人事に求められるスキルとは?役割や必要な知識についても解説

人的資本経営の考えが広がる中、人事部門は企業方針に基づき人材を戦略的にマネジメントする、経営の中核的役割を担っています。採用から育成、評価、配置、制度運営など、業務領域は多岐にわたり、企業の成長と社員の成長を繋ぐ存在です。こうした期待に応えるために人事担当者にはどのようなスキルや知識が必要なのでしょうか。本記事では、人事に求められる多様なスキルや知識、学習方法、そしてスキルアップにおすすめの資格について解説します。
- 01.人事の役割と仕事内容
- 02.人事に求められるスキル
- 03.人事が身につけるべき知識
- 04.人事に向いている人の特徴
- 05.人事のスキルアップのための学習方法
- 06.人事のスキルアップにおすすめの資格
- 07.人事のスキルアップに役立つSchoo for Business
- 08.まとめ
01人事の役割と仕事内容
Schoo for Businessの授業『人事になった。まずはここから』に登壇する岡田英之先生は、人事の業務は非常に幅が広いものの、概ね以下の5つの領域に分類できると解説しています。
| 領域 | 具体的な業務 |
| 経営理念 | 理念浸透、人事ポリシー策定 |
| 人事制度 | 制度ポリシー、等級制度、評価制度などの策定 |
| 人事管理 | 労働法規対応、勤怠管理、就業規則整備など |
| 人材フロー | 採用業務、任免、異動配置など |
| 人材育成 | 階層別研修、キャリア支援、組織活性化など |
ただし、こうした業務は単に並列的にこなすものではなく、特に中小規模の企業では一人の担当者がこれらを横断的に担う「ひとり人事」の状況も珍しくありません。岡田先生によると、人事は制度設計する「プロデューサー」としての役割、制度を現場にインストールする「ディレクター」としての役割、組織の人間関係や不平不満を上手く調整する「フィクサー」としての役割を同時に担っています。
加えて、近年は人的資本経営やエンゲージメント向上といったテーマが経営課題として浮上しており、人事への期待はますます高まっていると言えるでしょう。
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組織・人事マネジメント実践家
1972年生まれ。早稲田大学卒。東京都立大学大学院 社会科学研究科(現在は経営学研究科)博士前期課程修了(経営学修士(MBA))。株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員。1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において、通算30年間人事及びコンサルティング業務に従事する。中小規模企業でのひとり人事から中堅規模企業の人事に精通している。
02人事に求められるスキル
制度設計から社員個々人のサポートに至るまで、さまざまな業務を担う人事担当者には、複合的なスキルが求められます。ここでは、人事業務に必要なスキルを紹介します。
▶︎参考:SHRM Body of Applied Skills and Knowledge(2025)|The Society for Human Resource Management
倫理観とコンプライアンス意識
人事は、社員のプライバシーや企業の機密情報など、機密性の高い情報にアクセスし、適切に管理する責任を担っています。こうした情報の取扱いを誤れば、個人情報漏洩や訴訟リスクにつながりかねず、組織全体の信頼が大きく損なわれます。そのため、高い倫理観と情報管理への感度が不可欠です。
加えて、人事には企業内の倫理的環境を醸成する役割もあります。具体的には、ハラスメント防止研修の定期実施や内部通報窓口の整備・周知、行動規範の策定と見直しといった取り組みが求められます。モラルやコンプライアンスの知識を持つだけでなく、「違反が起きにくい仕組み」を能動的に設計できるかどうかが、組織の健全性を左右します。なお、こうした仕組みが形骸化しないよう、定期的な運用チェックと社員への啓発を継続することも重要です。
公平性・公正性
従業員が会社を信頼するために、制度の公平性・公正性は欠かせない要素です。上司の好き嫌いによって昇給が決まる、同等の成果を出しているのに評価が異なる、育成機会が一部の人にしか与えられない、といった状況は、従業員にとって大きな不満につながる可能性があります。そのため人事には、従業員を公平・公正に扱う一貫性と説明責任が求められます。
一方これは、必ずしも「全従業員を同じ処遇にする(平等)」と同義ではありません。能力の発揮レベルや成果の大きさによって処遇が変わること自体は、企業経営上合理的なことです。重要なのは判断基準とプロセスを説明できる状態にすることです。
