公開日:2021/02/04
更新日:2023/10/29

企業研修でプログラムを作成するメリットと作成の流れを解説

企業研修でプログラムを作成するメリットと作成の流れを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

グローバル化やテクノロジーの発展など、様々な外部要因により人々の働き方は変化しています。そういった中で、変化に対応していくために社員の能力開発は必要不可欠なものとなっています。 より効果の高い方法で人材育成を行うことで、企業全体の業績にプラスの影響を与えることができます。 そこでこの記事では、企業の研修において適切な研修プログラムの作成方法を解説するので、プログラムをこれから作成する、または見直しをしたという方はぜひ参考にしてみてください。

 

01そもそも研修の目的とは?

研修プログラムを作成する前に、まずはそもそも研修はどのような目的で実施されるのかを理解しておく必要があります。 どのような研修でも大まかな目的としては以下のようなものが挙げられます。

リーダーの育成

経営環境は常に変化しており、いわゆるワンマン経営で会社を成長させてきたトップであっても世代交代の時期を考慮する必要があります。また、トップだけでなく、中間管理職などのリーダーポジションを担える人材も育成していかなければなりません。 そのため、次期経営者やリーダー候補となる人材を育成することを目的として、会社経営や人材マネジメントに必要な目的意識と知識・スキルの教育に取り組むためのプログラムを作成する必要があります。

OJTでは補えない知識の習得

人材育成のための研修方法として、OJTを採用している企業は多いですが、現場で実務スキル・経験を身に着けられる一方で、知識を体系的に身に着けることが難しいというデメリットが挙げられます。 そのため、OJTだけに頼らずOFF-JTとして研修を実施し、不足している知識を身に着け、学んだことを現場で活かす環境を整えることが重要です。 また、すべての社員が自分に必要な知識を正しく身に着けていることで、後から入ってくる部下に対して適切な指導ができるようになることも期待できます。

若手社員の基礎スキルの底上げ

Excelスキルやタイムマネジメントのスキルなど、緊急度は高くないと思われがちではあるものの、重要な基礎スキルの底上げを図っていくことも研修の目的の一つです。 実務に必要なスキルだけを研修で実施する企業も少なくありませんが、こうした基礎スキルこそ研修で実施することが重要です。 特に若手社員のうちからこうした研修を実施し、社員一人ひとりの能力が高まることで、企業全体の生産性が向上して売上の増加につながります。また、残業などの社内課題の解決も期待できます。

 

02企業研修でプログラムを作成するメリット

企業研修を行う際に、プログラムを作成するプロセスは欠かせないものとなっています。では、作成にはどのようなメリットがあるのかについてここで解説します。

研修を体系的に進めることができる

企業研修プログラムを作成する最大のメリットの一つは、研修を体系的に進めることができることです。プログラムを設計し、カリキュラムを組み立てることによって、計画的な人材育成を進めることができます。この体系的なアプローチにはいくつかの利点があります。 体系的な研修プログラムは、教材の選定、トレーニングの進行、評価方法、進捗のモニタリングなどを調整しやすくします。プログラムの進行状況を追跡し、必要に応じて修正を加えることも可能です。 最後に、体系的な研修プログラムは、従業員にとっても予測可能性を提供します。彼らは研修の進行スケジュールや内容を理解し、自分の成長に集中することができます。これにより、モチベーションを高め、研修の効果向上にもつながります。

研修で得たノウハウを蓄積できる

企業研修プログラムの作成は、企業内で実施した研修に関するノウハウを蓄積する機会になります。 さらに、プログラムの実施を通じて、組織は従業員の学習スタイルやニーズについての洞察を得ることができます。フィードバックや評価を収集し、プログラムを改善するためのデータを蓄積します。これにより、将来の研修プログラムをより効果的に構築できるようになります。

 

03研修プログラムを作成する流れ

研修プログラムは数日間のものもあれば、年単位で作成する必要があるため、作成にあたってしっかりとした準備が必要です。 ここでは、研修プログラムをフローごとに解説していきます。

