公開日:2023/10/19
更新日:2023/10/20

AI人材とは?不足している理由や必要なスキルを解説

AI人材とは?不足している理由や必要なスキルを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年、Chat GPTをはじめとした生成AI技術の急速な技術進展により、企業ではそれらの技術を活用して事業推進を加速させるために「AI人材」の獲得や育成が求められています。マーケット全体で見てもAI人材に該当する人は非常に少なく、今後もますますその育成や獲得が課題となるでしょう。本記事では、AI人材が不足する理由や求められるスキル、育成方法などについて解説します。

 

01AI人材とは

AI人材は、機械学習、ディープラーニング、自然言語処理などAI技術に関する知識や経験を持つ人材のことを指します。 AI人材の役割は、ビジネスにおけるプロセスの自動化やデータ分析、予測モデリング、AI導入の意識決定など運用から経営管理まで多岐に渡ります。 AI技術が急速に発展している昨今、より効率的なビジネスの実現や新たな解決策を見つけ出す重要な存在です。

IT人材との違い

AI人材とIT人材の違いは、専門知識と役割にあります。 AI人材は、機械学習やディープラーニング、自然言語処理などAI特有のスキルを持っており、AIシステムの設計や開発などデータ科学やアルゴリズムの知識が必要です。 一方、IT人材は情報技術全般に精通していて、システム管理やデータベース管理、ネットワークセキュリティなどAI人材と比較して広範な領域のスキルを持っています。

 

02AI人材が不足している理由

高度な技術が急速に進歩する中で、日本ではAIの知識や技術を持った人が少ないと言われています。 では、なぜ日本のAI人材は少ないのでしょうか。詳しく解説します。

  • ・高度な専門知識の不足
  • 少子高齢化や人口減少

高度な専門知識の不足

AIは、近年急速な発展を遂げているため、常に新しい情報を取り入れていかなければなりません。しかし、日本の教育機関や企業体制は、AI技術のスピードに未だ追いついていないのが現状です。 また、AIの知識や技術を身につけるためには、統計学や数学、プログラミングスキルなど高度な専門スキルが必要になり、基礎を学ぶだけでも数ヶ月、実践スキルも身につけるとなるとさらに時間や労力がかかります。 AI技術の取得に時間や労力がかかること、企業や行政の教育体制がいまだAI技術に追いついていないことがAI人材の不足に繋がっていると言えます。

少子高齢化・人口減少

少子高齢化や人口減少は、AI人材不足に大きな影響を与えます。 少子高齢化によって、子供を産む出生率が下がるため若い世代の人数が減少することになります。そうすると、新しいAI専門家を育成するための基盤が脆弱化され、AI人材不足につながります。 さらに、高齢化社会の進行が進み、多くの経験豊富な技術者が定年退職し、その知識と経験が失われてしまう可能性があります。 少子高齢化や人口減少により、若い世代の新しいAI人材の育成が難しくなり、結果的にAI人材の不足につながります。

 

03AI人材の種類

AI分野にはさまざまな専門家が存在します。以下では、AI人材の主要な種類について紹介します。

  • ・データサイエンティスト
  • ・機械学習エンジニア
  • ・ディープラーニングエンジニア
  • ・AIエンジニア
  • ・自然言語処理(NLP)エンジニア
  • ・AIプロジェクトマネージャ
  • ・AIの倫理専門家

データサイエンティスト

データサイエンティストは、データを収集・分析してユーザーのインサイトを理解する専門家です。 統計学やプログラミング、データベース管理などの手法を使って膨大なデータから新しい知見や有用な情報を見つけ出します。 見つけた情報をどのように活用できるのか、どういった結果をもたらすことができるのかを逆算して考え、今後の施策を考えるのもデータサイエンティストの仕事になります。

機械学習エンジニア

機械学習エンジニアは、機械学習アルゴリズムを設計、開発、実装する専門家です。 主にデータの分析や、AIに行なってもらいたい処理をコンピューターに学習させて最適なアルゴリズムの開発や実証を行います。 なかには機械学習を利用して、データサイエンティストやデータアナリストの要素を含む業務を行う人もいます。

ディープラーニングエンジニア

ディープラーニングエンジニアは、深層学習技術を使ってコンピュータープログラムを設計し、画像認識、音声処理、自動運転などのAIシステムを開発する専門家です。 大量のデータから人間の脳の働きを模したニューラルネットワークをトレーニングさせて、パターン認識や予測モデルを構築・作成します。 ディープラーニングと機械学習の違いについて、両方ともAI技術を専門的に扱う意味では同じですが、ディープラーニングは機械学習を発展させた手法で、機械学習の一種に分類されます。

AIエンジニア

AIエンジニアは、AI開発技術の構築や最適化を行う専門家です。 機械学習やディープラーニング、自然言語処理などのAI技術を組み合わせて、AIのアプリやシステムを開発し、実証を行います。 AIエンジニアの中に機械学習やディープラーニングが含まれているため、AIエンジニアは包括的な意味を持っています。

