公開日:2021/05/28
更新日:2024/03/28

セクシャルハラスメントとは?職場における防止策を紹介

セクシャルハラスメントとは?職場における防止策を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

職場環境を整えるためにはセクシャルハラスメント防止策を考える必要があります。この記事ではセクシャルハラスメントの原因や、どんなハラスメントの防止策を行うことができるのか、内容を紹介していきます。

 

01セクシャルハラスメントの定義

セクシャルハラスメントとは、職場などで相手の意思に反して不快な不安や状態に追い込む言動のことです。一般的には略語でセクハラと言われています。 原因としては、職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により、労働者が労働条件において不利益を受けること、また職場において性的な言動により労働者の就業環境が害されることを意味しています。また、セクシャルハラスメントは主に以下のふたつに大別されます。

参考:セクシャルハラスメントとは|コトバンク

対価型セクシャルハラスメント

対価型セクシャルハラスメントは職場などにおいて、立場や階級の上下関係を利用して下のものに対して性的な言動や強要を行うことです。 たとえば上司が部下に対して自分の立場を利用して性的な対応を求めることがあります。上司という階級だと部下の場合は強く反論することができません。 上司に反論して強要を拒否されたために、相手を解雇や配置転換させたのであれば、立派なセクシャルハラスメントと言えます。このようにして部下を精神的に追い詰めているパターンが散見されます。

対価型セクシャルハラスメントの事例

対価型セクシャルハラスメントの事例としては次のようなものが挙げられます。

  • ・上司部下の関係を利用して性的関係を要求する
  • ・昇進や昇給を対価として、性的関係を強要
  • ・性的発言に抗議した結果、不利な配置転換をおこなうこと

このように、立場を利用した性的な関係の強要などは、対価型のセクシャルハラスメントに該当します。

環境型セクシャルハラスメント

環境型セクシャルハラスメントは、直接的な言動はなくても、性的イメージを彷彿とさせるポスターを提示するなどして嫌がらせをすることです。 性的な本や雑誌などを相手の仕事机や事務所に故意に置き、間接的に相手を精神的に追い詰める悪質なパターンといえます。環境型の場合は直接言動を受けない分、反論や相談をしにくいと感じる人もいます。

環境型セクシャルハラスメントの事例

環境型セクシャルハラスメントの事例としては次のようなものが挙げられます。

  • ・身体的特徴や容姿について相手を不快にさせる発言をする
  • ・交際の有無や結婚、出産など、プライベートについて尋ねる
  • ・抱きついたり、身体を触ったりするなど不必要な接触をする

上司と部下の関係性が近く、実施している側は冗談でおこなってしまったり、無意識的におこなってしまうものもあるため、管理職やマネジメントする側は特に注意するべきポイントです。

▼環境型セクシャルハラスメントについて詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】環境型セクハラとは?具体例や企業ができる対策を解説

 

02セクシャルハラスメントの判断基準とは

セクシャルハラスメントは個人の感じ方に依存する部分があり、判断が難しいと思われるかもしれません。そこで、客観的な判断ができるように厚生労働省は以下の判断基準を示しています。

  • ・一般的には意に反する身体的接触によって強い精神的苦痛を被る場合には、一回でも就業環境を害することとなり得る。
  • ・継続性または繰り返しが要件となるものであっても、回数のみを判断材料とはせず、少ない回数でも「明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態」又は「心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合」には、就業環境が害されていると判断し得る。
  • ・被害を受けた労働者が女性である場合には、「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、被害を受けた労働者が男性である場合には「平均的な男性労働者の感じ方」を基準とすることが適当。

セクシュアルハラスメントのパターンは様々であり、個人の状況を考慮する必要がありますが、上記を参考に客観的な判断を下すことが必要です。

引用:職場におけるハラスメント対策マニュアル

 

03ハラスメント対策は企業の義務

セクシャルハラスメントをはじめ、パワーハラスメントなど職場ではいろいろなハラスメントが行われていることがあります。ただ、職場でハランスメントが行われているのであれば、労働者は安心して働くことができず、労働環境が害されるため、大きな苦痛を抱えてしまいます。 今はハラスメント防止法などで企業はセクシャルハラスメントに関して防止対策を取ることが義務付けられました。そのため、各企業はハラスメントが職場で行われないようにハラスメント防止対策を取る必要があります。どのような対策を取ることができるのかを紹介します。

