応用力とは?ビジネスに役立てる方法や身につけるポイントについて解説
応用力は、変化の激しい現代において重要なスキルの1つだと言えます。特にビジネスシーンでは、新しい挑戦や想定外の対応を求められるシーンは少なくないでしょう。本記事では応用力とは何か、ビジネスに役立てる方法、身につけるポイントについて解説します。
- 01.応用力とは?
- 02.応用力はビジネスにどう役立つのか
- 03.応用力のある社員の特徴とは
- 04.応用力がない社員の特徴
- 05.応用力を身につけるポイント
- 06.応用力を向上させるSchooのオンライン研修
- 07.まとめ
01応用力とは?
応用力とは、既存の知識や事例を応用して別の事業や事柄に対応させていく力のことです。例えば、以前のプロジェクトで得た経験・知識を別プロジェクトでも活かしたり、マーケティング職で得たスキルを人事職でも活かすようにしたり、といった具合です。応用力があれば状況が異なっていたとしても、過去の経験を上手く利用して乗り越えることができます。応用力がないと、新しいことに挑戦することが困難になり、結果経験値を積むことができず他の人とますます差がついていってしまいます。そのため、出世・昇格を目指す方は応用力を身につけることを意識した方が良いでしょう。
ビジネスにおいて応用力が重要な理由
ビジネスにおいて応用力は重要な意味を持ちます。現在は昔と比べて変化の激しい時代と言われており、これまで培ってきた常識やスキルが通用しないことも増えています。単に経験を積むだけでは新しい時代には太刀打ちできないと言えるでしょう。業務経験をしっかり積みつつ、経験していない分野でも応用して取り組めるだけの応用力が重要になります。社員の応用力を高めることで、各々が自信を持って新しいことに取り組めるようになり、企業全体の生産性にもつながる見込みがあると言えます。
02応用力はビジネスにどう役立つのか
応用力を高めることで、ビジネスのあらゆる場面に有利に立ち回ることが可能です。応用力を高めるメリットには、以下の4つがあると言えます。
- 1.上司の指示を待たずに行動できる
- 2.情報が少ない状況においても知見や経験を活かすことができる
- 3.緊急時・障害時に素早く対応できる
- 4.管理職としても活躍できる
1.上司の指示を待たずに行動できる
応用力があれば、上司の指示を待たずとも自ら行動することができます。自分で考えて行動できるようになれば、主体性があるとみなされ社内評価も高めることが可能です。応用力の高い人は上司からやり方を教えられなくても、これまで教えられたことを踏まえて状況を見極めながら進めていくことができます。
2.情報が少ない状況においても知見や経験を活かすことができる
応用力があれば、情報が少ない状況においても知見や経験を活かすことができます。変化の激しい時代ではどんなに知識が豊富でも、それだけでは対処できない場面もあります。また、知識量ではどうしても経験が長い人には勝つことができません。応用力を身につければ業務とは直接関係のない成功例などを調べ、それを応用して活かすことが可能です。応用力がある人材は、その状況にどんなことが求められているのかを把握し、過去の取り組みと類似していること、共通していることを導き出して対応することができます。
3.緊急時・障害時に素早く対応できる
応用力があれば緊急時・障害時にも素早く対応できるようになります。現在進行系で影響が及んでいる状況の場合、今から解決策を調べて対応するというのは難しい場合もあります。しかし、応用力のある人は過去の対応例などから解決策をいち早く思いつき、それを実行することが可能です。緊急時・障害時に率先して活躍できるようになれば、会社の損害を抑制できる人材ということになるため、評価も高まりやすくなるでしょう。
4.管理職としても活躍できる
応用力がある人材は管理職としても活躍できる可能性があります。例えば、部下へのアシストなどはその人の性格やスキルに併せて行う必要があるため、過去の経験が使えない場合も多いです。応用力があれば様々な部下への対応策を考えることができ、プロジェクトにおいて部下の力を上手く発揮させることができます。
03応用力のある社員の特徴とは
応用力が高い社員は管理職としても優秀であるため、新規案件のマネジメントに推薦するなど積極的に活躍させた方が企業にとってメリットがあると言えます。しかし、応用力が高いかどうかをどうやって判断すれば良いか分からない方も多いでしょう。応用力のある社員は次の3つの特徴を持っていると言えます。
- 1.観察力が優れている
- 2.物事の本質を常に考えている
- 3.仕事に対する意欲が高い
1.観察力が優れている
応用力のある人は観察力が優れていると言えます。観察力の優れた人材は、ただ物事を観察するだけでなく「過去に取り組んだことの共通項は何か」、「自分ならどうするか」などを考えています。それによって自身がその状況に直面した場合への対応ができたり、事業のフェーズが進むにつれて次に必要になることが明確になったりします。
