公開日:2022/01/18
更新日:2023/01/29

ヒューマンエラー研修とは?研修を実施する理由や主な内容を解説

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ヒューマンエラーとは人為的ミスです。本記事では、ヒューマンエラーの定義やヒューマンエラー研修の目的と内容について詳しく解説します。人事担当者の方は、ぜひ参考にして、ヒューマンエラー対策を講じてみてください。

 

01ヒューマンエラー研修とは

ヒューマンエラー研修では、ヒューマンエラー発生のメカニズムを学ぶとともに、効果的なヒューマンエラーの対策方法をケーススタディなどを用いて考えます。ヒューマンエラーをゼロにはできませんが、その影響をコントロールすることは可能です。ここでは定義や概念、研修対象者について解説します。

ヒューマンエラーの定義

ヒューマンエラーとはすなわち人為的ミスのことで、「認知する」「判断する」「行動する」「記憶する」機能が適切に働かずに起こる現象です。特に脳が疲れていて情報処理がうまくできない、気の焦りなどで思いもよらないミスをしてしまう現象がこれに当たります。

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ヒューマンエラーの概念「m-SHELLモデル」とは

ヒューマンエラーを防止するには、その要因を見つけ出すことが重要です。人間の能力や特性、およびその周辺の要素や環境を語るうえで欠かせないものとして、m-SHELLモデルがあります。 m-SHELLとは、それぞれ下記を意味します。

  • M:Management (マネジメント)
  • S:Software (マニュアル、作業標準、基準書、教育用資材など)
  • H:Hardware (設備、装置の設計、機械、掲示板など)
  • E:Environment (作業環境、作業特性、作業を行う場の雰囲気など)
  • L:Liveware(関係する人、職場の上司、職場の同僚・仲間など)
  • L:Liveware(中心で活動を行う本人)

m-SHELLの各要素がうまく噛み合わない例として、マニュアルの理解不足(S)、機器の性能が悪い(H)、劣悪な作業環境(E)、人間関係が悪い(L)、本人の精神的悩み(L)、組織の管理体制が整っていない(M)などが挙げられます。 つまり、ヒューマンエラーを起こしてしまう原因は、個人の問題だけでなく組織など周囲を取り巻く環境にもあると考えられます。

ヒューマンエラー防止の切り口のひとつ「ヒヤリ・ハット」とは

ヒヤリ・ハットとは、大事には至らなかったものの、一歩間違えば大きな事故につながっていたかもしれない、ヒヤッとしたり、ハッとしたりした経験のことです。日々感じる「ヒヤリ・ハット」を活かすことが、ヒューマンエラーの抑制につながります。 特に医療や建設などの業界においては、ヒューマンエラーが人の生死に大きく関わってきます。社内で「ヒヤリ・ハット」を共有し、ミスが起こった状況や原因、対策を講じておくことで、今後の事故防止に役立ちます。

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ヒューマンエラー研修の対象者

ヒューマンエラー対策は現場任せになりがちですが、組織全体での取り組みが必要です。まずは研修の対象者を洗い出し、現場担当者、現場の管理者・監督者経営者幹部など、それぞれに適した研修を考え、受講させることが重要です。

 

02ヒューマンエラーの分類

ヒューマンエラーにはさまざまな種類があり、発生する要因によって、対策が異なります。実行段階でのエラーであるスリップ・ラプス、計画段階でのエラーであるミステイク、意図的なルール違反、記憶・認知・判断・行動エラーについて解説します。

スリップ

スリップとは認知や判断が正しいにもかかわらず、ボタンの押し間違いなど、実行の段階で誤った行動を取ってしまう事態です。たとえば同じ動作を繰り返していると、習慣化してしまい、違う場面においても無意識にその動作をしてしまうケースがあります。 「習慣化した動作」によって起こるスリップには作業対象に指を指し、声に出して確認をする「指差し呼称」の対策を取ると効果的です。

ラプス

ラプスとは、実行段階において手順の勘違いや、計画していた行為のステップを抜かしてしまうなどの短期的な記憶違いや物忘れによって起こるエラーです。スリップと同様に、目的が間違っているのではなく、行動の段階でエラーが起こります。 ラプスの対策は、手順をわかりやすく番号で表示しておく、チェックリストを作っておく、メモを取る、タイマーやアラームを使用するといった方法があります。

ミステイク

ミステイクとは正しく実行できていたものの、計画段階で失敗するエラーです。教育不足・訓練不足・経験不足によるミステイクもありますが、知識も経験も豊富なベテランであってもミステイクを起こすおそれがあります。ミステイクに速攻性のある方法はなかなかないものの、教育や訓練を繰り返していくしかありません。 一方、ベテランの人は、知識や経験が豊富であるがゆえ、解決方法を固定してしまわないような注意が必要です。柔軟な判断力を養うためにも、さまざまな事例を用いた教育が必要不可欠といえます。

あらかじめ決められているルールに対して意図的に行動をし、その結果として起こるヒューマンエラーです。たとえば、定められた規律や手順を無視する、この程度なら問題ないと自身で判断をして手抜きをする、省略するといった行為があります。 意図的に行動したことによるヒューマンエラーは、違反行為に近いものです。こうしたルール違反の対策には、ルールの目的や重要性を理解してもらう、ルール順守を評価体系に組み込む、ルールの見直しを行うといった対策をとりましょう。

記憶・認知・判断・行動エラー

記憶・認知・判断・行動などの機能が適切に働かずに起こるヒューマンエラーについて、「天気予報」を例に挙げて説明します。 天気予報を見ようと考えていたのに、その天気予報を見ることを忘れるのが「記憶エラー」です。30%の降水確率を80%と見間違えるのが「認知エラー」、30%であれば雨は降らないと思い込むのが「判断エラー」、そして傘を持参せずに外出するのが「行動エラー」です。