従業員に意識の徹底をはかる

ひとつ目の防止には、従業員にハラスメントをしないように徹底的に意識させることです。ハランスメントを故意に行う人もいれば、悪気なく行っている人もいます。 そのため、企業で独自にハラスメントに関する講習を行うこと、また職場での接し方に関する研修を行うなどして、どのような言動がセクシャルハラスメントになるのかを教えることができます。 ハラスメントに関しての知識を職場の全員に教えることで、ハラスメントを行わない基盤を作ることが可能です。社員一人ひとりがハラスメントに対して意識をすることで、ハラスメントが起こらない職場環境を期待できます。

普段から職場環境に対するチェックを行う

ハラスメントを防ぐためには職場環境をチェックすることも大切です。職場環境を社員に任せっきりにしていると、ハラスメントが横行することもあり、社員が働きにくい環境となってしまうことがあります。 職場環境のチェックは定期的に部署周りで行うこともできますが、ハラスメントの相談を受ける窓口の設置もおすすめです。窓口を設置することで、従業員は職場環境について相談することができます。相談を受け、ハラスメントが職場で横行されているのが分かると、迅速に対応して適切な処置を行うことができます。 また、自分の周りにハラスメントについて相談できる人がいないのであれば、その労働者は一人で悩みを抱えてしまうことになります。しかし、それも相談窓口があることで精神的負担を軽減させることができます。職場環境のチェックをできるように、取り組んでいきましょう。

未然の防止対策を講じる

ハラスメントに関して未然に防止対策を取っておくことも大切です。ハラスメントを防ぐためには、就業規則や労働者の取り扱いに対して徹底しておく必要があります。 規則や取り扱いとしては、たとえばハラスメントをした者には減給、さらに悪質なハラスメントであれば懲戒処分や解雇の可能性があることを記載しておくようにします。ハラスメントに対して厳しく取り締まることで、従業員はハラスメントを起こさないように十分配慮するようになるはずです。

 

04セクシャルハラスメントにおける加害者の責任

セクシャルハラスメントは「民事」「刑事」両方で加害者の責任が存在します。どちらも民法・刑法両方で罰則が定められているため、ここで解説する内容を押さえておきましょう。

民事上の責任

民事上の責任として、加害者は民法709条「不法行為における損害賠償」にもとづき、慰謝料の支払いをしなければなりません。基本的に民事の場合は、金銭面での責任が挙げられます。

刑事上の責任

刑事上の責任として、強姦罪や侮辱罪、強制わいせつ罪などが成立します。これらは被害者がセクシャルハラスメントを通じて、どのような傷を負ったかで異なります。基本的に許されざる行為のため、社内でセクシャルハラスメントに該当する事案が発生した場合は、警察へ被害届を提出する必要があることも念頭に置いておきましょう。

 

05事業主が雇用管理上講ずべき措置とは

事業主は職場において、セクシャルハラスメントなどが発生しないように適切に対応するための整備や雇用を措置を講じることが男女雇用均等法で規定されています。 そのため、事業主は職場環境のハラスメントにおいての対策措置を講じることが大事です。具体的にどのような措置を行えるのかは以下のような方法で行うことができます。

セクシャルハラスメントに厳正に対処する規定

セクシャルハラスメントにおいては、厳正な対処をする規定を定めることです。セクシャルハラスメントが起こらない措置としては、規則を作成すること、またセクシャルハラスメントに当たる内容を資料として作成し、労働者に閲覧してもらうことができます。 また、セクシャルハラスメントを行った者の罰則についての規定も考えられます。厳正な対処を定めることで、労働者にセクシャルハラスメントの防止を義務付けできます。

相談や苦情の窓口を整備する

従業員の相談を聞く場を設けることも重要な措置です。従業員の相談場所があれば、適切な対応をするための整備を行え、セクシャルハラスメントが職場で行われているのかどうかを確認できます。 相談窓口は、定期的なカウンセリングを行うこともひとつの方法であるため、自社に合う方法を採用するようにしてください。

