公開日:2021/06/30
更新日:2022/06/30

1on1マネジメントとは? 1on1マネジメントに必要なスキルを解説

1on1マネジメントとは? 1on1マネジメントに必要なスキルを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

昨今、1on1ミーティングはマネジメントの手法として注目を集めています。1on1ミーティングとは多くの場合、上司と部下が1対1で面談による対話を行い、業務におけるさまざまな課題を解決していく手法です。当記事では1on1ミーティングを活用したマネジメントに必要なスキルと、上司と部下の望ましい関係について解説していきます。

 

011on1ミーティングを活用したマネジメントとは

1on1ミーティングとは上司と部下が1対1で行う面談です。週に1度あるいは月に1度というように定期的な頻度で実施し、部下の仕事に対する考え方や意見を対話により引き出す手法です。評価面談や業務の進捗確認ではなく、「部下の成長を促すこと」を目的に実施されるものです。組織全体のパフォーマンスを上げる効果が実証され、多くの企業から注目を集めています。

なぜ注目されるのか

1on1ミーティングによるマネジメントが注目されるようになったきっかけは、ヤフー株式会社における成功事例が広く知られるようになったことが挙げられます。ヤフー社は2012年にこの手法を導入する以前は、隣席の社員ともメールで意思疎通するほど対話が少なかったそうです。1on1ミーティングによるマネジメントを取り入れたところ対話があふれ、さまざまなアイデアが活発に飛び交う職場に変貌を遂げたということです。

週に1度の大事な30分

1on1ミーティングは部下の成長への促しを目的としています。企業により1回の所要時間や頻度は異なるかもしれませんが、原則的には週に1度、30分の対話が望ましいとされています。この30分は「部下のための時間」と定義し、上司が自分の意見や部署の方針を伝えるのではなく、部下の意見や考えを引き出すことに徹します。部下が安心して自分の意見を発言しやすい環境を整え、自由に話をしてもらうことで、さまざまな良い効果を生み出します。

 

021on1マネジメントの目的

1on1ミーティングを活用したマネジメントは、上司の支援により部下の成長を促すことを目的に行われます。上司は部下のサポート役に徹し、対話のなかでさまざまな支援を行います。具体的には以下の3つが挙げられます。

業務支援

業務支援は部下が仕事上で困っていることを把握し、その解決のサポートを目的に行われます。部下が容易に解決できない問題でも、上司の立場ではスムーズに解決できる場合が多いため業務の停滞を防げます。部下にとっては一人で悩む時間が減るというメリットがあります。

内省支援

内省支援は部下の気づきを促す支援です。直近の業務でうまくいかなかった点があればその理由を考えさせるなど、振り返りのなかから問題点を自分で気づかせるように対話をしていきます。問題点や解決方法といった「答え」が自分の気づきで生まれるため、一方的に指摘されるよりも納得性が高まり成長につながります。

精神支援

精神的支援とは、部下の精神的な負荷を軽減する支援です。業務内容や職場環境、人間関係などで不安に感じていることがあれば、アドバイスや、解決に向け働きかけることで不安を取り除きます。ときには仕事だけではなく、プライベートで心配していることについてサポートする場合もあります。

 

031on1ミーティングがもたらす効果

1on1ミーティングを活用したマネジメントは、以下のような効果が期待されます。いずれも部下の成長や組織の活性化につながる良い循環をもたらします。

部下の成長を促す

定期的な面談によって部下が抱える課題や悩みを共有し、解決を支援していくことは部下の意欲を高めることにつながります。また対話によりさまざまな気づきを促すことで、部下は自分の頭で考え行動する習慣を身につけます。上司による、こうした前向きな関わりの積み重ねにより部下は順調に成長していくでしょう。

信頼関係の構築

定期的に対話の機会を設けることは、上司と部下の関係性を向上させます。「なんでも話せる上司」の存在は部下にとっては大変心強いものです。こうした良質なコミュニケーションがもたらす信頼関係は、ストレスの少ない健全な職場環境を構築します。結果として生産性の向上や離職を防止するといった効果をもたらし、組織を強くすることにつながります。

相互理解が深まる

定期的な面談による密なコミュニケーションは、上司と部下の相互理解を深めます。不安や悩みだけでなく成功事例や喜びも共有することで、良好な人間関係を育みます。このような関係性が浸透すると職場に一体感が生まれ、チーム意識が向上し結束が固くなります。こうしたことは、持続的に成果を上げる組織がもつ特徴のひとつです。

 