そのため制度面では、判断基準を明確にし、運用における主観の入り込みを抑える仕組みを整えることが有効です。さらに人事担当者には、自身の認知の偏りに自覚的であることに加え、データや手続きで偏りを点検・是正する姿勢も求められるでしょう。
リーダーシップ
人事におけるリーダーシップとは、単にチームを統率する力ではなく、組織全体を変革へと導く推進力を指します。採用方針の転換や新しい評価制度の導入、働き方改革の推進といった場面では、全社員に影響が及ぶため、その意図と根拠を丁寧に説明し、利害の異なる関係者を束ねる力が不可欠です。
例えば、年功序列型から成果重視型への評価制度移行を進める場合、現場からの反発は避けがたい課題です。制度変更の背景にある経営課題を明示し、移行プロセスを段階的に設計することで、社員の不安を軽減しながら変革を推進することが必要になるでしょう。人事は「制度を運用する役割」にとどまらず、明確なビジョンを示して社員の行動変容を促す「変革の当事者」としてのリーダーシップが求められます。
ビジネス感覚
人事は一般に「管理・事務系」の仕事であると位置づけられやすい一方、現代の人事担当者にはビジネス感覚も欠かせない要素となっています。ビジネス感覚とは、組織の戦略計画に貢献するために、情報を理解し適用する能力のことです。具体的には、自社のビジネスモデルに対する理解、競合他社を含めた市場環境への理解、財務諸表を読み解く力などが挙げられます。
これらの感覚がない場合、人事施策が事業成果にどのように貢献するのかを語るのが困難となります。さらに、施策が独りよがりになり、現場の運用工数を増やすなど、業務進行を圧迫する事態も起こり得ます。高いビジネス感覚を持ち、経営者の視点を理解することではじめて、戦略の実現に役立つ人事施策の立案と実行が可能になります。
コミュニケーション能力
人事の仕事は常に「人」が関わるため、高いコミュニケーション能力が不可欠です。ただし、求められるコミュニケーションの質は場面によって大きく異なります。経営層に対しては、データや根拠をもとに施策の意図と期待効果を簡潔に伝える力が重要です。一方、現場の社員に対しては、制度変更の背景をわかりやすく説明し、納得感を得てもらうための丁寧な対話が求められます。採用の場面では、候補者に自社の魅力を的確に伝えると同時に、候補者の志向やキャリア観を深く聴き取る傾聴力が鍵を握ります。 こうした多面的なコミュニケーションの基盤となるのが信頼関係です。日頃から社員の声に耳を傾け、小さな変化にも気づける関係性を築くことが、結果として制度の円滑な運用や組織の課題の早期発見につながります。
関係構築力・調整力
人事は経営層、各部門マネージャー、現場の従業員など多様なステークホルダーと接点を持ちます。それぞれが異なる立場や利害を持つ中で、対立する意見を調整しながら合意を形成する力が求められます。
たとえば、ある部門がエース人材の異動に難色を示す一方、別の部門や経営層が全社最適の観点から異動を求めるといった場面は日常的に起こりえます。こうした局面では、双方の事情を丁寧にヒアリングし、異動の目的やその社員のキャリアにとっての意義を共有することが合意形成の足がかりとなります。ただし、すべての利害を満たせるケースは少なく、「何を優先するか」の判断軸を持っておくことも大切です。信頼を土台にした対話力が、組織全体を動かす基盤となります。
情報収集・分析力
人事は従業員の不満やキャリア希望、潜在的な組織課題など「放置すれば見えにくくなる情報」を正確に収集する力も求められます。定期的な1on1面談やエンゲージメントサーベイ、eNPS(従業員推奨度)といった定量的な指標に加え、現場の声や面談から得られる定性的な情報を組み合わせて、課題の兆候を分析することが不可欠です。
こうしたデータの活用は「ピープルアナリティクス」として近年注目を集めており、離職予兆の検知や配置の最適化など、データに基づく意思決定へのニーズが高まっています。ただし、数字だけに頼ると現場の実態を見誤るリスクもあるため、データと現場感覚を併せて解釈する姿勢も重要です。
課題発見・解決力
人事は、経営戦略の実現を組織面から支える役割を担います。短期・中長期双方の視点で組織を捉え、制度や人材の配置は適切か、期待するパフォーマンスが発揮できているのかを的確に捉えることが求められます。
一般に、組織の課題はさまざまな要因が複雑に絡み合って表出していることが多いです。例えば「離職率の上昇」を取り上げても、報酬・評価制度・職場人間関係・キャリア設計などさまざまな要素が影響している可能性があります。組織課題の解決のためには、それらを構造的に解きほぐし、根本要因にアプローチすることが必要です。これはただ定量的なデータを見るだけでは困難なケースもあり、現場での聞き取りや観察といった定性的なアプローチが必要になることも多いでしょう。このように人事担当者には、データと現場理解を往復しながら仮説検証を進め、解決策を設計・実行する高度な課題発見・解決能力が求められます。