内容や状況に応じ適切に対応する

職場におけるセクシャルハラスメントの事実関係の確認が行えたら、迅速に行動できるように取り組む必要があります。 セクシャルハラスメントを行った労働者に対しては規則に沿った処遇を行うこと、また被害を受けた労働者には配慮を考えて、部署替えやカウンセリングを実施するなどの措置が必要です。この体制を整えておくことをおすすめします。

 

06職場におけるセクハラ防止の効果を高めるためには

職場におけるセクハラ防止の効果を高めるためには、従業員の教育の実施と認識が必要です。どのような方法で認識を高めることができるのか、以下の4つの方法で取り組むことができます。

従業員に周知徹底をする

従業員に周知徹底させることで、セクハラの防止ができます。周知徹底させるためには、管理や監督者が主に従業員に対してセクシャルハラスメントの明確な説明を行う必要があります。 周知徹底させるためには、就業規則でセクシャルハラスメントにあたる内容を記載して講習を行い、予防策を講じておくことができます。周知をすることで、セクシャルハラスメントが重大な行為であることを認知させましょう。

対策マニュアルを作成する

対策マニュアルを作成することも重要です。対策マニュアルとしては、どのようなことがセクシャルハラスメントになるのか資料にまとめて、従業員全体に閲覧してもらうことができます。 朝礼を定期的に開いているのであれば、その際にセクシャルハラスメントについて具体的に喚起することで、従業員のセクシャルハラスメントの予防が可能です。

啓発する

啓発させることも、セクシャルハラスメント防止として重要な方法です。従業員は講習や研修を受けたとしても、学んだことを忘れてしまうことがあります。そのため、一度ハラスメントについて従業員に教えて終わりではなく、定期的に啓発していくことが重要です。 啓発させる方法としては、社内のホームページでセクシャルハラスメントが起こる言動や原因について記載させておくこと、また、仕事始めの朝礼で就業規則を破った者は懲戒や減給があることを述べることができます。啓発させることで従業員は常にセクシャルハラスメントに当たる行動を避けられるでしょう。

ハラスメント研修を受ける

ハラスメント研修を行うこともできます。ハラスメント研修は実際にどのような行為がセクシュアルハラスメントに当たるのかを、直に理解することができます。 セクシャルハラスメントは、講習を聞くだけではイメージすることができない人も存在するため、ハラスメント研修を行って認知させるようにしてください。

 

07セクハラ防止に役立つSchooのオンライン研修

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セクシャルハラスメントに関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、セクシャルハラスメントに関する授業を紹介いたします。

ハラスメントを正しく知る- 全ビジネスパーソン向け

このコースでは主に職場で問題になるパワーハラスメント、セクシャルハラスメント、SOGIハラスメント、マタニティハラスメントについて、その内容とどういった言動がハラスメントに当てはまるかについて、法令や判例にそって解説します。

 
  • 社会保険労務士法人グラース 代表

    特定社会保険労務士、ハラスメント防止コンサルタント。ダイバーシティ(仕事と育児・介護の両立、多様な働き方、テレワーク導入、女性活躍、ハラスメント防止等)を専門領域としてコンサルティング、研修を多数実施。厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル作成事業」検討会委員をはじめ、多くの公的委員、調査に加わる。

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ハラスメントが起きたときの対応方

この授業ではハラスメントが実際に起こってしまった際の初期対応のポイントについて「被害者への相談」と「自分が当事者だと言われた」2つの場合で解説していきます。

 
  • 株式会社Niesul(ニースル)代表取締役/社会保険労務士

    大学卒業後、機械メーカー、コンサルティング会社を経て2010年にニースル社労士事務所を立ち上げ。以来、200社を超える社内制度づくり・働き方改善に関わる。 本音を言える場づくりを大切に、経営者・社員と「ともに」社内制度を作る参加型プロジェクト「みんなでつくる就業規則づくり」、ハラスメント防止のための研修など多数実施。 著書に『「社会人になるのが怖い」と思ったら読む 会社の超基本』がある。YOUTUBE「世界一わかりやすい就業規則」チャンネルを発信中。

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08まとめ

職場のセクシャルハラスメントについて紹介しました。セクシャルハラスメントは従業員の職場環境を害する行為に該当するため、徹底した防止策を講じる必要があります。職場環境を整えるためにもハラスメント防止はしっかり考えておくようにしてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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