自然言語処理(NLP)エンジニア

自然言語処理(NLP)エンジニアは、コンピューターが人間の言語を理解、解釈、生成できるようにシステムを開発する専門家です。 文章の感情分析や機械翻訳、テキスト要約、チャットボットなどの開発や実証を行います。 自然言語処理の技術を通じて、コンピュータと人間のコミュニケーションを向上させる役割を持っています。

AIプロジェクトマネージャ

AIプロジェクトマネージャは、AIプロジェクトの計画、実行、管理をする専門家になります。 AI技術とビジネスをどのように組み合わせることでビジネスの成功に導けるのか、またタスクの割り振りやスケジュール管理、リソースの調整、リスクマネジメントを通じて予算や業務の効率化を計画します。 AIプロジェクトマネージャは、AIの実装を効率化して企業や組織がAIを戦略的に活用できるような支援をする重要な存在です。

AIの倫理専門家

AIの倫理専門家は、AIの利用における倫理的な課題を改善する専門家のことを言います。 AI利用における倫理問題として有名なのが、「Googleフォトの人種差別」でしょう。 Googleは、画像認識や音声認識などAI技術を積極的に取り入れていますが、過去に黒人を「ゴリラ」と判定してしまう事例が報告されており、大きな話題になりました。 このように、社会的な影響をもたらす可能性のあるAI技術を健全な方向性に定めるのがAIの倫理専門家の仕事です。 具体的な仕事内容として、倫理規範の策定、データプライバシーの保護、バイアスの排除、透明性の確保など、AIの展開における倫理的な側面を評価して、コンプライアンスを決めます。

 

04AI人材に必要なスキル

つづいて、AI人材で成功するために必要なAI人材スキルを紹介します。

  • ・プログラミングスキル
  • ・統計学・数学スキル
  • ・機械学習スキル
  • ・課題解決スキル

プログラミングスキル

プログラミングスキルは、AIエンジニアやデータサイエンティストに必要なスキルです。 AIはアルゴリズムに基づいて動作し、そのアルゴリズムはプログラミングによって実装されるため、プログラミングスキルがなければAI技術の開発や検証が行えません。 また、AI技術で使用される主要なプログラミング言語は「Python」になるので、プログラミングスキルの中でもPythonの言語スキルは必要不可欠になります。

統計学・数学スキル

統計学と数学は、特にデータサイエンティストに必須のスキルです。 統計学では、データの傾向やパターンを理解して、数学はAIのアルゴリズムを理解するためAIのデータ解析に必要不可欠です。 統計学と数学の知識やスキルがないと、AIの性能を最大限に引き出すことが難しくなるでしょう。

機械学習スキル

AI人材は、機械学習に関連した知識やスキルも必要になります。 機械学習スキルを持つことで、膨大なデータをAIに読み込ませて、行動パターンを見つけ出すことができるので、AI技術の発展に役立てることができます。

課題解決スキル

AIの目的は問題の解決やタスクの自動化です。 課題解決スキルを持つことで、ビジネスの課題を見つけ出して、それをAIに適用することで効果的な改善を提供することができます。

 

05AI人材を育成する方法

それでは最後にAI人材を育成するための方法についてご紹介します。

  • ・自己啓発(SD)やeラーニングの活用
  • ・AI・DX研修の実施

自己啓発(SD)やeラーニングの活用

自己啓発(SD)は、社員個人が学習する内容を決めて、自発的に受ける教育研修方法のことを言います。 企業が社員に対して強制的にAI学習を促すのではなく、個々のペースに合わせて勉強をしてもらうように働きかけることが重要です。 そのような学習法に最も適しているのが「eラーニング」です。 eラーニングは、パソコンやタブレット、スマホで自分にあった学習プログラムを視聴でき、自分の空いた時間や場所にとらわれずに学習が可能です。 個人が自分の興味に基づいて学習プランを立てることができるので、必要なスキルを重点的に磨くことができます。

AI・DX研修の実施

企業やチーム内でAI人材を育成するためには、AIやデジタルトランスフォーメーション(DX)に焦点を当てた研修プログラムを実施することが重要です。 社内の専門家や外部のAI専門家を招いて、社員に対してAI技術や教育に関するトレーニングを提供しましょう。さらに、教育だけでなく実践的な経験も積ませることが必要です。 AIやDXの研修を通してAI育成を行うと、AIの知識や技術だけでなく以下のスキルも身につけることができます。 専門的な知識を身につけるだけでなく、ビジネスにおけるマネジメント知識も同時に取得できるようになります。

▼ 研修を通じて身につくスキル

  • ・最新技術への適応
  • ・リーダーシップの育成
  • ・トレンドへの適応
  • ・論理的な思考
  • ・戦略的な投資視点
  • ・競争力の向上

 

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06まとめ

本記事では、AI人材の概要や需要、具体的な職種や求められるスキルについて紹介しました。 近年、新しいAI技術が次々にリリースされて、今後ますます需要が高まってくることが予想されます。 これかAI人材の育成や教育をしていきたい方はぜひ本記事を参考に、自分に適したAIスキルをみつけてみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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