更新日:2025/12/19

研修資料の作り方【完全ガイド】わかりやすく伝わる資料のポイントを徹底解説

研修資料の作り方【完全ガイド】わかりやすく伝わる資料のポイントを徹底解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

研修資料は、受講者の理解度や研修の成果を左右するため、わかりやすく作成することが求められます。一方で、情報が多すぎて複雑になったり、スライドの見づらさで伝わりにくくなったりすることも少なくありません。わかりやすく効果的な資料を作るには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。本記事では、直感的に理解できるスライドの作り方を一から解説します。

 

01わかりやすい・見やすい研修資料を作る重要性

分かりやすい研修資料を作成することは、受講者の理解を深め、研修効果を高めるために不可欠です。そして研修のゴールは、単なる知識の習得ではなく、最終的な「行動変容」にあります。つまり研修資料も、受講者の行動変容に役立つものになっている必要があります。

しかし、その目的を十分に果たせるだけの資料を作成することは、決して容易ではありません。熟練者である講師が、知識を持たない初心者の視点まで降りて考えることは、想像以上に難しいからです。さらに教え手は、限られた時間で何を伝えるべきかの情報設計力や、伝えたい内容を適切に表現するためのデザインと構成力も求められます。

 

02研修資料を作成する流れ

研修資料の作成は、以下の4つの工程で進めます。

  • 1:研修ゴールと目的を明確にする
  • 2:必要な情報を整理し構成案を作る
  • 3:スライドや図表を用いて資料を作成する
  • 4:レビューとリハーサルを行う

ここでは、それぞれの工程について詳しく紹介します。

1:研修ゴールと目的を明確にする

企業研修の進め方 設計と効果測定のコツ

研修資料を作成する際、いきなりスライドの作成などに着手すると、手戻りが発生する可能性が高まります。まずは受講者に「何を理解してもらい、研修後にどう行動してほしいか」を具体的に言葉にして、研修のゴールと目的を明確にしましょう。

また研修ゴールを明確にする上では、トレーニングゴールとパフォーマンスゴールの違いを理解しておくことも大切です。Schoo授業『企業研修の進め方 設計と効果測定のコツ』では、講師の深田 浩嗣先生がトレーニングゴールを「何を習わせるのか・覚えさせるのか」、パフォーマンスゴールを「職場での行動変容」と整理したうえで、最終的にパフォーマンスゴールの方が重要であると解説しています。

2:必要な情報を整理し構成案を作る

続く工程では、明確にした研修ゴール達成に向けて、必要な知識・スキル・情報を全て洗い出します。そしてそれらをグルーピングして整理を行い、研修を通じて「これだけは持ち帰ってほしい」という核となるメッセージを優先的に絞り込みましょう。その後、「導入→本題→まとめ」の基本構成 に沿って、学習効果の高いストーリーを構築し、各項目に時間配分を決定します。

3:スライドや図表を用いて資料を作成する

ここまで情報の整理を行ったら、具体的にスライドや資料へのアウトプットを始めます。スライドを作るときは「1スライド1メッセージ」を意識しながら、伝えたい情報を最小限の文字数で簡潔にまとめることを心がけましょう。

またこのあと詳細に解説しますが、図表やグラフを積極的に活用し、視覚的に訴えることも、理解促進のために効果的です。その際はフォントや色使いの統一感を重視し、適度な余白を設けると見やすさが向上します。情報の詰め込み過ぎや複雑なアニメーションは避け、受講者が講師の話に集中できるよう工夫すると良いでしょう。

4:レビューとリハーサルを行う

資料が完成したら、誤字脱字や内容の過不足を徹底的に確認しましょう。また研修のゴールである「受講者の行動変容」を促進できる資料になっているか、という観点でも内容を見直します。作成者は主観が入りがちなので、第三者によるダブルチェックなども活用して、客観的に評価するとよいでしょう。