2.物事の本質を常に考えている
応用力のある人材は、物事の本質を常に考えている傾向があります。物事の本質が分からないと、他分野に応用することができないためです。例えば、営業を行う場合でも、「商品を売るとは根本的にどういうことなのか」自分なりに結論が出ていないと、他の顧客に営業を行う際に応用して対処していくことが難しくなります。応用力を高めたい方は、「そのプロジェクトや顧客の目的は何であるのか」、「その仕事の根幹はどこにあるのか」を考えながら日々の業務をこなすことが重要です。
3.仕事に対する意欲が高い
応用力の高い人は、仕事に対する意欲が高いことも特徴として挙げられます。仕事に対する興味がないと、「もっと良くしていこう」という発想がそもそも出ないためです。意欲が高い人は応用力を発揮して、上司の指示がなくても自分で考えて動くことができます。応用力に限らず、社会人基礎力を身につけるにはまず意欲が高いことが条件です。もし、意欲的でない社員がいる場合、その仕事に本当に興味があるのか一度面談を行ったり、ジョブローテーションなどを通じて本人が本当にやりたい仕事を見つけてもらったりすることが重要です。
04応用力がない社員の特徴
応用力がないと新しいことに挑戦する意欲が沸かなくなり、成長が遅れてしまう可能性があります。応用力がない社員は次の2つに該当していることが多いです。
- 1.従来とは違うやり方に懐疑的である
- 2.自分の考えに固執してしまう
1.従来とは違うやり方に懐疑的である
応用力がない人は、従来とは違うやり方を試すことを恐れる傾向があります。これまでのやり方が通用しないものには積極的にチャレンジせず、慣れた業務ばかり取り組もうとします。「失敗するかもしれない」「周りに迷惑をかけるかもしれない」という恐れが根底にあり、これまでのやり方を変更できない方は多いです。
応用力の高い人も、最初から初めての仕事を難なくこなせていたわけではなく、最初は失敗を繰り返してきたことが多いです。失敗から次はどうすれば良いかを学ぶことで、次第に応用力をつけることが普通である、という認識が重要になります。
2.自分の考えに固執してしまう
応用力がない人は自分の考えに固執してしまう傾向があります。業務をこなすうえで自分の考えを持ち、それを基準に進めていくことは大切です。一方、自分の考えに拘りすぎてしまうと、他のやり方を想定しなくなってしまい、視野が狭くなると言えます。変化の激しい時代において、自分の考えに固執してしまうのはマイナス面が大きいです。「そういうやり方もある」ということを受け入れ、今までとは違うやり方も試していくことで、次第に応用力は培われていきます。
05応用力を身につけるポイント
応用力を身につけるためのポイントとしては、以下の3つがあります。詳細について確認していきましょう。
- 1.まずは基礎を固める
- 2.思考フレームワークを活用する
- 3.他人の仕事を観察する
1.まずは基礎を固める
応用力を高めるにはまずは基礎を固めることが重要です。業務において必要な基礎力がないことには、それらを応用することができません。例えば営業職ならプレゼンスキルやセールストーク力、開発職ならプログラミングやインフラ知識などを高めることで、応用力を培うための土台を作ることが可能です。また、基礎を固めることで物事の本質を見極められるようになれば、他の仕事でも知識を応用できるようになります。
2.思考フレームワークを活用する
応用力を高めるうえで思考フレームワークを活用することは有効です。フレームワークとは意思決定を行う際に枠組みとして使えるもののことです。例えば「3C」というフレームワークでは「市場・顧客」「競合」「自社」の3つの観点から新規商品などを考える規則となっており、この規則に従って考えることでアイデアを思いつきやすくなります。また、思考フレームワークを活用すれば論理的に考える癖をつけることができ、応用力を身につける際に必須な論理的思考力も高めることが可能です。
3.他人の仕事を観察する
応用力を高めるには他人の仕事をよく観察することが大切です。他人の仕事を観察することで、自分でも真似できることがないか考えます。なぜこのような業務の仕方を取ったのか、自分ならどのような手法を取るか、などを考えながら観察することでより効果をアップさせられます。また、業務を行ううえで工夫していることに関して本人に直接聞いてみるのも良いでしょう。他人の仕事を観察して視野を広げていくことが、応用力を育てる第一歩です。
06応用力を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級8,500本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は4,000社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
