公開日:2022/01/14
更新日:2023/02/25

自治体職員向け研修には何がある?目的と受講のコツを紹介

自治体職員向け研修には何がある?目的と受講のコツを紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

自治体が職員に向けて行う研修は、サービス向上や公務員倫理の再認識などを目的に行われます。本記事では、自治体が研修を行う際のポイントや、効果的な方法などについて紹介します。これから職員向け研修を実施したいと考えている自治体関係者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

01自治体職員向け研修を実施する理由

自治体職員は、地域住民に対して行政サービスを提供する役割があります。適切なサービス提供を行うために、まず職員向け研修の実施理由を理解しておくことが大切です。一般企業とは異なる、自治体ならではの特徴を踏まえたうえで、研修の実施理由を考えてみましょう。

自治体の特性に合わせたサービスの向上

多くの自治体で、住民のニーズの多様化・高度化が見られるようになり、自治体職員はこれまで以上に住民に対するマナーが求められています。研修を受けマナーを身につけると、住民の満足度が高まるとともに、提供するサービスの向上にもつながります。 自治体ごとで異なる特性を持っているため、特性に合わせたサービスを提供できるスキルの取得も重要です。

職員同士の意見の交換

現場で仕事をするのに、職員同士のホウレンソウ(報告・連絡・相談)が欠かせません。業務を円滑に進めるにはどうしたらいいのか、住民の立場に立った接客をする最適な方法は何なのかなど、職員同士で意見を交換し合い、答えを話し合う姿勢が求められます。 研修の中で、互いの意見について理解を深め合う時間を作ると、活発な意見交換ができるでしょう。

適切な人事評価を行うため

総務省から行われている通達の中でも、公務員に対して適切な人事評価を行うようにと記載されています。先ほど触れた住民ニーズの多様化のほかにも、地方公共団体の役割の増大・職員数の減少などにより、個々の職員にこれまで以上の高い能力が求められているのです。 研修により能力を身につけ、能力に沿った適切な人事評価を行うことで、組織全体の士気を鼓舞できるほか、業務の効率化を期待できます。

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【関連記事】人事評価制度とは?導入する目的や制度の運用を成功させるポイントを解説

 

02自治体職員向け研修の目的

職員向け研修をなぜ行うのかという理由を解説したところで、ここからは研修実施により達成すべき目的を考えてみましょう。これには民間と異なる公務員ならではの必要知識やスキルが、大きく関係しています。ひとつずつ解説しますので、理解を深めていきましょう。

公務員倫理の認識

公務員は公益性の高い職種であり、住民から向けられる信頼や期待度も大きいものです。公務員の職務が社会に与える影響は多大なものであり、高い職業倫理が求められます。 公務員が認識すべき倫理には、自治の本質や公平・中立の態度、職務専念義務の保持などがあげられます。公務員に向けられる国民の目も、年々厳しくなっているため、研修で公務員倫理を認識する必要があるのです。

地方自治関係の法令・各種制度の習得

公務員のうち、特に地方自治体で勤務する職員は、地方自治に関連する法令や各種制度を、きちんと理解しておかなくてはいけません。これらは誰もが知っておくべき内容ですが、研修に組み込むことで再確認できます。 住民サービスなど、地域ごとの事情を取り入れた研修にすると、住民への応対に直結する内容であるため、実務に役立てやすくなります。

実務に関する知識・技能の習得

法令や制度などの知識を取得しただけでは、実務への応用は困難です。知識を用いた実務の進め方や仕事の段取りなども、研修によって習得する必要があります。 こうすることで、現場ですぐに研修内容が活用でき、住民の満足度向上に寄与できます。


 

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03自治体職員におすすめの研修

ここまで、自治体職員が研修を受ける重要性を解説してきました。ひとくちに研修といってもその内容は千差万別ですが、自治体職員が受けるにはどの研修が適しているのでしょうか。おすすめの研修をいくつか紹介しますので、ぜひ職員教育の選択肢として加えてみてください。

ハラスメント防止研修

ハラスメントと言われる行為は30種類以上ありますが、そのうち職場で多く聞かれるのは、セクハラ・パワハラ・マタハラ・モラハラなどです。 公務員に対するハラスメントのルールは、民間よりも厳格に規定されており、一般の法律で定められたルールよりも厳しくなっています。このため、自治体職員にハラスメント防止研修を実施するのであれば、公務員向けの内容で実施しなくてはいけません。

<ハラスメントについてのSchooおすすめ授業>

このコースでは主に職場で問題になるパワーハラスメント、セクシャルハラスメント、SOGIハラスメント、マタニティハラスメントについて、その内容とどういった言動がハラスメントに当てはまるかについて、法令や判例にそって解説します。
また、ハラスメントの原因になり得る無意識の偏見や価値観の違いについても取り上げ、予防のために心がけるべきポイントについても紹介します。

ハラスメントに該当するかどうかの判断基準は被害者が不快に感じたかどうかが大きく影響しますが、問題となる行為の内容・要件、そして多様性への理解を組織の共通認識として学ぶことは予防の観点でとても大切です。
組織、チームとしてハラスメントへの理解を深め、より良い職場環境を作っていきましょう。

