公開日:2022/09/09
更新日:2024/09/26

PREP法とは?メリットやデメリットを紹介

PREP法とは?メリットやデメリットを紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

仕事で従業員が社内や社外の人とコミュニケーションをする際に、伝わりにくくて相手を困らせるといった事態はできるだけ避けたいものです。 しかし周囲の人に自分の意図をうまく伝える方法をどのように身に着けさせればよいかよくわからない人もいるでしょう。 この記事では、文章や会話において伝えたいことを理解しやすい形で伝えるためのフレームワーク、PREP法について詳しく解説します。

 

01PREP法とは?

PREP法とは

PREP法とは次の4段階で話を展開し、文章や会話などさまざまなコミュニケーションにおいて、相手にわかりやすく内容を伝えるための汎用性の高いフレームワークです。

段階 概要
結論(Point) ・要点や1番伝えたい内容
理由(Reason) ・結論に至った理由
具体例(Example) ・結論を裏付けるデータや事例
結論(Point) ・要点や1番伝えたい内容

それぞれの段階における英訳の頭文字を取ってPREP法と名付けられていますが、結論を最初と最後の両方で提示しているのが特徴的です。。 PREP法で相手に物事を伝えると、第一印象が記憶に残りやすく後の判断に影響を及ぼす初頭効果と、最後の印象が記憶に残りやすく後の判断に影響を及ぼす親近効果の両方が働くため、心理学的にも効率の良い方法だと言えるでしょう。

SDS法とPREP法の違い

SDS法とはコミュニケーションにおいて、次の3段階で話を展開するフレームワークです。

段階 概要
要点(Summary) ・伝えたい話の全体像
詳細(Details) ・細かい説明
要点(Summary) ・伝えたい話の全体像

それぞれの段階における英訳の頭文字を取ってSDS法と名付けられていますが、初頭効果と親近効果の両方が働くという意味ではPREP法と似ています。 ビジネスの場においては、PREP法は主に提案、SDS法は報告でよく活用されるという違いがあります。

DESC法とPREP法の違い

DESC法とはアメリカの心理学者ゴードン・バウアーによって提唱された、コミュニケーションにおいて次の4段階で話を展開するフレームワークです。

それぞれの段階における英訳の頭文字を取ってDESC法と名付けられていますが、自分の考えや感情を正直に伝えつつ、相手の意見も素直に受け入れるアサーティブ型のコミュニケーションができるため、相手に不快な思いをさせないでしょう。 PREP法は相手にわかりやすく話を伝えるためのフレームワークですが、DESC法は相手を尊重しながら自己主張をするためのフレームワークであるという違いがあります。

 

02PREP法を身に着けるメリット

PREP法を身に着けることで、ビジネスにはどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。

  • ・1.コミュニケーションがスムーズになる
  • ・2.自分の考えを論理的に整理できるようになる
  • ・3.相手の集中力が途切れにくい

3つご紹介します。

1.コミュニケーションがスムーズになる

PREP法はビジネスにおける文章作成・プレゼンテーション・会話全てで用いることができ汎用性が高いため、従業員の社内・社外におけるコミュニケーションがスムーズになります。 また一度のやり取りで相手に内容を理解してもらえるようになるため、再度説明をしなければならないといったことが減り、コミュニケーションが効率化するでしょう。

2.自分の考えを論理的に整理できるようになる

PREP法を身に着けると、情報を「結論」「理由」「具体例」の3段階に分けて考えるようになるため、自分の考えを論理的に整理できるようになります。 また3段階に分けて整理する際、それぞれの内容を深く掘り下げて考えると、自分の伝えたい内容についてより説得力が増すでしょう。

3.相手の集中力が途切れにくい

人間の集中力が持続するのは15分、45分、90分のリズムがあるとされ、これを15・45・90の法則と言います。 例えばプレゼンテーションにおいてPREP法を用いて説明をする時は、結論だけでも15分以内で伝えることを意識すると相手の集中力が途切れず、話の内容が伝わりやすくなるでしょう。 もちろん15分以内で話をまとめることができればより効果的です。 PREP法を身に着けると、このように相手が集中できる時間に合わせて話を構成することができるため、コミュニケーションにおける齟齬や誤解が生まれにくくなります。

 

03PREP法のデメリット

PREP法をビジネスの場で用いた場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

  • ・1.スピーチや長文の作成には向かない
  • ・2.機械的な印象を与える場合がある
  • ・3.前提を共有していない人には伝わりにくい

3つご紹介します。

1.スピーチや長文の作成には向かない

PREP法はスピーチや長文などの作成には不向きです。 PREP法では最初に結論を述べるため、スピーチの場合は話の盛り上がりに欠けたり、結論を聴いてそれ以降の話に集中しない人が出てきたりしてしまいます。 また長文のメールなどでは、最初だけに目を通しそれ以外は読み飛ばされてしまう可能性も出てきます。 これらのことからスピーチや長文で何かを伝える場合、PREP法を用いるのは避けた方がよいでしょう。

