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休職とは?休職制度の構築方法から会社側の必要な手続き内容を解説

公開日:2021/05/27
更新日:2021/05/27
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休職とは?休職制度の構築方法から会社側の必要な手続き内容を解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

現在、日本全体で休職者の数が増えています。しかし、企業によっては休職の規定自体がない場合もありますが休職を希望する社員が出ないとは限りません。この記事では、休職制度の構築方法から、休職中の社会保険や給与の扱いなどの会社側に必要な手続きの内容等を解説します。

 

休職とは?欠勤や休業との違い

休職と似た言葉に「欠勤」や「休業」があります。いずれも社員が仕事を休むということにおいて変わりはありません。しかし、それぞれ意味が異なり、処遇も変わります。まずは、これらの違いを明確に把握し、使い分ける必要があります。まずは、休職と休業や欠勤の違いについて解説します。

休職とは業務に従事できない社員に対して業務を免除すること

休職とは、「社員が会社から許可を得て、自分の都合により長期的に労働を免除してもらう制度」のことです。期間や休職中の条件は会社によって異なります。休職については、労働基準法などに定義がありません。会社が独自に制度を構築し、就業規則などで定めるのが一般的です。

休職と休業の違い

休職が社員の都合によって休むのに対し、休業は会社の都合で仕事が休みになったり、法律に従って休むという点が異なります。法に基づいて支給される給付金や補償があります。 休業には次のような例があります。

  • ・育児休業や介護休業
  • ・労働災害によるケガや病気療養のための休業
  • ・会社都合による休業(経営難による自宅待機など)
  • ・災害によって会社が操業できない状況での休業

休職と欠勤の違い

欠勤は、本来出勤の義務がある日に、自分の都合で勤務をしないことです。休職も欠勤も自分の都合で会社を休む点は同じです。しかし、休職とは労働の義務が免除されていないという点で異なります。欠勤した日の賃金は日割りで支払われないことが多いでしょう。一般的に、有給休暇が無くたった場合に欠勤し、欠勤が一定期間続いた場合に休職となる企業が多いようです。

 

休職中の給与・賞与の扱いはどうなる?

会社は、休職中の社員に給与を支払う義務はありません。休職中は無給となるのが一般的です。しかし、休職中の社員にも生活があります。ここでは、休職中の給与・賞与の扱いや社会保険、健康保険や労災の保険の給付について紹介します。

給与

労働基準法第24条に、「ノーワーク・ノーペイの原則」が定められているため、休職中の社員に対して給与を支払う義務はありません。一般的には無給となることが多いでしょう。しかし、企業によっては一定の給与を支払う場合もあります。

賞与

休職中の社員の賞与を支給すべきか否かについて、法律の定めはありません。就業規則や労使協定の定めに従って手続きをします。賞与の査定期間中に勤務実績があると、支給される可能性もあります。最低出勤日数や支給額の制限など、支給条件を定めておくとよいでしょう。

社会保険

休職中の給与がなくても会社に籍があるため、社会保険には加入し続け、社会保険料の支払義務が生じます。しかし、今までのように給与から天引きをすることはできません。 休職の期間中毎月、会社の指定する口座に振り込む、会社が立て替えて復職後に返済してもらう等の方法があります。

傷病手当金

傷病手当は、私傷休職中の生活を保障する制度です。次の条件を満たせば、健康保険から給与の3分の2にあたる金額が、最長1年6か月にわたって支払われます。

  • ・業務外の事由による病気やけがの療養のための休職である
  • ・連続する3日間を含めて4日以上労働ができない
  • ・休職中の給与の支払がない

労働者災害補償保険

労災による休職の場合には、労災保険から給付金が支給されます。業務中や通勤途中に起きた出来事に起因した怪我や病気の療養のために労働することができずに休職した場合は、手当を受けることができます。給付率等、健康保険の傷病手当金より手厚い補償となっています。

 

休職者が増えた背景

「働き方改革」が推進されるようになりましたが、労働環境の改善が進んでいるとはいえません。寧ろ、悪化しているケースもあります。ここからは、休職をする人が増えた背景について解説します。

1:労働環境の悪化

過労死やパワハラ、残業代未払いなど、日本の労働環境における課題はまだまだ少なくありません。その一因として、少子高齢化による労働人口の減少が挙げられます。また、非正規社員の増加により、正社員一人当たりの業務負荷が以前と比べて格段に高まっています。そのため、長時間労働を強いられ、体調を崩してしまうことで休職を選ぶ社員がいると考えられています。

