洞察力とは?洞察力の高い人材の特徴や育成する方法を解説

洞察力とは、物事や人を深く観察することで、その奥に潜む意図や本質を見抜ける能力です。本記事では、洞察力がある人の特徴や、ビジネスで洞察力を高めるメリットを解説しています。また、洞察力を高めるための方法も紹介しているため、人事担当者はぜひ参考にしてください。
- 01.洞察力とは
- 02.ビジネスにおける洞察力を高めるメリットとは
- 03.洞察力がある人に見られる特徴
- 04.社員の洞察力を高めるための方法
- 05.洞察力を向上させるSchooのオンライン研修
- 06.まとめ
01洞察力とは
洞察力とは、周囲を深く観察したうえで、目に見えない部分まで推察し、問題の本質や発言の裏にある意図を見抜く力です。
例えば、会話をしているなかで、相手の反応が薄れてきたら、相手は会話についていけていないのではないかと考えられる力が洞察力に該当します。また、カスタマーセンターへの問い合わせに対応しきれないという問題があったとき、問題の表面を捉えて単純に「人が足りないから増やす」と発想するのは洞察力ではありません。その問題の本質を捉え、例えば「問い合わせが過度に寄せられないように対処すること」であると見抜けることこそが洞察力なのです。 このように、目に見える部分にだけ気が付くのではなく、物事の背景に潜んでいる本質的課題や、相手の本音を考えられる力が洞察力と呼ばれます。
観察力との違い
洞察力と類似した言葉に、観察力が挙げられます。観察力とは、物事や人の表面的な部分をしっかり見つめて、特徴や変化に気が付く能力です。例えば、会話をしているなかで、相手の顔色が先日よりも悪いということに気が付く力は観察力に該当します。また、顧客からの電話対応で従業員が手一杯という状態に気が付くことも、観察力の一例です。
このように、問題や状況、人において、目に見える部分を発見できる力を観察力と呼びます。一方で、観察力で発見した物事に対し、その奥にある本質や意図を推察して見抜ける力が洞察力です。したがって、洞察力は観察力のうえに成り立つ能力でもあり、観察力の一歩前に進んだ能力でもあると言えます。
02ビジネスにおける洞察力を高めるメリットとは
洞察力を高めることで、根本的な課題の発見や新しい発想の実現など、ビジネスにおいてさまざまなメリットを期待できます。それでは、ビジネスにおける洞察力を高めるメリットにはどんなものがあるのか、詳しく見ていきます。
- 1.根本的な課題を発見できる
- 2.多角的な視点を持って新しい発想ができる
1.根本的な課題を発見できる
洞察力を高めることで、さまざまなビジネスシーンにおいて、根本的な課題を発見できるようになります。洞察力が高いと、ビジネスシーンで何らかの課題やトラブルにぶつかったときでも、状況を冷静に分析して根本にある本質的課題を推察できます。その結果、課題やトラブルに対してその場しのぎの対処ではなく、根本から課題を解決できる対策を考案できる可能性が高いです。
例えば、自社商品の売上が以前よりも伸び悩んでいるという課題があったとき、もっと営業電話の件数や取引先への訪問頻度を増やせばよいのではないかと考えるのではなく、根本的には自社商品の改良が必要という本質にたどり着ける力が洞察力です。洞察力によって根本的な課題を発見できるようになれば、事業戦略を成功させるための糸口を見つけられたり、目の前の課題を根本から解決できる気付きを得られたりといったメリットがあります。
2.多角的な視点を持って新しい発想ができる
洞察力が高い人は、目に見えない部分を推察するために、多角的な視点で物事を捉え直す力を持っています。そして、多角的な視点を持っている人は、従来とは異なる物事の捉え方や考え方ができるため、ほかの人には考えられないような新しい発想の実現につながります。
急速な変化を続ける昨今のビジネスシーンにおいては、もはや従来のやり方では売上を伸ばしづらくなっています。こうした情勢では、革新的な事業戦略が企業の成長に欠かせないため、多角的な視点を持って新たな発想ができる能力は重要です。
03洞察力がある人に見られる特徴
洞察力がある人には、いくつかの共通した特徴が存在します。ここでは、洞察力がある人には一体どのような特徴があるのか、詳しく解説していきます。身近な人のことを思い出しながら、洞察力がある人の特徴に該当する人がいないかどうか考えてみてください。
- 1.正確に現状把握をしている
- 2.先入観なく現状や課題を考えられる
- 3.あらゆる立場になって考察できる
1.正確に現状把握をしている
洞察力がある人は、正確に現状把握をしているという特徴があります。洞察力がある人は、何らかの事象を目の前にしたときに、物事の本質を推察するための材料を収集しようとする傾向にあります。そのために、自分が置かれている状況や目の前の課題に対して、冷静かつ正確に現状把握を行います。
さらに、情報分析をただやみくもに行うのではなく、情報に優先順位をつけることで、収集した情報のなかから必要な情報を見つけ出すこともできます。このように、何らかの問題にぶつかったときでも、正確な現状把握に努めている点が、洞察力がある人の特徴です。
2.先入観なく現状や課題を考えられる
洞察力がある人には、先入観に捉われすぎることなく、現状や課題を捉えられる特徴があります。物事の本質を正しく推察するためには、自分の主観や偏った先入観によって捻じ曲げられた情報は不要です。洞察力がある人は、ビジネスにおいて課題やトラブルに遭遇したときに、自分の先入観や主観を捨てて、客観的に物事を見つめられる力を持っています。
