新入社員が抱える課題例と育成担当者の課題を併せて紹介

新入社員が入社されると会社の中の雰囲気も活気付き、元気な声が響くという企業も多いのではないでしょうか。新入社員を受け入れるということは、企業にも大きな責任が発生します。社会人一年生を社会人として、戦力として育てることは簡単なことではありません。そこで今回は、新入社員が持ちやすい課題や育成方法に関する注意点についてご紹介していきます。ぜひ、今後の新入社員育成に役立ててください。
- 01.新入社員が抱える課題例
- 02.新入社員の育成における課題
- 03.新入社員の育成課題を解決する方法
- 04.新入社員研修|Schoo for Business
- 05.まとめ
01新入社員が抱える課題例
新入社員300人に調査をしたところ、新入社員が抱く課題で最も多いのは「業務の知識がない・手順がわからない」で29.7%でした。
次いで、「何がわからないかがわからない」が25%。「給料・報酬が少なかった」が24%で、ほぼ同値で2位・3位となっています。
この章では新入社員が抱く課題について、実際の調査データをもとに紹介します。

1:業務の知識がない・手順がわからない
新入社員の多くは仕事経験がなく、右も左も分からないような状態で入社してきます。そのため、仕事を任されても何をどうすれば良いのかわからなかったり、本当に不安だったりするのです。
2:何がわからないかがわからない
「何がわからないかがわからない」という新入社員も少なくありません。このような新入社員に「大丈夫?何かあったら聞いて」と声をかけても、わからないことがわからず質問すらできないという状態にいます。
3:給料・報酬が少なかった
新入社員においては、大企業でも中小企業でも給料はそこまで変わらず、概ね25万前後でしょう。ただし、社会人になれば給料がたくさん貰えるという期待を抱いていた人もいるのかもしれません。
4:萎縮して自分を出せない
萎縮して自分を出せないことに悩む新入社員もいます。特に先輩社員の圧が強かったり、発言に正しさや根拠を逐一求められるような社風の場合、経験や知識のない新入社員にとって発言すること自体が非常に高いハードルに感じてしまうのでしょう。
5:期待されている成果・業務ができていない
期待に自分の力が及ばないという課題に直面する新入社員も多いです。特に営業部のように数字を求められる部署に配属になった新入社員が、この課題を抱く傾向にあります。
6:悩みを相談する相手がいない
新入社員は不安なことばかりですが、同期が少なかったり、先輩社員が話しにくい相手だったりすると、悩みが相談できず自分の中で抱えてしまいます。特に、同期が少ないことで発散の場がないという課題を抱く新入社員は多いです。
7:わからないことを聞けない
先輩社員が忙しかったり、怖かったりすると「わからないことを聞けない」という課題を抱えてしまいます。声をかけるタイミングを逸した結果、仕事が進まず怒られると言った負の循環に陥ることも珍しくありません。
8:労働時間・休日等の労働条件が悪かった
「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」という課題を抱く新入社員も中にはいます。採用時に労働条件の話をしている企業がほとんどだと思いますが、本当のことを言うと採用できないと隠していたり、嘘をついていたりする企業も中にはあるのかもしれません。
9:仕事の内容に興味を持てなかった
配属ガチャという言葉もあるように、配属されて任された仕事に興味を持てないという課題を抱く新入社員も少なくありません。ただし、泥臭い仕事を嫌ったり、印象だけで毛嫌いしていたりする場合も多いので注意が必要です。
10:この会社は成長できないと感じた
入社してみたら、 想定よりも実情がひどく、この会社は成長できないと感じてしまう人もいるでしょう。この課題の要因は、先輩や上長のような身近な人の振る舞いや言動にあることが多いです。
11:上司や先輩と良い関係が築けない
人間関係の悩みは、新入社員にとって非常に大きな課題となります。特に仕事を教えてもらうことになる上司や先輩との関係性か築けないことは、新入社員にとっては転職を考えるに足る課題なのです。
12:ノルマが責任が重すぎた
1年目なのに目標が高すぎるという課題を抱く新入社員もいます。この課題を抱く新入社員は、スタートアップのような即戦力を求める企業に多いです。また、営業部のような数字を追い求める部署でも、この課題を抱く新入社員が多いでしょう。
13:会社の雰囲気・社風が合わなかった
会社の雰囲気や社風は、入社してからしかわからないものです。「実際に入ってみたら、意外と年功序列だった」・「アットホームな社風だと思っていたけど、ぬるいだけだった」といった入社前とのイメージギャップを課題に抱く新入社員もいます。
02新入社員の育成における課題
新入社員の育成担当者の課題は、「育成に割く時間があまり取れない」で全体の44%と最も高い結果となっています。
