなど危機的な状況が迫っていました。しかし、クライシスマネジメントにより、ツイート後わずか3時間余りで平時の状態を取り戻すことができました。学べるポイントは以下の2点です。

担当者がリアルタイムでモニタリングしていた

チロルチョコレート株式会社のソーシャル運営者のもとに苦情が寄せられると、運営者と営業統括常務ですぐに写真付きのツイートを確認しました。ソーシャル運営者つまり担当者がいて、リアルタイムでモニタリングしていたことで、ツイート後すぐに対応することができました。

迅速な対応で非がないことを論理的に証明した

ツイートの画像を確認すると、商品の最終出荷日を割り出し、専門家の意見を参考に芋虫が生後30~40日と推測、工場で混入したものではないことを論理的に証明しました。この事実をTwitterで発信するための文章を作成し、営業統括常務の承認を得ると、最初のツイートからわずか3時間余りで回答し、事態を収拾することに成功しました。 迅速な対応で火がないことを論理的に証明した一連の流れは、クライシスマネジメントがきちんとできていることを証明しています。

 

まとめ

クライシスマネジメントの重要性やプロセス、事例から学べる点をまとめました。昨今の新型コロナウイルスの感染拡大も含め、企業にとって想定外の危機が生じる可能性を否定することはできません。いつ何時、危機的な状況が生じても大丈夫なように、クライシスマネジメントへの取り組みや見直しが重要な課題となっています。危機への予防も大切ですが、危機が生じた後の対策についてもしっかりと行うようにしましょう。

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