 

03ヒューマンエラー研修を実施する理由

ヒューマンエラー研修を実施する目的としては、事故を未然に防いで賠償責任や損害を発生させないため、また顧客からの信用を失墜させないためなどの理由が存在します。ここからは、その目的について詳しく見ていきましょう。

事故を起こさないため

ヒューマンエラーは、ときに重大な事故を引き起こして、賠償責任や損害を招くおそれがあるため、ヒューマンエラー対策は企業にとって必要不可欠なものです。研修を実施することで、ヒューマンエラーを可能な限り防止する仕組みづくりや、対策方法、社内環境作りを習得し、ヒューマンエラーの抑制を目指すことができます。

顧客からの信用を失墜させないため

業務に慣れていない人はもちろんですが、たとえ業務に慣れたベテラン社員でも、「うっかりしていた」など、ヒューマンエラーを起こしてしまう可能性があります。 ある企業では、不要になった機密書類は、業者専用の焼却箱に入れるルールでした。契約担当者が、誤って顧客との重要な契約書類をこの焼却箱に入れてしまい、焼却処分されてしまいました。その結果、契約書にもとづく社内での費用処理が停滞し、顧客への支払も滞り、信用を低下させる原因になってしまったのです。 この事例のように、たとえ小さなミスであっても、顧客からの信用を失ってしまうのは一瞬であることを肝に銘じ、業務の仕組みそのものを見直す必要があります。単なる個人のミスであると片付けるのではなく、ミスが起こった要因を考え、再発防止の仕組みづくりを習得するためにもヒューマンエラー研修が求められているのです。

 

04ヒューマンエラー研修の主な内容

ヒューマンエラー研修を実施する理由について解説しました。ここからは、実際にヒューマンエラー研修で学ぶ主な3つの内容について見ていきましょう。実際に、自社の社員に研修を受けてもらう際の参考材料にしてください。

ヒューマンエラー発生のメカニズム

ヒューマンエラー発生のメカニズムについて学びます。人の情報処理には、「入力過程」「媒介過程」「出力過程」の3つの段階があります。ヒューマンエラーは、いずれかの段階で起こると考えられていて、発生する段階の違いによって「入力エラー」「媒介エラー」「出力エラー」に分類できます。 分類ごとに適した対策が異なるため、エラーが起こった際には単なる間違いとして片付けないようにしましょう。有効な対策を立てる上で重要なポイントは、どのような情報処理プロセスの段階で発生したエラーであるかを分析することです。

効果的なヒューマンエラーの防止方法

ヒューマンエラー防止方法について学びます。たとえば、エラーリスクを伴う業務をできるだけ減らしたり、定型業務を自動化したりするのは有効な手段です。また、設計や計画の段階でエラーがおきないように工夫する「フールプルーフ」や「指差呼称」、「危険予知トレーニング」など、効果的な対策について講義を受けるのも良いでしょう。

現状の課題に沿ったケーススタディ

自社の現状の課題に沿って、起こり得るヒューマンエラーをリストアップし、要因を考えます。次にその対策案を検討し、実行に移します。ヒューマンエラーは起こさないことが一番ですが、起こった場合を想定してその影響を可能な限り最小限に抑える対応策を事前に考えておくことが重要なポイントです。さらにはリカバリーできる社内環境、仕組みづくりを考えておきましょう。


 

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05Schooのオンライン研修を紹介

Schooビジネスプランでは、オンライン研修に使える、6,500本を超える数の幅広いジャンルの授業をご用意しており、様々なスキルやノウハウを、オンラインで学ぶことができます。授業の講師には、各業界で働くトップランナーの方々をお迎えしています。それぞれの講師自らが経験したことに基づいて授業を行うため、分かりやすく、かつ実践で活かすことができるスキルやノウハウを学ぶことができます。さらに、生放送の授業限定ですが、受講者から講師にチャットで質問することもできるため、受け身型の学習にならないという点も、Schooのオンライン学習の特徴です。

Schooの研修パッケージ

Schooビジネスプランでは6,200本以上の授業から、自由に研修で使用する授業を選択し、各社に適した研修カリキュラムを組むことができます。また、100本以上の研修カリキュラムのテンプレートを用意しているので、これまで手間のかかっていた研修設計も、カリキュラムと対象者を選択するだけで完了することができ、研修担当者の工数を大きく削減することもできます。

階層別研修におすすめの研修パッケージ

階層別研修では、新入社員には基礎的なマナーやスキルを学んでもらい、中堅社員や管理職には部下の育成やマネジメントなどについて学んでもらうことが一般的です。ここでは、新入社員から管理職までの研修におすすめの研修パッケージを紹介します。

職種別研修におすすめの研修パッケージ

職種によって求められるスキルは様々ですが、Schooの研修パッケージを活用して職種別研修を行うことができます。Schooでは、営業職からデザイナー・エンジニアまで、幅広い職種に対応した授業を用意しているため、多様な職種に対応した研修を行うことができます。

テーマ別研修におすすめの研修パッケージ

社員それぞれの課題や改善点によって必要になってくるスキルは違います。Schooではビジネスマナーからチームビルディングまで、様々な種類の研修に対応できる研修パッケージを用意しています。

管理画面で受講者の学習状況を可視化できる

Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方1

まず、Schooビジネスプランの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

管理画面の使い方2

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

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06まとめ

人間である限り、ヒューマンエラーをゼロにするのは難しいことですが、減らしていくことは可能です。ぜひ、ヒューマンエラー研修を受講して、エラー発生のメカニズムや防止対策などを学び、実務に役立ててみてはいかがでしょうか。

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