また実際の研修を想定したリハーサルを行うことも大切です。リハーサルは録画などを用いて1人でもできますが、同僚など第三者からのフィードバックを得ることで、研修の質を最大化できます。


 

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03わかりやすい研修資料を作成するためのポイント

わかりやすい研修資料を作成するためのポイントには、主に以下の5つがあります。

  • ・情報を詰め込みすぎず、簡潔に伝える
  • ・フォントやカラー、レイアウトは一貫性を持たせる
  • ・図やグラフ、アイコン、写真などを使う
  • ・基本の図解を押さえる
  • ・アニメーションは多用しない

情報を詰め込みすぎず、簡潔に伝える

資料作成においてまず大切なのは、情報を絞り込み簡潔に伝えることです。受講者が瞬時に理解し、脳の負担を軽減できます。具体的な手法としては、「1スライド1メッセージ」・「KISSの法則」などが挙げられます。

1スライド1メッセージ

プレゼンテーションのための分かりやすい資料作成(基礎編)

「1スライド1メッセージ」とは、1つのスライドにつき1つのメッセージを入れる手法のことです。これを意識することで、ぱっと見たときの情報量を少なくし、内容を簡潔に伝えられます。

またSchoo授業『プレゼンテーションのための分かりやすい資料作成(基礎編)』では、「1スライドにかかる時間はさまざまなので、全体のスライド枚数に制約はない」ことも解説しています。例えば1スライドを1分と換算すると、「40分で40枚」のようにスライド枚数に制限が生じます。講師の森重先生は、このように先に全体の枚数を制限するのではなく、まずは1スライド1メッセージで作ってみて、全体の発表とかかった時間をもって調整していく方法をおすすめしています。

KISSの法則

プレゼンテーションのための分かりやすい資料作成(基礎編)

「KISSの法則」とは「Keep It Short and Simple」の略であり、スライド作成時に短くシンプルにすることを示しています。授業『プレゼンテーションのための分かりやすい資料作成(基礎編)』では、その具体的な適用方法として、以下の3つの方法を紹介しています。

  • ・凝縮:文章の短縮、単純化(書ききれないところをプレゼンで補足する)
  • ・体言止め:文の終わりを「体言」(名詞や代名詞)で終える
  • ・必要性考察:装飾や伝えたいメッセージに関係のない情報などを削る

これらを用いると、受講者にとって負荷が低く、頭に入ってきやすい資料が作りやすくなります。

フォントやカラー、レイアウトは一貫性を持たせる

見やすい資料を作るうえで、フォントやカラー、レイアウトに一貫性を持たせることもとても大切な要素です。資料全体に統一感が生まれ、受講者はスムーズに情報を認識できるようになります。次で、それぞれについてのポイントをお伝えします。

フォント

プレゼンテーションのための分かりやすい資料作成(基礎編)

授業では、分かりやすい資料づくりにおすすめの日本語フォントとして、Windowsならメイリオ、Macならヒラギノや角ゴシック、を紹介しています。また欧文ではSegoe UIが挙げられています。これらのフォントはいずれも視認性・可読性・判読性が高く、太字にしたときのメリハリが効きやすいフォントです。またフォントサイズを18pt以上にすることで、文字サイズによる読みづらさも回避できるようになります。

加えて、文字自体の色選びも大切です。文字色は真っ黒ではなく濃い灰色(例:#333333)、背景は薄い灰色(例:#F3F3F3)にすると、目のギラつきを抑えられ、長時間見ても疲れにくくなります。いずれも、スライド全体で一貫性を持たせることがポイントです。

カラー

研修資料では、色の使い方が理解度を左右します。多色使いやカラフルな文字色、不要な枠線は視覚的なノイズとなり、受講者の集中を妨げてしまいます。色数が増えるほど、それぞれの色が持つ意味も曖昧になり、かえって伝わりにくくなるのです。