①研修予算を確保する

自社の事業計画や、昨年度の費用を参考にして、今年度または今回の研修予算を確保します。 予算の確保にあたり、昨年度とは異なる新しい研修サービスなどを利用する場合、そのサービスのWebページに記載している費用とは別途で費用がかかるケースもあります。 そのため、事前に見積りを依頼し、具体的な費用を算出してもらうと予算の決定がスムーズになるでしょう。

②研修計画を立てる

予算を確保できれば、研修計画を作成します。会社が期待する社員のスキルと、現状の社員のレベルを把握し、乖離が発生している部分を改善しなければならない内容を考えます。 そして、経営者や各部門の責任者からニーズのある育成内容をヒアリングしたり、他社事例などを参考にしながら、今回で実施する必要性が高い研修内容を洗い出します。 さらにその中から、確保した研修予算の範囲内で実施できる研修をピックアップし、実施タイミングなどの研修計画を立てていきます。

③研修プログラムを作成する

研修計画を立てたら、ようやく研修プログラムの作成です。 新入社員研修のプログラムを例にとると、以下のようなイメージになります。

時間 研修内容 目的とゴール 実施方法
9:30 - 10:00 オープニングセッション 新入社員への歓迎とプログラム概要の説明 講義
10:00 - 11:30 会社の歴史、ビジョン、ミッションに関するプレゼンテーション 会社の背景を理解し、組織の使命とビジョンを把握 講義
11:30 - 11:45 休憩 - -
11:45 - 13:00 組織の部門や役割に関する説明 各部門と従業員の役割を理解 講義
13:00 - 14:00 昼食休憩 - -
14:00 - 15:30 企業文化と価値観に関するワークショップ 組織文化を浸透させ、共感を高める 実習
15:30 - 15:45 休憩 - -
15:45 - 17:30 コミュニケーションスキルの向上に関するトレーニング 効果的なコミュニケーションを学ぶ 実習
17:30 - 18:00 1日目の振り返りと質疑応答 1日の内容を rep お題、質問への回答 ディスカッション

さらにここでは、研修プログラムを作成する上で抑えておきたい以下の3項目について詳細を決定します。

研修の目的とゴール

研修を通して何を学び、どう活かしてほしいのかを明確にしておきます。 目的やゴールを事前に参加者に伝えておくことで、学習意欲の向上や、現場でどのように活かせばいいのかを考えながら研修を受けられるので、研修の効果が高まります。

研修対象者、参加人数

新入社員などはあらかじめ対象者や人数が決まっていますが、既存社員における研修の対象者の絞り込みに迷うことがあるかと思われます。 そのため、対象者の絞り込みはあくまでも研修の目的に沿って考えると絞り込みがある程度容易になります。 また、参加人数については内容や対象者のレベルにもよりますが、研修を担当する講師が見きれる10名程度、それ以上であればアシスタント講師をつけておくと安心です。

研修方法

研修方法として代表的なものは、OJT、集合研修、社外研修、eラーニングが挙げられます。 社外研修は費用は社内で実施するよりも高額になりますが、社内で研修するためのリソースが不足している場合や研修ノウハウがないといった場合におすすめです。 また、eラーニングは自製と外部サービスを利用する2つに分かれますが、社外の集合研修と比較して安価に利用できる点や、スマホやPCで動画を視聴して学習するため、時間や場所を選ばずに利用できる点がおすすめです。

研修期スケジュール

研修内容や方法が決まったら、研修スケジュールを作成します。新入社員研修などはある程度スケジュールが固定されているので、その後に別の研修を入れることになります。 ただし、既存社員の場合は、業務の兼ね合いも考えつつ、できるだけ多くの人が参加できるように繁忙期を避けるなどの工夫をしてスケジュールを作成する必要があります。

 