次いで、「どう育成して良いか分からない」・「部下に成長意欲がない」と続いており、自身の育成スキルの無さだけでなく、新入社員の意欲も課題のようです。
1:育成に割く時間があまり取れない
新入社員を丁寧に育成したいが、自分自身も目標を持って、プレイヤーとしての役割も果たさなければいけないという人がほとんどでしょう。特にリモートワークを容認している会社だと、新入社員に声かけすらできず、気づいたら1日放置してしまっていたという事態も珍しくありません。
2:どう育成して良いか分からない
新入社員の育成担当者に、育成のスキルがないという課題もあります。新入社員のOJT担当には若手社員が抜擢されることが多く、誰かに何かを教えたことがないという人もいるでしょう。
3:新入社員に成長意欲がない
育成担当者は頑張っているが、新入社員に成長意欲がなく、何を教えても響かないという課題もよく聞かれます。成長意欲の減衰は、配属先が希望と異なったりすると起こりやすい傾向にあります。
4:コミュニケーションがうまく取れない
新入社員と育成担当者の年齢が離れすぎていると、ちょっとした雑談で何を話せば良いかわからないという課題が起きやすくなります。それ以外にも、新入社員のロジカルシンキングが未熟なため、何を言いたいかよくわからないと言った能力的な問題もあります。
03新入社員の育成課題を解決する方法
新入社員の課題を解決するには、以下のポイントを抑える必要があります。
- 1:現場を巻き込む
- 2:先輩社員の教育も計画に入れる
- 3:過度に成長を期待しない
- 4:相談できる環境と仕組みをつくる
以下でそれぞれの内容について詳しく紹介します。
1:現場を巻き込む
新入社員の育成は、人事だけでなく現場を巻き込んで組織全体で行うようにしましょう。人事と現場が連携して、育成目標に対しての進捗を共有しながら、相互にフォローしていくことで新入社員を組織として育てる文化が根づきます。
特に、現場の管理職やOJT担当者を新入社員の育成の計画を立案するタイミングから巻き込むことで、新入社員の育成を自分事と考えてもらいやすくなります。
2:先輩社員の教育も計画に入れる
新入社員の育成は、実際に教育をする現場社員の能力が問われます。また、ティーチング・コーチング・フィードバックなどの基本スキルを知らないまま、新入社員の教育担当をすることは、新入社員にとっても教育担当者にとっても不幸な事態を招きかねません。
最低でも、OJTやメンターを担当することになる社員には、新卒教育の基礎スキルを学ぶ機会を与えるようにしましょう。
3:過度に成長を期待しない
即戦力人材になってほしいがあまり、非常に高い目標を新入社員に課してしまうこともあるでしょう。ただし、成長速度は人それぞれであり、過度に成長を期待しないことが重要です。
多くの企業では、現場のOJT担当者も管理職もプレイヤーを担っており、新入社員に丁寧に教えることができず、背中を見て学べとなってしまっています。これを回避するためにも、新入社員に1年後なってほしい人材像は高望みせず、現実ラインで設定する方が良いでしょう。
4:相談できる環境と仕組みをつくる
新入社員の課題を解決するためには、その課題を察知する環境と仕組みを構築する必要があります。また、いつでも相談できるということを新入社員に伝えることも重要です。
ただし、自分から言い出せる社員だけではないことも頭に入れ、先輩や同期同士でも声を掛け合うような文化を醸成していく必要があります。ちょっとした違和感でも「大丈夫?」と声をかけることで、事態が深刻になる前に課題を察知することができるようになります。
04新入社員研修|Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、様々な種類の研修に対応しています。新人研修はもちろんのこと、若手社員研修・管理職研修からDX研修まで幅広いコンテンツで全てを支援できるのが強みです。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 9,000本 ※2023年5月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
Schooの新人研修の特長は、ビジネスマナーからマインドセット、ロジカルシンキングやExcelまで、新入社員に求められるスキルに関する幅広いコンテンツが充実しているという点にあります。また、営業基礎やマーケティング基礎のような授業も揃っており、現場に配属されてからの研修や自律学習という側面でも活用できるという点も特長です。
また、Schooはeラーニングによる研修受講となるので、社員1人ひとりが好きな時間や場所、タイミングで研修を受講することができるので、リモートワークを導入している企業や多拠点展開している企業におすすめです。
Schooの新人研修カリキュラム
様々な研修に対応できるSchoo for Businessでは、新人研修にも対応しています。Schooの新入社員研修パッケージには、ビジネスマナーやロジカルシンキング、さらにはOAスキルなどがラインナップされており、この記事内で紹介したスキルを全てこの研修パッケージで網羅できます。
さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。
社会人基礎スキル
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新社会人のためのビジネスマナーの基本を学ぶカリキュラムです。第一印象の磨き方(身だしなみ・挨拶・敬語)や、社内マナー(ホウレンソウ・名刺交換・電話応対など)について解説しています。
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社会人としてのマインドセットを習得するためのカリキュラムです。「思考」「実行」の2つの視点で、すぐに現場で実践できるビジネスに必要な力を学びます。
OAスキル
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基本的なPowerPointの使い方を学ぶことができます。スライドや図表の作成やスライドショーの使い方など、新入社員や若手社員が身につけるべきスキルについて学ぶことができます。
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見やすいグラフやスライド資料の作成方法を学ぶカリキュラムです。独学で悩みがちなテーマを、具体例や実践例を交えながらお伝えします。
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Excelを活用したデータ分析について学べる研修パッケージです。データ分析をする際の考え方から、「並べ替え」「オートフィルタ」「ピボットテーブル」などのExcel分析に必要な機能について学ぶことができます。
ロジカルシンキング
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「ロジカルシンキング」という言葉を初めて聞いた人、言葉は知っていても具体的にイメージできない人を対象とした入門編の授業です。 具体的には、「ロジカルシンキングとは何か」「ロジカルシンキングの基礎となる技術」などについて、3回の授業を通じて学びます。 この授業を通じて、ロジカルシンキングに興味を持っていただくことがゴールです。
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若手社員向けのロジカルシンキングに必要な思考法について学ぶカリキュラムです。論理性を高めて業務を遂行していく際に必要な思考法について解説していきます。
プレゼンテーションスキル
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人前で話すときのポイントや論理的に話す力、シンプルに伝えて相手を動かす技術について学び、プレゼンテーションの基礎を身につけることができます。
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相手の心を動かすストーリーのあるプレゼンテーションを学ぶことができます。プレゼンテーションのプロが一般の方のプレゼンを添削し、より良いプレゼンに修正する過程を見て、伝わるプレゼンの法則を学ぶ授業をすることもできるため、より実戦的なスキルを身につけることができるはずです。
Schooの新人研修カリキュラム例
研修時間目安: 10時間(60分×10コマ)
全10時間で、ビジネスマナーや報連相を学ぶことができます。ビジネスメールや名刺交換などのビジネスマナーだけでなく、報連相の重要性や適切なタイミングも同時に学ぶことで、社会人としての基礎スキルを習得できる研修パッケージとなっています。
授業名 | 仕事がデキると思われるビジネスマナーの基本 |
時間 | 5時間(60分×5コマ) |
学べること | ・好印象を与える身だしなみ、あいさつ ・敬語の仕組み ・電話対応の方法 ・報連相のポイント ・来客応対の方法 ・円滑に進める会議術 ・訪問時の対応方法、名刺交換 ・プレゼンの基本 ・クレーム時の対応方法 ・接待のポイント |
授業名 | もっと伝わるコミュニケーション術 |
時間 | 3時間(60分×3コマ) |
学べること | ・伝わるメールの書き方 ・コミュニケーションのポイント ・質問力の重要性、磨き方 ・伝わるプレゼンの方法 |
授業名 | デキる若手の報連相 |
時間 | 2時間(60分×2コマ) |
学べること | ・報連相の目的、重要性 ・報連相のポイント ・報連相に必要なベーススキルとは ・ロジカルシンキングの基本 ・MECEの重要性、実践ワーク |
05まとめ
今回は新入社員の課題をテーマに注意すべきポイントなどをご紹介してきました。社会人になり環境が大きく変わる新入社員は多くの課題を持っています。その一つ一つを解決する役割が人事部門や配属先部門にはあります。ここでご紹介した内容が、各部門や新入社員の課題解決の手助けになれば幸いです。