2:メンタル系疾患を持つ社員の増加

ストレス社会といわれる現代社会では、心の病が原因で、休職・離職に至る社員も少なくありません。ストレス耐性が低いと考えられていた若年層だけではなく、管理職やマネジメント層が、心の病を患うケースも多くなっています。 厚生労働省の調査によると、精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しています。社員が精神疾患を発症した場合には、企業として正しい対応をしなければ、トラブルに発展する可能性があります。

 

代表的な休職理由の例

社員側にも事情があるとはいえ、企業として理由を問わずに休職を認めることは現実的ではありません。企業が社員の休職を認めるべき理由の主なものには理由として、次のようなものがあります。

1:傷病

まず挙げられるのが、病気やケガにより、仕事ができなくなった場合です。医師の診察を受け、「仕事を休んで療養すべき」という診断が出た場合に、休職するというケースが多いでしょう。医学的な観点から「仕事を休むことが必要だ」と判断されているため、企業としても休職を認めやすい理由となります。

2:自己都合

病気やケガなどではなく、自分の都合によるもので長期的な休みを希望し、会社が認めるものです。例えば、災害時のボランティアへ長期的に参加する場合や、青年海外協力隊へ参加する場合などがあります。 一般的な家庭の事情などによる休職については、まだまだ認められないケースも多いです。

3:留学

語学や資格の取得、その国・地域ならでの技術の習得など、海外で様々な知識やスキルを得るために長期的に休むというものです。休職であれば、留学を終えたらまた、元に職場に戻って、留学中に得た知識やスキルを活かして活躍できるでしょう。 また、本人のキャリアップだけでなく、企業の発展も期待できます。そのため、企業によっては、キャリア形成の一環として、留学の制度を持つところもあります。

4:公職就任

社員が地方議員等の公職に就任し、仕事と公職の両立が難しい場合の休職です。仕事中であっても、ある程度までは公民権の行使が労働基準法で認められています。しかし、あまりにも仕事に支障が出る場合は、公職に就いている間は休職して、専念するケースがあります。

5:起訴

社員が刑事事件の被告人として起訴された場合に、判決が出るまでなど一定の期間休ませることがあります。該当する社員を就労させた場合に、会社の信用失墜、社員の出社による職場の動揺・秩序の乱れ、当該労働者の労務の継続的な給付や、企業活動の円滑な遂行に支障が生じたりすることなどを防ぐためのものです。

6:組合専従

労働組合の役員などに就任した際に、組合の仕事に専念するため仕事を休むことです。労働組合の仕事は、本来勤務時間外に行いますが、大企業の組合になると仕事量が多く、組合専従として、就任させることになります。 会社は、組合の専従となった社員に給与を支払うことはできません。一般的に組合の専従期間は休職し、専従の期間が終わったら復職します。

 

休職制度を構築・周知することの意味

短期的にみると、会社にとってデメリットもある休職ですが、中長期的な視点で見ると、企業と社員双方にメリットがあります。労使間のトラブルを防ぐためにも、就業規則で休職中の処遇や対応について定めておくとよいでしょう。ここでは、休職制度を構築、周知することの重要性についてご説明します。

離職率の低下

休職の制度があれば、社員が就業継続できなくなったとしても、すぐに解雇する必要がありません。そのため、企業の離職率の低下に繋がります。また、働きやすい環境があるということは優秀な人材の流出を防ぐことや人材の獲得にも役立つでしょう。

社員が安心して働ける環境が作れる

休職という制度は、そこで働く社員が安心して業務に従事できる環境づくりに大きく寄与します。怪我や病気は、どんな人にでも起こりうることであるからこそ、きちんと制度が整っている企業で働きたいと考える人も少なくありません。 社員が心身の体調を崩した際にも、無理をすることのない環境作りをすることが重要です。

復職後の生産性向上

休職制度を設けることは、生産性の向上にも繋がります。休職制度がないと、体調を崩した社員を退職に直結させてしまうことになり、優秀な人材を逃してしまうことも考えられます。一度休職をして、復職することができれば、将来的な生産性の向上も見込めるのです。

企業のイメージアップ

休職の制度があれば、社員を大切にする企業という評価を得られます。採用活動の際にも、よいイメージが与えやすく、優秀な人材を獲得しやすくなります。また企業のイメージアップは、売上の増加等、企業活動にもプラスになります。

休職トラブルが発生した際に指針となる

休職の制度を構築せず、ある者には休職と認め、ある者には休職を認めない場合は、社員間で不公平感を生みます。また、賃金や処遇等をはっきり決めていないと、トラブルになりかねません。休職の条件や、休職期間中の処遇などをしっかり明記しておくことは、休職トラブルが発生したときに指針になります。

 