04研修プログラムを作成するときのポイント

研修プログラムを作成するまでのフローを解説しましたがいかがでしょうか。 より良い研修プログラムを作成するうえで、押さえておきたいポイントがあるのでここで解説します。

企業の経営戦略に沿って考える

どんなに効果的なプログラムを考えても、企業の経営戦略に対応したものでなければ意味がありません。なぜなら、研修を通して最終的には企業の業績向上に貢献することが求められるためです。 そのため、企業として求める人物像を経営戦略などから明確化して、どのような人材を育成すればいいのかを把握してからプログラムを作成する必要があります。

研修のゴールは具体的なものにする

研修のゴールは、具体的な社員の行動を促すようなものが望ましいです。ゴールが不明瞭だと、研修後に何をすればいいのかわからず、研修の効果が弱くなってしまいがちです。 ゴールに具体性を持たせる方法として、期限設定や数値での定量的な指標を用いることが挙げられます。数値化が難しい場合は、「〇〇ができるようになる」といった内容でも構いません。 行動を促すようなゴールを設定することで、研修の効果をより高めることが可能となります。

 

 

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■資料内容抜粋
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・自己啓発への活用方法 など


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05Schooの研修プログラムの特徴

Schoo for Businessでは8,000本以上の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。


Schoo for Business
 
受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 8,000本
※2023年3月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,500円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております
 

階層別・職種別など様々な目的に合わせて学習できる

Schoo for Businessは、新入社員向けにビジネスマナーやビジネス文書など社会人としての基礎スキルを身に着けられる研修や、管理職向けにマネジメントやチームビルディングなど、幅広い階層に合った研修プログラムをご用意しています。 また、エンジニア向けのプログラミング研修、営業職向けの営業術に関する研修など、職種別の研修プログラムもご用意しているため、企業様の幅広いニーズに対応可能です。

階層別研修におすすめの研修パッケージ

階層別研修では、新入社員には基礎的なマナーやスキルを学んでもらい、中堅社員や管理職には部下の育成やマネジメントなどについて学んでもらうことが一般的です。ここでは、新入社員から管理職までの研修におすすめの研修パッケージを紹介します。

職種別研修におすすめの研修パッケージ

職種によって求められるスキルは様々ですが、Schooの研修パッケージを活用して職種別研修を行うことができます。Schooでは、営業職からデザイナー・エンジニアまで、幅広い職種に対応した授業を用意しているため、多様な職種に対応した研修を行うことができます。

テーマ別研修におすすめの研修パッケージ

社員それぞれの課題や改善点によって必要になってくるスキルは違います。Schooではビジネスマナーからチームビルディングまで、様々な種類の研修に対応できる研修パッケージを用意しています。

各分野の経験豊富な講師を招待

外部サービスを利用する際に気になることの一つが講師のレベル。Schooの研修動画では各業界における第一人者や専門家の方々にご登壇いただいており、ビジネスの第一線での経験に基づいた事例などを絡めて具体的に指導いただいています。 また、通常のeラーニングではすでに録画したものを視聴することがほとんどですが、Schooではライブ放送も行っており、参加者はチャットを通じて講師に直接質問することもできるため、実際の研修と近い環境で学習でき、受け身にならない仕組みとなっています。

研修プログラム設計を学べるSchooの講座

ここでは、実際にSchooで提供している研修動画の一部をご紹介しますので、興味のある方はぜひ視聴してみてください。

社員研修のあるべき姿

この授業では、社員研修の必要性や役割についてインストラクショナルデザイン(ID)を軸に学びます。 日本の企業は人を育てることを大切にし、多くの企業で社員研修が実施されています。一方で、「例年やっている内容を踏襲している」「業界的に決められたパターンの研修を実施している」といった惰性で行ってしまっているケースも見受けられます。 これまでは、そうした流れでも対応できてきた社会だったのですが、コロナ禍といった突然の危機による働き方の変化をはじめ情報通信技術(ICT)の急速な発展によって、日々、社会環境(市場)が激しく変化する今となっては、従来どおりの研修では社会(市場)に対応できる人材が育ちにくくなっています。 そこで、研修担当者として「何のために社員研修を行うのか」「研修の役割と担当者としての立ち位置」などを改めて問い直すために、インストラクショナルデザイン(ID)をもとにした研修のあるべき姿について学んでいきましょう。

