ロジカルライティングとは?ビジネスで必要不可欠なスキルを解説
ロジカルライティングを学ぶことで論理的で読みやすい文章を書けるようになります。ビジネスにおいて、メールや提案書などを書く機会も多いでしょう。日々さまざまな文章が飛び交うビジネスにおいて、読み手に正しく伝えることは必須のスキルです。いまや欠かせないスキルとなったロジカルライティングについて解説します。
- 01.ロジカルライティングとは?
- 02.ロジカルライティングのやり方
- 03.ロジカルライティングのトレーニング法
- 04.まとめ
01ロジカルライティングとは?
ロジカルライティングは文章作成において必要なスキルです。文章は相手に何かを伝えるために書かれます。そのため、要件を正確に論理的に書くことが求められています。「ロジカル」とは英語で「論理的な」という意味です。ロジカルライティングは論理的で分かりやすい文章を書く方法のことなのです。
なぜロジカルライティングが必要なのか
ロジカルライティングは、ただ分かりやすく文章を伝えるだけの技術ではありません。本来のビジネス文章の目的は相手に行動してもらうことです。ビジネスにおいて文章を書く際には何らかの目的があります。ビジネスでもLINEやslack、Chatworkなどのメッセージツールが導入され、以前よりも文章でのコミュニケーションが増えています。そのようなメッセージツールではメールと異なり、短文で用件のみを送ることも多いでしょう。短文でも、論理的で分かりやすく相手に行動を促すような文章が書けることは、日々の業務を円滑に進めることにもつながります。
ロジカルライティングスキルを身につけるメリット
上述のように、ビジネスにおいてロジカルライティングを身につけることは、円滑なコミュニケーションをもたらします。しかし、ロジカルライティングスキルを身につけることで文章作成以外の能力も上がるのです。
情報整理が上手くなる
論理的な文章を書くためには、文章の構成をしなければいけません。伝えたい内容を分類して、順序立てて説明していくことはライティング以外にも役立つスキルです。会話でのコミュニケーションにおいても、論理的に伝えたい情報を整理して的確に伝えることができるようになります。ビジネスにおいて、論理的な思考はあらゆる場面で役に立ちます。日常業務で行われるライティングのたびにロジカルライティングを意識することで、ライティング以外でも論理的に物事を考えることができるようになります。
勉強効率が高まる
ロジカルライティングは日常生活にも役に立ちます。セミナーなどでメモをとる際にもロジカルライティングスキルを発揮することで、整理されたメモを書けるようになります。セミナーのメモの目的は「後から見直す自分が思い出せるように」です。自分に伝えるという意識で情報を整理して書くことはビジネスにおいてのライティングと同じです。 また、読書や参考書から学ぶ際にも有効です。プロのライターが書く文章は必ず論理構造が整っています。ロジカルライティングスキルがあれば、読む際に書き手が整理した文章構造を意識して、情報を整理しながら読むことができるので理解度が高まります。
02ロジカルライティングのやり方
論理的な文章を書くためには、手順に沿って正しく行う必要があります。慣れてくれば手順を意識しなくても書けるようになります。
ロジカルライティングの書き方の手順
いきなり書き始めるのではなく、以下の手順に沿って書くことが大切です。
目的を明確にする
文章を書き始める前に、この文章を読んで「誰に」「何を」して欲しいのかを明確にします。「誰に」は文章を送る相手先です。相手が「誰」であるかによって書く文章は異なります。相手の知識量や共通認識、役職、相手との関係性などを考慮して書く必要があります。例えば、新しい企画を考案した際に直属の上司に向けた文章と取引先に向けた文章では内容が異なります。また、「何を」して欲しいのかも重要です。例えば新しい企画を上司に説明する際にも、承認してほしいのか、それとも上司の意見やアイディアを聞きたいのかによって伝えるべき内容は異なります。承認してほしいのであれば、メリットや特徴などを多めに盛り込むでしょう。一方、意見やアイディアが欲しいのであれば懸念事項やデメリット、課題などを明確に説明することが求められます。
構成を組み立てる
事前に構成を組み立てておけば、話の順番が前後することや余計な内容を省くことができます。文章作成前の作業が増えますが、事前に構成を組み立てておくことで文章作成のスピードが上がるため効率も良くなります。構成は以下の順番で組み立てることが大切です。
- 1.問題
- 2.解決策
- 3.理由
- 4.説明
- 5.事例
- 6.結論
相手に伝える文章を作るうえで重要なことは結論ファーストです。結論から先に伝えることで自分の意見や主張を明確に伝えることができます。ここでいう結論は2の「解決策」です。まず問題を伝えて結論である解決策を提示します。そのあとに、解決策の正当性を証明するために「理由」「説明」「事例」で説明を行います。最終的な「結論」で「解決策」を再度提案して「何を」してほしいのかを伝えることで、論理的に筋の通った文章を作成することができます。
構成に沿ってライティングをする
ここで初めて内容のライティングに入ります。ライティングにおいて大切なのは文章を書く手を止めずにひとまず書き進めることです。ほかの構成や文章とのつながりを考えてしまうと、ライティングが進みません。8割程度の完成度を目指して、文章を書き続けることが大切です。
文章を読み返し全体を修正する
構成通りの内容になっているか、不要な文章はないか、構成内の文章も論理的な構造になっているかなどを確認して修正を行います。
ロジカルライティングに失敗しないための注意点
では、ロジカルライティングに失敗しないためにはどのようなことに注意すればいいのでしょうか?
