提案力を向上させる方法とは?企業が提案力向上を図るポイントを解説

提案力は、営業職をはじめとした多くの職種に求められる、課題を解決するための必要なスキルの1つです。本記事では、提案力とは何か、構成する重要なスキルや提案力が向上することで得られるメリット、提案力を向上させる方法、加えて社員の提案力を向上させる上で、企業が押さえておくべきポイントも解説します。
- 01.提案力とは?
- 02.提案力が向上することで得られるメリット
- 03.提案力を向上させる方法
- 04.企業が社員の提案力向上を図るポイント
- 05.提案力を向上させるSchooのオンライン研修
- 06.まとめ
01提案力とは?
提案力とは、本質的な課題を発掘し、その課題に対して具体的な企画を提起するスキルを指します。顧客との商談や社内会議など、提案力が求められる機会は少なくありません。提案力は、具体的には、以下に示す3要素で構成されています。
- ・傾聴力:要求を引き出す
- ・課題解決能力:対応策を導き出す
- ・プレゼンテーション能力:説得力のある提案をする
1.傾聴力:要求を引き出す
提案力には、顧客や社内が望む課題解決の必要性を認識する上で、情報収集を行なうための傾聴力が必要です。傾聴力とは、単に相手の話を聞くだけではありません。適切な質問によって、表情や声のトーンなどに注意を払い、相手に寄り添い、言葉の意味やその背景までも理解しようとすることです。傾聴力が高いほど、相手が気づいていない潜在的な要求を引き出すことができるといえます。
2.課題解決能力:対応策を導き出す
提案力には、課題解決能力も必要です。傾聴して得た情報を分析し、課題の根本的な原因を突き詰める必要があります。この際に必要となるのが、顧客や社内の現状把握から、目的や目標といったゴール、および課題への最適な対応策を導き出すという課題解決能力です。このスキルがなければ、訴求ポイントを押さえた提案にはならないでしょう。
3.プレゼンテーション能力:説得力のある提案をする
提案力には、傾聴力や課題解決能力とともに、最終的な提案を行うプレゼンテーション能力が重要です。提示する対応策が、将来的にどのような良い影響をもたらすのか、どれだけの付加価値が得られるのかといったメリットを説明しなければなりません。相手に分かりやすい言葉を選び、理解しやすい構成で話をするプレゼンテーション能力が不可欠なのです。
02提案力が向上することで得られるメリット
提案力は、商談や社内会議において課題や要望を引き出すことができます。ビジネスにおいて必要不可欠な提案力ですが、提案力が向上することでどのようなメリットがあるのか、そのメリットを2つご紹介します。
- ・信頼関係を構築できる
- ・営業力を強化できる
1.信頼関係を構築できる
提案力が向上すると、信頼関係を構築することができます。提案力には、相手の立場に立って話に耳を傾け、最適な対応策を導き出すために自分にできることは何かを考えることが必要です。真摯な姿勢を示してくれる人に対して、「この人なら任せても大丈夫」という信頼を得られるのです。
2.営業力を強化できる
提案力を向上することで、営業力を強化できる点が最大のメリットです。顧客の課題や潜在的なニーズを正しく聴き取り、期待に応える提案をすることが、結果として成約数を増やすことにつながります。言い換えれば、提案力を向上させることは、営業力の強化に欠かせないということもできるでしょう。
03提案力を向上させる方法
社員の提案力を向上させるために、全社で取り組んでおきたい5つの方法を紹介します。ぜひ日々の業務に活かしてみてください。
- ・常に情報収集を欠かさない
- ・フレームワークを活用する
- ・日常業務の中でPDCAサイクルを回す
- ・社内でロールプレイングを行う
- ・研修会を実施する
1.常に情報収集を欠かさない
提案力を向上させるためには、常に情報収集を欠かさないことが大切です。ニュースや新聞による情報が、商談などにおける会話のきっかけになることもあります。例えば、インターネットは簡単に情報を収集できるツールですが、専門性の高い情報を得るには精査する必要があります。情報の信ぴょう性は非常に重要です。 ゆえに、専門誌や情報誌など複数の情報ソースを活用し、偏りのない情報を収集しましょう。その上で、必要な情報を整理し、知識を最新の状態に更新しておくことが重要になります。
2.フレームワークを活用する
ロジックツリーなどのフレームワークを活用することで、提案力の向上が可能になります。提案は、論点を明確に設定する必要があるためです。ロジックツリーとは、ツリー状に論理を構造化させるもので、表層に見えている問題から潜在的な真の問題まで、深掘りすることができます。 目的に応じて、以下の4種類を使い分けることができます。
- ・What:要素分解ツリー(要素を網羅的に把握できる)
