公開日:2022/11/01
更新日:2022/11/01

コンピテンシーアセスメントとは?評価方法や具体例を紹介

コンピテンシーアセスメントとは?評価方法や具体例を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

コンピテンシーアセスメントは、人材を評価するうえで重要です。コンピテンシーアセスメントを正しく活用することで、社員のモチベーションを上げたり、成長を促すことができます。当記事ではコンピテンシーアセスメントについて、概要から導入方法まで紹介していきます。

 

01コンピテンシーアセスメントとは?

コンピテンシーアセスメントとは、優れた成果を創出する個人の能力・行動特性を意味する「コンピテンシー」と、客観的な評価・査定を意味する「アセスメント」を合わせた言葉です。ビジネスシーンにおけるコンピテンシーとは、高い成果を出している人の特性のことです。成果を出している人材が「どのようなことを意識して行動しているのか」を分析することで、他の社員の人材育成に活用できます。アセスメントとは、英単語「assessment」が語源となっており、直訳すると人や物の評価や判断といった意味になります。ビジネスのシーンでは、「客観的に評価して分析する」「対象物の情報を収集する」のような意味で使われます。つまりコンピテンシーアセスメントとは、事業戦略の実行や目標の達成に向けて必要な社員の能力・能力の発揮レベルを査定すること、と言えます。

 

02コンピテンシーアセスメントが重要な理由3選

コンピテンシーアセスメントが重要な理由は以下の3つです。

  • ・発揮できていない本来の能力を発見する
  • ・昇格・昇進の必要性を見極める
  • ・社員の成長を促す

基本的には、社員の潜在的な能力を知ることで、社員の適性に合った場所で活躍する機会を得られるといった理由が挙げられます。詳しく解説します。

発揮できていない本来の能力を発見する

1つ目は、発揮できていない本来の能力を発見することです。現在扱っている業務だけでは判断ができないような隠れた能力を、社員が持っている可能性があります。コンピテンシーアセスメントで潜在的に持っている特性や能力を測定することで、発揮できていない本来の能力を発見できます。発見できた能力に応じて、人材育成や人事異動を活用すれば社員のモチベーションにもつながり、特性を伸ばすこともできます。

昇格・昇進の必要性を見極める

2つ目は、昇格や昇進の必要性を見極めることです。現場の担当社員と管理職では、求められる能力が異なります。現場の社員には自身に与えられた業務や業績が求められますが、管理職には現場社員のマネジメントや部署全体の業績が求められます。つまり、現場の社員として活躍したからと言って管理職として活躍できるとは限りません。コンピテンシーアセスメントで高い成果を出している人の特性を知り、一人一人の潜在的な能力を知ることで、昇格や昇進の必要性や精度を高められます。

若手社員の成長を促す

3つ目は若手社員の成長を促すことです。社員が潜在的に保有する能力や特性を会社と社員の双方が把握することで、特に若手社員の成長を促します。会社側が社員にコンピテンシーを提示し、社員が自身の目指すべき方向性を明確にすることで、若手社員の成長速度が加速します。

 

03役割ごとのコンピテンシーとは

コンピテンシーについての理解ができたところで、下記の3つの役割ごとのコンピテンシーについて解説します。

  • ・経営者
  • ・管理職
  • ・若手社員

それぞれの立場で求められるコンピテンシーが異なりますので、順番に見ていきましょう。

経営者

経営者に求められるコンピテンシー3つについて順番に解説します。

迅速かつ時には大胆な意思決定を下す

経営者は見通しがきかない経営環境の中で、様々な経営課題に取り組みますが、時には難題な経営課題に直面します。直面した経営課題をクリアするために、迅速かつ、時には大胆な意思決定が求められます。

高い目標を実現するための強い意志を持つ

経営者は、組織として成果を出すことを求められます。成果を出すための機会は何度もめぐってくるものではないため、限られた機会を逃さずに、高い目標を実現するために成果にこだわった強い意志を持つことが重要です。

自身の成長のために行動をし続ける

年齢を重ねるにつれ、多くのビジネスパーソンは「成長し続ける」という意思を失ってしまいます。「成長し続ける」意志と、自身の成長のための行動を続けることは困難であり、優れた経営者に備わっている特性と言えます。

管理職

管理職に求められるコンピテンシー3つについて順番に解説します。

目標達成意識が強く、問題解決能力が高い

管理職は、部署としての正しい方向性を見定め、その目標達成への意識を強く持てるかが重要です。目標達成に向けて、問題が発生した時にも打破する強い意志と問題解決能力が求められます。

分析的志向が強く、明確な方針や戦略を打ち出す

部署が抱える問題を解決するためには、現状の分析が重要です。 事業や人にまつわる問題も論理的に分析し、変えるべきポイントが何かを明確にしたうえで、部署の方針や戦略を立てる力が求められます。

