探究心が強い社員の強みと弱みとは?

探求心が強い社員は物事を深く追求することができ、企業にとって大きなメリットをもたらす可能性があります。反面、探究心が強すぎることはデメリットにもなるため、企業側が上手くアシストしてあげることが重要です。本記事では探究心とは何か、探究心が強い社員の強み・弱み、探究心を強化するためのポイントについて解説しましょう。
- 01.気配りとは
- 02.探究心が強い社員の強みとは?
- 03.探究心が強い社員の弱みとは?
- 04.探究心を強化するためのポイント
- 05.社員の探求心を高めるための方法
- 06.探究心を向上させるSchooのオンライン研修
- 07.まとめ
01気配りとは
探究心とは?
探究心とは1つの物事を深く追求する心のことです。例えば上司から「顧客の購買状況について調べて欲しい」と言われた際、徹底的に調べることができ、他の人が気がつかない問題点などを発見する可能性もあります。探究心が強いことはビジネスにとってプラスに働くことが多いと言えるでしょう。しかし探究心が強すぎると、1つのことだけに集中してしまい周りが見えなくなってしまうなどの問題点もあります。企業側としては探究心が強い社員の強みを上手く活かしてあげることが、ポイントといえるでしょう。
02探究心が強い社員の強みとは?
探究心が強いことがビジネスにとってどんなメリットがあるのか、イメージが沸かない人も多いでしょう。そこで、探究心が強い社員の具体的な強みについてまずは解説します。探究心が強い社員の強みは次の4つです。
- 納得が行くまで調べる
- プロフェッショナル人材の素質がある
- 他の人には思いつかないアイデアを思いつく
- ストレス耐性が強い
納得が行くまで調べる
探究心が強い社員は納得がいくまで1つの物事を調べることができます。表面的な情報を鵜呑みにせずに、「実はこうなんじゃないか」と情報の裏に隠れた背景や問題点を探し出そうとします。例えばマーケティング担当者の場合、ユーザー数が増えない根本的な理由まで調べようとします。また、エンジニア職の場合、障害発生時などに問題のある箇所を徹底的に調べ、システムの根本的な欠陥を見つけようとします。 彼らの強みは調べることに報酬がなくても実行できることです。その業務が昇給や評価に繋がらないとしても、好奇心があるため楽しく仕事を行うことができます。調査業務に対するストレスを感じないのも大きなメリットと言えるでしょう。
プロフェッショナル人材の素質がある
探究心が強い社員はプロフェッショナル人材の素質があると言えます。1つの物事を追求することでその分野において誰にも負けないだけの知識を蓄えることができます。プロフェッショナル人材は昨今のビジネスにおいて求められる傾向が強いです。昨今のビジネスでは顧客の要望が多様化しているため、すべての要望に対応できるだけの質の高いコンテンツを作成できる人材が必要になっています。また、プロフェッショナル人材は当然1人いるだけで 大きな力となり、他に人材を雇う必要がなくなるため人件費を削減できるメリットもあるでしょう。
他の人には思いつかないアイデアを思いつく
プロフェッショナル人材は他の人には思いつかないアイデアを発案し、周囲を驚かせる傾向があります。1つの物事に特化していくと、他人との違う視点を持てることがあるためです。彼らは他の人が正しいと思っていることにも疑いを持つことができます。探究心の強い人が生み出したアイデアによって、企業の生産性が向上する可能性もあるでしょう。
ストレス耐性が強い
探究心が強い社員はストレス耐性が強い傾向があります。興味がある事柄なら自らの好奇心を力に追求できるため、外部の状況に左右されずやり抜くことができます。たとえ上手くいかないことがあっても、諦めず取り組むことができるでしょう。 ただし、ストレス耐性が強いのはあくまで興味のある事柄に関してのみである可能性もあります。興味が薄い業務を与えてしまった場合、ストレス耐性が弱くなるかもしれません。そのため、彼らに対しては探究心が強いからとなんでも良いから仕事を与えるのではなく、本人の適正と希望を踏まえたうえで仕事を与えることが重要と言えます。
03探究心が強い社員の弱みとは?