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03人事が身につけるべき知識
人事は制度運用するにあたって、労働法などの専門知識が求められる他、人材開発、キャリアなどの対人支援に関する知識、人事制度の設計や効果に関する知識など、さまざまなノウハウが必要です。ここでは人事が習得すべき知識領域とその具体的内容を解説します。
経営戦略と人事戦略の知識
現代的な人事の役割は、経営戦略を理解し、それを人事戦略に落とし込むことです。そしてその実現には、企業の事業計画を構造的・定量的に理解するための知識や、必要な人材像や組織の在り方を設計し、採用・育成・評価施策と結びつけるための知識が不可欠です。具体的には、以下が挙げられます。
- ・戦略立案のフレームワーク(SWOT、マーケティングの4P、バリューチェーンなど)
- ・財務知識(損益計算書、貸借対照表など)
- ・人事戦略のフレームワーク(リソースベースドビュー、トータルリワード戦略など)
これらが不足すると、人事施策と戦略の連動性が薄れ、戦略実現に貢献度の低い施策が優先的に実施されるなどのリスクが高まります。
人事制度の知識
評価制度、等級制度、報酬制度といった人事制度に関する知識は、人事に必須の専門領域です。例えば評価の設計・運用には、MBO(目標管理)やOKRを用いた目標設定、コンピテンシー評価などさまざまな手法があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。また、人事制度は各社共通で絶対的な正解があるものではなく、実現したいビジョンや企業文化によっても適切な制度設計は変わってきます。
例えば、必要とするスキルの専門化に伴い「ジョブ型」の等級制度を採用した一方で、報酬が年功序列型のままであれば、等級(期待役割)と報酬(処遇決定要因)の間に齟齬が生じやすくなります。人事担当者には、組織の目指す姿の実現に向けて、等級・評価・報酬が同じメッセージを発するように制度全体を組み合わせる知見が求められます。
人材開発の知識
人の能力向上、キャリア設計、チームワークに関する知見は、社員が成長し続ける環境を整えるうえで人事にとって不可欠です。実務では、戦略実現のために中長期的に必要になる人材要件(スキル・経験・役割)を踏まえ、研修やOJT、自己啓発支援など学びの仕組みを設計し、能力開発をサポートすることが求められます。
また終身雇用を前提とした働き方が揺らぐ中で、従業員の貢献意欲とモチベーションを高めるには、社員それぞれがキャリアと業務を結びつけられる環境づくりも欠かせません。人材開発に関する知識は、採用だけに頼らず戦略に必要な能力を社内で育て、結果として生産性向上と人材確保の両面に寄与する観点でも重要です。
採用に関する知識
採用は組織の成長を支える重要な活動であり、効果的に進めるには採用手法、採用ブランディング、採用計画策定などに関する知識が欠かせません。求める人材像を明確にし、適切なチャネルで候補者にアプローチする力が求められます。採用の知識が不足していると、母集団形成がうまくいかなかったり、入社後のミスマッチが頻発したりする原因にもなります。選考プロセスや面接技術への理解を深めることで、企業と候補者の双方にとって最適なマッチングを実現しやすくなります。
リソース管理の知識
リソース管理の知識とは、「必要な時に、必要な場所に、最適な人材を、投資対効果に見合うコストで配置する仕組み」をつくるための知見です。組織は人で構成される以上、経営戦略を“実行”に移すうえで実務に直結する重要領域の一つに位置づけられます。
具体的には、どの部署でどんな人材がどれだけ必要になるかを中長期で見立てる要員計画、既存従業員のスキルの把握、労働時間や生産性を可視化しボトルネックを特定する運用などが含まれます。適切な配置により人員の余剰や不足を防ぎ、機会損失や過剰負荷を抑えながら、柔軟で持続可能な組織運営を可能にします。
労働法などの法令知識
人事は、労働基準法や労働契約法、社会保険制度、就業規則など法令に関する知識を持つ必要があります。これらは従業員を守るだけでなく、企業のコンプライアンスやリスク回避にも直結します。法令知識が不足した状態で労務判断を行えば、意図せず法令違反を犯し、労働紛争や行政処分に発展する可能性もあります。とくに労務トラブルや労使交渉の場面では、正確な法令理解に基づく迅速な対応が不可欠です。人事担当者が法的基盤をしっかりと理解していることで、社員が安心して働ける環境を提供できます。
04人事に向いている人の特徴
人事の仕事は組織と人材の成長を支える重要な役割を担います。そのため、人に関心を持ち、公平な視点で判断できることが求められます。ここでは、人事に適性を持つ人の特徴を具体的に紹介します。
人の成長や組織成長に関心の高い人