「ハラスメントを正しく知る- 全ビジネスパーソン向け」

ハラスメントを正しく知る- 全ビジネスパーソン向け

  • 社会保険労務士法人グラース 代表

    特定社会保険労務士、ハラスメント防止コンサルタント。ダイバーシティ(仕事と育児・介護の両立、多様な働き方、テレワーク導入、女性活躍、ハラスメント防止等)を専門領域としてコンサルティング、研修を多数実施。厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル作成事業」検討会委員をはじめ、多くの公的委員、調査に加わる。

EBPM研修

EBPMとは、「Evidence Based Policy Making」 の頭文字を取った言葉で、データなどの客観的根拠に基づき政策を立てるという、日本政府の方針です。行政の場面でも、ICT の発達により、民意を反映したEBPMの実現が現実味を帯びてきました。どのように取り組んだら良いかを、研修を通して学びます。

人事評価研修

上層部が行う人事評価の内容と、実際の仕事ぶりが乖離していると感じる人は、とても増えています。職員の人事評価を、公平かつ的確に行うためには、評価者としてのスキルを身につける必要があります。職員の仕事に対するモチベーションを保つためにも、公平な評価は必須です。

<人事評価・マネジメントについてのSchooおすすめ授業>

皆さんは「人材マネジメント」という言葉を知っていますか。

人事担当の方やマネジャーでなければ聴き馴染みのない言葉かもしれません。 しかし、これから会社での人事やビジネスパーソンとしての働く在り方、今後のキャリアを考える上では押えておかなくてはならない概念だと思います。 また、「人材マネジメント」について考え組織に働きかけることで、会社をよりよくできると思います。

先行きの見えないこの時代だからこそ、人事担当者やマネジャーがどのように自分を評価しマネジメントしているのかを知ることで成果を出すことができるのではないでしょうか。
また、組織をより良くするためにマネジメントについて知ることで、組織に働きかける持論の素材となるのではないでしょうか。
この授業では、『図解 人材マネジメント入門』の著者である坪谷邦生さんをお招きして、
人事担当者やマネジャーだけでなく多くの人が「押さえるべき」人材マネジメントの"ツボ"をご紹介し、
⚫︎人事がどのように評価を行っているのか
⚫︎マネジャーが組織に対してどのようなマネジメントをすべきなのか

などを「人材マネジメントの概念」や「人事評価」、「働きがい」や「キャリア」の領域から解説していきます。

人事やマネジャーの視座に立ち、会社で活躍できる人材へと成長していきましょう。

ビジネスパーソンとして押えておきたい「人材マネジメント」の基礎

ビジネスパーソンとして押えておきたい「人材マネジメント」の基礎

  • 株式会社壺中天 代表取締役

    1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。 20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。 主な著作『人材マネジメントの壺』(2018)、『図解 人材マネジメント入門』(2020)など。

メンタルヘルス研修

民間と同じく、公務員においてもメンタルヘルスの管理は重要なポイントです。業務を遂行するうえで、ストレスを完全に排除するのは難しく、ストレスを正しく理解してセルフケアを進めることが重要です。そのためにも、メンタルヘルス研修を重視し、実施する自治体が増えています。

<メンタルヘルスについてのSchooおすすめ授業>

新型感染症などによる近年のライフスタイルの変化により、ビジネスの現場ではチームメンバーのメンタルヘルスケアの重要性がとても高まっています。

また、メンタルヘルスケアでは不調者の早期発見とその対策がとても重要です。

そこで、この授業では職場の上司が部下の心の健康づくりのためにケアをしていく「ラインケア」を学び、心身ともに健全なチームづくりの実践ができるようになることを授業のゴールとしています。

講師には、企業の早期離職防止や人材育成力アップの為のコンサルタントとして活躍されている井上洋市朗さんを招き、不調の早期発見のポイントや、リモートワーク下でのケアのポイントなどをわかりやすく授業していただきます。

「メンタルヘルスマネジメント〜メンタルダウンを未然に防ぐラインケアの基礎〜」

メンタルヘルスマネジメント〜メンタルダウンを未然に防ぐラインケアの基礎〜

  • 株式会社カイラボ 代表取締役

    大学卒業後、(株)日本能率協会コンサルティングにて企業の業務効率化などに従事。ストレスが原因で入社2年で退職。 2011年に社会人教育のベンチャー企業でマネージャーを務める。 2012年株式会社カイラボを設立。新卒入社後3年以内で辞めた若者100人インタビューをおこない、その内容をまとめた「早期離職白書」を発行。 現在は多くの企業の若手社員定着率向上支援を行うほか、 講演、管理職・OJT担当者向け研修、採用コンサルティングなどを行っている。

リスクマネジメント研修

リスクはいつ訪れるか分からず、回避することも難しいものです。ここからはリスクによる混乱を未然に防ぐために必要なリスクマネジメントについて紹介します。また、万が一リスクが起きた際に有効な対策もピックアップします。。 行政におけるリスクマネジメントでは、予防・危機管理・事業継続が重要なポイントです。研修ではこれらを中心に進めていき、具体的な対処方法を検討します。