探究心が強い社員の強みについて解説しました。しかし、探究心が強いことには良い面もあれば良くない面もあります。探究心が強い社員の弱みも知ることによって、その人が力を発揮できるように企業としてアシストできると言えるでしょう。探究心が強い社員の弱みは次の3つです。対処方法も併せて解説していきます。
- 悩みすぎてしまうこともある
- 周囲が見えなくなることがある
- 撤退のタイミングを誤ることもある
悩みすぎてしまうこともある
探求心が強い社員は時として悩みすぎてしまうこともあります。深く思考を巡らせることで、ネガティブなことまで延々と考え続けてしまうからです。そのため、一度仕事で挫折してしまうと、立ち直るまでに時間がかかる可能性もあるかもしれません。 対処方法としては1人で悩まずに他の人に相談するようにアドバイスすることです。自分1人で考え続けていても解決策は見つからないものであることを話します。具体的には、1to1ミーティングなどを導入し、悩みを話せる機会を作ると良いでしょう。
周囲が見えなくなることがある
探究心が強い人は周囲が見えなくなってしまうこともあります。自分の業務に没頭しすぎてしまい、他に大変な業務を行っている人がいても手伝おうとしないなど、協調性が欠けてしまうこともあるでしょう。 対処方法としては視野を広く持つように指導することです。周囲の状況を良く観察し、今もっともやるべきことは何なのか考える時間を作ることが重要でしょう。
撤退のタイミングを誤ることもある
探究心が強い人は撤退のタイミングを誤る可能性もあるのが難点です。特に管理職に就くと、上手くいかない場合にプロジェクトを終了させ、被害を最小限に抑えることが重要になってきます。探究心が強いと諦めがつかなくなってしまい、お金と時間を無駄にしてしまう恐れがあります。 対処方法としては、プロジェクトや業務を行う期間をあらかじめ設けることです。「これ以上経っても成果が出ないなら諦める」という明確なラインを設けることで、探究心が強い方でも撤退のタイミングを誤らなくなるでしょう。
04探究心を強化するためのポイント
探究心はすぐに身につくものではなく、毎日の地道な訓練によって少しずつ培われるものです。探究心を強化するためのポイントは次の3つです。
- インプットとアウトプットを両方行う
- 適切な目標設定を行う
- スケジュールに余裕を持つ
インプットとアウトプットを両方行う
探究心を強化するにはインプットとアウトプットを両方行うことです。例えばビジネス本を読むだけでなく本の内容をブログやSNSなどにまとめることで、その分野に関する興味が深まります。アウトプットする際は、本に書かれていない内容まで知らないといけない場合もあり、より詳しく調べないといけなくなるためです。また、アウトプットする方が記憶にも定着しやすくなります。
適切な目標設定を行う
探究心を強化するためにも適切な目標設定を行いましょう。目標を設定しないと、道のりが遠く感じてしまい探究心が沸かなくなってしまいます。探究心を強化するコツは、小さな目標をいくつも立てて、達成感を連続して味わえるようにすることです。達成感を味わえれば、自ずとその分野に関する興味が湧いてきます。例えばシステム開発を行う際も、「何日までにシステムを完成させる」ではなく、システムの各機能単位で目標期日を設定することで、各機能が完成する度に達成感を味わえるようになります。
スケジュールに余裕を持つ
探究心を強化するためにもスケジュールに余裕を持つことが大切です。ある程度スケジュールに余裕がないと、詳しく調査してみようという気にはならないでしょう。与えられた業務は納期よりも数日早く終わらせるようにして、空いた時間で仕事の質を上げられるように詳しく調査してみるようにすると良いです。
05社員の探求心を高めるための方法
社員の探究心を高めるために、企業側も実行できることはいくつかあります。社員の探究心を高めることで、制作物の質が高まり顧客からの評価が高まるなどのメリットがあります。社員の探究心を高めるための具体的な方法は次の3つです。
- ジョブローテーションを導入する
- キャリアデザインを考えさせる機会を設ける
- 研修を実施する
ジョブローテーションを導入する
社員の探究心を高めるためにはジョブローテーションが効果的です。ジョブローテーションとは、一定期間職務を変更する制度のことであり、社員のスキルの幅を広げるために行われます。ジョブローテーションを導入することで、自分の担当業務以外にも興味を持てるようになります。
キャリアデザインを考えさせる機会を設ける
社員の探究心を高めるためにも、キャリアデザインを考えさせる機会を設けることが肝心です。各社員が現状本当にやりたいことをやれているのか、キャリアデザインに沿ったスキルを身につけられているのか、定期的に検討しましょう。キャリアデザインに沿った業務でないと、探究心は湧いてきません。
研修を実施する