人事は社員一人ひとりの成長を支援し、組織全体を活性化させる役割を担います。そのため、人や組織の変化に関心を持ち、そこに喜びややりがいを見いだせる人と相性が良いです。逆にこうした関心が薄いと、育成施策が表面的な「作業」に留まり、社員のキャリア形成や組織力の向上につなげにくくなる傾向があります。人材開発や制度設計を通じて社員の可能性を引き出し、それを企業成長へと結びつけられる姿勢が重要です。
客観的・公正な視点で物事を捉えられる人
人事業務は社員の評価や処遇に関わるため、個人的な感情や主観に左右されず、データや事実、規程・ルールに基づいて判断する姿勢が不可欠です。また、人の認知にはバイアスが生じるため、「自分は公平である」と過信せず、判断根拠を振り返る自己点検の視点も大切です。 この視点が欠けると、例えば従業員同士のトラブルにおいて地位の高い側を一方的に保護してしまう(※権威バイアス)など、偏りのある対応をしかねません。人事の発言や行動は会社を代表したものと受け止められることもあるため、当事者への配慮と公平性を両立しながら、冷静で一貫性のある判断ができることが望まれます。
全体最適に物事を考えられる人
人事は個別の社員への配慮と組織全体への影響のバランスを見極めながら、判断を行う必要があります。例えばある従業員が「営業」から「企画」に異動希望を出していたとしても、営業部門からは業績の観点で現配置の継続を求められるかもしれません。このような時には、本人のキャリア展望、会社としての期待、全社視点に立った人員計画などを総合的に勘案して判断する必要があります。組織全体を俯瞰し、整合性と納得感を保ちながら意思決定できることは、人事における重要な資質です。
粘り強く物事に取り組める人
人事施策はすぐに成果が見えるものばかりではなく、効果が現れるまで半年から数年を要することも珍しくありません。短期的な結果が出ないからといって施策を打ち切ってしまうと、組織には「また途中でやめた」という不信感だけが残ります。そのため、計画を継続的に推進し、成果が出るまで責任を持って取り組める粘り強さが求められます。定期的に進捗を振り返りながら、必要に応じて軌道修正できる柔軟さも合わせて持つことが望ましい特徴です。
学習意欲が高く変化対応できる人
人事を取り巻く環境は、法改正や働き方の多様化、テクノロジーの進展など、常に変化しています。たとえば、2024年4月施行の改正職業安定法や、2025年6月の法改正による「カスハラ防止の義務化」など、直近だけでも対応すべき変化は少なくありません。こうした変化に遅れず対応するには、日頃から学び続ける姿勢と、新しい情報をすばやく業務に取り込む柔軟性が不可欠です。自らの知識やスキルを継続的にアップデートし、変化を前向きに捉えられる人が人事に適しています。
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・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

05人事のスキルアップのための学習方法
人事の業務領域は採用から育成、制度設計まで幅広く、多様なスキルが求められます。そのため、学習では自分の目標や身につけたいスキルを明確にすることが重要です。ここでは効果的な学習方法とそのメリットを紹介します。
研修やセミナーで専門知識を得る
人事には労務、評価制度、タレントマネジメントなど高度で複雑な知識が求められるため、体系的な教材を用いた研修やセミナーが有効です。専門家による講義やケーススタディを通じて、法令や制度設計など実務に直結する知識を効率的に習得できます。また、特に組織課題解決は要因が複雑に絡み合っており、解決が困難なことも少なくありません。研修やセミナーを通じて外部の知見を取り入れることが、新しい視点の獲得や解決策の想起につながる可能性もあります。
自己啓発でタイムリーに学ぶ
書籍やオンライン講座を活用し、日々の業務で直面する課題や必要な知識をすぐに補うことは効果的な学習法です。たとえば、ピープルアナリティクスの基本や人材データの活用法をオンラインで学び、翌日の業務に反映するといった短サイクルの学習が可能です。インプットとアウトプットの間隔を短く保てるため、知識の定着率が高まりやすい点がメリットです。ただし、自己啓発は個人の関心に偏りがちなため、定期的に上司やメンターと学習テーマの優先順位を確認することで、業務上の必要性とのバランスを取ると効果的です。
日々の業務やOJTで実践力を磨く
人事のスキルは実務での経験を通じてこそ定着します。日常業務やOJTを通じて知識を実際に活用し、試行錯誤を繰り返すことで実践力が磨かれます。また、研修や自己啓発でのインプットを実務で試し、上司やメンターのフィードバックを受けることで成長が加速します。コーチングやメンタリングと組み合わせると、現場での経験をより体系的に学びにつなげられる点も大きなメリットです。