 
  • 熊本大学教授システム学研究センター 教授

    1959年生まれ。Ph.D.(フロリダ州立大学教授システム学専攻)。ibstpi®フェロー・元理事(2007-2015)、日本教育工学会監事・第8代会長(2017-2021)、教育システム情報学会顧問、日本教育メディア学会理事・第7期会長(2012-2015)、日本医療教授システム学会副代表理事、日本イーラーニングコンソシアム名誉会員など。
授業名 社員研修のあるべき姿
時間 47分(47分×1コマ)
学べること ・研修のWhy・What・Howを明確にする
・カークパトリックの4段階評価モデル
・研修のデザイン方法
 

社員研修のあるべき姿を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

研修の組み立て方 ‐ 設計・実施・評価

この授業では、研修の設計から実施、評価までの一連の組み立て方について学びます。 多くの企業では毎年、研修が実施されているかと思います。一方で、研修の実施にあたっては前任者から引き継いだことを前年踏襲して行ってしまっているなど、少し惰性になってしまっているケースも見受けられます。 その中において、研修担当者としては「自社に適したより良い研修を作っていくにはどうしたらいいのだろう」という悩みも生まれてくるかと思います。 そこで、研修担当者のために研修の設計・実施・評価がデザインできるように、インストラクショナルデザイン(ID)をベースにヒューマンパフォーマンスインプルーブメント(HPI)、プロジェクトマネジメント(PM)の考え方を掛け合わせたビジネスインストラクショナルデザイン(BID)を基に研修の組み立て方について、講師2名のデモンストレーション形式で学んでいきます。

授業名 研修の組み立て方 ‐ 設計・実施・評価
時間 1時間50分(45分×1コマ,30分×1コマ,35分×1コマ)
学べること ・なぜ研修をするのか
・研修の出口とロードマップ
・集合研修と職場学習の設計
 

研修の組み立て方 ‐ 設計・実施・評価を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

これでわかる研修の目的設定とSchooの使い方

この授業では、研修の目的の明確化と目標設定、その達成に向けたSchooの活用術について学びます。Schooを効果的にご利用していただくために、研修の起点である「研修をなぜするのか?」「何をゴールとした研修を行いたいのか?」など、研修の目的の解像度を高める方法を学んでいきます。 研修を初めて導入する、人事に着任して間もない方をはじめ「研修に変化をつけたいが、どうすればいいかわからない」といった方など、研修設計のスタート時にまず見ていただきたい学習コンテンツとなっております。

 
  • サンライトヒューマンTDMC株式会社 代表取締役社長

    熊本大学大学院 教授システム学専攻 非常勤講師。製薬業界での営業、トレーニング部門を経て、起業。HPIやIDを軸とした企業内教育のコンサルティングやインストラクショナルデザイナー、インストラクターを育成する資格講座の運営を行っている。
授業名 これでわかる研修の目的設定とSchooの使い方
時間 1時間(60分×1コマ)
学べること ・研修をなぜ行うのか(目的の明確化)
・Howを考える前にGapをとらえる
・研修の目標設定(ゴールの決め方)
・ゴールと評価のデザイン
・Schooを効果的に使うには
 

これでわかる研修の目的設定とSchooの使い方を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

 

06まとめ

研修プログラムの作成は、企業の経営戦略に沿っているか、現場社員のニーズを汲み取れているか、など様々な視点と事前準備が必要です。 研修内容についても内容が目的と合っているか、対象者は適切であるかどうかなども十分に注意しながら検討することが重要です。 そして、研修のゴールとして実際に社員に行動を起こしてもらい、企業の業績向上につなげることを念頭に置きながら設定してみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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