041on1が機能しない理由

正しく活用すると、部下育成や業績向上にめざましい効果をもたらすのが1on1ミーティングです。しかし、うまく機能しないケースも多いようです。そのような場合に共通して見られるのが以下のような4つの状況です。

実施する意義を理解していない

まず、上司と部下の双方で、1on1ミーティングを行う意義を理解していなければ効果は期待できません。「会社の方針だからなんとなく毎週面談している」という状態では、雑談の延長や情報交換に終始してしまうでしょう。それでも定期的な対話があるだけまだ良いのかもしれません。しかし多忙な時間を割いて面談をするのであれば、できるだけ有意義な時間にする工夫が必要です。

時間を取られる

定期的に1人ずつ面談することは、多くの部下をもつ上司の場合、かなりの時間を費やすことになります。そのため面談の頻度が減少し定期的に実施されない状態になると、信頼関係が構築できません。「やると決めたら必ず定期的に実施する」という覚悟をもつことが必要です。そうすれば部下の側は、多忙な上司が「いつも自分のために時間を割いてくれている」という感謝の気持ちをもつようになります。

安全な雰囲気ができていない

部下の心理的安全性が確保されていないと、なかなか本音を引き出せません。このミーティングの場は、「思っていることを率直に発言しても大丈夫」という状態になっていないのです。このような場合、部下は当たり障りのない会話しかしなくなります。「ミーティングの内容は口外しない」といったルールを設定するのも解決策のひとつです。

上司のスキル不足

1on1ミーティングがうまくいかない理由は、上司側のスキル不足であることが多いようです。面談に慣れておらず、面談のやり方が分からないまま続けても効果は期待できません。部下を主体にした面談のはずが、上司が一方的に話し、部下は相槌を打つだけというような状況に陥りがちです。

 

051on1においてマネジメント側に求められるスキル

1on1ミーティングを活用したマネジメントを効果的に機能させるためには、マネジメント側のスキル向上が必須です。部下の心理的安全性を確保し、効果的な質問によって部下本人も気づいていないような内面の思考を引き出すスキルが必要です。

傾聴のスキル

部下を主体にした面談には傾聴力が必要です。傾聴力とは相手の話にしっかりと耳を傾けるスキルです。話を聴くときの体の向きや表情・仕草で、相手の気持ちに寄り添う姿勢を表現して、部下の心を開いていきます。ミラーリングやペーシングといった技術の実践も効果的ですが、「この人は私の話をきちんと聴いてくれている」と感じてもらえるような態度や姿勢への意識のほうが重要であるといえます。

質問のスキル

傾聴のスキルにより部下が話しやすい雰囲気ができたら、次は巧みな質問により部下の内面を引き出していきます。面談中の上司の発言は、8割程度を質問で構成するぐらいでちょうどいいかもしれません。部下の発言に対し、さらに質問を投げかけていくような手法を用いると、部下自身も気づいていないような深い部分の本音を引き出せます。質問を多くしますが、詰問や尋問にならないように注意が必要です。

コーチングスキル

傾聴スキルや質問スキルはコーチングに必要な要素です。さらに承認のスキルを発揮すると部下は「この人は自分を評価してくれている」「自分に関心をもってくれている」と感じ心を開きます。また、結果だけではなくプロセスについて言及することも効果的です。業務のプロセスにおける部下の行動で、良いと思ったことや、上司の側が助けられたと感じたことは、些細なことでも言葉にして伝えると良いでしょう。

アサーティブスキル

上司も人間です。部下の本音を聴いたときに「それは違う!」という否定の感情や、怒りの感情が湧いてしまうことがあるかもしれません。感情にまかせた頭ごなしの否定や反論は、「この人には何を言っても無駄だ」という感情を部下に抱かせます。そうなると定期的な面談が苦痛でしかなくなります。部下の発言や気持ちをまずは受け入れ、上手に自分の気持ちを伝えるアサーティブスキルは身につけておいたほうが良さそうです。

部下一人ひとりに誠実に関わる

1on1によるマネジメントを成功させるポイントは、「上司の部下に関わる姿勢」にあるようです。ただ面談をこなすのではなく部下一人ひとりの状態を把握し、前回の面談からどう変化しているか、そして今後はどのように導くかを真剣に考え、向き合うことが求められます。部下に誠実に関わり、その成長を心から喜ぶというマインドがもっとも重要なのではないでしょうか。


 

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06まとめ

1on1ミーティングによるマネジメントはうまく機能すると、高い育成効果をもたらし組織強化に大いに貢献します。しかしマネジメント側の上司には高い負荷がかかるため、スキル向上やマインドの醸成が必須となります。導入に際しては入念な管理職教育を十分に検討して下さい。

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