何らかの課題にぶつかったとき、人はどうしても冷静さを欠いてしまいがちです。しかし、物事の本質を見抜くためには、感情に振り回されて先入観に左右されないよう、客観的に事象を観察することが必要です。
3.あらゆる立場になって考察できる
洞察力がある人には、自分だけではなくあらゆる人の立場を想像して、物事を考察できるという特徴があります。目には見えない部分を推察する過程では、多角的な視点を持って物事を捉えなおすことが必要です。
しかし、自分の立場だけで物事を考えるのでは、視野が狭くなって多角的な視点は持てません。そのため、自分以外のあらゆる人の立場や考えを想像することで、多角的な視点を実現することが重要なのです。
04社員の洞察力を高めるための方法
洞察力を高める人材育成を導入することで、事業戦略を成功させるための糸口や革新的なマーケティング戦略を考えられる社員が増えて、企業全体の生産性が高まります。しかし、社員の洞察力を効果的に高めるためには、一体どのような方法を取り入れれば良いのでしょうか。ここでは、社員の洞察力を高めるために、社員自身や人事担当者ができることを紹介していきます。
- 1.クリティカルシンキングを鍛える
- 2.ゼロベース思考を学ぶ
- 3.メンターを通してトレーニングする
- 4.専門講師による研修を実施する
1.クリティカルシンキングを鍛える
クリティカルシンキングとは、自分がいつも無意識のうちに取っている行動や考えを、批判的に捉えなおす思考方法です。「なぜそのように考えるのか」「本当にその行動は必要なのか」「もし異なるシーンだったらどう行動したのか」といったフレームワークを用いて、自分の考えや行動を多角的に見つめ直します。そのため、自分の思考を分析的かつ客観的に捉えることで、主観や先入観の存在に気が付く可能性があります。
洞察力を高めるためには、主観や先入観に捉われることなく、物事を客観的に分析することが重要です。洞察力を高めたい場合、クリティカルシンキングを鍛えるメソッドを日々の思考プロセスに取り入れることがおすすめです。具体的には、業務で何らかの行動を取る度に、その行動を取った理由や行動の必要性を自分に問いかける習慣をつけるトレーニングが挙げられます。また、上司が社員にこうした問いかけを行うことで、クリティカルシンキングを促すのも有効です。
2.ゼロベース思考を学ぶ
ゼロベース思考とは、これまで身に付けてきた知識や思い込みを一度捨てて、ゼロの状態から物事を考える思考法です。人は物事を考えるとき、自分の価値観や経験、知識に基づいて思考を行うことが多いものです。しかし、それでは先入観や主観に捉われてしまい、物事の本質を推察することが難しくなってしまいます。
ゼロベース思考を学ぶことで、自分の価値観に縛られ過ぎることがなくなり、柔軟に物事を捉えられるようになります。ゼロベース思考を学ぶ方法としては、ゼロベース思考に詳しい専門講師を招いて研修を開くことがおすすめです。特に、グループワークを通してゼロベース思考を実践できたり、受講者の思考のクセを講師がアドバイスしたりといったカリキュラムが効果的です。
3.メンターを通してトレーニングする
メンターとは、指導対象となる社員に対して、仕事上の相談に乗ったりアドバイスをしたりして、キャリア上のサポートを行う先輩社員です。メンターに選ばれる先輩社員の条件は、企業によってさまざまですが、直属の上司が選ばれることは少ない傾向にあります。これは、メンターの役割は上司として仕事を振り分けることではないためです。多くの場合、職場内や他部署の先輩社員がメンターとなって、対話を通じて社員自身の成長を促します。
洞察力を高めるためには、客観的に思考を行うトレーニングが必要ですが、メンターとの対話では自分の先入観や主観に気が付く効果があります。例えば、普段何気なく取っている行動や考えに対して、メンターが指摘や問いかけを行うことで、社員は自分自身の思考過程を振り返ることができます。その結果、先入観や主観に捉われずに思考できるようになって、物事の本質を推察する力が身に付くのです。
4.専門講師による研修を実施する
洞察力を高めるためには、クリティカルシンキングやゼロベース思考といった、思考方法に関する専門的な知識が必要です。社内にこうした知識に詳しい人材がいない場合、研修のプロである専門講師を招いて研修を行うのがおすすめです。
洞察力に関する研修では、洞察力の定義を改めて確認したうえで、クリティカルシンキングやゼロベース思考の考え方や実践方法を学べます。また、グループワークを通して、自分の思考のクセを客観的に把握できるため、洞察力の育成に効果的です。特にオンライン研修であれば、研修会場に移動する交通費や研修会場の費用が必要ないため、企業にとっては費用面のメリットがあります。
05洞察力を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
洞察力を向上させるSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、洞察力を向上させる授業を紹介いたします。
カオスな世界を切り取る「洞察力の学び方」
