統計研修とは?企業に必要な理由と効果的な研修内容を紹介

統計研修とは、統計学を理解し、生産性向上を目的とするための研修です。本記事では、統計研修の必要性や目的、研修内容や注意点などについて紹介します。これから統計研修を導入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
- 01.統計研修とは
- 02.統計・データ分析研修の目的
- 03.統計研修を受講すべき従業員
- 04.統計研修に取り入れたい内容
- 05.統計研修を実施する際の注意点
- 06.まとめ
01統計研修とは
統計研修とは、統計データを分析することで、社会や経済の状況および変化を的確に把握するための研修です。これにより、生産量の調整や開発コストの削減などにつながり、企業の業務改善や生産性の向上を実現することができます。多くのデータを分析する作業が必要な点から、データ分析研修にも類似しています。
統計研修の必要性
少子高齢化による労働者の減少や、働き方改革による働き方の変化などにより、これまで以上に生産性向上が求められるようになってきました。さらに、IT技術が浸透する現代では、あらゆる情報やデータが溢れかえっていると言っても過言ではない状況です。 これらの背景から、統計という知識が誰でも活用できる世の中へと変化しています。その中で、必要な情報を適切に判断し、分析した上でデータを活用できる人材が求められているのです。
02統計・データ分析研修の目的
統計研修・データ分析研修は、机上の研修で得たスキルを、現場で活かせるような内容で行わなくてはいけません。研修を受けた後で次のような目的を達成できるように、研修内容を吟味することが必要です。どのような目的があげられるのでしょうか。
統計調査結果への理解度の向上
研修では、統計データを読み取るために必要となる、関数やグラフを使ったデータ分析の基本を学びます。その中で、情報を正しくグラフに表すスキルなどの、実務に活かせるポイントも学べるため、仕事の精度の向上につながります。このスキルは、統計だけでなく全ての仕事に活かせるスキルであり、日常の業務に幅広く役立てることができます。
統計結果を用いた問題解決能力の習得
統計やデータ分析のスキルが身につくと、統計結果を読み取り、結果やデータに隠れている問題を見つけ出せるようになります。統計データを活用しながら、問題を解決するための柔軟な解決能力が身につき、状況に応じた適切な判断や対応が可能となります。
統計調査の発表方法の習得
統計結果を用いて行なった調査内容を発表する際に、 資料を作ったり、プレゼンテーションの準備を進めたりする必要があります。研修の中でこれらの方法が習得できるため、社内外に調査結果を伝えるためのスキルアップが望めます。
03統計研修を受講すべき従業員
統計研修を受講すべき従業員は、業務の中で日常的にデータを扱う担当者や、これから統計を学びたい従業員などが該当します。特に、次にあげる従業員については、統計研修を受けることで大きいメリットが得られますので、積極的に研修を受けるよう促しましょう。
マーケティング担当者
マーケティングリサーチにおいて、分析した統計データを売上の参考にするのは大変重要です。統計研修の受講により、データや情報を適切にピックアップできるようになり、顧客のニーズを正確に把握できます。その結果、在庫の適切な管理や売上の向上が見込めます。 そのため、ぜひマーケティング担当者は統計研修を受講しておくべき職種と言えるでしょう。
マネージャーなどの管理職
管理職は、組織の生産性を適正化したり、部下の評価を正しく行うために、現場のデータを正しく分析する必要があります。さらに売上や需要を予測しつつ、起こりうるリスクをデータから見極めるスキルも求められます。企業の方向性を正しく意思決定するのに、統計研修が役立ちます。
システム管理部門の従業員
システム管理部門の主な仕事は、社内のシステムを運用・保守することです。近年ではAIなどのIT技術の発達により、企業のあらゆる仕組みをDX化していく動きが活発になっています。そのため、企業のシステム部門は社内の生産性向上や開発コスト削減のために、経営層に提案していくことが必要で、提案の際には企画を裏付ける統計データも必要です。そのため、データを分析していく力を養うために、統計研修を実施する必要があるのです。
広報担当者
広報担当者の大切な役割は、企業の取り組みや方針などを、正確かつ的確に外部へ伝えることであり、いわば企業の顔としての役目を持っています。正確な広報を行うには、正確な統計が必要であるほか、どのような広報を行うと効果や効率が上がるのか、統計結果を元にして戦略を立てることもあります。
