公開日:2022/10/05
更新日:2023/02/02

効果的なエンゲージメントサーベイとは

効果的なエンゲージメントサーベイとは | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年注目を集めるエンゲージメントサーベイ。人事界隈の方なら、耳にしたことがないという方はいないのではないでしょうか?しかし改めて考えてみると、サーベイの目的やサーベイ結果の活かし方など、詳しく理解できていない方は少なくありません。 そこで今回は、企業にとって効果的なエンゲージメントサーベイとはどのようなものなのか、詳しくご紹介します。

 

01エンゲージメントサーベイとは?

そもそもエンゲージメントサーベイとは、名称通り従業員の企業に対するエンゲージメントを可視化する調査を指します。

一般的に「engagement」という単語は「婚約」「誓約」「約束」「契約」といった意味を含みますが、企業における「engagement」は、企業に対する従業員の心的なつながりや、貢献意欲を意味します。

エンゲージメントサーベイは複数の質問によって、従業員が企業に対して抱くつながりの強さや、貢献意欲を可視化するために用いられます。

エンゲージメントサーベイの代表的な項目

ではエンゲージメントサーベイの代表的な調査項目を見ていきましょう。

なお、サーベイに登場する項目はあくまでも代表的なものであり、企業ごとにカスタマイズして利用している場合も多く存在します。

eNPS

エンゲージメントサーベイではなく、eNPSすなわちEmployee Net Promoter Scoreの方が馴染みが多い人事担当者は多いのではないでしょうか。eNPSはエンゲージメントサーベイ領域において、最もシンプルなサーベイとして知られています。

アメリカのベイン・アンド・カンパニー社が提唱するNPS®を応用したもので、従業員自身の満足度を聞くのではなく、他者への推奨度を聞いている点が大きな特徴です。0~10のスコアで採点を行い、9・10を選択している人は「推奨者」、0~6をつけた人は「批判者」として計算します。

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結果としては、推奨者の数が多くなるほど、従業員のエンゲージメントは高いと考えられています。

Q12

Q12も、エンゲージメントサーベイ界隈では非常に有名な調査です。アメリカの心理学者フランク・L・シュミット博士が、アメリカ最大級の世論調査会社であるギャラップ社とともに、エンゲージメントを測定するために開発したサーベイとなっています。

Q12の最大の特徴は、名称通り12の質問がある点です。

  • Q1:職場で自分は何を期待されているのか知っている
  • Q2:仕事をうまく行うために、必要な材料や道具を与えられている
  • Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
  • Q4:この1週間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
  • Q5:上司または職場の誰かが、自分を一人の人間として気にかけてくれている
  • Q6:職場の誰かが自分の成長を促してくれる
  • Q7:職場で自分の意見が尊重されているようだ
  • Q8:会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
  • Q9:職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
  • Q10:職場に親友がいる
  • Q11:この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
  • Q12:この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった

これらは従業員の幸福度を測るための質問とされています。 eNPSと異なり、従業員は5段階の数字で回答します。「完全に当てはまる」を意味する5点が多いほど、企業内のエンゲージメントは高いという結果になります。

従業員満足度調査との違い

一見すると、従業員満足度調査と大きな違いを感じにくいかもしれません。しかし、従業員満足度調査は企業が既に従業員へ提供している環境や業務内容、人間関係に対する満足度を質問していることに対し、エンゲージメントサーベイは企業と従業員のつながりを可視化するような質問を行います。

また、従業員満足度調査は調査の性質上、組織やチームで似たような傾向が出ることが多いものの、エンゲージメントサーベイは個人によって大きく傾向が異なります。そのため年次や役職など、企業内での責任範囲に対応した数値が出てきやすいという特徴があります。

いずれの調査も調査したい目的が異なるため、シチュエーションに応じて使い分けることが大切です。

 

02エンゲージメントサーベイによって期待できる効果

では、エンゲージメントが向上することによって、どのような効果が期待できるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

組織で生じ得る問題を把握できる

エンゲージメントサーベイで把握できる内容として、組織で生じる問題があります。これらはテキストで回収するよりも、エンゲージメントサーベイを活用することで実態に基づいた数字を把握することができるでしょう。