社員の探究心を高めるためにも、数多くの研修を実施することが肝心です。研修を通じて知識を幅を広げないことには、探究心を高めることはできません。外部研修を上手く活用して、会社全体のスキルアップを目指しましょう。
06探究心を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級7,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級7,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
探究心に関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、7,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、探究心に関する授業を紹介いたします。
成果を出す人だけがやっている仕事の進め方
信頼の獲得、味方作り、スモールサクセスの積み上げ、仕組み化…など結果を出す人には、共通した社内を動かすための具体的な動き方があります。今回の授業ではそれらの動き方を学んでいきます。
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グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長
慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院理工学研究科修了。スイスIMD PEDコース修了。株式会社三菱総合研究所にて、エネルギー産業、中央省庁(経済産業省、文部科学省他)、自治体などを中心に調査、研究、コンサルティング業務に従事。現在グロービス経営大学院及びグロービス・マネジメント・スクールにて企画・運営業務・研究等を行なう傍ら、グロービス経営大学院及び企業研修におけるリーダーシップ開発系・思考科目の教鞭を執る。経済同友会幹事、経済同友会教育問題委員会副委員長(2012年)、経済同友会教育改革委員会副委員長(2013年度)、ベンチャー企業社外取締役、顧問、NPO法人の理事等も務める。著書に『ビジネス数字力を鍛える』『社内を動かす力』(ダイヤモンド社)、共著に『志を育てる』、『グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略』(東洋経済新報社)、『日本型「無私」の経営力』(光文社)、『21世紀日本のデザイン』(日本経済新聞社)、『MBAクリティカル・シンキングコミュニケーション編』、『日本の営業2010』『全予測環境&ビジネス』(以上ダイヤモンド社)、訳書に「信念に生きる~ネルソン・マンデラの行動哲学」(英治出版)等がある。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
「触覚」が変える未来のコミュニケーション力
今のところデジタルで共有できるのは映像と音声、つまり、視覚と聴覚の情報がほとんどですが、メタバース市場の急成長などにともない、触覚の情報を共有する技術の開発も加速しています。そこで、「触覚情報のデジタル共有で、私たちのコミュニケーションはどう変わるのか」について考える、そんな授業を開講します。
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NTTコミュニケーション科学基礎研究所 上席特別研究員
人間の触覚のメカニズム、コミュニケーション、情報伝送に関する研究を人間情報科学の視点から行う。触覚や身体感覚を通じて、自身の在り方を実感し、人と人との共感や信頼を醸成することで、様々な人のウェルビーイングが実現される方法論について探究している。また、Ars Electronica Prix審査員、文化庁メディア芸術祭(アート部門優秀賞受賞)、日本基礎心理学会「心の実験パッケージ」開発研究委員会委員長等、美術館や科学館での表現・体験領域の設計にも関わる。主著に「情報を生み出す触覚の知性」(2014年、化学同人、毎日出版文化賞(自然科学部門)受賞)、「情報環世界(2019年、NTT出版、共著)、「わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために」(2020年、BNN出版、編著・監修)、「見えないスポーツ図鑑」(2020年、晶文社、共著)、「表現する認知科学」(2020年、新曜社)など。
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07まとめ
探究心を高めることで1つの業務に集中できるようになり、その分野において他の人よりも成果を出せる可能性があります。企業側は探究心の高い人材が能力を最大限発揮できる環境作りに努めることが重要です。また、社外研修を行ったりキャリアデザインを考えさせる機会を設けたりして、社員の探究心を養わせることも必要でしょう。