交渉力とは?交渉力を高めるトレーニング方法と必要性について解説

交渉力は、ビジネスシーンで求められる重要なスキルです。顧客やサプライヤーとの交渉、社内的な交渉など、日々の業務は交渉の連続です。本記事では、ビジネスにおける交渉力の必要性とトレーニング方法について紹介します。交渉力についてお悩みの方はぜひ本記事を役立てください。
- 01.交渉力とは
- 02.交渉力が高い人の特徴とは
- 03.なぜ交渉力を高める必要があるのか
- 04.交渉力を高めるトレーニング方法とは
- 05.まとめ
01交渉力とは
交渉力とは、自分と相手の利害を調整し、「お互いが納得できるゴール」を目指し、合意を得るまで話し合う力です。ビジネスシーンは、あらゆる利害関係者との交渉で成り立っています。 双方の意志意向が一致していれば特に問題なく手続きや取引を進められますが、時には求める要求や優先順位が食い違ってしまう場合もあり得ます。そのような時に、関係を悪化することなく、お互いにが合意できる着地点を見つける交渉力がとても重宝されます。 自分の意思を押し通したり、契約の解消は簡単ですが、それでは一人前のビジネスパーソンとはいえません。重要なのは、相手が求めている対応を的確に把握し、円満な解決へとつなげることです。 交渉力を養い、やりとりの過程において、不必要な衝突やトラブルを回避し、ストレスなく円滑に物事を進められる人材を目指してください。
折衝力との違いと共通点とは
交渉力と似たようなスキルに「折衝力」があります。駆け引きを行うという意味や問題解決へと向かうまでのプロセスは同じであるものの、折衝力と交渉力には一点、明確な違いが存在しています。それは、当事者間の利害関係が一致しない対人関係処理能力が想定されている点です。 交渉では、望む結果が決まっている状態で、双方が納得できる答えを見つけることを目的としています。一方、折衝では相互の利害が合わない条件下で、双方が納得できる形の結果を探し、折り合いをつけることを目的にしています。
02交渉力が高い人の特徴とは
相手にとっての得とは?メリットとは?その点をきちんと把握し、そのポイントに沿ったものを提案できるかどうかが交渉力の有無の違いとなってきます。 下記で、交渉力が高い人の特徴について詳しくみていきます。
自分だけの都合を押し付けない
交渉の最大の目的は、共に歩み寄って「双方の利益の最大化を実現すること」にあります。自分だけの都合を押し付けている状態では話はなかなか進展しません。交渉上手な人は、相手にとっての都合やメリットもきちんと理解し、スムーズながらも互いに納得感ある交渉へとつなげます。
はっきりと「NO」の意思表示ができる
前述した通り、自分の意見ばかりを押し付けるのは良くありませんが、反対に「NO」の意思表示ができず、相手の言いなりになってしまう状態も望ましくありません。交渉力に長けている人は、譲れない一線をきちんと引いており、交渉していてあまり自分にメリットがない場合ははっきりと「NO」と伝える勇気を持ち合わせています。
相手視点に立って場を客観的に分析できる
交渉で重要なのは、お互いの利害を調整することです。相手側にも、こちらの要求にそのまま従えない事情があり得ます。こちらの要望・主張と同様に、相手の要望・主張をくみ取ることも重要です。交渉力が高い人は、双方の要望・主張を客観的に把握し、フラットな視点から妥協点がないか探ります。
相手の意思や主張を的確に捉える
交渉力の高い人は、相手の話をしっかりと聞き、意志や主張を的確に捉える能力に長けています。交渉を行うということは、こちら側にはもちろん、相手側も伝えたいことがたくさんあるはずです。相手が何を求めているか、きちんと理解できていないと、誤った提案しかできず、結果双方の利益に結びつきません。
自分と交渉相手の共通の目的を認識する
交渉の目的とは、まずは自分の意思・主張を相手の力を借りて実現することです。両者が合意に向かうためには、自分と交渉相手が共通して目指したい目的を互いに認識しておく必要があります。どちらか一方の立場だけを主張すると、交渉は前に進みません。 だからこそ、折に触れて共通の目的を示し、目指す方向の共通認識をとっておくと、交渉に至ったそもそもの目的を思い返すことができ、方向性を間違えずに交渉を進められます。
ポジティブで些細なことに動じない
交渉というと、相手との駆け引きをしなければならないと、身構えてしまう人も少なくありません。しかし、交渉力が高い人は「お互いにとって良い関係を築けるもの」として交渉を捉える傾向にあります。ポジティブな思考は相手の気持ちも明るくするもので、商談がトントン拍子に進んでいくことも少なくありません。 交渉が難航し、場の雰囲気が悪くなってしまうことがあっても、ポジティブな人は芯がしっかりしているため、些細なことでは動じません。空気を読みつつも、お互いがもっとも気持ちよく同意できる着地点を探して、話を進めることができるのです。 ポジティブは生まれ持った素質と思われがちですが、成功体験を重ねていくことで身につけられます。自信を持たせるためにも、交渉力トレーニングは社内にぜひ取り入れるべきと考えます。