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■資料内容抜粋
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・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

04統計研修に取り入れたい内容
統計研修を有意義なものにするには、現場で活用しやすい内容を取り入れることが大切です。そのために、次に挙げる項目を研修の重点内容にしましょう。
- ・統計学の基本
- ・統計の基本的な活用方法
- ・統計調査活用の実務研修
- ・ビッグデータの基本的な活用方法
- ・標本設計の基礎
どれも基本的な内容ばかりですので、応用につなげるためにも、確実に基本知識を身につけておきたいものです。
統計学の基本
最初に学ぶべき内容は、統計学の基本です。統計学の概要から始まり、経済・人口・調査などさまざまな統計学があることを学びます。特定分野における統計学の基本を学ぶ方法もあるため、企業に適した研修方法を選択しましょう。
<統計学の基本についてのSchooおすすめ授業>
データの重要性については会社内で頻繁に聞くようになり、社内のデータも整備されつつある。
しかし、部下や上司から、データで説得力のあることをいわれて「確かにそうだ!」と鵜呑みにしてしまい、承認や意思決定をして、「いつまで議論をせずに流すべきなんだろうか」と違和感やモヤモヤを感じている…。
一方で、自分でアウトプットするのもインプットするのも、与えられたデータのとり方や見方に納得して意思決定や実行を行えるひとになりたいと憧れを感じている。
多くのビジネスパーソンは、そうした悩みを抱えては「統計学」の学習を実践して挫折してきているのではないでしょうか。
この授業は、自分でデータの意味がわかるようになる基礎知識の提供をする授業です。
データはただ闇雲に集めて平均値や最大値をとればいいというものではありません。適切な統計量を基にデータ全体の特徴をつかむことで、事実(ファクト)を正確に整理することができ、示唆や推測、仮説出しにつなげることができます。
授業では、普段当たり前に扱われている統計量(平均や中央値など)からケースによって使うべき統計量(分散・標準偏差など)、統計的仮説検定など、データを読むための基本的な統計知識を解説していきます。文系ビジネスパーソンをはじめ、統計学の学習でつまづいたビジネスパーソンの皆さまがスムーズに理解できるよう、データ分析のプロフェッショナルな先生方が解説していきます。
データを読むための武器を身につけ、現場のビジネスデータを点ではなく面で捉えるようになりましょう。
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Excelで統計学を教える研修講師
輸入商社や海運業・国際複合輸送業の勤務を経て、主にExcelによるデータ活 用・データ分析の教育を手がけている。 日経ビジネススクール 担当講師、企業研修の講師などを務める。 著書「7日間集中講義!Excel統計学入門(オーム社)」 「ビジネスマンのためのデータ分析&活用術(フォレスト出版)」 「7日間集中講義!Excel回帰分析入門(オーム社)」がある。 雑誌「日経パソコン」2021/08/02号 特集2「Excelで始めるデータ分析」寄稿。 https://www.datamining.jp
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株式会社データミックス 代表取締役/データサイエンティスト
サンフランシスコ大学大学院 データ解析学専攻(修士)修了。一橋大学商学部卒。2017年に株式会社データミックスを創業し、データサイエンス教育事業とEdTech事業を展開。データミックス創業前は、ニュースアプリのスタートアップでのデータサイエンティスト、監査法人トーマツにてデータ分析コンサルタント、KPMG FAS(あずさ監査法人子会社)で事業再生コンサルタント、外資系メーカーでの経理・マーケティングなど幅広い経験をもつ。
統計の基本的な活用方法
統計の基礎知識を学んだら、次は活用方法の習得に移ります。データの読み方やまとめ方、主要統計指標の見方など、実際の統計データを使って活用方法を学んでいきます。どのように活用すると効果的なのかを体系的に学び、実際の統計データを活用することで、実務にも活かせる研修内容となるでしょう。
<統計の活用方法についてのSchooおすすめ授業>
皆さんは、統計学を仕事に活用するイメージがついていますか?