外部コミュニティを活用する
自社の枠を超えて外部の人事担当者と交流することは、他社の事例や最新トレンドを学ぶ絶好の機会です。異なる環境での成功や失敗の知見を共有することで、自社の課題に新しい視点を持ち込むことができます。
例えばSchooでは、導入企業様向けに人事同士が学び合うプラットフォーム「Enpeer」を運用し、実践的なスキルや知識を相互に学べる環境を提供しています。コミュニティ活用は継続的なスキルアップの強力な手段です。
06人事のスキルアップにおすすめの資格
人事として専門性を高めるには、知識やスキルを客観的に証明できる資格の取得が有効です。ここでは労務やキャリア支援、メンタルヘルス、経営視点などを養える代表的な資格を紹介します。
社会保険労務士
社会保険労務士は、労務管理や社会保険手続き、年金相談など幅広い実務知識を体系的に習得できる国家資格です。人事担当者にとっては、法令遵守に基づく労務対応力を高められる点が大きなメリットです。また、社員からの相談にも専門的に対応できるようになり、労務リスクを回避しつつ信頼を獲得できる点でも価値があります。
▶︎参考:社労士とは|全国社会保険労務士会連合会
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタント資格を持つことで、社員一人ひとりのキャリア形成を専門的にサポートできるようになります。これにより従業員のキャリア意識が高まり、モチベーション向上や人材定着につながる点が大きなメリットです。組織全体としても、個人の成長と会社の成長を結びつける人材戦略を展開でき、エンゲージメント強化に貢献します。
▶︎参考:CC協議会 キャリアコンサルタント試験(国家資格)
メンタルヘルス・マネジメント検定
メンタルヘルス・マネジメント検定では、社員の心の健康を守るための知識とスキルを習得できます。ストレス予防や早期発見、ラインケアを含む実践的な対応方法を学べるため、人事が職場環境改善やメンタルヘルス対策を主導できるようになります。心身の健康を支える体制を整えることで、組織全体の生産性向上にも寄与します。
▶︎参考:メンタルヘルス・マネジメント検定試験
中小企業診断士
中小企業診断士は経営全般に関する知識を備えた国家資格であり、人事戦略を経営戦略と結びつけて考える力を養えます。人事施策を単なる制度運用ではなく、企業の成長を支える経営視点で設計できるようになる点がメリットです。経営層と対等に議論し、戦略的パートナーとして組織に貢献できる人事を目指すうえで有効な資格といえます。
衛生管理者
衛生管理者は労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場で選任が義務づけられている資格です。メンタルヘルス対策や健康経営の推進が求められる現在、職場の安全・健康管理に関する知識を持つことは人事にとって実務上の必須条件に近い位置づけです。社員が安心して働ける環境を整えることが組織の持続的成長につながるため、衛生管理は人事が押さえておくべき重要なスキル領域です。
▶︎参考:第一種・第二種衛生管理者の紹介 | 公益財団法人 安全衛生技術試験協会
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

07人事のスキルアップに役立つSchoo for Business
オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。
| 受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
| アーカイブ本数 | 9,000本 (新規講座も随時公開中) |
| 研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
| 費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
| 契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
人事のスキルアップにおすすめの講座
ここでは、オンライン研修サービスSchooの講座から、人事に必要な基本的スキルや評価人事の役割などを学べる講座を紹介します。
人事になった。まずはここから
この講座は、初めて人事担当になった方向けに、配属初日までに最低限知っておくべき情報を学ぶことができます。人事の役割や業務の全体像を理解し、漠然とした「人事の仕事」のイメージを明確にするための「人事らしい視点」を習得できます。特に中小規模の企業で幅広い業務を担う「ひとり人事」の方にも精通した組織・人事マネジメント実践家が担当するため、実践的な学びが得られるでしょう。