情報を選ぶ
繰り返しになりますが文章の目的は相手に行動してもらうことです。ライティングをする際には多くの情報を参考にしていると思いますが、すべての情報を網羅的に書く必要はありません。あくまで相手が行動するために必要な情報のみに絞る必要があります。情報過多になると伝えたい内容も伝わらない危険があります。
簡潔に書く
一文が長い文章は非常に読みづらくなります。主語と述語が離れていると読み手側に上手く伝わりません。構成を論理的に組み立てていても、本文煩雑になってしまっては意図する通りに伝わりません。そのため、簡潔に書く必要があるのです。
読み手側の視点をもつ
文章を読むのは自分ではありません。読み手側が理解しなければ単なる自己満足で終わってしまいます。論理的かどうかは相対的な評価です。自分の論理が必ずしも正しい訳ではなく、読み手の立場や見方によって変わるということを意識して書くことが大切です。
03ロジカルライティングのトレーニング法
ロジカルライティングは、一朝一夕で身につくスキルではありません。毎日のライティングから意識をして、徐々に成長させていくことで身につくスキルです。しかし、初めから日々のライティングをロジカルに仕上げようとすると時間ばかりがかかってしまい業務が滞ってしまいます。そのため、実践で使えるようになるまで、トレーニングを続けることは欠かせません。そして、トレーニングの機会は日常生活のなかにあふれています。下記にご紹介することを常に意識して論理的に考えるクセをつけることこそが一番の近道です。
ロジカルシンキングの基本を学ぶ
ロジカルライティングをするためには、そもそもロジカルであるとはどういう事なのかを知る必要があります。ロジカルライティングの書き方の手順に沿って文章を作成しても、自分自身にロジカルな思考がなければ論理的な文章は作成できません。ロジカルシンキングの基礎を学び、日常的に論理的に考えるクセをつけることでスキルは徐々に身についていきます。
議論や普段の会話からロジックを意識する
文章とは違い、実際の会話は論理的でなくてもある程度は伝わります。なぜなら、その場の雰囲気や表情、声のトーンなど参考にできる要素がほかにもあるからです。そのため、文章で伝えるよりも難易度は低くなるのです。まずは普段の会話や議論などで、雰囲気や表情などに頼らず、構造を意識して論理的に伝えるようにしてみましょう。毎日の会話でロジックを意識することで、ロジカルライティングのスキルも向上します。
論理的でない文章を理解する
ロジカルライティングスキルの乏しい人が作成した文章は非常に読みづらく難解です。そのような文章を読み理解する際、自然と自分のなかで構成を組み直して論理的に組み替えて理解しようと試みています。 あえて論理的でない文章に触れ、それを理解することでロジカルライティングのスキルを向上させる、というトレーニング方法もあります。 しかしメールや企画書の作成などはある程度フォーマットが決まっており、ビジネスにおいてあまり論理的でない文章は見かけなくなりました。セミナーやインタビューを書き起こしただけの記事や学生の書いた文章などを探し、自分から触れてみるのも手段の一つです。
文章を書く際に「だから?」「なぜ?」を常に問いかける
いかなる場合においても文章を読むのは今の自分ではなく相手です。自分が当たり前に感じていることも、相手にとっては当たり前ではありません。文章を書く際に「だからなんなのか?」「なぜそうなるのか?」と自問自答しながら書くだけで、おのずとロジカルな文章になるでしょう。 また、「だから?」「なぜ?」などの質問に自分でも答えられないこともあります。それはまだ自分のなかで論理が組み立てられていない証拠です。その状態で文章を書いても伝わらないため修正が必要なポイントが明確になります。
スクールに通う
ロジカルライティングは理論だけではなく、実際に文章を書かなければ身につきません。文章を書いて、添削してもらうことにより客観的に論理的な文章を書けるようになります。しかし、日常生活やビジネスにおいて添削してもらえる機会はあまり多くありません。ライティング関連のスクールに通って実際に書いて、添削してもらうことも検討してみましょう。
本から学ぶ
ロジカルライティングに関する参考書は数多く出版されています。参考書ではより深い専門的な内容が書かれているので、もっと知識を得たい方には役に立つでしょう。 しかし、参考書ではなく、ビジネス書や小説から学ぶことも可能です。ビジネス書も専門的な内容になればなるほど読解が困難になりますが、書き手の意図から構造を把握することで理解が容易になります。また、小説も基本は起承転結です。プロのライターが書いた文章は必ず構成があり、論理が通っています。論理を意識して読むことにより、自分のライティングにも活かせるでしょう。
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04まとめ
ロジカルライティングは今や日常においても欠かせないスキルです。友人とのコミュニケーションや勉強、思考などあらゆる場面で活用できます。しかし、一長一短で身につくスキルではなく、毎日の思考の積み重ねこそがもっとも有効なトレーニングです。これを期に意識してみてはいかがでしょうか。