もちろん顕在化している問題に留まらず、潜在的な問題も検討することが可能です。

新たな人事施策の参考にできる

エンゲージメントサーベイの結果を活かして、新たな人事施策に活用することができます。今後生じ得る問題を未然に防ぐ施策はもちろん、エンゲージメントサーベイを通じて顕在化した問題を仕組みで解決することもできるでしょう。

人事施策は本来、従業員のニーズだけではなく、組織的な課題からもアプローチすることが重要です。そのため、エンゲージメントサーベイは人事にとっては施策などの検討材料にしやすいでしょう。

チームマネジメントに活かす

エンゲージメントサーベイの結果は、マネージャーが最も活用しやすいとも言えます。抱えるメンバーの悩みや不安を明確に理解することができるため、それらを防ぐためのマネジメントを行うことが可能です。

サーベイの結果によってチームの傾向を知ることができるため、懸念を未然に防ぐこともできます。現時点での満足度を確認するサーベイではないからこそ、各従業員のモチベーションを可視化しやすいとも言えるでしょう。

 

03エンゲージメントサーベイを実施するポイント

では、エンゲージメントサーベイを実施する場合には、どのような点に注意するべきなのでしょうか。いくつかポイントをご紹介します。

サーベイの結果から知りたい内容を決めておく

エンゲージメントサーベイは、ただ実行して終わりでは意味がありません。そもそもどのような結果を確認したいのか、事前に検討した上でサーベイを実施することが大切です。

知りたい結果とは、言い換えれば現状の組織運営で課題になっていることとも言えるでしょう。サーベイの結果による課題解消方法の仮説まで立てておくと、結果の活用がスムーズです。

サーベイ実施の適切な頻度や内容を検討しておく

エンゲージメントサーベイは数値で行う調査だからこそ、従業員によって判断基準にブレが生じます。相対的に数値が低い場合や、高い場合も想像できるため、各従業員による傾向を理解するために必要な頻度を決めておく必要があります。

また、内容についても全ての質問を毎回行う必要はありません。タイミングに応じて変動する質問を決めておくなど、内容についても工夫するようにしましょう。

継続を前提に実施する

従業員による数値のブレがあることを踏まえ、エンゲージメントサーベイは継続的に複数回の実施を前提に行うことが大切です。一度の調査では、本当のエンゲージメントが分からない可能性があります。そのため、複数回の実施を前提にエンゲージメントサーベイの実施頻度などを設計しましょう。

 

04エンゲージメントサーベイの注意点

では、エンゲージメントサーベイを実施する際には、どのような点に注意するべきなのでしょうか。重要なポイントを2点ご紹介します。

実施目的を従業員に理解してもらう

1点目は、なぜこのタイミングでエンゲージメントサーベイを実施するのか、従業員に正しく理解してもらうことです。

従業員満足度調査などを既に実施している場合、従業員から見るとどんどん調査が増えているようにしか見えません。その結果、適当な数値で回答する人も出てくるでしょう。しかし、それでは意味がありません。

目的さえ理解していれば、従業員も正しい感覚で質問に答えるはずです。目的を伝えるという工程を怠らずに、正しく理解してもらうことが大切です。

ツールなどを有効活用する

エンゲージメントサーベイを自社だけで実施するのは非常に大変です。また、サーベイ結果の回収は機密情報であり、情報の取り扱いにも十分に注意することが求められます。そのため、様々な調査会社がWeb上などで提供している調査ツールの活用を検討してみましょう。

もちろん費用はかかりますが、セキュリティを担保しているほか、結果の集計も調査ツール提供会社が行ってくれたり、自動的に抽出できる仕組みになっていたりするのでおすすめです。また、費用によっては分析まで行ってくれる場合もあるでしょう。

サーベイ結果活用に重きを置くのであれば、ツールや外部会社の力を借りてみるのも良いのではないでしょうか。


 

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05組織に還元できるエンゲージメントサーベイの実施を

エンゲージメントサーベイは実施して終わりではなく、サーベイの調査結果を組織運営に有効活用し、よりよい組織を目指していくためのものです。

エンゲージメントサーベイは実施して終わりになりやすいですが、それでは意味がありません。従業員の声が集約された結果であることを理解し、責任を持って有効に活用することが人事の努めです。

ぜひ、質問設計時から目的を持つことで、本当に有効活用できるエンゲージメントサーベイの実施を目指してみてはいかがでしょうか。

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