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組織・人事マネジメント実践家
1972年生まれ。早稲田大学卒。東京都立大学大学院 社会科学研究科(現在は経営学研究科)博士前期課程修了(経営学修士(MBA))。株式会社グローブハート経営統括本部長、組織・人事コンサルティング部長、日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員。1996年新卒にて、大手旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S)入社、人事部に配属される。その後、伊藤忠商事グループ企業、講談社グループ企業、外資系企業等において、通算30年間人事及びコンサルティング業務に従事する。中小規模企業でのひとり人事から中堅規模企業の人事に精通している。
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人事評価に”自社の基準”はあるか〜設計思想の考え方から運用まで考える
終身雇用の前提が崩れ、働き方が多様化する中で、従業員が納得する「自社ならではの評価制度」をどう設計し運用するかを学ぶ講座です。グレード設計や賞与配分といった各論に入る前に押さえるべき評価制度の設計思想と、運用時に意識すべきポイントを理解できます。
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株式会社キャスター取締役CRO
株式会社キャスター取締役CRO。(株)リクルートHRマーケティング入社。09年6月に当時5名の(株)リブセンスに転職し、ジョブセンスの事業責任者として入社から2年半で東証マザーズへ史上最年少社長の上場に貢献。その後、DeNAのEC事業本部で営業責任者ののち、新規事業、採用責任者を歴任し、2016年より現職。2019年7月より「bosyu」の新規事業責任者も兼任。
人事評価に”自社の基準”はあるか〜設計思想の考え方から運用まで考えるを詳しく見る
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はじめての戦略人事〜もし戦略人事の責任者に就任したらどうする?〜
「戦略人事」とは、人事部門が管理的業務から経営戦略の実現を担う戦略部門へと転換する考え方です。本講座では、その考え方とアクションの起こし方を学び、自社における戦略人事の定義付けや方針を描けるようになることを目指します。講師は、ファーストリテイリング、ソフトバンクなどで要職を歴任した松岡保昌氏です。
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株式会社モチベーションジャパン 代表取締役社長
人の気持ちや心の動きを重視し、心理面からアプローチする経営コンサルタント。リクルートでは、組織人事コンサルタントとして活躍。ファーストリテイリングでは、執行役員人事総務部長、執行役員マーケティング&コミュニケーション部長を歴任。ソフトバンクでは、ブランド戦略室長。福岡ソフトバンクホークスマーケティング代表取締役として球団立上げを行う。現在は、経営、人事、マーケティングのコンサルティング企業である株式会社モチベーションジャパンを創業。国家資格1級キャリアコンサルティング技能士、キャリアカウンセリング協会認定スーパーバイザーとして、キャリアコンサルタントの育成にも力を入れている。著書『人間心理を徹底的に考え抜いた「強い会社」に変わる仕組み』(日本実業出版社)
はじめての戦略人事〜もし戦略人事の責任者に就任したらどうする?〜を詳しく見る
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人事課題探究
本コースは、単なる労務管理を超え、採用・育成・組織開発・心理的安全性など、複雑化・多様化する人事の経営直結テーマに対し、実務家と研究者の視点を行き来しながら本質を考えていくシリーズ授業です。日々触れる知識を現場でどう活かし、判断していくかという「もやもや」を出発点に、キャリア自律や若手の離職といったテーマを対話を通じて探究し、視野を広げられます。
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旭化成株式会社 人事部 人財・組織開発室室長
日本生命・リクルート・富士ゼロックスを経て、2019年11月に旭化成株式会社にキャリア入社。入社以来、人事部人財・組織開発室に所属し、お互いの挑戦や成長を支援する企業文化の強化に向けて、旭化成グループ全体の人財育成施策の企画推進や自律型学習プラットフォームCLAP(Co-Learning Adventure Place)を導入し、新たなラーニング施策の展開を仲間と一緒に推進中。大事にしている言葉は「取り戻せ感情・解き放て個性・動き出せ社会へ」。趣味は日本の祭り。