- ・Why:原因追求ツリー(根本原因を解明できる)
- ・How:問題解決ツリー(解決策を挙げることができる)
- ・KPIツリー:問題解決ツリーを発展させたもの(進捗を定期的に確認できる)
プレゼン資料として使うだけでなく、単に書き出すだけでも、情報の整理になります。最善の対応策を導き出しやすくなり、説得力のある提案ができるのです。
3.日常業務の中でPDCAサイクルを回す
日常業務の中でPDCAサイクルを回すことで、提案力の向上が可能です。PDCAサイクルとは、Plan・Do・Check・Actを1つのサイクルとして、繰り返し実施します。 PDCAサイクルを構成する4つの要素は、以下の通りです。
- ・Plan(計画):目標達成のために計画を行うステップ
- ・Do(実行):目標達成の計画をもとに、実行するステップ
- ・Check(評価):実行内容の進捗を把握し、成果を評価・検証するステップ
- ・Action(改善):評価した内容をもとに改善を図るステップ
提案を成功させるためには、PDCAを継続的に回し続ける必要があり、1サイクルごとにどのような結果が表れたか記録し、いつでも参照できるようにしておきます。常に業務を改善することができれば、確実に提案力を向上することができるでしょう。
4.社内でロールプレイングを行なう
社内でロールプレイングを行うことで、提案力の向上に期待できます。ロールプレイングとは、実際の場面を想定し、登場人物を演じて疑似体験する方法です。実施は、提案する人・顧客・オブザーバーの3人1組で行います。提案経験が少ない人ほど、顧客の立場を理解できないことも少なくありません。自らの発言や対応から、傾向や課題を明確にし、提案に必要なスキルを磨くことができます。 状況を意図的に設定することから、限られた時間で効率的にスキルを習得できる点がメリットです。フィードバック用に、ビデオ撮影をしておくと身振りや手振り、目線や姿勢がチェックできて良いでしょう。
5.研修会を実施する
提案力の向上に有効な方法は、社内で研修会を実施することです。傾聴力や課題解決能力、プレゼンテーション能力といった提案力に必要なスキルの基本的な理論、具体的なケーススタディなどを体系的に学ぶことができます。また、社員の提案スタイルを見直す機会にもなるでしょう。 社内での研修会は、講師派遣型・公開型講座・オンライン研修のいずれかの形式で開催されます。自社の望む研修の実績が多い会社を選び、提案力に関する分野に精通した講師に依頼することが重要です。
04企業が社員の提案力向上を図るポイント
企業が社員の提案力向上を図るには、いくつかのポイントがあります。ポイントを押さえないまま勉強会や研修を実施しても、実践的な提案力を身につけるのは難しいでしょう。提案力の向上を図るポイントは、以下の通りです。
- ・社員の自発的な勉強会をサポートする
- ・実践に活用できる研修を実施する
- ・中長期的に取り組む
1.社員の自発的な勉強会をサポートする
社員の自発的なスキルアップを制度面でサポートすることも、全社として提案力の向上を図るポイントの1つです。自発的なスキルアップの方法には、書籍から学ぶ方法や外部研修会への参加などが挙げられます。 書籍購入費や外部研修費用を補助する制度があれば、より前向きに取り組んでもらえる可能性が高まります。ただ、学んだ内容を業務に活かしてもらうための仕組みを設計することも重要になるでしょう。
2.実践に活用できる研修を実施する
研修の実施を通して、提案力の向上を図るためには、実践に活用できる研修を実施することが重要なポイントです。せっかく研修を実施しても、実践で活用できなければ意味がありません。全社員を対象にした研修、あるいは経験年数や特定の業種に応じた研修を実施することで、効率的に効果を上げることができるでしょう。 さらに、学んだスキルを実践してみようと動機づけすることも重要で、社員へのフィードバックから、新たな気づきを得られるような工夫も必要です。
3.中長期的に取り組む
提案力は、年齢や立場は関係なく、誰もが身につけておくべきスキルの1つです。そのため、一時的な対策として研修を実施するのではなく、中長期的に取り組むことが、提案力向上を図るポイントになります。 また、社員が自発的に勉強会を開くことへのサポートも積極的に行いましょう。提案力のノウハウを伝え合ったり、成功事例を共有し合う場を確保するといった継続的な努力が企業にも求められているのです。
05提案力を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
提案力に関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、提案力に関する授業を紹介いたします。
説得力向上プログラム