対人影響が強く、関連部門に影響を与える

管理職になると、対外的な交渉の矢面に立つ場面が多くなりますので、人柄や立ち振る舞いなど、管理職にふさわしいものが求められます。相手を納得させるためには、堂々とした態度で、常に言動が一致していることが重要です。また、論理的に説得力のある話し方をすることで、関連部署や関係者からも信頼を得られます。

若手社員

若手社員に求められるコンピテンシーは多くありますが、ここでは特に重要なのは3つを解説します。

誠実な対応ができる

誠実な対応ができることで、関係者との信頼関係を築けます。信頼関係を築ける社員は、人間関係の輪が広がりやすく、業務を円滑に進められるようになります。年齢に関係なく誠実な対応ができることは重要ですが、若手社員にとっては人間関係や業務を円滑に進めるためにも、誠実な対応が重要と言えます。

学習意欲がある

入社当初から学習意欲がある若手社員は、どのような業務でも「自身の成長につながる」という考えを持ち、積極的にものごとを吸収します。ものごとを積極的に吸収することで、自身の成長だけではなく、周囲から好印象を得られます。

主体的に行動する

企業が活性化するためには、主体的に行動する人材が必要です。他責や他人任せの思考ではなく、自らが積極的に考え、行動していくことで、自身の成長と企業の発展に大きく役に立つでしょう。 ​​

 

04コンピテンシーアセスメントの導入方法

ここからは、コンピテンシーアセスメントの導入方法について順番に解説します。

部門ごとに行動の特性をヒアリング

コンピテンシーアセスメントは行動特性の分析が必要なので、まずは高い成果を上げている人材に行動の特性をヒアリングします。高い成果を上げている人材が、「どのように考え、行動をしているのか」を把握することで他の人材との違いや成果に結びついている要因を分析できます。部門ごとに成果に結びつく行動や特徴は異なるので、部門ごとに成果を上げている人材にヒアリングを行います。

行動特性のモデル化

高い成果を上げている人材からヒアリングをした行動特性を、他の人材でも真似しやすいようにモデル化します。具体的には、どのような行動をどれだけの数こなしているのかなど、数値を用いながらモデル化すると他の人材でも行動しやすくなります。

モデル化の例としては以下の3つに分けられます。

  • ・実在型モデル
  • ・企業が理想とするモデル
  • ・実在型と企業の理想形の高スペック型

自分自身での目標設定

部署ごとにコンピテンシーのモデル像が完成した後は、社員が自分自身で目標を設定します。重要なのは、会社の方針や部署ごとに設定された目標値を設定するのではなく、「自分自身で設定すること」です。そうすることで目標達成に向けての意識が強まり、会社や上司目線でも評価や指導をしやすくなるといったメリットも生まれます。

評価のタイミングや方法の決定

最後に、評価のタイミングや方法を決めます。長すぎず短すぎない期間で評価の期間を設定し、社員が自分自身で効果測定をするとともに、上司や同僚といった多方面から評価することを意識します。そうすることで、目標を達成できた時には次の目標設定に役立ち、目標が未達成だった時には多方面からその原因を考え、改善することに役立ちます。

 

05コンピテンシーアセスメント活用の具体例

コンピテンシーアセスメント活用について以下の2つの基準について具体例を紹介します。

  • ・評価基準としての活用
  • ・行動基準としての活用

それでは、詳しく解説します。

評価基準としての活用

評価基準とは、高い成果を上げている人材と同じことがどれだけできているかを評価する基準です。評価基準を行う上で必要なコンピテンシーには以下のようなものがあります。

  • ・コミュニケーション能力
  • ・問題解決能力
  • ・主体性と協調性を兼ね備えた組織的行動力
  • ・自己実現能力

これらのコンピテンシーを、社員全体に共通する「共通基準」と、社員一人一人に求められる「個別基準」に分類して評価をすることで、納得感の強い評価が実現します。

行動基準としての活用

行動基準とは、同じ習慣を行うよう模範にできる基準です。例として、以下のような基準が挙げられます。

  • ・積極的に行動する習慣
  • ・他人を頼らず自立する姿勢
  • ・リスクを恐れず挑戦する姿勢
  • ・環境の変化にも対応できる柔軟性
  • ・誰にでも好かれるような素直さ
  • ・常に向上心を持ち続ける姿勢

従業員がこれらの基準に沿った行動ができるようになると、組織としてのレベルも高まることが期待できるでしょう。

 

06まとめ

今回の記事では、コンピテンシーアセスメントが重要な理由や導入方法について解説してきました。コンピテンシーアセスメントを正しく活用することで、社員を適切に評価でき、社員のモチベーションUPにつながります。コンピテンシーアセスメントを使った基準は多く、すぐに活用するのは難しいため、まずは研修などで考え方や基礎を学びましょう。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でもお気軽にお問い合わせください受付時間:平日10:00〜19:00

03-6416-1614

03-6416-1614

法人向けサービストップ