03なぜ交渉力を高める必要があるのか
交渉は、相手ありきのものであるため、自分の意思だけではどうにもならないことや自分の主張が間違っているケースも少なくありません。お互いの意思決定を合意できるまでコミュニケーションをとるのは想像以上に難しいものです。ここでは、交渉力を高める必要性についてまとめました。
組織内外の対人折衝を円滑にするため
交渉力は経営層や管理職など組織を引っ張る人材だけでなく、すべての従業員に求められるスキルです。企業が力を入れ、従業員の交渉力を高めることで、組織内外の対人関係で摩擦が生じにくくなり、働きやすい職場環境を整えられます。 ビジネスマンとして働く上で、不快さを与えないという折衝スキルはとても重要です。すべての人間とストレスなくやりとりをし、人間関係を健全に保つことで、結果的に早期離職の防止や、生産性の向上といったメリットにつながります。
双方が良い結果につながる「Win-Win」の関係をつくるため
ビジネスの拡大は自分と相手、そして社会の「三方善し」でなされている、という大原則を忘れてはなりません。現代のビジネスシーンにおいて交渉で重要なのは駆け引きではなく、双方が良い結果につながる「Win-Win」の関係性をつくることです。 双方にとってメリットのある交渉を提案すると、皆が利益を手にして損失を出さない、あるいは損失を出したとしても最小限に食い止められるはずです。その結果、信頼感関係の構築や、ビジネスチャンスの拡大にも役立つと考えられます。
社内業務の割り振りや、労働環境改善の提案をスムーズに行うため
交渉力は社内の業務割り振りや、労働環境改善の提案にも欠かせません。改善案の提言で場が荒れるのは、ただ「思ったことを言うだけ」になっているためです。重要なのは「なぜその改善が必要なのか」を納得させるスキルです。 社員一人ひとりが交渉力を身につけ、相手が納得できる改善案を提言できれば、人間関係にひびが入らず、スムーズに組織が向かうべき方向へと舵をきれるはずです。
04交渉力を高めるトレーニング方法とは
ここまで交渉力のメリットについてみてきましたが、実際に交渉力を高めるには、どのようなトレーニングを行えば良いのか分からない、といった方も多いと思います。ここからは交渉力を高めるためにおすすめのトレーニング方法を紹介します。
交渉の基本概念を知る
第一に行わなければならないのは、交渉に働く普遍的な原則を理解し、基本的な概念を身につけることです。このステップを踏むと、現実の複雑な交渉を深く理解できるようになり、目的達成のための最適解を容易に見つけ出せるようになります。
論理的思考を鍛える
交渉をスムーズに進めるには、複雑な内容を頭の中で整理し、シンプルにする論理的思考の修練が非常に重要です。論理的思考は、取得が難しそうな印象を持たれる方も多いですが、誰でもトレーニングによって身につけられるスキルです。日頃から物事をロジカルシンキングで考え、論理的思考を鍛えるようにしてください。
交渉の具体的なやり方を学ぶ
交渉を成功に導くには、事前に交渉の手順について入念に学んでおくことも重要です。社内研修や、ロールプレイング等を用いて、交渉の方法や実践力を習得し、本番でも慌てず落ち着いた状態で相手と接せられるようにしてください。
交渉に必要なコミュケーション力を学ぶ
交渉シーンでは、交渉の場における信頼構築や、駆け引きの心理戦、相手の考えや譲歩を引き出すなど、コミュニケーションの手腕が欠かせません。交渉を有利に進めるためにもコミュニケーション力の学びは必要不可欠です。
ゲームを取り入れた研修を行う
社内で交渉力研修を行う際は、ゲームを取り入れた内容の研修をおすすめします。ゲームは、リラックスして研修に取り組めるだけでなく、社員同士のコミュニケーションが深まります。また、楽しみながらのトレーニングは、内容が記憶に残り、研修の効果をさらに高められると考えられます。
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05まとめ
交渉力が欠落していると、社内だけでなく、取引先との不用意な対立を引き起こし、企業全体に大きな損失を与えるリスクもあります。交渉力のトレーニングは、意識して実践しなければならない内容が多く、最初はストレスを感じるかもしれませんが、実践し続けて習慣化することで、無意識的に実践できるようになります。 現在は、交渉力を鍛えるためのトレーニングとして、プロ講師の指導をはじめ、さまざまな研修も設けられています。交渉力を鍛え、あらゆるビジネスシーンで活躍できる人材を目指してください。