<リスクマネジメントについてのSchooおすすめ授業>

仕事と人生はリスクだらけ。
新聞・テレビ報道を見ると企業の大事故・不祥事などが後を絶ちません。「あの時こうしておけばよかった」「予想できなかった、どうして」では遅すぎます。リスクに対する予想や分析にもとづく、的確な対応力が問われます。

この授業では、リスクマネジメントを事例を交えながら体系的に学びます。管理者が任された職場でいつ起こるかわからないリスクを特定し、被害を未然に防ぐ、または低減するための知見とスキルが身につきます。

「管理職のためのリスクマネジメント」

管理職のためのリスクマネジメント

  • 株式会社マネジメント21 代表取締役

    1972年早稲田大学法学部卒業。 San Francisco State College, Madrid University留学。米国と欧州にそれぞれ2年間 生活して交友と見聞を広める。 商社、メーカーなどでプロジェクトマネジャーなどを経験。「中小企業診断士」取得を機にコンサルティング・ファームで活動する機会を得る。伊藤忠ビジネスコンサルティング(株)の組織戦略推進部長を経て、1996年(社)中部産業連盟(トヨタグループ200社余などが会員企業)に入職し東京本部プロジェクト開発室長を歴任。 2010年1月に(株)マネジメント21を設立、代表取締役になる。 製造業、商社、販売業、損保代理店などの多数の国内外企業で、コンサルティング指導および教育研修をする。テーマは経営戦略、マーケティング戦略,新商品・新事業開発、現場改善と業務改善,管理職・コアマン育成、営業マン育成・営業幹部育成、CS・ES刷新、QC改善、ISO9001と14001の認証取得指導、リスクマネジメントなど多岐にわたる。 東京商工会議所や地方商工会議所、りそな総合研究所、ちばぎん総合研究所、浜銀総合研究所、日本政策金融公庫、職業能力開発協会及び県庁や市役所などで多く研修、公開セミナー、研修の講師を歴任する。 [主な著書]:「新商品・新事業開発大事典」(日刊工業新聞社、共著)「中小企業の生産マネジメント(中小企業金融公庫、共著)その他経営雑誌などに論文・記事あり。 コンサルティング・ファーム マネジメント21 mail:manabe@manegement21.net
 

04自治体職員向け研修実施時の注意点

自治体の職員に向けて研修を実施する際には、いくつか注意点があります。研修を有意義な内容にし、その後の業務に活かすためには、民間とは異なる自治体ならではの注意点も覚えておくべきです。どのような点を心得ておくと良いのか、ひとつずつ詳しく見てみましょう。

自治体の特性に合わせたプログラムを組む

自治体の具体例は、都道府県や市区町村であり、自治体ごとの特性や役割は大きく異なります。子育てサポートを重視する自治体もあれば、介護支援に力を入れている自治体もあり、運営方針や行政サービスなども自治体ごとに決められます。そのため研修のプログラムを組む際には、自治体の特性を考慮する必要があります。

複数の日程を設けて実施する

自治体職員の中には、窓口で住民に接する業務を行う人が多数存在します。研修日程が一度しかなければ、人員不足により窓口業務に支障が出るおそれがあります。 この事態を防ぐためには、複数の研修日程を設けて実施することが大切です。日程が複数あれば分散して参加でき、窓口業務への影響も最小限に抑えられます。

他の自治体との合同研修も検討する

自治体や部署にもよりますが、通常の業務で他の自治体の職員と接する機会が少ない人もいるかと思います。共通の学習内容が多ければ、他の自治体と合同で研修するのも得策です。 日頃接することが少ない職員の人たちと一緒に学ぶことで、意見交換ができたり、新しい気付きが見つかったりするでしょう。

明確な目標基準を設ける

自治体が民間企業と異なる特徴のひとつは、利益追求型ではないという点です。民間では売上額や営業利益などが数値で示されるため、結果を視認化しやすいといえます。これに対して、自治体は数字で効果を確認する機会が少なく、職員の働きぶりや貢献度が評価しにくい面もあるのです。 効果が十分に把握できていないと、研修を行った成果も確認できないため、研修を始める前に目指すべき目標や基準値を設定するようにしましょう。具体的には、職員のキャリア形成や各種スキルの取得などがあげられます。行政サービスにおいても、IT技術の導入が積極的に進められているため、研修に取り入れるのもおすすめです。


 

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■資料内容抜粋
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・自己啓発への活用方法 など

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05まとめ

自治体職員に向けた研修を行うには、民間とは異なる特性や注意点などを踏まえておく必要があり、これらに精通した講師による研修が効果的です。また、最新のIT技術に精通している職員がいない場合にも、専門家による研修を受けるのが、IT環境構築の近道です。 研修の実施方法には、業務の合間にオンラインで研修を受ける方法もあります。研修のタイミングを分散化でき、専門の講師による講義でスキルアップが可能です。自治体の運営方法に合わせて研修方法を検討し、職員のスキルアップにつなげていきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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