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株式会社ローンディール WILL-ACTION Lab.所長
早稲田大学大学院にて機械工学を専攻後、富士ゼロックスにSEとして入社。SOL営業、新規事業開発、人材開発など企業内での越境を経験。社外では、約50社の大企業若手有志1000名を巻き込んだ任意団体「ONE JAPAN」の共同発起人/副代表として、挑戦する個人の覚醒、組織風土変革、価値共創に挑んだ。それらを通じて人の行動の起点となる「WILL(意志)」の重要性を体感し、「越境」の可能性に共鳴したことから、2018年、ローンディールに最高顧客責任者(CCO)として参画し、2024年には「WILL-ACTION Lab.」を設立。2025年、代表取締役就任。また、WILL-ACTION Lab.の所長としても、「意志ある行動」を電動アシストする三人娘の父。国際コーチング連盟認定コーチ/中小企業診断士。著書『WILL「キャリアの羅針盤」の見つけ方』(ディスカヴァー)
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リクルートワークス研究所 主任研究員
一橋大学商学部、一橋大学大学院社会学研究科修了後、経済産業省に入省。経済産業政策局経済産業政策課課長補佐を経て、2017年よりリクルートワークス研究所。次世代社会のひとと仕事、キャリア形成を研究する。一般社団法人スクール・トゥ・ワーク代表理事。法政大学キャリアデザイン学部兼任教員。著書に「ゆるい職場-若者の不安の知られざる理由」(中央公論新社)。
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押さえておきたい採用広報のコツ
少子高齢化により加速する働き手不足を背景に、採用に課題を感じる企業は少なくありません。本講座では、採用広報の基本的な考え方、そして近年の採用トレンドを踏まえた対応について学びます。採用広報を行う上で最低限押さえるべき点や具体的なダンドリ、改善点を掴み、広報活動の改善や採用主管部のサポートができるようになります。講師は『ひとり広報の教科書』の著者である、井上千絵先生です。
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株式会社ハッシン会議 代表取締役
元・名古屋テレビ放送株式会社(メ〜テレ)報道記者。2010年から2年間、局を代表してテレビ朝日「報道ステーション」へディレクター出向。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科修士。企業の広報組織づくり&広報人材育成を伴走する株式会社ハッシン会議を2020年に設立し、これまで約100社を支援。 書籍『ひとり広報の教科書 知識ゼロからでも自信を持ってPR活動ができる!』(日本実業出版社)1万部突破のベストセラーに。
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人的資本を活かした自律型組織
「人的資本経営」の考え方が経済界で広がりを見せる中、この講座では自律型組織を目指した人的資本の活かし方を学びます。人的資本経営とは何かを理解し、組織作りのために何をすべきか、人事部の役割は何かについて深掘りします。
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株式会社NEWONE 代表取締役社長
大阪大学人間科学部卒業。 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。2002年、株式会社シェイク入社。企業研修事業の立ち上げ、商品開発責任者としてプログラム開発に従事。新人~経営層までファシリテーターを実施。2015年、代表取締役に就任。2017年9月、これからの働き方をリードすることを目的に、エンゲージメント向上を支援する株式会社NEWONEを設立。米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー。
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08まとめ
人事は、採用から育成、制度設計まで幅広い領域を担い、企業の成長と社員の成長を結びつける重要な役割を果たします。そのため、倫理観やリーダーシップ、公平性、コミュニケーション力、ビジネス感覚など多様なスキルが不可欠です。また、経営戦略と結びつけた人事施策の推進や労務・法令知識の理解も求められます。さらに、学習を通じて知識を更新し、資格取得や外部コミュニティ活用で実践力を磨くことで、人事は組織にとってより強力な戦略パートナーとして活躍できるでしょう。