Schoo授業『わかりにくい資料の直し方』では、講師の清水久三子先生が以下のようなBefore Afterを用いて解説しています。余計な色数を徹底的に減らし、統一された色でまとめると、視覚的ノイズが減り、情報認識がスムーズになります。

わかりにくい資料の直し方) わかりにくい資料の直し方)

レイアウト

授業『プレゼンテーションのための分かりやすい資料作成(基礎編)』では、わかりやすい資料作成における「4つのレイアウトの基本ルール」を紹介しています。そのルールとは以下の通りです。

  • ・揃える: スライド内の要素をきちんと整列させることで、見やすくなり、受講者がすばやく情報を読み取れるようになります。
  • ・グルーピング: 関連する情報(テキストと画像など)を近くに配置してまとめることで、何が関連しているかを一目で把握でき、理解しやすくなります。
  • ・余白: スライドに適切な空白を設けることで、情報の詰め込みすぎを避け、受講者が窮屈さを感じずに、スムーズに内容を読み取れます。
  • ・縦並びと横並びの使い分け: 論理的な流れやストーリーは縦に並べ、並列の関係にある情報や比較対象は横に並べます。これにより、視線の動きが自然になり、理解を助けます。

これらの基本ルールを意識することで、スライド作りに慣れていない人でもわかりやすい研修資料を作成できるでしょう。

図やグラフ、アイコン、写真などを使う

授業『資料作成の基本と表・グラフ』では、文字表現・図解・画像といったさまざまな表現方法について、縦軸「一度に受け取れる情報量(多いか少ないか)」と、横軸「表現したいものが事実か、概念的なものか」という2つの軸で整理しています。

この整理の場合、具体的な数値やデータといった「事実」を伝える際には表やグラフを用いるのが適しています。一方で、抽象的な関係性やプロセスといった「概念」を伝える場合は、図を用いると効果的です。この分類を意識し、伝えたいメッセージに最適な図解を選ぶことで、情報認識にかかる時間を短縮し、受講者の理解を深めることに繋がります。

基本の図解を押さえる

伝えたいメッセージに最適な図解の形式を選ぶことで、過度な説明をせずに、伝えたいことを伝えられます。Schoo授業『最低限の労力で伝わるいい感じの資料作成術』では、講師の松上 純一郎先生が、押さえておくと便利な図解の基本型として以下の6つを紹介しています。

最低限の労力で伝わるいい感じの資料作成術フ
  • ・列挙型: 関連性のない複数の情報を単にリストアップする際に使用します。
  • ・背景型: 複数の原因が一つの結果につながる状況を示す際に適しています。
  • ・拡散型: 一つの原因から複数の結果が派生する状況を表現する際に有効です。
  • ・合流型: 複数の要素が一つの結論や成果に集約される構造を示します。背景型と似ていますが、時間のギャップを強調できます。
  • ・フロー型: 時間の流れに沿ったステップやプロセスを順序立てて示す際に広く使われます。
  • ・回転型: 繰り返しのサイクルやスパイラルを表す際に用いられ、PDCAサイクルなどが代表例です。

これらの基本型を使いこなすことで、さまざまな情報を効果的に視覚化できます。

アニメーションは多用しない

授業『プレゼンテーションのための分かりやすい資料作成(基礎編)』では、スライド作成時のアニメーション使用について、「アニメーションは基本は使わない、使うにしてもシンプルに使う」ことをおすすめしています。理由は、受講者の注意が逸れ、本質的なメッセージの理解を妨げるためです。

派手な動きや凝ったアニメーションは、受講者の視線を動き自体に引きつける一方で、肝心な内容への集中を阻害する可能性があります。これにより、伝えたいメッセージが効果的に伝わりにくくなります。そのため、アニメーションを使用する場合は、「ただ現れる」(アピール)や「色が変わる」程度の、地味でシンプルなものに留めることが推奨されます。


 