休職に関する制度の構築方法

休職に関する制度は、会社独自の制度になるため、導入する際には給与等の詳細を定め、就業規則に記載する必要があります。しかし、何を定めればいいのか、どのような手順で進めていけばいいか戸惑う企業も多いでしょう。ここでは、休職に関する制度の構築方法について解説します。

休職制度で定めておきたいルール

休職制度で最低限定めておきたいルールは次のとおりです。

  • ・休職の条件
  • ・休職の上限年数
  • ・休職の適用範囲

条件面や適用される範囲など、なるべく詳細かつ明確に定めておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

就業規則への記載

会社ごとの実情に応じて休職のルールを決めたら、就業規則に記載し、周知する必要があります。社員がいつでも確認できる状態にしておくことが重要です。ルールだけを決め、就業規則に明記していないと、トラブルになりかねません。

 

休職中から復職までに必要な会社側の対応

いざ、社員が休職するとなると、会社側は何をすればいいのでしょう。ここでは、休職中から復職までに必要な会社側の対応について解説します。

定期的な連絡

休職している社員の状況の把握のために、月に1度程度は会社から定期的な連絡をしましょう。現在の病状等の把握や必要な手続きについて話せることが望ましいです。また、定期的に産業医との面談をしておくと、復職後の適切なサポートの態勢を整えるのに役立ちます。

社会保険の手続き

社会保険料の振り込みの手続きや傷病手当の申請について、定期的に案内をしましょう。休職者にとっては、煩雑な手続きに思えるかもしれません。できるだけ分かりやすい説明が必要です。

職場復帰の可否判断

休職事由がなくなった場合や、休職期間が満了すると復職となります。会社としては理由なく復職を拒めません。復職が可能であるにも関わらず退職させると、退職は無効とあり、会社に損害賠償義務が発生する場合があります。 しかし、復帰の判断は慎重に行わなければいけません。傷病などの場合、完治していても急に元通りの業務は難しいこともあります。医師の診断等を元に、業務内容や出社頻度を調整した上で復職の可否判断をしましょう。

職場復帰支援プランの作成

休職した社員が再度休職となってしまわないように、職場復帰支援をする必要があります。職場復帰が可能となった場合には、人事と休職した社員の上司との間で連携して復帰プランを作成します。業務内容や業務量、就業時間などの配慮を行いましょう。

復職後のフォロー

復職後はフォローが重要です。再度休職や退職という事態にならないように、勤務状況の確認、治療状況の確認、職場復帰プランの評価と見直し、職場環境の改善、上司や同僚等の配慮を行いましょう。

 

休職期間満了による退職・解雇時の注意点

休職期間が満了しても復職できる見込みがない場合には、退職や解雇の可能性を考慮しなくてはいけません。しかし、不適切な対応をとると訴えられかねません。ここでは、休職期間満了による退職・解雇時の注意点を解説します。

就業規則に休職期間満了時の扱いを明記する 

休職期間が満了となるまでに職場復帰できない場合、雇用関係を終了することを就業規則に明記する必要があります。明確な記載がないと不当解雇として訴えられかねません。記載方法としては、「休職期間満了までに復職できない場合は退職扱いとする」か「休職期間満了までに復職できない場合は解雇する」のパターンがあります。

退職金規定の取り扱いについて明記

・休職期間が勤続年数に含まれるか

多くの会社で退職金を計算する場合に、勤続年数が計算式に入っています。一般的に勤続年数が長くなれば長くなるほど、退職金が高額になるように設計されています。そのため、退休職期間を勤続年数に含めるか決めておく必要があります。

・退職理由が自己都合か会社都合

多くの会社では、退職理由が自己都合か会社都合かで退職金の金額が変わってきます。会社都合の方が退職金が高くなるケースが多いでしょう。休職期間満了による退職が自己都合か会社都合になるのかを規定で定めておく必要があります。

休職期間満了による退職または解雇扱いとする場合は通知の交付が必要 

休職期間の満了に伴い退職または解雇扱いとする場合、会社は社員に事前に退職通知または解雇通知を交付しておく必要があります。解雇扱いとする場合は、労働基準法により「復職できなければ解雇になる」旨を記載した通知を解雇の30日前までに交付し、「解雇予告」を行う必要があります。30日前に解雇通知を行わないときは、解雇予告手当を支給しなければなりません。通知には、休職期間が満了する期日、退職または解雇の根拠となる就業規則の条文、退職または解雇をする期日という情報を記載しましょう。

 

まとめ

この記事では、休職制度の構築方法から、休職中の社会保険や給与の扱いなどの会社側に必要な手続きの内容等を解説しました。休職制度の導入は、社員が安心して働ける環境づくりに繋がり、長期的にみると安定的な人材の確保になります。ぜひ、各々の会社の事情に応じた休職の制度を整備しましょう。

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