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課題設定力の磨き方~本質的な課題を導き出す方法~
本授業では、生産性やアウトプットの質を高める上で重要な「課題設定力」をどのように磨いていくか、そのノウハウについて学んでいきます。
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株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長
大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。講師として、大前研一ビジネス・ブレークスルー、日本能率協会、日経BPセミナー、大手銀行系研修会社などに多数のプログラムを提供し、高い集客と満足度を得ている。 著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。
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マインドマップの教科書 応用編 -頭を使いこなす力、メンタルリテラシーを鍛える-
今回の授業ではメンタルリテラシーを高めるマインドマップの活用方法を学んでいきます。 情報を持っているだけではなく、どのように活用するかに大きな価値がある時代において、「メンタルリテラシー」が重要な能力になることは間違いありません。より効率的に学び、得た知識をより効果的に活用する方法を学んでいきましょう。
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株式会社ヒューマン・リスペクト 代表取締役
千葉県船橋市出身。 「マインドマップの学校」(https://www.mindmap-school.jp/)代表、人材・組織開発コンサルタント、中小企業診断士。 上智大学卒業後、メーカー勤務等を経て2004年に株式会社ヒューマン・リスペクトを創業。大手・中小企業等に、コンサルティング業務を展開。総登壇日数2,000回超、総計1万人超に対し講演・講義経験を持つ。 また、東京ビッグサイトにおける展示会メインステージ、全国の商工会議所、 経営者協会、ロータリークラブ等で、講演者としても多数指名を受けている。 著書に「マインドマップ戦略入門〜視覚で身につける35のフレー ムワーク」(ダイヤモンド社)がある。
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こんな時どうすればいい? 逆引きビジネスフレームワーク大全
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株式会社朝日広告社 プランニングディレクター
株式会社朝日広告社ストラテジックプランニング部プランニングディレクター。産業能率大学院経営情報学研究科修了(MBA)。日本マーケティング協会マーケティングマスターコース修了。外資系コンサルティングファームなどを経て現職。「外資系コンサルティングファームで培ったロジック」と「広告代理店で培った発想力」のハイブリッド思考を武器に、メーカー・金融・小売り等、幅広い業種のクライアントを支援。マーケティングやブランディング・ビジネス思考をテーマにしたブログ「Mission Driven Brand」を運営。ハンドルネームはk_bird。著書に『問題解決力を高める「推論」の技術』(フォレスト出版)がある。■Mission Driven Brand:https://www.missiondrivenbrand.jp/
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株式会社朝日広告社ストラテジックプランナー
株式会社朝日広告社ストラテジックプランナー。リサーチ・データ分析・戦略立案業務に従事。食品・エンタメ・アパレル・小売り企業・不動産・教育系など幅広くクライアント事業を支援。ウェブ解析士協会認定ウェブ解析士。『ブランディングの教科書: ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる』(kindle direct publishing)共著。
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07まとめ
応用力を高めることは変化の激しい時代において重要なことです。応用力を高めるには会議などで思考フレームワークを導入したり、他人の仕事のやり方を観察できるようにジョブローテーションを導入したりすることが大切でしょう。