この授業は、論理的な伝え方に関する書籍を多数執筆されている西部直樹先生と、相手を納得させ、動かすコミュニケーションスキルをトレーニングします。「提案・構成力」「論理的思考」といったスキルをワークショップを通じて、実務で”できる"ようになるようになることが本授業のゴールです。
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有限会社N&Sラーニング 代表取締役
企業・官庁・自治体の社員、職員を対象としてディベート、プレゼンテーション、傾聴技法、メンタルタフネスなどのコミュニケーションスキルやメンタルヘルス各種研修講師を務めている。全国教室ディベート連盟。理事産業カウンセラー・論理療法士。 主な著書として『実践ディベート研修』(生産性出版)、『はじめてのディベート』(あさ出版)、『『議論力」が身につく技術』(あさ出版)などがある。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
質問力×提案力 -相手に気持ちよく動いてもらう力-
シンプルに、筋の良い「質問」や「提案」をするためのスキルを武器にできれば、「お客様が思うように動いてくれないケース」は怖くなくなります。 むしろ、「お客様と共に創る」営業の楽しさを実感できるようになるのです。 この授業で質問力・提案力の基本スキルを習得しましょう。
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TORiX株式会社 代表取締役
外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、アルー株式会社に創業参画(取締役副社長)。 事業と組織を統括する立場として、創業から6年で70名までの組織成長を牽引。 2011年にTORiX株式会社を設立。これまで4万人以上の営業強化支援に携わる。 コンペ8年間無敗の経験を基に、2019年『無敗営業「3つの質問」と「4つの力」』、2020年に続編となる『無敗営業 チーム戦略』(ともに日経BP)を出版 、シリーズ累計7万部突破。2021年『なぜか声がかかる人の習慣』(日本経済新聞出版)、『気持ちよく人を動かす』(クロスメディア・パブリッシング)を出版。年間200回以上の講演や研修に登壇し、「無敗営業オンラインサロン」を運営。
質問力×提案力 -相手に気持ちよく動いてもらう力-を無料視聴する
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提案成功率を上げるデータ分析と活用
GoogleAnalyticsの人気書籍を執筆されているウェブアナリストの小川卓先生が、「社内/社外に向けたデータを用いた提案方法」について、データ抽出から、分析の方法、提案時の指摘を打ち返し方法を教えます。「データを見ているのに改善策がありきたり」、「提案に説得力が無い」といった課題の解消が本授業のゴールです。実務に近いワークショップを通して、データを用いた提案の方法を学びます。
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HAPPY ANALYTICS 代表取締役社長
ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。ウェブサイトのKPI設計、分析、改善を得意とする。ブログ「Real Analytics」を2008年より運営。全国各地での講演は350回を突破。 株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役、デジタルハリウッド大学院客員教授、UNCOVER TRUTH CAO、Faber Company CAO、株式会社SoZo最高分析責任者、アナリティクスアソシエーション プログラム委員、ウェブ解析士協会顧問。ウェブ解析士マスター。 主な著書に『ウェブ分析論』『ウェブ分析レポーティング講座』『マンガでわかるウェブ分析』『Webサイト分析・改善の教科書』『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』『「やりたいこと」からパッと引ける Google アナリティクス 分析・改善のすべてがわかる本』など。
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06まとめ
提案力は、本質的な課題を発掘し、その課題に対して具体的な企画を提起するスキルであり、営業職をはじめとした多くの職種に求められるスキルの1つです。一朝一夕に身につけられるスキルではありませんが、本記事で紹介した方法を取り入れることで、社員の提案力を向上することができます。その際には、社員の自発的なスキルアップのサポートや実践に活用できる研修の実施、これらの中長期的な取り組みが、提案力の向上を図る重要なポイントになります。