2.機械的な印象を与える場合がある

PREP法を用いると結論から始まり端的な話となりがちなことから、話の内容から人柄や考え方が見えにくくなり、相手に機械的な印象を与えてしまうことがあります。 そのためビジネスシーンにおいて、まだ信頼関係のできていない初対面の相手にPREP法を用いてコミュニケーションを行う際は注意が必要です。

3.前提を共有していない人には伝わりにくい

PREP法を用いたコミュニケーションでは、話の前提を共有していないと相手に自分の考えが伝わりにくくなります。 なぜその結論を提示するのかが相手に伝わっていない状況では、いきなりPREP法で話を始めると唐突な印象になるということです。 例えばメールなら「〇〇の件」というタイトルが抜けた状態で話を始めるということなので、前提が共有できていない相手にPREP法を用いるのは避けましょう。

 

04PREP法の身に着け方

従業員がPREP法を身に着け、ビジネスの場で適切に活用できるようにするためには、どのようなことをするのがよいのでしょうか。

  • ・1.社内で勉強会や研修を行う
  • ・2.インプットした内容をPREP法で説明・要約する
  • ・3.常にPREP法で報連相を行う
  • ・4.仕事における文書作成でPREP法を用いる

4つご紹介します。

1.社内で勉強会や研修をおこなう

最初に従業員にPREP法というフレームワークを意識してもらい、広く仕事で活用してもらうためにもまずは社内で勉強会や研修を行いましょう。 ビジネスにおけるPREP法を身に着けるための研修にはプレゼンテーション研修、ビジネス文書研修などがあるため、対象者の担当業務に合わせた内容でPREP法を身に着けてもらうことができます。 また研修の形式には会場で行う形式、オンライン形式、e-ラーニング形式など複数の形式があるため、対象者が効率よく学ぶためにはどの形式が望ましいかをあらかじめ考慮しておくとよいでしょう。 研修を依頼する時は、自社の研修にかけられる時間、望む形式、予算、対象者、研修で到達したい目標などを決めておき、カリキュラムの内容をニーズに応じてアレンジしてくれるかどうかも確認しておくとスムーズに依頼ができるのではないでしょうか。

2.インプットした内容をPREP法で説明・要約する

社内で研修を行った後管理職の人には、仕事の中で情報共有された内容を部下に伝える際にPREP法で説明や要約をしてもらうようにすると、効率よく情報が伝達できるだけではなく、管理職の人たちがPREP法を少しずつうまく使いこなせるようになっていきます。 あらかじめ研修で意識づけをしているため、納得感を持ってPREP法でのアウトプットをしてもらうことができますし、また仕事の中で回数をこなすことで次第にPREP法を使うことに慣れていくのではないでしょうか。

3.常にPREP法で報連相を行う

社内で研修を行った後チームメンバーの人たちには、報告・連絡・相談を常にPREP法で行ってもらうようにしましょう。 報告・連絡・相談にかける時間を節約できるだけではなく、管理職の人たちが適切にPREP法を使いこなせているかどうかをチェックし、チームメンバーにアドバイスができる環境となるため、企業全体にPREP法が浸透しやすくなります。

4.仕事における文書作成でPREP法を用いる

ビジネス文書研修でPREP法を学んだ人には、受講後ビジネス文書作成において積極的にPREP法を使ってもらうようにしましょう。 日頃のメールでのやり取りにPREP法を用いたり、提案に用いるプレゼンテーションの資料をPREP法を意識して作成したりすると、従業員がPREP法を用いて作成した文章を目にする機会が増え、少しずつ周囲の人たちも含めて慣れていくのではないでしょうか。

 

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本授業は、普段「わかりやすく説明ができない」「相手に意図がちゃんと伝わっている気がしない」など、コミュニケーションに課題意識を持つ方に向け、論理的に話す以前に意識しておきたい「論理的に聞く力」について学んでいきます。

 
  • コミュニケーション・スピーチコンサルタント、CCO代行

    福岡のTV局・ラジオ局で年間300日以上の生放送に出演。その経験を元に独立し、現在は企業向けの人材育成研修や人材育成コンサルティング、経営者や元アスリートなどのスピーチコンサルティングを行う。組織活性、営業成績4倍UP、スピーチ力向上による顧客獲得率UPなど成果を上げるためにとことんクライアントに寄り添う。 企業研修:200社以上、個別コンサルティング:300名以上の実績あり。 趣味は読書と音楽鑑賞と筋トレ。無類のチョコレート好き。

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06まとめ

PREP法とは結論、理由、具体例、結論4段階で話を展開し、文章や会話などさまざまなコミュニケーションにおいて、相手にわかりやすく内容を伝えるための汎用性の高いフレームワークです。 ビジネスシーンにおいてはお互いに齟齬や誤解が生まれにくく、コミュニケーションに割く時間も削減できることから、企業としては役職に関係なく従業員全員に積極的に活用してもらえるようにするのが望ましいでしょう。 研修からその後のフォローまで行う必要があるため手間はかかりますが、それによりビジネスがスムーズに進み、成果を挙げやすくなるためぜひ前向きに取り組んでみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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