この授業は、新しい業務やスキルにあった「学び方を学ぶ」授業です。 新しい業務やスキルが生まれたとき、最初は専門家が担います。そのニーズが徐々に高まるにつれて、専門家だけでなく誰もが当たり前に使えるスキルとして広がっていきます。この変化を先取りし、これから身につけるべき業務やスキルを会得することで私達のキャリアの選択肢は広がるでしょう。しかし、先端の思考やスキルであればあるほど「まずはやってみて」以上のアドバイスを得られないこともしばしば。そこで本番組は、時代を先取りしたビジネスで活躍する方々を先生にお招きし、どうすればその能力を身につけることができるのかを、双方向形式でお話いただきます。
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株式会社トライバルメディアハウス 代表取締役社長
1973年 横浜出身。ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表を経て現職。大手クライアントのソーシャルメディアマーケティングや熱狂ブランド戦略を支援する。日本マーケティング協会マーケティングマスターコース、宣伝会議講師。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
クリティカルシンキング実践演習
クリティカルシンキングとは、物事の本質を見極める思考法です。例えば会議や議論の場で、雑多な意見や抽象的な情報、偏った思考にとらわれそうになるとき。クリティカルシンキングを活用することで、本質的な答えを導き出すことができるようになります。今回は、とある企画会議を題材にしたケーススタディ方式の問題に取り組みながら、クリティカルシンキングの力を高めるために必要な視点と考え方を紹介します。
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YouTuber/外資系コンサルタント
大阪府出身。ITソフトウェア企業に入社後、プロジェクト管理業務に従事。経済産業省プロジェクトマネージャ試験、国際資格PMP(Project Management Professional)などを取得。プロジェクトマネジメントの専門家として 大手メーカーのプロジェクトマネジメント業務に携わる。その後外資系コンサルティングファームに転職しIT・会計を中心とした経営コンサルタントとして従事。副業ではプレゼンテーション・思考法の専門家として、コンサル・セミナー・執筆などで活動。YouTubeチャンネル『マナビジネス』では「学び」+「ビジネス」をテーマに仕事の現場で使える仕事術についての情報を発信している。【YouTube】https://www.youtube.com/c/manabusiness/div>※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
推論[入門]
ルールやロジックだけでは仕事が前に進まない瞬間に出くわした経験はありませんか。業務で成果を上げるために、手順を守ったりや論理的思考は大切で、誰もが望むことです。言い換えると、他者から抜きに出るためには、それ以上の能力が求められます。推論の技術は、限られた情報の中で新しいことに挑戦するための必須スキルです。本授業は、この「推論」とは何か、どのように行うべきか学ぶ入門レベルの講義です。
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株式会社朝日広告社 プランニングディレクター
株式会社朝日広告社ストラテジックプランニング部プランニングディレクター。産業能率大学院経営情報学研究科修了(MBA)。日本マーケティング協会マーケティングマスターコース修了。外資系コンサルティングファームなどを経て現職。「外資系コンサルティングファームで培ったロジック」と「広告代理店で培った発想力」のハイブリッド思考を武器に、メーカー・金融・小売り等、幅広い業種のクライアントを支援。マーケティングやブランディング・ビジネス思考をテーマにしたブログ「Mission Driven Brand」を運営。ハンドルネームはk_bird。著書に『問題解決力を高める「推論」の技術』(フォレスト出版)がある。■Mission Driven Brand:https://www.missiondrivenbrand.jp/
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
06まとめ
課題や物事の本質を見抜く洞察力。課題の根本的な解決や多角的な思考による新たな発想といったメリットがあるため、ビジネスにおいてとても重要なスキルです。しかし、洞察力を効果的に高めるためには、さまざまな思考方法に関する専門的なスキルが必要です。そのため、洞察力を高めるメソッドに詳しい専門講師に依頼して、研修を実施するのがおすすめです。社員の洞察力を育成して、企業全体の生産性を高めたいという人事担当者は、ぜひ洞察力に関する研修を実施してみてはいかがでしょうか。
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20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
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