学生時代に勉強する機会もありますが、社会人になるとなかなか時間の制限や難しいイメージがあり活用する気持ちにはなれません。また近年は、ビックデータやデータドリブンなど数字を使ってビジネスの意思決定をする機会も増えてきましたが、出来る人に任せてしまいなかなか手を付けづらい方も多いので者ないでしょうか。
必要であることはわかっているものの、統計学の活用のイメージが乏しいがゆえに「こんなものを勉強して何の役に立つのだろう?」と疑問を抱く場合も…。
「統計学を仕事に活かす」ー文系もExcelで実用できる統計ー
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Excelで統計学を教える研修講師
輸入商社や海運業・国際複合輸送業の勤務を経て、主にExcelによるデータ活 用・データ分析の教育を手がけている。 日経ビジネススクール 担当講師、企業研修の講師などを務める。 著書「7日間集中講義!Excel統計学入門(オーム社)」 「ビジネスマンのためのデータ分析&活用術(フォレスト出版)」 「7日間集中講義!Excel回帰分析入門(オーム社)」がある。 雑誌「日経パソコン」2021/08/02号 特集2「Excelで始めるデータ分析」寄稿。 https://www.datamining.jp
統計調査活用の実務研修
統計の基本的な活用方法を習得した後で、 実際に統計調査を行う際の企画・設計・実施までの実務的な流れを学びます。より実務に近づくために、各ステップでの流れを重点的に学ぶのも効果的です。実務研修を受けたら、身につくまで何度も内容を復習し、確実に流れをつかむよう指示しましょう。
ビッグデータの基本的な活用方法
統計調査に欠かせないビッグデータを最大限に活かすためには、正しい活用方法を学ぶ必要があります。ビッグデータを分析する意義や、データの可視化・分析法の知識習得および実践などを行います。活用方法を学ぶことで、データに対する着目点が変わる場合もあります。
標本設計の基礎
標本設計とは、調査したい対象から抽出した一部を調べ、全体数を推定するものです。全数調査を行うよりも、手間やコストが軽減できるメリットはありますが、適切な母集団から抽出しないと標本誤差が生まれることがあります。適切な母集団形成のためには、統計調査によるデータが必要であり、統計研修を受けることでデータの扱い方を学べます。
05統計研修を実施する際の注意点
統計研修を有効なものにし、充実した内容の研修にするには、いくつか注意点があります。スキルの高い人材を育て、統計のスペシャリストを生み出すために、ここで紹介する注意点を踏まえて研修を実施しましょう。
受講者に合わせてレベル別に研修を設定する
統計研修はジャンルが多いうえに、 求められるレベルも受講者によって異なります。このため、統計研修は希望する受講者をすべてまとめて研修を行うと、スキルに偏りが生まれる可能性があります。 研修の対象者や内容、目的、レベルなどに合わせて設定すると、有意義な研修が実施できます。例えば、新入社員・中堅・管理職などで分類する方法や、基礎・応用・実践などで分けて行う方法などがあります。
統計調査に強いプロの研修業者を選ぶ
統計研修を、外部の研修業者に委託するのであれば、統計調査に強い業者を選ぶようにしましょう。研修業者によって得意とする分野が異なるため、 統計調査への知見が足りない研修業者に依頼しても、求めるスキルが身につかない可能性があります。 研修業者を選ぶ時に確認すべき点として、 研修プログラムがカスタマイズできるか、今までどのような実績を持っているか、得意分野は何なのか、研修内容の詳細な打ち合わせが可能か、教えてくれる講師はレベルが高いのか、などが重要ポイントです。
実務演習しやすい研修を選ぶ
研修内容の中で、実務演習しやすいカリキュラムが組まれているものがおすすめです。研修中に実務演習ができると、実務ですぐに役立てることができます。その一方でオンライン研修はいつでもどこでも受講できるため、複数の事業所を構えている企業や遠方に支店がある企業から重宝されています。 実務研修は、オンライン・対面式どちらの研修でも実施可能であるため、各企業に合った方法を取り入れると良いでしょう。
研修後に習得した知識や技術を活かせる業務を与える
統計研修で知識や技術を習得しても、その後に活かせる業務がなければ、研修を受けた意義が薄れてしまいます。可能な限り、研修を活かせるような業務への取り組みを社員に推奨するようにしましょう。 研修を受講後、実務で活かせずに研修の効果を測ることができないという人事の声は少なくありません。研修でインプットする機会だけでなく、業務でのアウトプットや活用を前提にした研修の設計、業務の調整をおこなうようにしましょう。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

06まとめ
統計研修を通じて統計の知識を身につけ、ビジネスシーンに活かすには、今回紹介した内容を踏まえて研修を実施することが重要です。社員がデータの収集力・分析力・考察力などを確実に身につけ、活用までつなげられるように、研修計画を立てていきましょう。