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・自己啓発への活用方法 など


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04研修資料作成のスキルアップならSchoo For Business

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最低限の労力で伝わるいい感じの資料作成術

最低限の労力で伝わるいい感じの資料作成術

本授業ではどうやったら時間をかけずに「人に伝わる、良い見た目の資料」を仕上げることができるのか?その方法を学ぶことができます。講師は、『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』の著者であり、個人向けの資料作成講座も実施されている松上 純一郎先生です。

  • 株式会社Rubato 代表取締役

    同志社大学文学部卒業、神戸大学大学院修了、University of East Anglia修士課程修了。 米国戦略コンサルティングファームのモニターグループで、外資系製薬企業のマーケティング・営業戦略、国内企業の海外進出戦略の策定に従事。 その後、NGOに転じ、アライアンス・フォーラム財団にて企業の新興国進出サポート(バングラデシュやアフリカ・ザンビアでのソーラーパネルプロジェクト、栄養食品開発プロジェクト等)や栄養改善プロジェクトに携わる。 現在は株式会社Rubato代表取締役を務める。 Rubatoにて自身のコンサルティング経験から、提案を伝え、人を動かす技術を多くの人に広めたいという想いで、個人・法人向けの研修を提供している。

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成果につながる仕事のススメ

成果につながる仕事のススメ

本授業は 、資料作成の基本から図解を用いたビジュアル表現まで学習できます。わかりにくい資料の直し方も紹介しており、自身が資料を作成する際の参考にもなるでしょう。

  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。講師として、大前研一ビジネス・ブレークスルー、日本能率協会、日経BPセミナー、大手銀行系研修会社などに多数のプログラムを提供し、高い集客と満足度を得ている。 著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。

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1年目に知っておきたかったパワポのお作法

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  • シリョサク株式会社 代表取締役

    1994年東京都生まれ。東京大学工学部卒。サントリーで通販事業のCRM・広告などを担当する傍ら、趣味のPowerPointで作成したスライドがTwitterで反響を呼び、11万人以上のフォロワーを集める。「くだらないけど、ためになる」をモットーに、スライド作成に役立つノウハウや、クスっと笑えるネタ画像を各種SNSで発信している。2022年に独立し、「資料をもっとおもしろく。」を目指すクリエイティブカンパニー「シリョサク株式会社(旧:株式会社Cataca)」を創業。著書に『秒で伝わるパワポ術』『秒で使えるパワポ術』(KADOKAWA)

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プレゼンテーションのための分かりやすい資料作成

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本授業では、仕事などでPowerPointでスライド資料を作る機会がある方に向けて、「基本的な使い方は分かるけどもっと上手に作りたい」・「スライド作成なんて独学だからよくわからない」といったお悩みを解消します。スライド作成技術を具体例や実践を交えながらお伝えします

  • SKETチーフデザイナー

    SlideShareに「見やすいプレゼン資料の作り方」をアップロードした直後1ヶ月間で閲覧数30万回を超えました. 普段はおもにスマートキャンプ株式会社の資料作成チーム「SKET」でチーフデザイナーを担当しています. 様々な企業資料をリデザインしたり,他のデザイナーの編集したものをチェックしたりしています.

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05まとめ

わかりやすい研修資料の作成は、受講者の行動変容を促すことが明確な目的です。そのためにはゴールを意識して情報設計をすること、情報の詰め込み過ぎを避け簡潔に伝えることが重要です。資料デザインにおいては、フォントやカラー、レイアウトに一貫性を持たせ、統一感を出すことで視覚的負担を軽減します。特に、多色使いや派手なアニメーションは避け、シンプルに情報を伝えるようにしましょう。また視覚的な理解を助ける図やグラフは上手く活用できると効果的です。最適な図解の基本形式を選ぶことで、直感的な理解を促し、説明のいらないスライドを目指します。ぜひ本記事を参考に、わかりやすい研修資料を作成してください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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